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〔試合評〕森福の手のひらで踊らされたクリムゾンレッドの戦士たち──2012年4月5日(木)●楽天イーグルス6-7ソフトバンク

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楽天は9本、ソフトバンクは13本、両軍合わせて22本のヒットが飛び出した3回戦は、シーソーゲームの点取り合戦となった。楽天にとって1点が遠かった・・・そんなイメージになる惜敗となった。

たいへん見ごたえのあった4時間17分の攻防を、振り返ってみたい。


●楽天イーグルス6-7福岡ソフトバンクホークス


■ハイライト映像



楽天は前日と同じ顔ぶれのスタメンに

先攻・ソフトバンクのスタメンは、

1番・本多(ニ)、2番・明石(遊)、3番・内川(右)、4番・松中(左)、5番・小久保(一)、6番・松田(三)、7番・長谷川(中)、8番・ペーニャ(指名)、9番・山崎(捕)、先発・ピント(左投)。

後攻・イーグルスのスタメンは、

1番・聖澤(中)、2番・銀次(ニ)、3番・牧田(右)、4番・テレーロ(指)、5番・フェルナンデス(一)、6番・高須(三)、7番・鉄平(左)、8番・嶋(捕)、9番・枡田(遊)、先発・上園(左投)。

20120405DATA3.jpg
HANREI.jpg


楽天の反撃を食い止めた、森福の16球

やはり、追い着かなければならないのは、あの場面だろう。1点を追う8回裏の攻撃だ。

ソフトバンクはお得意の逃げ切りリレーに入る。左腕のセットアッパー、森福をマウンドに送り、9回は新守護神ファルケンボーグで締めるという算段だった。

楽天の先頭打者は1番・聖澤。この先頭打者が出ると出ないとでは大きく違ってくるはず。そう思って観戦していたなか、この試合ここまで3安打3打点の獅子奮迅の槍働きをみせていた背番号23番は、ここでもインハイの速球を少々詰まりながらも、しぶとく左前に運ぶフライヒットで出塁に成功する。反撃の足がかりになる無死1塁の状況を作ってみせたのだ。

1塁に聖澤を置いて、バッターボックスは内村。ここはスコアリングポジションに聖澤を送って、中軸の打撃に期待したいところ。しかし、内村が2度のバントファウルで追い込まれ、最後はバスターで打ちにいっての空振り三振。アウトカウントが1個増えただけの手痛い打席になってしまった。

森福は内村に対して5球を投げたが、1塁牽制球はそれを上回る7球を投じていた。

この状況、並大抵の投手なら、俊足を誇る聖澤を過剰に意識するあまり、打者への投球がおろそかになっても、おかしくない場面である。

ところが、森福は、違った。さすが、昨年の日本シリーズ第4戦で無死満塁を抑えただけのことはある。この試合でも、マウンド度胸は、すわっていた。

3アウトになるまで10回を数えた1塁牽制球や、思わず球審もタイムをかけるほど長く感じられたこの回の投球間隔は全て、楽天を手玉に取るため、森福が用意周到に張り巡らせた「罠」だったのである。

一見すれば攻撃側有利にみえたあの場面、森福はその1つ1つの動作で、楽天を確実に自らの土俵に引き込んでいたのではないか。楽天打線は攻めているようで、攻められていた。プレッシャーをかけているようで、かけられていた。三塁側ベンチ、打者・内村、走者・聖澤...クリムゾンレッドの戦士たちは、まんまと!森福の手のひらでいいように踊らされていた!!

話を無死1塁・内村に戻す。この状況、内村は聖澤をなんとかして2塁に送らなければならなかった。バントを試み2度ファウルになり、2-2と追い込まれてからの5球目をバスターで打ちにいって、空振り三振に倒れた。

先日読んだ『プロ野球のセオリー』で仁志敏久氏が送りバントについて、こんな発言をしている。


昨今のプロ野球ではバッテリーが簡単にバントをさせ過ぎている、という印象が強い。本来なら、スライダーや外に逃げる変化球でバッターを嫌がらせれば、失敗の確率はもっと増えると思うんです。僅差の終盤など絶対に進塁させたくないシーンというのは必ずあります。そんなときまで簡単にバントをさせてしまうチームは極論、「1」を争うことにこだわれないという点で強いチームとは言えない。


森福が内村に投じた球種を確認すると、シュートが4球、スライダーが1球。シュートは右打席の内村から逃げていく変化球になる。仁志氏の言葉を借りれば、バッターを嫌がらせて、失敗の確率を増やすピッチングをしていたことになる。

その後、1死1塁、3番・牧田は打ち上げ、ライトほぼ定位置の平凡飛球に倒れ、4番・テレーロはアウトコースの出し入れで追い込まれ、最後はインコース低めのスライダーにバットが空を斬り、空振り三振。結局、出塁した聖澤をホームに迎え入れることができずに終わっている。


4点取られた後、4点取り返すのではなく、あと1,2点欲しかった...

先頭打者が出塁した8回も惜しい場面だったが、悔やまれるシーンといえば、もう1つあった。

6回裏の攻撃である。直前の6回表、イニングまたぎの二番手・ハウザーがピンチを招き、火消しに向かった三番手の橋本が火に油を注いで、この回4失点。スコア楽2-7ソと5点を追いかける展開になっていた6回裏である。

マウンド上はソフトバンクの二番手・吉川。楽天はこの吉川の制球が甘くなったところを攻め、高須、鉄平の連打に代打・伊志嶺の四球で無死満塁のチャンスを作る。枡田がバットを叩きつける悔恨の空振り三振に倒れて1死満塁。3/31ロッテ戦の嫌なイメージが脳裏をかすめたが、それを払拭し、楽天打線に火をつけたのが、走者2人を生還させる聖澤の左翼線へのツーベースだった。

この後、マウンドは吉川から岡島に変わるも、牧田の内野安打となる適時打、テレーロの犠牲フライでさらに2点を返し、1点差。ホセも四球で歩き、2死満塁。押せ!押せ!の状況、球場大盛り上がりの場面で、打席は必殺仕事人・高須にまわってきた。


必殺仕事人vsチェンジアップ

1打出れば最低でも同点、普通に考えれば同点となる「胸熱な場面」だ。

ところが、殿下の宝刀は不発、ショートゴロに倒れてしまう。

この場面でも、ぎりぎりのところで相手バッテリー陣が高須に対して巧い攻めをみせていた。

岡島の武器といえるチェンジアップを低めに集め、空振り、ファウルを奪い、追いこんでさらにチェンジアップ。この配球が功を奏した。高須はホークス内野陣が待ち構える併殺網にひっかかってしまった。

この試合、高須はチェンジアップにまるでタイミングが合っていなかったのだ。1回の1打席目、ピントの低めチェンジアップに空振り、3回の2打席目にはピントの初球チェンジアップを打ちにいき、芯を外された平凡なセカンドゴロに倒れている。特に初球打ちで凡退した2打席目はストレートだと思って振りにいったのが、チェンジアップだったということなのだろう。

■高須 全5打席のチェンジアップ



1打席目、3打席目を踏まえた上での攻めをしていたのだ。この6回の打席、4球チェンジアップを投げ、高須は4回ともバットを振りにいき、空振りが1度、芯をはずされたファウルが2度、最後はショートゴロとなっていた。


■楽天・上園啓次 球種別投球詳細
St=スライダー、Sh=シュート、Fo=フォーク、Cur=カーブ
20120405DATA6.jpg

上園には保留をつけたい

4回2/3、打者21人に74球を投げ、被安打7、2奪三振、与四球2、与死球1、3失点、3自責点。

楽天での初先発となった上園、数字だけをみれば、赤点である。だが、ぼくの中ではぎりぎり保留としたい。一昨日、前日のような悪天候は収まりをみせていたが、この日も決して良好とはいえない気象条件で、強風も吹いていた。悪天候のなか、塩見、戸村がストレート主体の投球で結果を出したこともあったのだろう、上園も速球が全体の74.3%を占めていた。

制球もかんばしくなかった。74球のうち39.2%を占める29球がボールカウントに。下記配球図のとおり、球が高めに集まっていた。踏み出した足が突っ張ってしまうことで球離れが早くなってしまっている課題を依然修正できていないことが大きいと思うものの、悪環境の影響も否定できない。

フォークも機能しておらず、ストレートもシュート回転がかかっていたが、この1試合だけでは、上園が今季先発ローテで活躍できるか?どうか?は判らない所が多いため、次回登板に期待したいところである。


■楽天・上園啓史 配球図
※各コースの上段は直球、下段は変化球
20120405DATA5.jpg
20120405DATA4.jpg



■ソフトバンク・ピント 球種別投球詳細
St=ストレート、Sl=スライダー、Ch=チェンジアップ
20120405DATA8.jpg

5回、打者23人に110球、被安打4、被本塁打1(牧田1号)、2奪三振、与四球4、与死球1、2失点、2自責点。

全110球のうちボールは40.9%に当たる45球。制球に苦しんでいたピント。決して好投とはいえない内容なのだが、勝利投手で来日初勝利となったのは、なんだか釈然としないイメージ。


■ソフトバンク・ピント 配球図
※各コースの上段は直球、下段は変化球
20120405DATA7.jpg


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No title

昨日は今年初の現地観戦でした。

8回森福の投球は、「攻撃的」な「守り」 という状況だと改めて痛感。
実にまぁイヤな感じで牽制球を投げるから、聖澤も走れない…。
だからこそ内村がしっかりバントしないといけなかったがボールが良すぎた。銀次スタメンが続いて感覚が鈍ったのか?

6回高須の場面、ホークスも強い風ということで当日はチェンジアップが有効と掴んでいたと思います。
それより無死満塁で三振した枡田。
(スイッチ転向とかいろいろ書いてshibakawaさんの科学的分析を読み、左右関係なく打てばいいと納得。素人が騒いですいませんでした。)あそこで打てないとなぁ…。
阿部、西村は安打が出ているだけに。

上園は仙台の寒さに慣れずに指が縮こまった、と思うことに。
ただ来週再来週と5試合の日程なので、先発があるかどうか。5人の先発が早い回でKO続き、故障とかが無い限り、序盤・中盤の中継ぎでの起用でしょうね。
24日に仙台に帰ってからは3・9・6と交流戦前の連戦が続きます。
オリ3連戦で先発できるか。2軍の先発陣の結果次第でしょうか。

気になったのはホークスに盗塁され過ぎ。(イーグルスも多く盗塁したが)
三輪コーチもバッテリー陣に苦言を呈していました。
嶋の盗塁阻止率は昨年から落ちているような?
原因は投手の牽制・クイック下手か嶋の肩か。
今日から走らないオリックスが相手だけに原因がわかると思います。

もし嶋に原因があるとなると、伊志嶺・小山桂・岡島・小関と捕手はいる。(打撃とリードよりも肩とキャッチング優先なら彼らにもチャンスは思う)
中日の中尾が星野1次政権の2年目外野転向したことを思い出してしまうが、それは心配し過ぎでしょうか?

長々と失礼しました。


Re: No title

ゴールドクラブさん

コメント有難うございます。

> それより無死満塁で三振した枡田。
> (スイッチ転向とかいろいろ書いてshibakawaさんの科学的分析を読み、左右関係なく打てばいいと納得。素人が騒いですいませんでした。)あそこで打てないとなぁ…。

なんだか淡泊な打撃に映ってしまうのですが、三振で凡退しベンチにさがっていくときバットを叩きつけていましたから、相当悔しかったのでしょう、本人の中ではなんとかしようともがいているのでしょうが、それがなかなか結果につながらないのは、歯がゆい所でしょうね。

> 上園は仙台の寒さに慣れずに指が縮こまった、と思うことに。

したいところですね。この3ゲームシリーズ、両軍投手は(勝利投手になった塩見や戸村でも)制球が思うようになっていなかったですから。

> ただ来週再来週と5試合の日程なので、先発があるかどうか。

2軍で永井が順調な試運転をしていますからね。早ければ今月下旬にも1軍に合流するのでは?と思っています。代わりに誰がローテをはずれるのか? 1巡した中では上園が最も良くない内容だったのは事実ですしね。

> 気になったのはホークスに盗塁され過ぎ。(イーグルスも多く盗塁したが)
> 三輪コーチもバッテリー陣に苦言を呈していました。
> 嶋の盗塁阻止率は昨年から落ちているような?

嶋の盗塁阻止率は2010年もかんばしくなかった記憶があります。2011年になって、滑る統一球になったことで、ソフトバンクの細川もそのスローイングに苦慮していたという話を聞いたことがありますし、嶋も同様の課題を抱えているのかもしれませんね。

ただ、この3連戦は環境が普通と比べてあまりにも違いすぎましたよね。この3連戦の解説・杉山氏も指摘していましたが、あの強風が走者に対して有利に働いていたのでは?という側面も、強風がセンターからバックホームに吹いている場面もありましたから、捕手にとっては厳しい環境だったともいえます。実際、盗塁を刺したのは高谷が西村を指した1度だけで、ホークス側も走られていますからねえ。この2日間だけをみて、なにかをジャッジするには、難しいかな・・・という印象。お仕置きの意味をこめて、ベンチスタートになるかもしれませんが、長い目でみたら、嶋が正捕手であることには変わりがないわけで。

>もし嶋に原因があるとなると、伊志嶺・小山桂・岡島・小関と捕手はいる。(打撃とリードよりも肩とキャッチング優先なら彼らにもチャンスは思う)

現在2軍では岡島を重点的に育成しようという意図が伺えそうですね。ここまでファームの先発マスクの大半がこの新人ですし。

> 中日の中尾が星野1次政権の2年目外野転向したことを思い出してしまうが、それは心配し過ぎでしょうか?

これは、ない!と思います(笑)
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