【2015検証8】 過度な逆方向神話に取り憑かれている犬鷲打線
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2013年の日本一から暗転。なぜ楽天は2年連続最下位に低迷したのか?
その理由を探る一連エントリーをアップし続けてきた。
「オーナーの過度な現場介入」「相次ぐ怪我人」「外国人打者の不振」。この三大要素の下には数多くの諸要因が積み重なっている。その結果が得失点差-149につながった。これは2005年、2006年に次ぐワースト3位の数字である。
第8回目の今回は、「引っ張り打球の少なさ」を取り上げたい。
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その前に、楽天のISO、その年度別推移を確認しておこう。
2010年からの6年分の推移を折れ線グラフにしてみた。
ISOは長打率-打率で表される純粋な長打力を示す指標になる。
慢性的な長打力不足がグラフからもクッキリ読み取ることができる。
この6年間でリーグ平均に限りなく迫ったのは、MJ砲が昨日した初Vの2013年のみで、残り5シーズンは平均から引き離されるかたちで推移している。ちなみに、楽天のISOがリーグ平均を上回ったのは、球団創設からここまで1度もない。平均と肩を並べたのは1度だけ、山崎武司が二冠王に輝き、フェルナンデスも22本塁打を放った2007年だった。
慢性的な長打力不足に悩まされているのは、助っ人外国人のハズレが多いこと、生え抜きのスラッガー育成にいまだ道半ばであること等が大きな要因とされる。
しかし、今回ご紹介する、引っ張り打球割合の少なさも、そこに1枚噛んでいるのでは?と疑わざるをえないのだ。
■2015年 パリーグ チーム別の引っ張り打球割合
※DELTA調べ

全打球に占める引っ張り打球の割合になる。右打者なら左翼方向、左打者なら右方向に当たる。
御覧頂いているように、楽天の30.6%は、リーグ平均33.2%を割り込んでいる。パリーグでは最小値だ。
セパ12球団でも最小値になる。楽天の上にくるのが、西武とソフトバンクの32.5%だから、楽天と11球団の間に「それなりの差」が横たわっていることが確認できるかと思う。
ところで、当該チーム打撃陣が1シーズンに放つ打球数は約4,000本を数える。(今季リーグ平均は3,949本だった)。仮に4,000本として、引っ張り打球数をざっくり計算すると、楽天の引っ張り打球は1,224本。37.3%とリーグ最大値を誇るロッテは1,492本になるので、マリーンズとの差は実に268本にも及ぶ。リーグ平均との差でも104本を数える。
ロッテと楽天は本塁打数が85で一緒だった。しかし、二塁打で楽天180に対し、ロッテは203。三塁で楽天16に対し、ロッテは34と二三塁打で大きく水を空けられ、その結果もあり、ロッテ561、楽天463という得点になって表れていた。あまりにも、引っ張りにいきなさすぎたのも、ロッテと楽天の得点力の差になった要因の1つとも言えるのだ。
引っ張りにいかない点は楽天打線のアイデンティティで、その特徴が大きく花開いたのが2013年だった。左打者はセンターから逆方向、右打者でも嶋は徹底的な右打ちを演じた。球を手元まで引き付けるという組織として規律のとれた攻撃で、相手投手に多くの球数を投げさせ、疲労困憊させ、攻略に追い込んだ。
しかし、あの技はMJ砲が主軸で機能し、長打を安定供給したからこそ成し得た攻撃だった。(2013年は打線の分業化に最も成功したシーズンだった)
そのMJ砲もチームを去り、新外国人が不振に陥った今季、日本人打者が例年どおりに引っ張らない打撃を志向していては、長打も生まれるはずがないだろう・・・と思う。
大半の長打が、強い打球の延長戦上にある。もちろん、逆方向に弾き返した当たりでも強い打球を発生させることは可能だ。しかし、それよりも最も簡単な方法は引っ張りにいくことである。引っ張った打球が外野に到達した時、(逆方向の時よりも)かなりの高確率で安打になり、多くの長打が引っ張り打球で誕生する。
今の楽天はこの原理原則を忘れているかのようだ。過剰な逆方向神話に取り憑かれていて、まるで引っ張りにいくことが罪深きといわんばかりの精神構造。あまりにも引っ張りにいかなすぎ!なのである。
この点も来季、改善されるかどうか?注視したい。【終】
◎◎◎関連記事◎◎◎
・【2015検証(1)】 2年連続リーグ平均を下回る約40失点。低迷する楽天の守備力
・【2015検証(2)】 敵軍サウスポーを打ち崩せず... ガタ減りした楽天打者の左投手打率
・【2015検証(3)】 守備指標UZRで診るイーグルスの内外野守備の現在地
・【2015検証(4)】 Plate Disciplineが指し示す楽天の得点力低迷。驚きの原因とは?
・【2015検証(5)】 バント名人がまさかの不振。思うように機能しなかった楽天のバント作戦~真のバント成功率調査より・【2015検証6】ポジョション別OPS、UZRから楽天の補強箇所を確認する・【2015検証7】 打撃の基本「好球必打」とは正反対のことをした楽天打線。未曾有の得点力不足に陥った"もう1つの"決定的理由
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なぜ楽天の得点力はロッテから約100点も下回ったのか?!
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楽天のISOがリーグ平均を上回った年度は1度もない
その前に、楽天のISO、その年度別推移を確認しておこう。
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ISOは長打率-打率で表される純粋な長打力を示す指標になる。
慢性的な長打力不足がグラフからもクッキリ読み取ることができる。
この6年間でリーグ平均に限りなく迫ったのは、MJ砲が昨日した初Vの2013年のみで、残り5シーズンは平均から引き離されるかたちで推移している。ちなみに、楽天のISOがリーグ平均を上回ったのは、球団創設からここまで1度もない。平均と肩を並べたのは1度だけ、山崎武司が二冠王に輝き、フェルナンデスも22本塁打を放った2007年だった。
慢性的な長打力不足に悩まされているのは、助っ人外国人のハズレが多いこと、生え抜きのスラッガー育成にいまだ道半ばであること等が大きな要因とされる。
しかし、今回ご紹介する、引っ張り打球割合の少なさも、そこに1枚噛んでいるのでは?と疑わざるをえないのだ。
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全打球に占める引っ張り打球の割合になる。右打者なら左翼方向、左打者なら右方向に当たる。
御覧頂いているように、楽天の30.6%は、リーグ平均33.2%を割り込んでいる。パリーグでは最小値だ。
セパ12球団でも最小値になる。楽天の上にくるのが、西武とソフトバンクの32.5%だから、楽天と11球団の間に「それなりの差」が横たわっていることが確認できるかと思う。
ところで、当該チーム打撃陣が1シーズンに放つ打球数は約4,000本を数える。(今季リーグ平均は3,949本だった)。仮に4,000本として、引っ張り打球数をざっくり計算すると、楽天の引っ張り打球は1,224本。37.3%とリーグ最大値を誇るロッテは1,492本になるので、マリーンズとの差は実に268本にも及ぶ。リーグ平均との差でも104本を数える。
ロッテと楽天は本塁打数が85で一緒だった。しかし、二塁打で楽天180に対し、ロッテは203。三塁で楽天16に対し、ロッテは34と二三塁打で大きく水を空けられ、その結果もあり、ロッテ561、楽天463という得点になって表れていた。あまりにも、引っ張りにいきなさすぎたのも、ロッテと楽天の得点力の差になった要因の1つとも言えるのだ。
引っ張りにいかない点は楽天打線のアイデンティティで、その特徴が大きく花開いたのが2013年だった。左打者はセンターから逆方向、右打者でも嶋は徹底的な右打ちを演じた。球を手元まで引き付けるという組織として規律のとれた攻撃で、相手投手に多くの球数を投げさせ、疲労困憊させ、攻略に追い込んだ。
しかし、あの技はMJ砲が主軸で機能し、長打を安定供給したからこそ成し得た攻撃だった。(2013年は打線の分業化に最も成功したシーズンだった)
そのMJ砲もチームを去り、新外国人が不振に陥った今季、日本人打者が例年どおりに引っ張らない打撃を志向していては、長打も生まれるはずがないだろう・・・と思う。
大半の長打が、強い打球の延長戦上にある。もちろん、逆方向に弾き返した当たりでも強い打球を発生させることは可能だ。しかし、それよりも最も簡単な方法は引っ張りにいくことである。引っ張った打球が外野に到達した時、(逆方向の時よりも)かなりの高確率で安打になり、多くの長打が引っ張り打球で誕生する。
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