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〔記録/比較〕2年連続パリーグ盗塁王・本多雄一も及ばない2位・楽天・聖澤諒の“韋駄天ぶり”とは?!

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今季のパリーグ盗塁王争いは非常に見ごたえがあった。

常連の西武・片岡易之選手が故障等もあって86試合出場に止まってしまった点は残念だったが、代わりに杜の都から“ニューフェイス”が颯爽と登場、我々の熱視線をくぎ付けにしてみせた。そう、楽天のスピードキング、聖澤諒選手なのだ。

しかし、終わってみれば、ソフトバンク・本多選手が聖澤選手に8個という「圧倒的な差」をつけて、シーズン60個の大台に乗せて2年連続の盗塁王に輝いている。60個は2005年の赤星憲広氏(阪神)以来、6年ぶりとなった。

聖澤選手のスタートダッシュも素晴らしかったが、7月以降ギアを1段も2段もあげてきた本多選手の猛追ぶりは特に印象に残った。本多選手は8/19楽天戦でその数を40に乗せて先行していた聖澤選手と1位タイに並ぶ。その後再び聖澤選手に先を行かれるも、8/24ロッテ戦で42個をマークして再び肩を並べると、8/28楽天戦で遂に追いぬき「定位置」を奪還。以降はその差をしっかり広げて2年連続のタイトルホルダーとなった。

特に8/28楽天戦は両者にとって分水嶺となった。本多選手は鮮やかに2個の盗塁を決めてみせ(1つは悠々セーフ、1つは間一髪のタイミング)、一方の聖澤選手は攝津投手の牽制球に逆を突かれて刺されてしまったり、送りバントを失敗したりと明暗分かれるかたちになってしまった。

目の前で本多選手に抜かれたこと。ミスが相次いだこと。このインパクトが大きくて、さらに夏場のスタミナ切れもあいまって、この試合を境に「積極性に陰りが生じたのでは?」とよく指摘されるところなのだが、決してそうではないことは下記の過去エントリで実証した。

◎パリーグ盗塁王争い。なぜ楽天・聖沢選手の足はピタリと止まってしまったのか? (2011.09.09)
http://tan5277.blog104.fc2.com/blog-entry-712.html


このようにみると、終わってみれば、本多選手の、なにもかもの貫禄勝ちのようにみえるが、本当にそうだろうか?というのが、本エントリの趣旨である。

結論から書いてしまおう。

聖澤選手は、盗塁を企てるその「頻度」「割合」において、本多選手を圧倒していた。

ニ盗企図を調べてみる。なぜニ盗企図なのか?というと盗塁の大半はニ盗だからだ。今季、本多選手の77個の企図のうち三盗は3個、聖澤選手の68個の企図のうち三盗は4個で、当然だがニ盗が圧倒的に多いからだ。

盗塁可能な1塁出塁を分母として、ニ盗企図数と計算するとその頻度は、

本多選手・・・51.7%、盗塁可能な1塁出塁数143、ニ盗企図数74(成功57、失敗17)
聖澤選手・・・61.0%、盗塁可能な1塁出塁数105、ニ盗企図数64(成功50、失敗14)

約10%の差をつけて、聖澤選手が圧倒したのだ!

上記の割合をどのように調査したのか?という説明を下記でしていく。

まずは本多選手。打席に立った本多選手が打席結果を出して実際に1塁に出塁、本多選手を1塁に置いた状況で次打者の攻撃が始まった回数は、193あった。下記表のとおりである。

2塁打、3塁打で一気に2塁、3塁に到達したケースはもちろんのこと、単打でも1ヒット1エラーで一気に2進したもの、外野から本塁返球の隙を乗じて2塁に到達したもの、果敢に2塁を狙うもタッチアウトで記録上単打がついた事例(合計9個)などは除外してある。さらに、相手の失策やバント時の野手選択による出塁(合計8個)で、そのうち相手のミスに乗じて一気に2塁を狙ったのが2個ある。これも、趣旨が1塁出塁した時のため、もちろん、除外した。

というかたちで調べると、193あった。しかし、193全てがニ盗企図可能な分母になる訳ではない。

(表の下記に続く)

■ソフトバンク・本多雄一選手の1塁出塁履歴
※点差の「0」は0-0、「同」は同点時、マイナスはビハインドの意。
※本多ニ盗の○はニ盗成功、×はニ盗失敗の意。
※本多選手は今季144試合2番・セカンド先発出場で代走起用はない。
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1塁出塁してもニ盗企図できない状況は、複数考えられる。その状況がいくつあったのか?を考えてみる。


◎塁が埋まっているとき・・・37ケース

塁が2,1塁、満塁で埋まっている時である。これは滅多にないダブルスチール以外にニ盗企図する術はない。またダブルスチールはベンチサインのため、本多選手にはどうしようもできない作戦だ。そのため、塁が埋まった状況は盗塁できないシチュエーションということになる。これが37ケースあった(上記表のピンクの網掛が該当箇所)。

なお、本多選手は7/14楽天戦、9/13西武戦で1塁走者としてダブルスチールでニ盗を成功させているが、これは、もちろん、この37には含まれていない。


◎大量点差のとき・・・7ケース

野球規則によると「走者が盗塁を企てた場合、これに対して守備側がなんら守備行為を示さず、無関心であるときには、その走者には盗塁を記録しないで、野手選択による進塁と記録する」とある。また、2008年から「点差が大きく開いた場面で選手が盗塁した場合、米大リーグと同様に盗塁を記録しないことを決めた。適用する点差については、公式記録員が試合展開を見て判断する」という取り決めがされている。

大量点差が何点を差すのか?不明確だが、ここでは便宜上8点以上のリード、5点以上のビハインドと設定する。(なぜ8点以上のリードか?というと今季聖澤選手は7点リードの場面で盗塁を記録させているのだ)。すると、該当するのは上記表の緑の網掛箇所、7事例になる。


◎相手の暴投やパスボール等の守備ミスで2塁に進塁したとき・・・6ケース

1塁に出塁しても盗塁できない(しなくてもよい)状況として、相手の暴投やパスボール等の守備ミスで労せずして2塁へ進塁したケースが思い浮かぶ。この事例は上記表の青紫の箇所、6ケースあった。(暴投3、後逸3)


◎次打者が送りバント作戦のとき・・・0ケース

本多選手の心の中に盗塁作戦があったとしても、ベンチサインでバント作戦が取られるときは、通常、盗塁企図はできない。このようなケースを調べてみたが、本多選手を1塁に置いてのバント作戦は今季ゼロだった。これは本多選手の後、3番に主に内川選手、松中選手、松田選手らバント作戦を必要としない好打者が座っていたからと言える。


これら1塁出塁しても実際は盗塁できない状況50ケースを前述の193から引くと、143になる。

この143が盗塁可能な1塁出塁と設定する。ニ盗企図数は74(成功57、失敗17)のため、これでニ盗企図の「頻度」「割合」を計算すると、上記のとおり、51.7%となる。



聖澤選手も同様の手法で調べていく。

バッターボックスの聖澤選手が打席結果を出して実際に1塁に出塁、聖澤選手を1塁に置いた状況で次打者の攻撃が始まった回数は、175あった。下記表参照。

もちろん、二塁打、三塁打、本塁打の長打で1塁を駆け抜けた数は含まれていない。単打でも2塁走者(または1塁走者)が本塁突入でタッチアウトになった4ケース、サヨナラ打になった1ケース、合計5ケースは含まれていない。

相手の失策や犠打時の野手選択による出塁は合計9ケース。この中で一気に2塁を狙ったのは0のため、この9ケースは全て下記表に含まれている。さらに走者1塁で送りバントが失敗となり、または打って出るも2塁封殺、併殺崩れで1塁に生き残った事例が9回あった。これは下記表に含まれる。

さらに、聖澤選手は2試合1塁への代走出場があった。それを最下記につけている。

このようにして調べて、175あった。しかし、同様にこの175全てがニ盗企図の分母になる訳ではない。

(表の下記に続く)

■楽天イーグルス・聖澤諒選手の1塁出塁履歴
※表の見方は上記本多選手表と同じ
※聖澤選手は今季代走での出場が2回ある。それは最下記に付記した。また守備からの途中出場も3試合あるが、いずれも打席はまわってこなかった。
20111026DATA5.jpg
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20111026DATA7.jpg
20111026DATA8.jpg



◎塁が埋まっている状況・・・49ケース

上記表のピンク網掛け箇所がそれに該当する。なお、塁が詰まっていてもダブルスチールを企図したのが2度、7/1と9/24にあった(いずれも成功)。これは49には含まれていない。また、1塁出塁時に塁が埋まっていてもその後の展開で前の塁が空いて3,1塁となって盗塁したケースが1例あった(8/16)。これもココには含まない。同様に2,1塁時に牽制球でアウト(記録上は盗塁死)になった8/17の例も含んでいない。

◎大量点差の状況・・・5ケース

上記の緑の網掛けになる。表のそのうち6/5ヤクルト戦、10点ビハインドの8回1死1塁から聖澤選手はニ盗を成功させるも、記録はつかなかった。

◎相手の暴投やパスボール等の守備ミスで労せずして2塁進出を果たした状況・・・3ケース

上記表、青紫の行がそれに当たる。7/27ソフトバンク戦は和田投手の暴投、7/29ロッテ戦はマーフィー投手の1塁牽制球をファースト・カスティーヨ選手がエラーして後逸の隙に聖澤選手は3塁へ進んだもの、10/19ロッテ戦では上野投手が次打者・松井稼選手の初球前にボークをとられて聖澤選手は2塁に進塁したケースである。

◎次打者がバント作戦の状況・・・13ケース

上記表、黄色網掛けの行が該当する。ちなみに13ケースのうち10ケースが初球バントをして打席結果が出ている。

これら(49、5、3、13)を175から引くと、105になる。

この105が盗塁可能な1塁出塁と設定する。ニ盗企図数は64(成功50、失敗14)のため、これでニ盗企図の「頻度」「割合」を算出すると、61.0%になる

ということで、上記のとおり、本多選手が51.7%であるのに対し、聖澤選手はそれを大きく上回る61.0%を記録したのだ。

次に、この盗塁可能な1塁数とニ盗企図数、頻度を月度別、前半戦後半戦別に表にしてみた。



一般に夏場以降、立場が逆転したような印象をもたれる両者だが、決してそうではないことが読み取れると思う。

まず、聖澤選手のニ盗企図の頻度・割合は、前半戦・後半戦別にみても本多選手を凌駕していた。抜かれてしまった8月も本多選手の48.0%に対し、聖澤選手は73.3%である。差を広げられてしまい決定的になった9月も本多選手は41.7%なのに、聖澤選手は61.5%である。

つまり、聖澤選手の走る頻度は勝負どころの後半戦も本多選手を上回っていた。何が決定的だったか?というと、分母となる盗塁可能な1塁出塁数である。その後半戦の数を比較すると、本多選手が71、聖澤選手が39、決定的な差異が認められる。

よく聖澤選手のいまいち低い出塁率が俎上に挙げられるけど、後半戦に限っていえば.378という高い数値を記録していた。(ちなみに本多選手の後半戦出塁率は.353)にも関わらず分母でこれだけの差がついてしまったのは、やっぱり8/12ロッテ戦から打順が9番に固定されたのが、最も大きいだろう。(10/7ロッテ戦のみ1番で他は全て9番)

打順を上位から下位9番に固定したのは、下位から上位へ「流れ」を作るためと、聖澤選手のスタミナ不足を心配してのことだった。後半戦も成績を落とさなかったので上位のままで良かったのでは?という意見もあるが、楽な下位に座ったからこそ成績を維持できたとも言えるので、こればっかりは分からない。ただ1つ言えるのは、スタミナ不足で心もとない、そう首脳陣に判断されてしまった聖澤選手の体調管理、フィジカル面にあると言えそうだ。来季は是非払拭してもらいたい!

本多選手の頻度が51.7%なのは少し物足りないのでは?と見る向きもあるかもしれない。しかし、これは本多選手の真の実力ではない。この数字に止まったのは、それだけソフトバンク打線の攻撃のひきだしが豊富で、中軸に安定感があった証拠とぼくは診る。本多選手の後ろには首位打者を取った内川選手、4番にはベテランの小久保、松中、活きの良い松田といった選手が控えていた。頼もしき3番打者のバットは今季のホークスの大きな魅力の1つだった。

長くなってしまったが、最後に1つ突っ込んでおきたい。ここまで両選手を同じ条件で比較してみた。しかし、ぼくの手元にはソフトバンクのはないけど、楽天の詳細なデータがある。それを使ってもう1つ、盗塁できない状況が考えられる。それは次打者が初球打ちして打席結果が出て3アウトもしくは併殺で走者がいなくなった事例、これが4ケースある。上記表の4/23日本ハム戦の7回、6/12中日戦の8回、8/11オリックス戦の9回、9/2ロッテ戦の9回だ。これを除くと、分母は101となり、頻度・割合は63.6%になる。

今季の聖澤選手は盗塁可能な1塁のとき、実に.636の割合でニ盗を仕掛けていたのだ!

最後に、このエントリは、非常に高いところで競った両選手の好パフォーマンスがあったればこそ、調べることができた。ハイレベルな争いを演じた本多選手、聖澤選手に最大限の敬意を表して、終わりにしたい。【終】


長くなってしまいましたが、最後までお読み頂き、ありがとうございます。何卒、ブログ村への投票、宜しくお願いしますm(_ _)m


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