〔記録〕杜の都に「打」の救世主は現れるのか?──楽天イーグルスのチームOPSとリーグ平均OPSを年度別推移グラフで表してみた!
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開幕までまだ時間がありますから、楽天イーグルスの年度別チームスタッツをリーグ平均と比較してみる一連のエントリをやっていこうと思います。
今回はOPSです。
出塁率+長打率で表される打撃指標は、「マネーボール」でも触れられているとおり、ビル・ジェイムズ、ディック・クレイマー、ピート・パーマーによって作られ、得点との相関関係が非常に高いことで知られています。
そのOPSを、楽天とリーグ平均で表し、年度別推移の変遷を確認するために作成したのが、下記のグラフになります。
■楽天イーグルス チームOPSの年度別推移グラフ

ここまでの7シーズンで最も得点力があったシーズンは、順位がパ5位だった2008年になります。2008年はチームOPS.725を、チーム得点は627を記録しました。OPSは2009年の.727に次ぐ2番目の数字、得点は最多の数字です。
しかし「リーグ平均との比較」という観点でみると、2008年ではなく2007年であったことが確認できるのです。2007年、OPSではリーグ平均を0.005上回り、1試合平均得点でもリーグ平均を0.05上回りました。一方、2008年ではOPSでリーグ平均を0.007下回る内容。1試合平均得点ではリーグ平均を0.03上回りましたが、2007年より上げ幅が少ない結果になっています。
上記グラフで最も注目したい箇所は、実は、ペナントレースを2位で終え、クライマックスシリーズ進出の躍進を成し遂げた2009年から、(こうしてグラフにするとハッキリ)目に見えるかたちで、OPSのリーグ平均との乖離、低下がはじまっていた、という事実。今回、再度確認することになりました。
チームOPSとリーグ平均OPSの差がどのくらいあるのか?を確認してみますと、
2005年・・・-0.065
2006年・・・-0.034
2007年・・・+0.005
2008年・・・-0.007
2009年・・・-0.013
2010年・・・-0.032
2011年・・・-0.035
となります。「リーグ平均との比較」という立ち位置からみれば、昨年の得点力は2006年のそれとほぼ同じであったと言えそうです。
次に、規定打席到達の打者対象のパリーグ打者OPSランキングで、楽天の打者が何位に、何人、ランクインしているか?年度別に調べてみました。
2005年
10位・・・山崎武司.867
21位・・・吉岡雄ニ.754
25位・・・礒部公一.742
2006年
4位・・・フェルナンデス.910
14位・・・リック.768、
15位・・・山崎武司.764
18位・・・鉄平.749
21位・・・高須洋介.730
2007年
2位・・・山崎武司.936
9位・・・リック.813
10位・・・フェルナンデス.804
24位・・・礒部公一.691
25位・・・高須洋介.681
26位・・・鉄平.675
28位・・・渡辺直人.667
2008年
9位・・・フェルナンデス.843
10位・・・山崎武司.842
11位・・・リック.841
20位・・・鉄平.747
23位・・・高須洋介.709
28位・・・渡辺直人.637
2009年
4位・・・鉄平.895
11位・・・山崎武司.847
18位・・・草野大輔.775
28位・・・渡辺直人.703
2010年
8位・・・鉄平.855
22位・・・嶋基宏.757
24位・・・山崎武司.749
27位・・・中村紀洋.726
28位・・・聖澤諒.723
2011年
19位・・・聖澤諒.681
20位・・・松井稼頭央.675
23位・・・高須洋介.642
2012年
?
このように、2007年、2008年は楽天からTOP10に複数名ランクインしています。2009年も山崎が11位と好位置につけています。ところが、一転、2010年はTOP10に8位の鉄平1人だけ、そして2011年は遂にTOP10からイーグルスの選手はいなくなりました。創設年の2005年ですら1人(山崎武司)名を連ねていたので、OPSランキングTOP10入りがゼロとなったのは初のシーズンになりました。
つまり、何が言いたいか?というと
「まとまった打席数を打つ打者」で「高いOPSを記録する打者」が最低限複数名輩出できないと、得点力をあげるのは、かなり苦しい
ということです。
当たり前といえば当たり前な話になっちゃいますけど、改めてそう感じています。
2011年は聖澤が打率ランキング9位に入るなど好活躍をみせました。ベテランの高須もクリーンアップを担うなど燻し銀の活躍でした。
両人はそれぞれ個人レベルで頑張りましたが、チーム全体という視点でみるならば、聖澤、高須は軽打タイプのため高いOPSを残すことはできませんでした。結果、「まとまった打席数を打つ打者」で「高いOPSを記録する打者」が最低限複数名輩出できないシーズンになってしまいました。
キャンプ中、新任のデーブ大久保打撃コーチの下、連日のアーリーワークをこなしてきたイーグルスのナイン達。
2012年、彼らの中から、「まとまった打席数を打つ打者」で「高いをOPSを記録する打者」が複数名出現するでしょうか?
他球団では、西武では中村剛也、中村裕之、栗山巧、日本ハムでは糸井嘉男、オリックスではT-岡田、後藤光尊、ソフトバンクでは内川聖一、松田宣浩、ロッテでは井口資仁....といった面々の名前がすぐに浮かんできます。
しかし、イーグルスでは、なかなか名前が出てこない。期待をかけたい選手は沢山いますが、太鼓判を押すことができる選手がいないのが実情です。
鉄平のバットから安打量産の快音が飛び出すのを信じてはいるけれど・・・
身体を絞ってきて動きにキレが出てきた岩村の完全復活を夢みたいけれど・・・
2年連続でシーズン終盤打ちまくった牧田の覚醒をみてみたいけれど・・・
打撃フォームを変えて良くなった2年目のガルシアにお願いしたいところだけど・・・
新外国人テレーロの打棒に期待したいけれど・・・
山崎の次にイーグルスの4番を打ってきた出戻りのフェルナンデスに再び期待したいけれど・・・
それぞれ不確定要素や心配の種があり、他球団ですぐに名前が上がる顔ぶれと比べると、心もとない、というのが本音です。
今季、「まとまった打席数を打つ打者」で「高いをOPSを記録する打者」がイーグルスから何人誕生するのか?、できればTOP10内に2人、15位までに1人で合計3人はほしいところですが、どうなるでしょうか?
最後に付け加えておきますが、個人的に大久保コーチの手腕にはかなり期待していますが、注意が必要です。今季の得点力はリーグ平均でも楽天でも上昇することは確実です。統一球やストライクゾーンへの打者側の対応が進むこと、ダルビッシュ、岩隈、杉内、和田といった一流投手が活躍の場をパリーグの外へ移したことなどが、そう考える大きな要因です。
そのため、打撃コーチが大久保氏でなくても、アーリーワークをしなくても、楽天の得点力も昨年からは上がることは容易に想像できます。この昨年からの得点力増加の上昇幅が、大久保コーチの手腕によるものなのか?そうではない前述の要因からくるものなのか?あるいは、どのくらいの割合が大久保氏の手腕によるもので、どのくらいの割合がそうではない要因によるものなのか?は、注視して判断していかなければならないと思います。
【終】
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◎◎◎関連記事◎◎◎
・〔図表〕楽天イーグルス 得失点差 1試合平均得点 1試合平均失点 年度別推移
・〔雑感〕はたして「岩隈の穴」は埋まるのか?杜の都に新星は登場するのか?──星野楽天2年目の先発ローテ台所事情
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今回はOPSです。
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そのOPSを、楽天とリーグ平均で表し、年度別推移の変遷を確認するために作成したのが、下記のグラフになります。
■楽天イーグルス チームOPSの年度別推移グラフ

ここまでの7シーズンで最も得点力があったシーズンは、順位がパ5位だった2008年になります。2008年はチームOPS.725を、チーム得点は627を記録しました。OPSは2009年の.727に次ぐ2番目の数字、得点は最多の数字です。
しかし「リーグ平均との比較」という観点でみると、2008年ではなく2007年であったことが確認できるのです。2007年、OPSではリーグ平均を0.005上回り、1試合平均得点でもリーグ平均を0.05上回りました。一方、2008年ではOPSでリーグ平均を0.007下回る内容。1試合平均得点ではリーグ平均を0.03上回りましたが、2007年より上げ幅が少ない結果になっています。
上記グラフで最も注目したい箇所は、実は、ペナントレースを2位で終え、クライマックスシリーズ進出の躍進を成し遂げた2009年から、(こうしてグラフにするとハッキリ)目に見えるかたちで、OPSのリーグ平均との乖離、低下がはじまっていた、という事実。今回、再度確認することになりました。
チームOPSとリーグ平均OPSの差がどのくらいあるのか?を確認してみますと、
2005年・・・-0.065
2006年・・・-0.034
2007年・・・+0.005
2008年・・・-0.007
2009年・・・-0.013
2010年・・・-0.032
2011年・・・-0.035
となります。「リーグ平均との比較」という立ち位置からみれば、昨年の得点力は2006年のそれとほぼ同じであったと言えそうです。
次に、規定打席到達の打者対象のパリーグ打者OPSランキングで、楽天の打者が何位に、何人、ランクインしているか?年度別に調べてみました。
2005年
10位・・・山崎武司.867
21位・・・吉岡雄ニ.754
25位・・・礒部公一.742
2006年
4位・・・フェルナンデス.910
14位・・・リック.768、
15位・・・山崎武司.764
18位・・・鉄平.749
21位・・・高須洋介.730
2007年
2位・・・山崎武司.936
9位・・・リック.813
10位・・・フェルナンデス.804
24位・・・礒部公一.691
25位・・・高須洋介.681
26位・・・鉄平.675
28位・・・渡辺直人.667
2008年
9位・・・フェルナンデス.843
10位・・・山崎武司.842
11位・・・リック.841
20位・・・鉄平.747
23位・・・高須洋介.709
28位・・・渡辺直人.637
2009年
4位・・・鉄平.895
11位・・・山崎武司.847
18位・・・草野大輔.775
28位・・・渡辺直人.703
2010年
8位・・・鉄平.855
22位・・・嶋基宏.757
24位・・・山崎武司.749
27位・・・中村紀洋.726
28位・・・聖澤諒.723
2011年
19位・・・聖澤諒.681
20位・・・松井稼頭央.675
23位・・・高須洋介.642
2012年
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このように、2007年、2008年は楽天からTOP10に複数名ランクインしています。2009年も山崎が11位と好位置につけています。ところが、一転、2010年はTOP10に8位の鉄平1人だけ、そして2011年は遂にTOP10からイーグルスの選手はいなくなりました。創設年の2005年ですら1人(山崎武司)名を連ねていたので、OPSランキングTOP10入りがゼロとなったのは初のシーズンになりました。
つまり、何が言いたいか?というと
「まとまった打席数を打つ打者」で「高いOPSを記録する打者」が最低限複数名輩出できないと、得点力をあげるのは、かなり苦しい
ということです。
当たり前といえば当たり前な話になっちゃいますけど、改めてそう感じています。
2011年は聖澤が打率ランキング9位に入るなど好活躍をみせました。ベテランの高須もクリーンアップを担うなど燻し銀の活躍でした。
両人はそれぞれ個人レベルで頑張りましたが、チーム全体という視点でみるならば、聖澤、高須は軽打タイプのため高いOPSを残すことはできませんでした。結果、「まとまった打席数を打つ打者」で「高いOPSを記録する打者」が最低限複数名輩出できないシーズンになってしまいました。
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最後に付け加えておきますが、個人的に大久保コーチの手腕にはかなり期待していますが、注意が必要です。今季の得点力はリーグ平均でも楽天でも上昇することは確実です。統一球やストライクゾーンへの打者側の対応が進むこと、ダルビッシュ、岩隈、杉内、和田といった一流投手が活躍の場をパリーグの外へ移したことなどが、そう考える大きな要因です。
そのため、打撃コーチが大久保氏でなくても、アーリーワークをしなくても、楽天の得点力も昨年からは上がることは容易に想像できます。この昨年からの得点力増加の上昇幅が、大久保コーチの手腕によるものなのか?そうではない前述の要因からくるものなのか?あるいは、どのくらいの割合が大久保氏の手腕によるもので、どのくらいの割合がそうではない要因によるものなのか?は、注視して判断していかなければならないと思います。
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テーマ : 東北楽天ゴールデンイーグルス
ジャンル : スポーツ