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楽天選手に読んで欲しい、カウント別球種割合から探る大谷翔平その傾向と対策

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開幕戦、対策エントリー第2弾。大谷翔平のカウント別配球傾向を探る



2015年開幕戦、敵方・日本ハムの開幕投手が予想される大谷翔平対策エントリーである。

1回目は1/12に「Plate Disciplineなど珍記録から紐解く、銀次ら楽天各打者vs大谷翔平との対戦成績」として御紹介した。

2回目の今回は、過去2年間における大谷との対戦データを基に、カウント別の配球傾向を探ってみようという趣旨である。

ここまで大谷は(プレーオフを除く)35試合に先発。うち74%に当たる26試合で大野奨太と組んできた。昨年は24先発中21試合にも及んだ。恐らく2015年開幕戦も大野とのバッテリーで楽天に立ち向かってくるはずだ。配球の癖は投手よりも捕手別で考えろとは良く言われることである。

そこで、過去2年間の楽天戦で大谷─大野のバッテリーだった6試合(いずれも昨年)の配球データを用いることにしたい。

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球種はSt=ストレート、Sl=スライダー、Cut=カットボール、Fo=フォーク、Ch=チェンジアップ、Cur=カーブ。表の右端、内、中、外とは内角、真中、外角のコース別を見ている。

表の下欄、2S以降は2ストライク以降のこと、B先行はボール先行1-0、2-0、3-0、3-1の合計(3-2は特殊状況のため対象外)である。

左打者の初球変化球、走者有&無死走者無しで多い



塁状況を考慮しない左打者〔全体〕の配球表になる。

初球、ストレートで入る割合が最多。全体の51%を占めている。その次にスライダー、フォーク、カーブの順である。とは言え、変化球全体では49%49球を占めており、各打者、大谷の真っすぐに張るのか?変化球を待つのか?逡巡が起きそうな状況だ。

そこで、初球変化球で入った49球の塁状況を確認する。走者有で22。走者無しで27。走者無し27のうち15は無死走者無しだった。左打者の初球を変化球で入るときは、その76%が走者有(22)もしくは無死走者無し(15)の塁状況のケースなのだ。

逆を言えば、上記塁状況に当たらない1死走者無し、2死走者無しでバッターボックスに立った左打者は、初球真っすぐ狙いがベターと言えるのだ。

そこに下表に掲載した打者別の初球球種割合の傾向などを勘案して、初球の狙い球を決めていく作業が必要になる。

打者別の初球球種割合



打者別の初球球種割合を見ると、翔平キラーで大谷の真っすぐを快打している松井稼、銀次には変化球で入るケースも多いことが分かる。特にパンチ力のある松井稼には初球真っすぐで入るケースが39%と本当に少なくなっている。スラッガーのAJも同様で初球はほとんどが変化球入りだった。



左打者ボール先行2-0はインコースほぼ無い



左打者に投げ込んだ409球と、内角・真中・外角のコース別で集計する。トータルでは内角から37%、29%、34%という割合で、右打者と比べた時に極端に偏るコースは無い。左打者がコースで張るのは、右打者と比べた時に難しい作業になってくる。

しかし、ボール先行2-0からの投球(全16球)では話は別である。

インコースが少なく(僅か3球)、真中・外角が多い。真中・外角の割合は81%を占めた。この高い傾向は走者無しでも86%、走者有でも78%とほぼ変わらない。

2-0から1球はずしてしまうと完全投手不利の3-0になってしまう。バッテリーとしてはなんとしても避けたい。できれば2-0からは無難にストライクを取りたい。そんな心理が働くがゆえ、真中・外角の投球が増えるのだろう。内角に投げた場合、制球が甘くなれば長打リスクや、すっぽ抜ければ死球も出てくる。それゆえ、アウトコース中心になのだ。

左打者完全不利0-2でも、狙い球を絞ることは可能



0-2というカウントに注目してみよう。

ボール球が最大3つ使うことができる完全投手有利状況である。同カウントで左打者は全42球を投げ込まれている。ストレートが21と最多なのだが、フォークも16と多く。全42球の38%を占める。実は、左打者のカウント別の球種割合で、フォークが最も多くなるカウントが0-2なのだ。(0-0は16%、0-1は29%、1-2、2-2は各24%)

左打者にしてみれば、フォークが最も来るかもしれないカウントのため、意識の半分以上はどうしてもフォークに割かれてしまいがち。そこへ150キロ超えの真っすぐが来たら、対応できずに当てるだけの凡打、振り遅れの空振り三振という事態にもなりかねない。これを回避するには、0-2になる直前球の球種がキモになる。

直前球がストレートの場合、0-2からのストレート割合は42%。変化球が6割近くを占める。直前球の前もストレートだった場合、つまり、ストレート+ストレートで0-2を迎えた場合、そこからのストレートの割合は38%。42%からさらに減らし、そのぶん変化球が増えるのだ。一方、直前球が変化球の場合、0-2からのストレート割合は63%。変化球連投の割合が減り、真っすぐが6割を占める。

こうして考えると、フォークが最も来る確率の高い0-2であっても、狙い球をある程度絞ることはできそうなのだ。

左打者への決め球=フォーク、ボール先行時は大半が真っすぐ



左打者2ストライク以降の球種割合。変化球で最多を記録するのは26%を占めたフォークである。大谷翔平にとって左打者への決め球の変化球はフォークと言える。カーブも左打者には10%を使用する(右打者には2%)

ボール先行カウント。真っすぐが78%と8割近くを占め、カーブ、フォークは滅多に投げず。フルカウントでも16球中13球が真っすぐと多い。左打者、3-2を含むボール先行になった場合、狙い球はとにかく真っすぐ1本に絞るべし!と言えそうだ。

20150114DATA02.jpg

走者無しでも、無死と1死&2死では傾向が異なる



左打者〔走者無し〕の配球表である。

前述したが、無死走者無しと、1死または2死走者無しのときの初球の入りが異なっている。

無死走者無しの初球は全体の42%がストレートで、変化球は58%。1死または2死走者無しはストレートの割合が63%、変化球が37%。後者のほうが初球ストレートで入るケースが多く、回先頭打者になる前者は変化球のほうが多めという傾向が出ている。

回先頭打者の出塁は、1死または2死と比べて、その後の失点につながるケースが高いため、慎重を期すということで変化球主体の入りになるのだろう。一方、1死または2死から出塁されても、無死走者無しで出塁を許した時と比べれば、そこまで失点リスクは高くはならない。そのため、真っすぐで押す強気の配球になっているのかもしれない。

走者無しでバッターボックスに入る左打者はアウトカウントに留意して、狙い球を絞るのが良いかもしれない。

左打者の無死走者無しではインコースに42%



左打者〔走者無し〕はインコース割合が多い。

左打者〔全体〕でコースを見た時、大きな偏りはなかったが、走者の有無で分けてみると、偏りが発生している。全体37%、走者有33%だったのが、走者無しでは40%に上昇した。特に無死走者無しでは42%がインコースに記録され、変化球の56%が内角(特に内角低め)に集まっている。

先に2ストライク以降、右打者にはほとんど用いないカーブを左打者には10%で投げていると書いた。特に、走者無しのシチュエーションでの使用が多いようで12%を記録した。これが走者有だと6%である。

20150114DATA03.jpg

走者有・左打者の初球。カーブ、フォークは限られた面々だけ



左打者〔走者有〕の配球図である。

43球あった初球。そのうちカーブで入ったケースは昨年7/9コボスタでの一戦、1-1の同点で迎えた3回1死2塁、銀次の初球この1球だけである。この前の打席で銀次はタイムリーを打っていた。翔平キラーである銀次の出方を伺う手探りのブレーキングボールと言え、逆を言えば、銀次以外の左打者に初球カーブから入るケースは無いと考えてもよさそうだ。

初球43球中、9球で使用されたフォーク。この内訳をみると、ボウカー2、松井稼3、銀次1、岡島1、島内1、藤田1だった。当たればパンチ力がある打者、大谷キラーの打者の顔ぶれが多い。逆を言えば、これらに該当しない左打者は真っすぐ、もしくはスライダーがくる可能性が高いと言えそうだ。

また、初球の特徴として真中・外角が多い点が挙げられる。

左打者のとき、盗塁は初球、1-1から仕掛けるべし



追い込まれる前のカウントをざっと眺めてみよう。

ストレートが少なく、変化球主体のカウントを探してみる。変化球が51%を占めた0-0からの初球と、同57%に及んだ1-1からの投球時が該当しそうだ。塁上の走者が単独スチールを狙っていくなら、変化球が多くなるこの2つのカウント時に仕掛けるのがベターと言えそうだ。

20150114DATA04.jpg

右打者には外角中心。ストレート&スライダーが多い



右打者〔全体〕の配球表である。

まずは、コース割合を見て欲しい。内角に集まった球は全体の17%にしか過ぎない。左打者の37%と比べると、決定的な差異になる。大谷は右打者のインコースを突く投球はあまりしてこない。右打者は内角は捨てて、狙いをアウトコースに絞り、踏み込んで決め打ちする作戦も面白そうだ。

右打者への球種割合を確認。ストレート52%、スライダー34%。この2球種だけで86%を占める。カーブは4%と滅多に使用されることがなく、使用されたとしても初球で使うぐらいなのがデータ上でも確認できる。左打者には17%を使ったフォークも右打者には11%。フルカウント含むボール先行時には1球も用いられず、2-2も1球だけ。使用されるカウントが決まっているため、対応しやすいとも言えそうだ。

右打者は大谷の真っすぐ、スライダーの2球種に狙い球を絞り、コースはアウトコース中心に張るのが、攻略への基本線になりそうだ。

初球の入り。ストレートが48%の25球とやや少なく、変化球が52%の27球とやや多め。しかし、AJ、ユーキリス、ラッツといった外国人打者を除いた日本人右打者に限って言えば、その比率は逆転してストレートは52%になる。

右打者ボール先行でも真っすぐ頼り。変化球を投げ切る精度がない



1-0からの18球。ストレートとスライダーが半々の9球ずつになった。しかし、その9球のうち6球がAJに対しての使用球。そのため、他の右打者には1-0からは真っすぐが多くなっている。

1-0、2-0、3-0、3-1、2-1のボール先行全体の配球でもストレートが69%と多くを占めている。投手不利カウントから変化球でストライクを取りにいくだけのコントロールの精度が無いと大谷自身も、マスクを被る大野も判断しているのだろう。

ちなみに、開幕戦を大谷と投げ合うことになりそうな則本は、昨年、これらボール先行時の50%で変化球を投げ込んでいた。このことを考えると、大谷がボール先行時に真っすぐに頼りきりになっている状況が如実に分かる。

ボール先行時、右打者も真っすぐ1本に狙いを絞るのが基本になりそうだ。他に使用されているのはスライダーだけで、フォークやカーブといった球種は1球も記録されていない。そのため、真っすぐ狙いでしっかりスイングを入れていくことが必要になってくる。

20150114DATA05.jpg

右打者・走者無し、初球も2ストライク以降もフォークの使用有



右打者〔走者無し〕の配球図である。

初球の入り。下で取り上げる〔走者有〕と比べてみて欲しい。走者有ではストレートとスライダーの2球種だけになるが、走者無しではフォーク、カーブも使用されている。

0-1時に変化球が66%の12球と多くなっている。特に初球ストレートで入って0-1になった直後の投球は変化球が70%を占めている。

追い込んでからの球種割合、走者有ではフォークは僅かに5%だったのに対し、走者無しでは23%とかなり多く使用されているのも、特徴的だ。

20150114DATA06.jpg

右打者・走者有で極端に偏る大谷の球種割合



右打者〔走者有〕の配球図である。

塁上に走者を背負って右打者と対峙した時、大谷の球種割合はとても極端になる。ストレート52%、スライダー44%。他にはフォークが申し訳程度に3球、4%使用されているだけだ。

にも関わらず、大谷─大野バッテリーの前に、楽天の右打者は走者有18打席(14打数)でノーヒット中。ストレート、スライダーのコンビネーションだけで、悠々ねじ伏せられてしまっているのだ。なんとかしなければならない。

大谷─大野バッテリーにも配球の癖がある



少し散漫になってしまったが、以上見てきたように、大谷─大野のバッテリーにも当然、配球に傾向を確認することができる。ボール先行時には3球に約2球が真っすぐになることや、左打者2-0からは内角にはほとんど来ないこと、塁上に走者を背負ってバッターボックスに右打者を迎えると、ストレート&スライダーのシンプルなコンビネーションになること等だ。

もちろん、過去のデータがそのまま今年当てはまるとは限らない。ルーキーイヤーはストレートとスライダーの2球種だけと言って良かった則本が2年目の昨年、フォークを実戦配備することで、則本対策を敷いてきた対戦相手のさらに上をいったように、二刀流右腕もさらなる進化を遂げて、イーグルスと我々楽天ファンに向かってくるはずだ。

やられたら、やり返す。研究されたら、研究し返す。その繰り返しの攻防がプロ野球である。

とにもかくにも、2ヵ月ちょい先の開幕戦、大変、楽しみなのだ。【終】

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