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〔分析〕横浜DeNA、チーム再建への優先順位は?──中畑監督が掲げる「守り勝つ野球」構想について疑問符。

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※長文注意!!


今回は楽天イーグルスではなく、私がセリーグで応援する横浜DeNAベイスターズについてです。

昨年暮れに下記のような報道がありました。


---引用開始---
ラミレス 一塁コンバートも 中畑監督 目指すは鉄壁の外野」(スポニチアネックス 2011年12月24日 06:00 )

http://www.sponichi.co.jp/baseball/news/2011/12/24/kiji/K20111224002303100.html

 DeNAの中畑監督が「守り勝つ野球」をテーマに掲げ、巨人から移籍したラミレスについて一塁コンバート構想を明かした。

 「ラミレスに外野を守らせるという固定観念はない。一塁も考えている」。今季のチーム失策数は、中日に次いでリーグ2番目に多い75失策。特に大量失点を防ぐためには「外野は鉄壁にしたい」という。

 外野守備に難のあるラミレスを一塁にコンバートできれば理想のチームづくりがかなう。ラミレスは巨人時代に一塁の練習経験はあっても、実戦での出場経験はなし。そのため指揮官は来年2月の春季キャンプで一塁守備を重点的に行わせる方針だ。
---引用終了---



はたして本当に最優先は守備力なのか?


守備に難のあるラミレスの一塁コンバート案です。と同時に「守り勝つ野球」で「外野は鉄壁にしたい」という中畑監督の構想が報道されています。

この報道、私の頭の中では、本当にそうなのか?と疑問符がつきました。

ラミレス一塁コンバートは賛成です。彼が一塁を守ることができればオーダーや戦術の選択肢が広がることになりますし、これは良いことだと思います。先日来日したラミレスはファーストミットを持参、本人も意欲は上々のようです。

疑問を持ったのは、そこではなく「守り勝つ野球」「外野鉄壁構想」の部分です。はたして、本当にそうなのか?と。

もちろん、2008年以降4年連続でぶっちぎりのセリーグ最下位をひた走る横浜ですから、どこもかしこも大いに課題あり!であるのが実際です。チーム力を攻撃力、投手力、守備力の3つに分けるなら、そのどれもが、おぼつかないものであることは事実で、その点で守備力も改善していかなければならないとは私も感じています。

しかし、物事には優先順位というものがあります。

攻撃力、投手力、守備力の中で、最優先でくるのが、はたして本当に守備力でいいのか?この点です。

この点をデータを用いて、以下でみていきたいと思います。



まず、昨年の横浜、リーグ平均を基準にどのくらい余分に失点していたのでしょうか?

昨年のセリーグの失点は中日410、ヤクルト504、巨人417、阪神443、広島496、横浜587、合計すると2857失点です。これをチーム数の6で割ります。すると、リーグ平均失点が出てきます。

リーグ平均失点476、横浜587、その差異は111になります。


昨年の横浜はリーグ平均から111点余分に失点していた

ということが言えるのです。

この111失点のうち、守備が主たる原因で失点してしまったのは、いったいどのくらいなのでしょう?


◎DERでチーム守備力を計測する(SMBベースボールLab 2010.12.10)


SMBベースボールLabさんの上記エントリでおこなわれている得点換算の方法を用いて、昨年のそれを算出してみます。上記エントリの考え方に基づいているため、一度読んで頂くことをお薦めいたします。

まず最初にセイバーメトリクスの守備指標、DER(Defense Efficency Ratio)を算出してみます。計算式は =(打席-安打-四球-死球-三振-失策)÷(打席-本塁打-四球-死球-三振)を用います。DERは野手が本塁打を除く打球をどのくらいの確率でアウトにしたか?を診る指標です。


■セリーグ 2011年 2010年 DER
20120125DATA2.jpg


すると、2011年のDERは上記になります。参考までに2010年も併記しました。

上記エントリでは2010年の中日の守備での得失点をDERの指標をもとに下記の要領で算出しています。


---引用開始---
まず対象チームの守備が平均的な守備に比べて多く許してしまった(または防いだ)出塁数を求める。例えば中日であればリーグ平均DERが.680であるのに対しDER.700で、打球は3862あったから (.700-.680)×3862=76 で、同じ打球の数をリーグの平均的な守備陣が守る場合に比べて76も出塁を防いだと評価される。

そして一般に本塁打を除く打球をアウトにできず出塁を許してしまうことの得点価値(守備側から見れば損失)は0.78ほどであるから、76に0.78をかけて得点化すれば、中日が守備によって稼いだ得点(防いだ失点)は59だったと評価できる。
---引用終了---



昨年の横浜は守備で何点失っていたのか?


これに基づいて、昨年の横浜のそれを算出してみます。

リーグ平均DERが.702であるのに対し横浜のDERは.688です。打球は3941ありました。

(.688-.702)×3941=-56

同じ打球の数をリーグの平均的な守備陣が守る場合に比べて56も出塁を「許していた」ということになります。
次に上記のように0.78をかけます。

-56×0.78=-43

一昨年までならこれで終了ですが、ここからひと手間加えてみたいと思います。というのも、昨年は飛ばない統一球の影響が大でした。このことを考慮しなければなりません。

2010年から2011年。セリーグの総失点はどのように推移したか?というと、2010年は3879失点、統一球が導入された2011年は2857失点でした。前年比73.7%、0.737です。全体で失点は前年の73.7%になった。ということは、守備で失なった失点も前年73.7%になったと推測できます。

そのため、上記で導き出した-43にこの0.737をかけます。

-43×0.737=-32

昨年の横浜はリーグの平均的な守備陣が守る場合と比べて32点多く失っていた、ということになります。

ちなみに、他球団も同様の手法で計算すると、中日31、ヤクルト-15、巨人は19、阪神3、広島-6、となりました。

さて、前へ戻って、昨年の横浜はリーグ平均から111点いらない失点をしていました。

そのうち守備で失った点は、上記で算出したように32点と考えることができます。守備以外で失った点=投手力(ここには捕手力も含む)で失った点は111-32=79点になります。

中畑監督が掲げる守備力優先の野球になれば、111失点のうち32失点の改善は見込めますが、71%を占める79失点の部分(=投手力で失った点)は手つかず、ということになりかねません。どちらを優先すべきか?ニ択でいうなら、投手力であることは一目瞭然ですよね。


最優先は投手力の整備

個人的には優先順位の配分を100%とするなら、投手力50%、攻撃力35%、守備力15%のイメージで捉えています。

ハマスタという12球団1狭い本拠地球場という「地の利」を活かして、打ち勝つ野球を!と主張されているファンの方もいるようですが、個人的には、まずは投手力です。

昨年、味方が5得点以上あげた試合の成績を、横浜、中日、楽天で調べてみました。
下記になりました。


■横浜、中日、楽天、2011年 5得点以上の試合成績
横浜・・・32試合19勝10敗3分、勝率.655
中日・・・35試合32勝2敗1分、勝率.941
楽天・・・33試合27勝4敗2分、勝率.871



中日、楽天は味方打線が5点を取った試合ではほとんど負けないのです。ところが、横浜は味方が頑張って5点以上取っても勝率は.655止まりでした。バケツの底がザル。この現状を改善しなければ、どんどん水を汲んで入れてみたところで、流れ出てしまうばかり・・・なのです。

まずは、投手力です。

その中でも、特に課題なのは144試合の約半分を戦う本拠地球場で浴びる本塁打の数です。


■セリーグ 2011年 チーム別 被本塁打



上記表のとおり、本拠地球場で打たれたホームランの本数は横浜が最多です。被本塁打数の割合でみてもヤクルトに続く多さ。もちろん、横浜スタジアムは非常に狭い球場のため、他球場なら外野フライの当たりがスタンドインしてしまうケースも多いと思います。それでも、それを考慮に入れても、やっぱり、多いな...というイメージ。

制球力を磨く。球速を挙げる。棒球ではなくスピンがしっかり効いているストレートを投げる、キレの良い変化球を習得する。一発を打たれない投球術や配球術、打者心理を身につける。

失点を防ぐために、一発を防ぐために、本拠地球場が12球団で最も狭いという「いかんともしがたい」条件を脇へ置いても、投手陣(や捕手陣)がやるべきことは山のようにあると思うのです。

また、横浜投手陣はそのピッチャーの守備で失った点が、どうやら他と比べて多いようなのです。投手も9人目の野手である意識を常に持ってプレーしてもらいたいですね。

幸いにも、1年間投げ抜いた高崎を始め、加賀、昨年初勝利を挙げた国吉など先発陣の中にも若手の有望株が成長しつつあります。また、救援陣は昨年防御率3.10を記録、ヤクルトの3.43や広島の3.42を上回り、こちらも整備されつつあり、光明は見えてきています。


村田、スレッジ、ハーパーの穴をどうやって解消する?!

次に、攻撃力です。

昨年の横浜の攻撃力は、4番の村田を中心に、スレッジ、ハーパーの両外国人で稼いでいたようなものでした。

リーグの平均的な打者と比較してどのくらい得点を生み出していたか?(あるいは生み出さなかったか?)を確認するRCAA(Runs Created Avove Average)で見ると、プラスで終えた選手は下記8選手。その中でこの3人がどれくらい「重き」を成していたか?は明白です。


16.97・・・スレッジ
14.92・・・村田修一
8.42・・・下園辰哉
8.16・・・ハーパー
6.80・・・藤田一也
5.89・・・筒香嘉智
1.71・・・渡辺直人
1.63・・・金城龍彦



打点という視点で捉えても、チーム408打点のうち41%に当たる166打点を3人であげていました。(村田70、スレッジ57、ハーパー39)

この3人が3人ともチームを去ったわけですから、ラミレスを獲得したとはいえ、攻撃力の立て直し、再構築は、投手力の次に急務と言えるのです。


実際は優先順位は低い守備力

投手力、攻撃力、ときて、最後になるのが、守備力です。

もちろん、冒頭でも述べたように守備力も他チームと比較すれば劣るわけで改善していかなければならないのですが、優先順位でいえば、最後になります。

横浜の守備陣で拙い点の1つが前述したようにピッチャーの守備力が挙げられます。この点は投手力と言うこともできます。

次に外野なのか?内野なのか?

狭いハマスタを守る際には、守備範囲が広くて上手い選手を起用しても、まずまず守備ができる選手を起用しても、さほど変わらないのでは?という印象を持ちます。

ナゴヤドームやマツダスタジアムなど広い球場でのゲームのときは、センターを中心に好守備の選手を起用するなど、状況に応じたメリハリが必要になるかもしれませんね。(ちなみに、横浜の外野陣は昨年セリーグで許した三塁打数が最少であることを付け加えておきます。下記関連記事参照)

個人的には、外野というより内野守備、特にニ遊間を重視していきたいと思います。昨年まではゴロで内野を抜けて外野へ達するヒットになった当たりも、ニ遊間の守備力を改善することで、ヒットを内野ゴロに変えることもできるはずです。

石川の守備位置は本当にショートのままでよいのか?ハッスルプレーが印象的な渡辺直人はセカンドで良いのか?他の抜擢はあるのか?今一度再検討が必要かもしれませんね。


ということで、中畑監督が掲げる「守り勝つ野球」は、向かうべき方向が違うのでは?と思い、エントリにしてみました。

今日はイーグルスではなく、横浜の話でした。昨年は横浜の話をほとんどできなかったので、今年はぼちぼち定期的にできればと思っています。

長くなりましたが、最後まで読んでいただき、誠に有難うございました。【終】


◎◎◎関連記事◎◎◎
〔記録〕拙守の広島、好守の横浜?!──2011年 セリーグ 球団別 被二塁打 被三塁打


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No title

 この記事の意図が分かりづらいですね。普通「守り勝つ野球」というテーマなら投手の話題になるはずですが。要はそれだけ外野手としての守備力に疑問があるということなのでしょうが・・・。

 個人的にはファーストには筒香選手を固定して欲しいのですが。横浜にあって数少ない希望の光ですからラミレス選手コンバートで彼が出られなくなるのはもったいないと思いますので。管理人さんがおっしゃるとおり狭い横浜スタジアムが本拠地ですし、守備に難ありとはいえ壊滅的ではありませんのでラミレスはレフトで使えばいいのにと思いますが。

No title

何人かの有志の方がUZRといった守備指標をネット上に公表されていますが、多少の誤差はあれ、どの方の指標もはっきりとラミレスの守備批評が(もともと高くはありませんが)個々数年で急速に落下している事を現れています。
(数値を見るまでもなく、実際のプレーを見れば明らかなのですが)

これは、彼が慢性的に膝痛を抱えていて、症状も年々悪化しているためです。
ですので、ラミレスは「ファーストで使いたい」のではなく、本当は「もはやレフトを守らせる事ができないので、ファーストで起用するしかない」のではないかなと推測しています。

Re: No title

hati8025さん

>  この記事の意図が分かりづらいですね。普通「守り勝つ野球」というテーマなら投手の話題になるはずですが。要はそれだけ外野手としての守備力に疑問があるということなのでしょうが・・・。

打撃に専念させるためにも守備負担の少ない一塁へまわしたいという意図も、ありそうです。ただ、ネックなのは、ラミレスはヤクルト時代も、巨人時代もキャンプ等でファーストに挑戦していた経緯があるようなのですが、いずれも失敗に終わっていることですね。ラミレスは守りたくてもファーストの適性がないのでは?という声もしばしば聞かれます。

>  個人的にはファーストには筒香選手を固定して欲しいのですが。横浜にあって数少ない希望の光ですからラミレス選手コンバートで彼が出られなくなるのはもったいないと思いますので。管理人さんがおっしゃるとおり狭い横浜スタジアムが本拠地ですし、守備に難ありとはいえ壊滅的ではありませんのでラミレスはレフトで使えばいいのにと思いますが。

筒香は、村田が退団したためホットコーナーでの起用を構想しているのかなと推測しています。将来的にはファーストだと私も思いますが、まだまだ若いですので当面はサードで働いてもらい、ラミレス(またはこれから取るかもしれない新外国人)を一塁(または左翼)で起用していくのかもしれません。

いずれにせよ、中畑監督がどのようなオーダーを組むのか?が興味深いところです。

Re: No title

ssksさん

当ブログへの御訪問ようこそ、コメントをいただき、ありうございます。

> これは、彼が慢性的に膝痛を抱えていて、症状も年々悪化しているためです。
> ですので、ラミレスは「ファーストで使いたい」のではなく、本当は「もはやレフトを守らせる事ができないので、ファーストで起用するしかない」のではないかなと推測しています。

なるほど、そういう「止むに止まれない事情」ありそうですね。ラミレス本人も選手生命の点で一塁手挑戦への意欲をみせていると聞きますし、三度目の正直なるか?で今度こそ一塁コンバートは成功するのか?注視していきたいと思います。

ラミレスに期待されているのは、1にも2にも打撃ですから、その持ち味を消さない守備位置をよくよく決めてほしいところです。(慣れない一塁を守ることで打撃に悪影響を及ぼすリスクもありますし、腰痛を抱えたままレフトの守備に就くことでバッティングの調子も上向かない可能性も否定できませんし)
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