【試合評】 2011年4月3日(日) チャリティーマッチ ●楽天イーグルス3-9日本ハム
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■試合前の鉄平選手のメッセージ
震災から数日経ったある日、僕に1通のメールが届きました。それは宮城県沿岸部の方からでした。
“生きてます。家も何もかも失ったけど頑張って生きています”
それを聞いて僕は言葉を失いました。
でも“野球が開幕したら、野球で被災地に元気や勇気そして笑顔を届けて下さい”とも言われました。
震災が起きてまず考えたのは、一人の人間として何ができるのか?ということでした。そして今、プロ野球選手としてどうあるべきか?を考えています。
日本の歴史の中で今年は特別な意味を持つ1年になると思います。野球界が、選手が、ファンの皆様が、その歴史の中で果たせる役割は何でしょうか? 皆さん、共に被災地への有形無形への支援を宜しくお願いします。
鉄平
●楽天イーグルス3-9日本ハム~チャリティーマッチ~

再演ならず
東日本大震災復興支援試合の2日目、楽天は昨日同様、札幌ドームで日本ハムと激突。昨日と同じく、試合前に両軍選手の挨拶と黙祷が行われた。昨日は田中賢介と嶋基宏の両選手だったが、この試合はケッペル投手と鉄平選手による心のこもった言葉が紡がれた。冒頭は鉄平選手の挨拶全文である。(昨日ほど手が動かず、一部違うかもしれません (^_^;))
当初、一部マスコミで騒がれた楽天・田中と日本ハム・斎藤の投げ合い。実現すれば、のじぎく国体での決勝戦(06年10/4)以来、4年半ぶりにあいまみえる、ということになった訳だが、お預けのかたちに。
楽天はここまで対外試合20回2/3イニング無失点と好結果を残す2年目の戸村を先発に指名、日本ハムは言われていたとおり、斎藤佑樹がマウンドにあがった。
楽天のスタメンは、1番・松井稼(遊撃)、2番・聖澤(中堅)、3番・鉄平(右翼)、4番・山崎(一塁)、5番・高須(ニ塁)、6番・岩村(三塁)、7番・草野(指名)、8番・井野(捕手)、9番・中村(左翼)という顔ぶれ。草野が指名にまわり、中村が左翼の守備位置に就き、捕手が嶋ではなく井野の起用という点以外では、昨日同様である。
一方、日本ハムは、1番・田中(ニ塁)、2塁・陽岱鋼(右翼)、3番・糸井(中堅)、4番・小谷野(三塁)、5番・ホフパワー(一塁)、6番・稲葉(指名)、7番・中田(左翼)、8番・大野(捕手)、9番・金子誠(遊撃)。こちらは昨日と全く同様のオーダーである。
立ち上がりの斎藤を攻め先制3点を上げるも、戸村が崩れるかたちに
試合は、日本ハム・斎藤の立ち上がりを楽天打線が攻め、4単打・1三塁打を集め相手の1四球1失策も絡み、一気に3点の先制を上げる。初回、斎藤は真中近辺に入る甘い球が多く目立ち、それを逃さず楽天の各打者が早めのカウントから積極的にバットを振っていく。これが功を奏した。
先頭の松井稼がニ遊間を綺麗にゴロで抜くセンター前ヒットで出塁すると、聖澤がカウント2-0から外角に甘く入った球を鋭いライナーで左中間に運び先制点となるタイムリースリーベース。続く鉄平の2球目が外角高めに大きく抜けるワイルドピッチとなり、この隙に聖澤がホームに帰って2点目を記録する。この後も鉄平の安打出塁、高須の四球などで1死2,1塁とすると、6番に座る岩村が技ありの左翼前ヒットで3点目をあげることに成功した。
しかし、斎藤は2回以降、見事に修正をみせ、立ち直る。不安定だった制球も徐々に安定さを出し、2回はボール先行だったものの、クサいコースに投げることで楽天打線を翻弄、3回は山崎、高須、岩村を内野ゴロ3つで三者凡退に抑え、リズムを取り戻すことに成功した。2回以降はバックの手堅い守備にも助けられ、6回を初回の3失点のみにまとめる終わってみればクオリティスタートの内容で、二番手以降の救援陣に託しマウンドを降りた。
斎藤の詳しい投球分析は日本ハムブロガー・てぃーさんの記事、こちらのURLでどうぞ→ http://ameblo.jp/baseboll0607/day-20110404.html
一方の楽天先発・戸村の出来はどうだったか? キャンプ、オープン戦、練習試合を通じて結果を出し、先発ローテ五番手の座が内定したと報じられた2年目右腕だが、この日は、とにかく制球に苦しむかたちとなった。キャンプ中、ストレートの低めの制球に取り組んできた「収穫」が、この試合では影を潜める。総じて球が高めに浮き、変化球もなかなか思うところに決まらないという苦しい内容で、5回を投げて、球数85、被安打9、4四球、1死球で7失点。球威を欠いていた点は、被安打9のうち7本が長打(6二塁打、1三塁打)だったことでも裏付けられる。
味方打線が初回に3点獲得するも、2回に制球を乱し3四球と2本の長打等で3点を失い、早くも同点に。3回はホフパワー、稲葉、中田を相手の三者凡退に片づけ復調の兆しを見せるものの、4回は再びビッグイニングにしてしまう。先頭の大野(この試合、戸村は大野には1犠飛、2二塁打と良い当たりをされてしまっている)に二塁打を浴びるとこの回2単打、3二塁打で4失点。粘りをみせることができなかった。
懸念されるのはこの日マスクをかぶった井野の配球だ。確かに戸村自身による問題もあったし、今後の修正点になる。しかし、悪いなりにまとめるのが捕手の技量のはずだが、この日の井野は結果として傷口を広げるリードをしてしまった。
というのは、井野の持ち味は変化球を巧く使った配球である。それで昨年は永井の二桁勝利に大きく貢献、ラズナー立ち直りにきっかけを与える活躍を見せた。だが、この試合これが裏目となり、制球が効かない変化球でカウントを悪くし、ストライクを取りにいったストレートを狙い打たれた、そんなジリ貧のリードだった。その象徴が4回だったように思う。
楽天と日本ハムの進塁打率
初回の3得点は鮮やかだったが、それにしても、日本ハムとは対象的にその後の追加点が奪えない。初回以外では、2回1死2塁、4回2死2,1塁、6回無死2,1塁、9回1死2,1塁と4度の得点圏を演出するも、ここからあと1本が出ないのだ。この2試合で結果的にそうなったケース(この試合の6回無死2,1塁で銀次がカンドライナー、飛びだしていた2塁走者岩村が戻れずにアウトになった事例等)も含めて、併殺の数が日本ハムがゼロの一方、イーグルスはじつに5度も記録しているのも、僕らファンの気持ちを重くさせる一因になっている。
今年の年明け、『野球小僧』という雑誌がこのような計算式を用いて進塁打率を出していたことがある。
(安打+進塁打ゴロ+犠打)/(打数+犠打)
それに当てはめると、この2連戦の両軍の進塁打率は、
楽天・・・・・・(18+1+1)/(65+1)=.303
日本ハム・・・・・・(22+4+1)/(68+1)=.391
となり、走者を次の塁へ進塁させる「意識」「技量」の違いがこの値でもくっきり表れている。
各々の持ち味は出ている
打線個々でみれば、朗報を幾つかみることができる。松井稼が「らしい」当たりを放って3安打猛打賞、岩村(ここまでは三遊間の打球が多)も久しぶりに右翼方向に強い当たりのゴロヒットを記録する等で4の2、昨年は結果が出せなかった中村も悪球打ちの代名詞どおりのヒットを2本記録し(特に低めのボール気味の球を粘りに粘ってヒットにした6回の第2打席は印象深かった)、草野もバットコントロールの巧みさを特徴づける当たりを飛ばすなど、それぞれの持ち合いを結果に結びつけることができた。
はたして、この点と点をいかにむすびつけて線にしていくのか?
開幕まで残すところ10日を切った。
■両軍の打席結果とカウント推移表




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当初、一部マスコミで騒がれた楽天・田中と日本ハム・斎藤の投げ合い。実現すれば、のじぎく国体での決勝戦(06年10/4)以来、4年半ぶりにあいまみえる、ということになった訳だが、お預けのかたちに。
楽天はここまで対外試合20回2/3イニング無失点と好結果を残す2年目の戸村を先発に指名、日本ハムは言われていたとおり、斎藤佑樹がマウンドにあがった。
楽天のスタメンは、1番・松井稼(遊撃)、2番・聖澤(中堅)、3番・鉄平(右翼)、4番・山崎(一塁)、5番・高須(ニ塁)、6番・岩村(三塁)、7番・草野(指名)、8番・井野(捕手)、9番・中村(左翼)という顔ぶれ。草野が指名にまわり、中村が左翼の守備位置に就き、捕手が嶋ではなく井野の起用という点以外では、昨日同様である。
一方、日本ハムは、1番・田中(ニ塁)、2塁・陽岱鋼(右翼)、3番・糸井(中堅)、4番・小谷野(三塁)、5番・ホフパワー(一塁)、6番・稲葉(指名)、7番・中田(左翼)、8番・大野(捕手)、9番・金子誠(遊撃)。こちらは昨日と全く同様のオーダーである。
立ち上がりの斎藤を攻め先制3点を上げるも、戸村が崩れるかたちに
試合は、日本ハム・斎藤の立ち上がりを楽天打線が攻め、4単打・1三塁打を集め相手の1四球1失策も絡み、一気に3点の先制を上げる。初回、斎藤は真中近辺に入る甘い球が多く目立ち、それを逃さず楽天の各打者が早めのカウントから積極的にバットを振っていく。これが功を奏した。
先頭の松井稼がニ遊間を綺麗にゴロで抜くセンター前ヒットで出塁すると、聖澤がカウント2-0から外角に甘く入った球を鋭いライナーで左中間に運び先制点となるタイムリースリーベース。続く鉄平の2球目が外角高めに大きく抜けるワイルドピッチとなり、この隙に聖澤がホームに帰って2点目を記録する。この後も鉄平の安打出塁、高須の四球などで1死2,1塁とすると、6番に座る岩村が技ありの左翼前ヒットで3点目をあげることに成功した。
しかし、斎藤は2回以降、見事に修正をみせ、立ち直る。不安定だった制球も徐々に安定さを出し、2回はボール先行だったものの、クサいコースに投げることで楽天打線を翻弄、3回は山崎、高須、岩村を内野ゴロ3つで三者凡退に抑え、リズムを取り戻すことに成功した。2回以降はバックの手堅い守備にも助けられ、6回を初回の3失点のみにまとめる終わってみればクオリティスタートの内容で、二番手以降の救援陣に託しマウンドを降りた。
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一方の楽天先発・戸村の出来はどうだったか? キャンプ、オープン戦、練習試合を通じて結果を出し、先発ローテ五番手の座が内定したと報じられた2年目右腕だが、この日は、とにかく制球に苦しむかたちとなった。キャンプ中、ストレートの低めの制球に取り組んできた「収穫」が、この試合では影を潜める。総じて球が高めに浮き、変化球もなかなか思うところに決まらないという苦しい内容で、5回を投げて、球数85、被安打9、4四球、1死球で7失点。球威を欠いていた点は、被安打9のうち7本が長打(6二塁打、1三塁打)だったことでも裏付けられる。
味方打線が初回に3点獲得するも、2回に制球を乱し3四球と2本の長打等で3点を失い、早くも同点に。3回はホフパワー、稲葉、中田を相手の三者凡退に片づけ復調の兆しを見せるものの、4回は再びビッグイニングにしてしまう。先頭の大野(この試合、戸村は大野には1犠飛、2二塁打と良い当たりをされてしまっている)に二塁打を浴びるとこの回2単打、3二塁打で4失点。粘りをみせることができなかった。
懸念されるのはこの日マスクをかぶった井野の配球だ。確かに戸村自身による問題もあったし、今後の修正点になる。しかし、悪いなりにまとめるのが捕手の技量のはずだが、この日の井野は結果として傷口を広げるリードをしてしまった。
というのは、井野の持ち味は変化球を巧く使った配球である。それで昨年は永井の二桁勝利に大きく貢献、ラズナー立ち直りにきっかけを与える活躍を見せた。だが、この試合これが裏目となり、制球が効かない変化球でカウントを悪くし、ストライクを取りにいったストレートを狙い打たれた、そんなジリ貧のリードだった。その象徴が4回だったように思う。
楽天と日本ハムの進塁打率
初回の3得点は鮮やかだったが、それにしても、日本ハムとは対象的にその後の追加点が奪えない。初回以外では、2回1死2塁、4回2死2,1塁、6回無死2,1塁、9回1死2,1塁と4度の得点圏を演出するも、ここからあと1本が出ないのだ。この2試合で結果的にそうなったケース(この試合の6回無死2,1塁で銀次がカンドライナー、飛びだしていた2塁走者岩村が戻れずにアウトになった事例等)も含めて、併殺の数が日本ハムがゼロの一方、イーグルスはじつに5度も記録しているのも、僕らファンの気持ちを重くさせる一因になっている。
今年の年明け、『野球小僧』という雑誌がこのような計算式を用いて進塁打率を出していたことがある。
(安打+進塁打ゴロ+犠打)/(打数+犠打)
それに当てはめると、この2連戦の両軍の進塁打率は、
楽天・・・・・・(18+1+1)/(65+1)=.303
日本ハム・・・・・・(22+4+1)/(68+1)=.391
となり、走者を次の塁へ進塁させる「意識」「技量」の違いがこの値でもくっきり表れている。
各々の持ち味は出ている
打線個々でみれば、朗報を幾つかみることができる。松井稼が「らしい」当たりを放って3安打猛打賞、岩村(ここまでは三遊間の打球が多)も久しぶりに右翼方向に強い当たりのゴロヒットを記録する等で4の2、昨年は結果が出せなかった中村も悪球打ちの代名詞どおりのヒットを2本記録し(特に低めのボール気味の球を粘りに粘ってヒットにした6回の第2打席は印象深かった)、草野もバットコントロールの巧みさを特徴づける当たりを飛ばすなど、それぞれの持ち合いを結果に結びつけることができた。
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