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【試合評】 2011年4月12日(火) 開幕戦 ○楽天イーグルス6-4千葉ロッテマリーンズ。光ったのは底力有言実行宣言となった嶋の一発。

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2011年のプロ野球開幕──。

被災地の避難所には急遽大型テレビが設置されパブリックビューイングがおこなわれた。画面の前で多くのファンが郷里のチームの戦いぶりを見守る。

そんな中、先日のチャリティーマッチで野球の底力を訴えた嶋基宏の一振りが試合を決定づけた。

成瀬と岩隈、球界を代表するエースの好投・粘投で1-1のロースコアで終盤を迎えた7回表・楽天の攻撃だった。先頭の山崎、高須が成瀬のパワーピッチングの前に早々に凡退するも、この日の野球は2アウトから始まったのだ。

続く岩村が岩村らしい三遊間を痛烈なゴロで破る左翼前ヒットで出塁すると、ルイーズが長打警戒で深く守っていた外野・右翼の前に落とすフライヒットで繋ぎ、迎える打者は嶋。初球外角高めに甘く入った137キロストレートを狙い、どんぴしゃのタイミングでバットを振り抜く。ちょうど左翼方向7mの風も味方につけて、ライナー性の飛球はイーグルスファンが待つ左翼スタンドに吸い込まれていった。

8:40から嶋の底力3ランです


楽1-1ロから楽4-1ロの3点リードへ。

嶋の一撃が拮抗していた試合の流れを大きく楽天サイドに引き寄せることとなり、続く8回にも攻勢をみせる。先頭打者、松井稼の安打出塁を足がかりに、4番・山崎、5番・高須が連続タイムリーで2得点とし、楽6-1ロの5点差とした。

9回もマウンドにあがった岩隈は先頭の大松を討ち取り、完投勝利か?と思われた矢先、今江、サブローに連続単打を許し、続く福浦に不用意な一発を浴びて、楽6-4ロとなったところで、降板。ここで星野監督は変則右腕のスパイアーをマウンドに送り込み、試合をきっちりしめて、星野楽天、非常に大きな意味を持つ開幕戦初勝利を飾った。

○楽天イーグルス6-4千葉ロッテマリーンズ


3.11以来、特に被災地に本拠地を置くイーグルスにとっては大変厳しい時の連続だったに違いない。1ヵ月を過ぎた今でも、被災地では震度6クラスの余震が断続的に続く不安な日々を送っている。この試合も4回裏、サブローを打席に迎えた直後に福島で震度6弱の地震が発生、数分間の一時ゲーム中断があった。また、世界を揺るがす原発問題はいまだ出口も見つけることができない状況で、電力問題も日本列島に暗い影を落としている。

もしかすると、このブログの読者の中にも、いまだこんな時期に野球をするべきではない、と考えている人がいるかもしれない。被災地の方々の多くは正直野球どころではないというのが本音なのかもしれない。しかし、個人的には、この日を迎えることができて良かったと思う。当初は3/25に本拠地クリネックススタジアム宮城で初の開幕戦ということだったが、紆余曲折あり、今日千葉QVCで開幕を迎える運びになった。嶋の言葉を借りれば、野球の底力を見せる、野球ファンの底力を見せる、それが試されるスタートラインにようやく今日立つことができたのだから。

貼りかえられた人工芝の緑と青空が良く映えるQVCマリンフィールドには半旗が掲げられ、試合前には黙祷も行われた。楽天ナインは「がんばろう東北」のワッペンをつけ、マリーンズの戦士たちもユニフォームの左腕に喪章をつけてプレーに臨んだ。そして、ファンは「がんばろう!日本。今こそ和の力を」のプラカードを一斉に掲げ、被災地に応援を送った。

楽天の開幕スタメンは、1番・松井稼(遊)、2番・聖澤(中)、3番・鉄平(右)、4番・山崎(一)、5番・高須(ニ)、6番・岩村(三)、7番・ルイーズ(指)、8番・嶋(捕)、9番・中島(左)、先発・岩隈、という顔ぶれ。

1番から6番までは先日のチャリティーマッチと同様、7番にDHでルイーズが加わり、左投手対策ということで9番・左翼で中島が抜擢された。

5年連続6度目(近鉄時代を入れると7度目)の開幕投手に指名されたエースの岩隈の2011年開幕は、少し想いを巡らすだけでも、いろいろな意味を帯びている。

◎被災地への思い・・・岩隈と地震といえば、08年の岩手宮城内陸地震直後の6/15巨人戦では無四球完封勝利も思い出される(ちなみに、この勝利は楽天移籍後初の二桁勝利達成、このシーズンは沢村賞を獲得)。
◎奇しくも30歳のバースデー登板。ちなみに誕生日登板はプロ入り初のできごと。
◎QVCマリンフィールドとの相性の良さ・・・05年9/6を皮切りに10連勝中。
◎今季は恐らく岩隈最後のシーズン・・・オフには再度MLBに挑戦するはず。


対する千葉ロッテのスタメンは、1番・岡田(中)、2番・荻野貴(遊)、3番・井口(ニ)、4番・金泰均(一)、5番・大松(左)、6番・今江(三)、7番・サブロー(右)、8番・福浦(指)、9番・里崎(捕)、先発・成瀬、となった。

左ふくらはぎの肉離れを起こして開幕微妙と見られていた今江も、日程が延期されたため間に合うかたちとなり、日本シリーズの好活躍もまだ記憶に新しい岡田が清田との開幕スタメン争いを制して1番打者に座るフルラインアップの顔ぶれとなった。

試合は終盤まで両軍のエースによる投手戦で進んだ。

成瀬は初回から付け入る隙がほとんど無い完璧なパフォーマンスを披露。先頭の松井稼を泳がせて空振り三振に取ると、続く聖澤も振り遅れの空振り三振で抑える。鉄平もライトフライに討ち取って初回は三者凡退で立ち上がることに成功。この調子で試合終盤まで力投を続けた。

この日の成瀬は、(元来制球に苦しむタイプではないが)ストレート、変化球ともに制球が安定しており、ストライクゾーンのぎりぎりを突くことができる内容で、5回終了時までイーグルス打線に許した安打は内野安打の散発2本。四死球はゼロで、毎回の6奪三振という、成瀬らしいパワーピッチングだった。

楽天打線が成瀬の際どいコースの攻めに喘いでいた様子は、下記打席結果表の、ボール球をスイングしにいった回数を表す「ボール球」の項目を見ていただけたら一目瞭然かもしれない。5回まで楽天は13球のボール球を振りにいくが、一方のロッテ打線は約半分の6球である。

さらに、ストライク先行のピッチングも自身の投球リズムを良くした。(下記打席表のカウント推移をみると、初球で0-1、3球目で1-2とストライク先行していることが良く判る)

一方の岩隈だ。成瀬とは対象的に不安を残す立ち上がりとなった。初回から制球が直球、変化球ともにばらつく。ストレートの球速は130キロ台後半に止まるもので(平均球速は137.2km/hだった)、この日はあまり直球が走っていない印象を受けた。序盤はらしくない内容で辛抱の時だったが、中盤以降、徐々に立ち直りをみせ、終盤、特に三者凡退で抑えた7回8回にかけてゴロアウトの山を築くことに成功、本来の姿に戻りつつあったといえる。

全体的に言えば、内容は今後に若干不安を残すものだった。昨年終盤から上手く操ることができなくなっているシュートをこの試合でもほとんど投げていない点(僅か7球だった)、また、代名詞といえる落差の大きいフォークボールが昨年より落ちなくなっている点は心配だ(そのためボールゾーンの球を振らせることができなかった)。

しかし、とにかく勝ちに繋がるピッチングをみせてくれた点では、さすがエースである。8回1/3、108球を投げて被安打7(1本塁打含む)、三振4、四球2、失点4、自責点3。最後に3ランを浴びはしたが、2008年の岩手宮城内陸地震直後に見せた完封勝利に匹敵する意味あるピッチングだったと思う。そして、QVCマリンフィールドでの対ロッテ戦の連勝をこれで「11」に伸ばす快挙も達成している(最後に負けたのが05年8/3)

▼参照記事▼岩隈投手のブログ「開幕戦勝利」
http://www.iwakuma21.com/diary/diary_no182-2.html

打線は、嶋の活躍はもとより、左の成瀬対策で起用された9番・中島が大当たり。1点を追いかける6回表、先頭打者として放った右翼への二塁打は貴重だった。その後、松井稼の犠打、聖澤の犠牲フライで度同点のホームを踏むことに成功している。鉄平、聖澤(は犠飛を打った)を除く先発7人が安打を記録しており、打線が繋がった点も朗報だったといえる。

ロッテ側では、岩隈からその足で先制点を奪った荻野貴の印象が強い。完全復活をアピールする内容で、昨年は最下位ながらも対ロッテ戦は辛くも勝ち越したが、この荻野貴がフルシーズン活躍していたら...と思うと、過ぎ去ったこととはいえ改めてゾッとした。後は、9回にマウンドに上がった新外国時投手ロサか。148キロ後半~151キロの速球が持ち味。制球もそこそこにみえ、例えば先日退団してしまったモリーヨと比べると、安心できそうなタイプだ。ルイーズ、嶋、草野が対峙したが、いずれも球威に負ける打席内容だった。このロサが後ろにハマると、対戦相手は厄介だ。

最後になりましたが、2011年ペナントレースが始まりました。読者の皆さん、改めまして、今シーズン宜しくお願いします。【終】

◎岩隈のアウト獲得25個の内訳
ゴロアウト・・・11個 (1~4回・・・5個、5回以降・・・6個)
フライアウト・・・8個 (1~4回・・・5個、5回以降・・・3個)
三振・・・5個 (1~4回・・・1個、5回以降・・・4個)


■ロッテ・成瀬の配球図とストライク率、球種割合
〔配球図〕

〔ストライク率〕
※ここでいうストライク率は打席結果に関わらずストライク枠内に入った球の割合。全体:63.0%、直球:67.8%、変化球:57.1%
〔球種割合〕
St・・・54.6%、Sl・・・30.6%、Ch・・・13.9%、Cur・・・1%

■楽天・岩隈の配球図とストライク率、球種割合
〔配球図〕
20110412DATA7.jpg
〔ストライク率〕
全体:59.3%、直球:67.3%、変化球51.8%
〔球種割合〕
St・・・48.1%、Sl・・・26.9%、Fo・・・18.5%、Sh・・・6.5%

■両軍の打席結果とカウント推移表
20110412DATA2.jpg
20110412DATA3.jpg
20110412DATA4.jpg
20110412DATA5.jpg
「ボール球」・・・ボールゾーンの球を(打席結果に関わらず)スイングした回数
「球速」・・・結果球の球速
St・・・ストレート、Cur・・・カーブ、Sl・・・スライダー、Cut・・・カットボール、Sh・・・シュート、Fo・・・フォーク、Sin・・・シンカー、Ch・・・チェンジアップ、Pa・・・パーム、Kn・・・ナックル。
カウントの太字はストレートです。
配球図のマス目に番号を割り当てていきます。向かって一番左上(左打者の内角高めボールゾーン)から、
1、2、3、4、5
6、7、8、9、10
11、12、13、14、15
16、17、18、19、20
21、22、23、24、25
となります。そのうちストライクゾーンが、7、8、9、12、13、14、17、18、19になります。

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