〔記録〕今季、犬鷲大砲の出現はあるのか?ないのか?──楽天イーグルスの長打率をリーグ平均と比較!
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東北楽天ゴールデンイーグルスの年度別チームスタッツを、リーグ平均値と比較して眺めてみるシリーズの第2回目です。
昨日のエントリが第1回目で、OPSを取り上げました。
今回は長打率にスポットを当ててみたいと思います。
前回とりあげたOPSは得点との相関関係が最も高い打撃指標ですが、そのOPSは出塁率と長打率を足したものになります。そのため、長打率は出塁率と同様に非常に重要な打撃指標と言えるのです。
長打率は塁打÷打数で算出することができます。
塁打は「単打+ニ塁打X2+三塁打X3+本塁打X4」または「安打+ニ塁打+三塁打X2+本塁打X3」で導き出すことが可能です。打率は長打を考慮していませんが、計算式のとおり、長打率は長打を全て単打に置き換えて評価しているのが一目瞭然で、とてもシンプルで判りやすい指標と言えます。
(厳密に言うと、NPBでは長打率より出塁率のほうが重要とされています。OPSは長打率と出塁率が1:1の関係ですが、NPBの実情に即して言えば、1:1.5~1.6の割合になるそうです)
その長打率を楽天とリーグ平均で表し、年度別推移を確認するために作成したのが、下記のグラフになります。
■楽天イーグルス チーム長打率の年度別推移グラフ

楽天イーグルスのチーム得点が最も多かったシーズンは627点を獲得した2008年でした。しかし前回エントリでみたように「リーグ平均との比較」という視点で言えば、得点力が最もあったのは2007年になります。
創設以来、慢性的な長打力不足のイーグルスですが、長打率がリーグ平均に唯一追いついた年がありました。上記グラフのとおり、そのシーズンは最も得点力があった2007年になります。
2007年といえば、山崎が43本108打点で本塁打王・打点王に輝いた年です。他にも本塁打ランキング7位に22本を記録したフェルナンデスが名を連ねるなど、この年のチーム本塁打数はパリーグ3位の111本を残しました。また、リックが打率で2位、二塁打数でも31本を打って2位を記録するなどしています。
楽天の長打率とリーグ平均の差異を数字で再確認しますと、
2005年・・・-.049
2006年・・・-.032
2007年・・・±0
2008年・・・-.019
2009年・・・-.015
2010年・・・-.024
2011年・・・-.025
となっています。ようやく追いついた2007年から一転、2008年からリーグ平均との開きが徐々に大きくなってきているのが、ここでも確認できるのです。
次に、規定打席到達の打者対象のパリーグ長打率ランキングで、楽天の打者が何位に何人ランクインしているか?を年度別に調べてみました。選手名の赤字はリーグ平均以上を記録した打者、青字はリーグ平均を下回った打者を表しています。
2005年:リーグ平均.414
9位・・・山崎武司.525
19位・・・吉岡雄ニ.419
21位・・・礒部公一.417
2006年:リーグ平均.387
3位・・・フェルナンデス.541
12位・・・山崎武司.432
16位・・・リック.411
18位・・・鉄平.396
28位・・・高須洋介.357
2007年:リーグ平均.384
2位・・・山崎武司.577
9位・・・フェルナンデス.457
11位・・・リック.433
25位・・・礒部公一.365
26位・・・鉄平.364
28位・・・高須洋介.347
31位・・・渡辺直人.332
2008年:リーグ平均.404
10位・・・リック.477
11位・・・フェルナンデス.475
13位・・・山崎武司.471
22位・・・鉄平.403
25位・・・高須洋介.371
29位・・・渡辺直人.283
2009年:リーグ平均.406
5位・・・山崎武司.515
7位・・・鉄平.504
22位・・・草野大輔.411
30位・・・渡辺直人.343
2010年:リーグ平均.403
10位・・・鉄平.464
14位・・・山崎武司.446
25位・・・中村紀洋.397
27位・・・聖澤諒.389
29位・・・嶋基宏.377
2011年:リーグ平均.348
15位・・・松井稼頭央.381
21位・・・聖澤諒.343
25位・・・高須洋介.312
「規定打席到達(=まとまった打席数を打つ打者)」で「リーグ平均を越える長打率を記録した打者」の人数が、2009年から減っているのが印象的です。2009年は山崎、鉄平、草野の3人、2010年は鉄平、山崎の2人、2011年は松井の1人、という状況です。
なぜ長打力不足なのか?という命題を改めて考えてみるに、1つは、前回エントリにコメントをお寄せ頂いたhati8025さんも指摘していましたが、近年の外国人打者の補強や目玉補強が上手く機能していないのが、ここでも改めて確認できます。
例えば、2008年はシーズン途中にセギノールを補強しました。この年は好活躍をみせるものの、翌2009年は期待を裏切る結果となりました。2009年途中に戦列に加わってCS進出に貢献したリンデンや広島でそれなりの成績を残したフィリップスもセギノールと同じパターンを歩んでいます。日本人でいえば、中村紀洋も2年総額3億円の費用対効果からみれば1年目は鳴かず飛ばずでしたから「失敗」と言われても仕方のないものです。昨年で言えば、岩村がそれに該当しますよね。
もう1つはドラフトで獲得してきた生え抜きの若手の育成が上手く進んでいない点に尽きるでしょうね。ぼくの目からは、長打力不足解消の育成に向けて球団側がマジやばいと思い、重い腰をあげて本格的に取り組み出したのが、昨年秋からのように、どうしても感じられてしまうのです。(もちろん、そういうことはなく、それ以前にも2軍で中川に経験を積ませるなど、コーチ陣は努力してきたのだと思いますが・・・)
デーブ大久保打撃コーチの下、変貌を遂げようとしているイヌワシ打線。またはそのようなファンからの期待が高い2012年のイーグルスですが、はたしてシーズン終了後にパリーグ長打率ランキング上位に何人の選手を送りこむことに成功しているでしょうか?
ある特定の打者が1人か2人、バカスカ打って上位に顔を出すのか?
または、巨砲は出現せずとも、全員の長打率を確実に底上げすることによって、長打力不足の解消となるのか?
それとも、ここ数年のパターンがまた繰り返されるのか?
理想は、得点の打者が大いに覚醒して1人か2人上位に名を連ね、全員の長打率も改善させていく方向が最も良いのですが、どうなるでしょうか?
テレーロ、ガルシア、フェルナンデスの中から1人、
牧田、岩村、横川、松井の中から1人、
長打率ランキング上位に名を連ねることができれば、と期待しているのですが...(;´▽`A``
【終】
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東北楽天ゴールデンイーグルスの年度別チームスタッツを、リーグ平均値と比較して眺めてみるシリーズの第2回目です。
昨日のエントリが第1回目で、OPSを取り上げました。
今回は長打率にスポットを当ててみたいと思います。
前回とりあげたOPSは得点との相関関係が最も高い打撃指標ですが、そのOPSは出塁率と長打率を足したものになります。そのため、長打率は出塁率と同様に非常に重要な打撃指標と言えるのです。
長打率は塁打÷打数で算出することができます。
塁打は「単打+ニ塁打X2+三塁打X3+本塁打X4」または「安打+ニ塁打+三塁打X2+本塁打X3」で導き出すことが可能です。打率は長打を考慮していませんが、計算式のとおり、長打率は長打を全て単打に置き換えて評価しているのが一目瞭然で、とてもシンプルで判りやすい指標と言えます。
(厳密に言うと、NPBでは長打率より出塁率のほうが重要とされています。OPSは長打率と出塁率が1:1の関係ですが、NPBの実情に即して言えば、1:1.5~1.6の割合になるそうです)
その長打率を楽天とリーグ平均で表し、年度別推移を確認するために作成したのが、下記のグラフになります。
■楽天イーグルス チーム長打率の年度別推移グラフ

楽天イーグルスのチーム得点が最も多かったシーズンは627点を獲得した2008年でした。しかし前回エントリでみたように「リーグ平均との比較」という視点で言えば、得点力が最もあったのは2007年になります。
創設以来、慢性的な長打力不足のイーグルスですが、長打率がリーグ平均に唯一追いついた年がありました。上記グラフのとおり、そのシーズンは最も得点力があった2007年になります。
2007年といえば、山崎が43本108打点で本塁打王・打点王に輝いた年です。他にも本塁打ランキング7位に22本を記録したフェルナンデスが名を連ねるなど、この年のチーム本塁打数はパリーグ3位の111本を残しました。また、リックが打率で2位、二塁打数でも31本を打って2位を記録するなどしています。
楽天の長打率とリーグ平均の差異を数字で再確認しますと、
2005年・・・-.049
2006年・・・-.032
2007年・・・±0
2008年・・・-.019
2009年・・・-.015
2010年・・・-.024
2011年・・・-.025
となっています。ようやく追いついた2007年から一転、2008年からリーグ平均との開きが徐々に大きくなってきているのが、ここでも確認できるのです。
次に、規定打席到達の打者対象のパリーグ長打率ランキングで、楽天の打者が何位に何人ランクインしているか?を年度別に調べてみました。選手名の赤字はリーグ平均以上を記録した打者、青字はリーグ平均を下回った打者を表しています。
2005年:リーグ平均.414
9位・・・山崎武司.525
19位・・・吉岡雄ニ.419
21位・・・礒部公一.417
2006年:リーグ平均.387
3位・・・フェルナンデス.541
12位・・・山崎武司.432
16位・・・リック.411
18位・・・鉄平.396
28位・・・高須洋介.357
2007年:リーグ平均.384
2位・・・山崎武司.577
9位・・・フェルナンデス.457
11位・・・リック.433
25位・・・礒部公一.365
26位・・・鉄平.364
28位・・・高須洋介.347
31位・・・渡辺直人.332
2008年:リーグ平均.404
10位・・・リック.477
11位・・・フェルナンデス.475
13位・・・山崎武司.471
22位・・・鉄平.403
25位・・・高須洋介.371
29位・・・渡辺直人.283
2009年:リーグ平均.406
5位・・・山崎武司.515
7位・・・鉄平.504
22位・・・草野大輔.411
30位・・・渡辺直人.343
2010年:リーグ平均.403
10位・・・鉄平.464
14位・・・山崎武司.446
25位・・・中村紀洋.397
27位・・・聖澤諒.389
29位・・・嶋基宏.377
2011年:リーグ平均.348
15位・・・松井稼頭央.381
21位・・・聖澤諒.343
25位・・・高須洋介.312
「規定打席到達(=まとまった打席数を打つ打者)」で「リーグ平均を越える長打率を記録した打者」の人数が、2009年から減っているのが印象的です。2009年は山崎、鉄平、草野の3人、2010年は鉄平、山崎の2人、2011年は松井の1人、という状況です。
なぜ長打力不足なのか?という命題を改めて考えてみるに、1つは、前回エントリにコメントをお寄せ頂いたhati8025さんも指摘していましたが、近年の外国人打者の補強や目玉補強が上手く機能していないのが、ここでも改めて確認できます。
例えば、2008年はシーズン途中にセギノールを補強しました。この年は好活躍をみせるものの、翌2009年は期待を裏切る結果となりました。2009年途中に戦列に加わってCS進出に貢献したリンデンや広島でそれなりの成績を残したフィリップスもセギノールと同じパターンを歩んでいます。日本人でいえば、中村紀洋も2年総額3億円の費用対効果からみれば1年目は鳴かず飛ばずでしたから「失敗」と言われても仕方のないものです。昨年で言えば、岩村がそれに該当しますよね。
もう1つはドラフトで獲得してきた生え抜きの若手の育成が上手く進んでいない点に尽きるでしょうね。ぼくの目からは、長打力不足解消の育成に向けて球団側がマジやばいと思い、重い腰をあげて本格的に取り組み出したのが、昨年秋からのように、どうしても感じられてしまうのです。(もちろん、そういうことはなく、それ以前にも2軍で中川に経験を積ませるなど、コーチ陣は努力してきたのだと思いますが・・・)
デーブ大久保打撃コーチの下、変貌を遂げようとしているイヌワシ打線。またはそのようなファンからの期待が高い2012年のイーグルスですが、はたしてシーズン終了後にパリーグ長打率ランキング上位に何人の選手を送りこむことに成功しているでしょうか?
ある特定の打者が1人か2人、バカスカ打って上位に顔を出すのか?
または、巨砲は出現せずとも、全員の長打率を確実に底上げすることによって、長打力不足の解消となるのか?
それとも、ここ数年のパターンがまた繰り返されるのか?
理想は、得点の打者が大いに覚醒して1人か2人上位に名を連ね、全員の長打率も改善させていく方向が最も良いのですが、どうなるでしょうか?
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