【記録】最多の場数を与えられた期待の若鷲。楽天イーグルス 三好匠 2014年 2軍打撃成績詳細 (シーズン終了時データ)
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2軍は一足先にイースタンの全日程を終了している。9/28(日)巨人戦で今季14度目の零封勝利を飾ったイーグルスは、111試合を52勝52敗7分の勝率5割で終え、イースタン4位という結果に終わった。
ということで、これから2軍選手の成績まとめを随時行っていきたい。なお、2軍成績まとめ記事は球団オフィシャルサイトのファーム試合情報で得られる記録をメインに振り返るものとする。
第1弾は、高卒3年目の内野手、三好匠。先日の金子誠引退試合10/1日本ハム戦では吉川光夫の140キロを打ち返した。その打球は金子誠の右を射抜き、チャンスメイクの左中間二塁打に。プロ初安打を長打で飾った背番号2の現在地を、幾つかの記録から確認してみたい。
(下記に続く)
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■楽天・三好匠 2軍 年度別 打撃成績

年度別の打撃成績から確認してみよう。今年は同じポジションだった西田が1軍でレギュラー定着したこと等もあり、2軍で107試合(うちスタメン102試合)と大幅に出場数が増えている。打席数の429はチーム最多、イースタンでも2位の多さ。この場数の多さ1つだけ取っても、球団が最重要育成選手として若きプロスペクトに期待しているのが、ひしひし伝わってくる。
本塁打はイースタン3位の13本と大きく増やした。チーム内では長距離打者の卵・小斉の11本を抜いて1位に。ルーキーイヤーで早くもパンチ力があるところを誇示していた三好だが、3年目の今季はホームランという形で結実させることに成功したと言えそうだ。
ルーズヴェルトゲームになった4/25敵地ロッテ戦(○E8-7M)ではプロ初の満塁本塁打を左腕の木村優太から1-2の追い込まれたカウントから、かっ飛ばしている。7/6これまた敵地ロッテ戦(○E5-4M)では、終盤、島内が左投手の服部泰卓を打ち砕く同点2ランを記録すると、直後に三好も続いて勝ち越し弾。チームの勝利に貢献した。
打席数とホームランは増えたこと等もあって打点60はチーム最多、イースタンでも3位を記録した。一方でOPS、打率、三振%といった指標は下げるかたちになった。OPS、打率はいずれも自己ワースト。打率.242はイースタン17位の低さに止まった。打席数に占めるその割合を表す三振%は前年の12.2%から16.8%に悪化した。
三好のOPS、打率の年度別推移をイースタンリーグ平均値と見比べてみよう。(下記グラフ参照)


このようにOPSはルーキーイヤーの.797を頂点に.733、.698と下落傾向にある。今年はリーグ平均値を下まわるかたちになった。昨年リーグ平均値を超過することに成功した打率は今季は割り込むかたちで終了している。
なぜOPS、打率、三振%は悪化したのか? 考えられる主な理由は2つありそうだ。
1つめの理由は、本塁打など長打を追求するあまり、打撃の確実性が失われたこと。こういった症状は何も三好に限ったことではなく、多くの選手が辿る道である。強振とミートは基本的には相いれないからだ。
2つめの理由として考えられるのは、出場数が増えたことによる疲労の影響だ。過去2年は60試合近くの出場に止まり、特に1年目は途中出場が多かった。1、2年目はフレッシュな状態を維持したまま打席に立つことができたのが、今季は111試合中107試合に出場、そのうち102試合でスタメンと、大きな怪我をすることなく(1度、BFL選抜との練習戦で頭部死球を受けたこともあったというが大丈夫だったようだ)、1年イースタンの試合にほぼフル出場となった。
実は144試合を戦う1軍より、111試合の2軍のほうが肉体的には過酷だと指摘する声もある。1軍は夏場ほとんどがナイトゲームで、空調の整った屋内球場でのプレーが多い。しかし、2軍は夏場でも基本デーゲーム。苛烈な太陽光の下でのプレーからくる疲労は我々の想像以上かもしれない。三好は21歳と若いのだが、若くても辛いものは辛いはずで、特に守備負担大とされるショートストップを任されていたのだから、推して知るべしだろう。1年フルに戦った疲労、コンディション維持の難しさも、これらの数字を下げた要因の1つになったと思うが、この経験は今後につながるはずだ。
私はファームで研鑽を積む若鷲の中でも三好には期待をしている立場なので、正直、OPS、打率で一回り良い数字を残して欲しかったというのが本音になる。しかし、今回、記録を振り返ってみて、まずまず健闘したのかな?と思うようになってきた。
というのは、他球団の主な遊撃手との成績比較で、三好は健闘の部類に入っているからだ。
イースタンに所属する7球団の主な遊撃手の守備成績とOPSを書き出してみた。主な遊撃手とはそのチーム内で遊撃出場試合数が最多を記録した選手を対象としている。OPSはシーズン成績で遊撃手以外のポジションで出場した数値も含まれていることを付記する。
■イースタン主な遊撃手との比較

御覧のように三好のOPS.698は遊撃手の中で見れば、悪くはない。恐らくイースタン遊撃手のリーグ平均より上に位置しているはずだ。三好を上まわるロッテ高濱、DeNA飛雄馬は三好より試合数・打席数も少ない。429打席バッターボックスに立ち7割と言える数字を残せたのは、今後につながる結果だと捉えたい。
そして、上記表で注目すべきは守備成績なのだ。
プロに入ってから内野手転向した三好の課題は守備にあった。しかし、その課題の守備が今季、大きく向上した。簡易レンジファクターは4.01。他球団遊撃手の数値と比べると凡庸かもしれないが、昨年の三好の数字は3.73だったことを考えると、改善に成功している。守備率も昨年の.936から今年は.963と良化した。失策数は昨年は51試合で13だったのが、今年は出場数増えて90試合守ったにも関わらず、昨年と同程度と言える14に止めている。
1試合当たりの刺殺、補殺の推移は、刺殺が1.27から1.44へ、補殺が2.45から2.57へ改善されている。どちらかというと刺殺で表される守備力(例えば4-6-3の6時の2塁捕球や、二盗時のベースカバー、遊飛や遊直の処理)の改善が目立ったようだ。1つ例を挙げると、4/1利府でのヤクルト戦(●E3-9S9)では初回先頭打者・比屋根の左前ヒットコースのライナーをジャンピングキャッチで阻止することにも成功したようだ。
課題とされていた守備力、ようやくイースタン平均レベルまで上げてくることができたのかな?という良いイメージで私は捉えている。
■楽天・三好匠 2014年 2軍 月別 打撃成績

三好の成績を月別にざっくり確認してみよう。
OPS.767、打率.254の月間成績を残した5月は波の激しい月だったようだ。月の前半は12打席、13打席といったノーヒットが続いたが、後半に入ると5/15から6/1まで10試合連続安打を記録。この間マルチ安打を実に6試合でマークしている。
夏場の7月は打率.189と苦しむ結果になった。調べてみると、6/27から6/27から7/5にかけて22打席ノーヒットがあった。この間に2本の犠打を決め、7/3ヤクルト戦(○E3-2S)でのサヨナラ押し出し四球を選んでいるが、ヒットは打てなかった。
最も調子が良かったのは8月に当たる。OPS.974、打率.341の月間成績を残した。月別の三振%もこの月の10.9%が最も良く、コンタクト率も上々だったのだろう。8/2横手で開催された大勝ゲームのロッテ戦(E20-4M)では2番・セカンドで先発出場し、3ラン2本含む6打数4安打6打点の獅子奮迅ぶりをみせている。
■楽天・三好匠 2014年 2軍 左右投手別 打撃成績

次にその成績を投手の左右別で確認してみよう。
右打者の三好だが、どちらかと言うと、左投手には少々手こずり、右投手をやや得意にしていたと言えそうだ。昨年はこの傾向が両極端すぎて、左投手に弱く(OPS.484、打率.175)、右投手に滅法強かったのだが(OPS.847、打率.319)、今年はそこまでのハッキリした差異を確認することはできない。
ただ、やっぱり、右打者のため、左打者に対する数字はもっと良くしていきたいところだ。打率.220は寂しすぎる。その中、サウスポーの吉川光夫から打ったプロ初安打の二塁打は自信になったのではないか。あの時の吉川は速球が走っていて、楽天打線はその速球にタジタジにさせられていたところ、その真っすぐを甘いとはいえ、打ち返すことができたのは、今後の財産になるはずだ。
■楽天・三好匠 2014年 2軍 打球方向
※犠打を除く
※カッコ内は安打数

最後に打球方向を確認して、本稿を終わりにしたい。
3年目を迎えた三好のバッティングは、現在、ひっぱり傾向にあるようだ。外野に記録された安打83本のうち、センターからレフト方向は実に69本、外野に記録されたヒットの83.1%を占めていた。一方、ライトには僅か8本に止まっていた。昨年もその傾向があり、昨年のレフトからセンターへのヒットの割合は79.2%だったが、今年はさらにその傾向が強まったと言えそうだ。
1つ懸念材料がある。遊撃に60本もの打球が記録されている点だ。これは内外野合わせた全311打球の19.3%、約2割を占めている。このパーセンテージ、昨年は12.9%に止まっていたので、昨年と比べて今年は激増したと言えそうだ。そしてその大半が遊ゴになっていた。
投手の左右別でみると、左投手から放った全102打球中、遊撃打球は17.6%の18本だった。これが右投手だと全209打球中、20.1%の42%を記録した。どちらかと言うと右投手対戦時に遊撃への凡打が多いと言えそうだ。
ここからは完全な推測だが、例えば、無理にひっぱりにいくあまり、右投手が投げる外角低めの逃げる球(スライダー等)や左投手が落としてくるチェンジアップ等をひっかけて遊ゴに終わるケースが多かったのでは?と想像している。
来季は4年目を迎える背番号2。また一段上のステージに登るためにも、来季は状況に応じたバッティングも求められるだろう。今季は昨年に続いてバントの失敗も目立っただけに、バントや走者を進める打撃、コースにさからわないバッティング技術の向上にも積極的に取り組んでいってもらいたい。
西田と松井稼の関係がそうだったように、球団としては藤田がアラフォーに足をかける2017年、三好が高卒6年目の24歳になるタイミングで藤田との世代交代ができればというロードマップを描いているはずだ。(もちろん、それより早いことに越したことはないのだけれど) ここまでは順調にきているようにみえるので、今後の研鑽にも注視していきたいと思っている。
【終】
◎◎◎関連記事◎◎◎
・〔記録〕楽天 三好匠 2012年 2軍打撃成績。左右投手別、月別、打球方向 (シーズン終了データ)
・【記録】楽天イーグルス 三好匠 2013年 2軍打撃成績詳細 (シーズン終了時データ)
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2軍選手の成績まとめをスタートさせます
2軍は一足先にイースタンの全日程を終了している。9/28(日)巨人戦で今季14度目の零封勝利を飾ったイーグルスは、111試合を52勝52敗7分の勝率5割で終え、イースタン4位という結果に終わった。
ということで、これから2軍選手の成績まとめを随時行っていきたい。なお、2軍成績まとめ記事は球団オフィシャルサイトのファーム試合情報で得られる記録をメインに振り返るものとする。
第1弾は、高卒3年目の内野手、三好匠。先日の金子誠引退試合10/1日本ハム戦では吉川光夫の140キロを打ち返した。その打球は金子誠の右を射抜き、チャンスメイクの左中間二塁打に。プロ初安打を長打で飾った背番号2の現在地を、幾つかの記録から確認してみたい。
(下記に続く)
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■楽天・三好匠 2軍 年度別 打撃成績

初めて1年通して戦った3年目。429打席はイースタン2位、13本塁打は同3位
年度別の打撃成績から確認してみよう。今年は同じポジションだった西田が1軍でレギュラー定着したこと等もあり、2軍で107試合(うちスタメン102試合)と大幅に出場数が増えている。打席数の429はチーム最多、イースタンでも2位の多さ。この場数の多さ1つだけ取っても、球団が最重要育成選手として若きプロスペクトに期待しているのが、ひしひし伝わってくる。
本塁打はイースタン3位の13本と大きく増やした。チーム内では長距離打者の卵・小斉の11本を抜いて1位に。ルーキーイヤーで早くもパンチ力があるところを誇示していた三好だが、3年目の今季はホームランという形で結実させることに成功したと言えそうだ。
ルーズヴェルトゲームになった4/25敵地ロッテ戦(○E8-7M)ではプロ初の満塁本塁打を左腕の木村優太から1-2の追い込まれたカウントから、かっ飛ばしている。7/6これまた敵地ロッテ戦(○E5-4M)では、終盤、島内が左投手の服部泰卓を打ち砕く同点2ランを記録すると、直後に三好も続いて勝ち越し弾。チームの勝利に貢献した。
低下傾向にあるOPSと打率。その理由とは
打席数とホームランは増えたこと等もあって打点60はチーム最多、イースタンでも3位を記録した。一方でOPS、打率、三振%といった指標は下げるかたちになった。OPS、打率はいずれも自己ワースト。打率.242はイースタン17位の低さに止まった。打席数に占めるその割合を表す三振%は前年の12.2%から16.8%に悪化した。
三好のOPS、打率の年度別推移をイースタンリーグ平均値と見比べてみよう。(下記グラフ参照)


このようにOPSはルーキーイヤーの.797を頂点に.733、.698と下落傾向にある。今年はリーグ平均値を下まわるかたちになった。昨年リーグ平均値を超過することに成功した打率は今季は割り込むかたちで終了している。
なぜOPS、打率、三振%は悪化したのか? 考えられる主な理由は2つありそうだ。
1つめの理由は、本塁打など長打を追求するあまり、打撃の確実性が失われたこと。こういった症状は何も三好に限ったことではなく、多くの選手が辿る道である。強振とミートは基本的には相いれないからだ。
2つめの理由として考えられるのは、出場数が増えたことによる疲労の影響だ。過去2年は60試合近くの出場に止まり、特に1年目は途中出場が多かった。1、2年目はフレッシュな状態を維持したまま打席に立つことができたのが、今季は111試合中107試合に出場、そのうち102試合でスタメンと、大きな怪我をすることなく(1度、BFL選抜との練習戦で頭部死球を受けたこともあったというが大丈夫だったようだ)、1年イースタンの試合にほぼフル出場となった。
実は144試合を戦う1軍より、111試合の2軍のほうが肉体的には過酷だと指摘する声もある。1軍は夏場ほとんどがナイトゲームで、空調の整った屋内球場でのプレーが多い。しかし、2軍は夏場でも基本デーゲーム。苛烈な太陽光の下でのプレーからくる疲労は我々の想像以上かもしれない。三好は21歳と若いのだが、若くても辛いものは辛いはずで、特に守備負担大とされるショートストップを任されていたのだから、推して知るべしだろう。1年フルに戦った疲労、コンディション維持の難しさも、これらの数字を下げた要因の1つになったと思うが、この経験は今後につながるはずだ。
イースタン遊撃手の中では健闘の部類に
私はファームで研鑽を積む若鷲の中でも三好には期待をしている立場なので、正直、OPS、打率で一回り良い数字を残して欲しかったというのが本音になる。しかし、今回、記録を振り返ってみて、まずまず健闘したのかな?と思うようになってきた。
というのは、他球団の主な遊撃手との成績比較で、三好は健闘の部類に入っているからだ。
イースタンに所属する7球団の主な遊撃手の守備成績とOPSを書き出してみた。主な遊撃手とはそのチーム内で遊撃出場試合数が最多を記録した選手を対象としている。OPSはシーズン成績で遊撃手以外のポジションで出場した数値も含まれていることを付記する。
■イースタン主な遊撃手との比較

課題の守備力、改善に成功
御覧のように三好のOPS.698は遊撃手の中で見れば、悪くはない。恐らくイースタン遊撃手のリーグ平均より上に位置しているはずだ。三好を上まわるロッテ高濱、DeNA飛雄馬は三好より試合数・打席数も少ない。429打席バッターボックスに立ち7割と言える数字を残せたのは、今後につながる結果だと捉えたい。
そして、上記表で注目すべきは守備成績なのだ。
プロに入ってから内野手転向した三好の課題は守備にあった。しかし、その課題の守備が今季、大きく向上した。簡易レンジファクターは4.01。他球団遊撃手の数値と比べると凡庸かもしれないが、昨年の三好の数字は3.73だったことを考えると、改善に成功している。守備率も昨年の.936から今年は.963と良化した。失策数は昨年は51試合で13だったのが、今年は出場数増えて90試合守ったにも関わらず、昨年と同程度と言える14に止めている。
1試合当たりの刺殺、補殺の推移は、刺殺が1.27から1.44へ、補殺が2.45から2.57へ改善されている。どちらかというと刺殺で表される守備力(例えば4-6-3の6時の2塁捕球や、二盗時のベースカバー、遊飛や遊直の処理)の改善が目立ったようだ。1つ例を挙げると、4/1利府でのヤクルト戦(●E3-9S9)では初回先頭打者・比屋根の左前ヒットコースのライナーをジャンピングキャッチで阻止することにも成功したようだ。
課題とされていた守備力、ようやくイースタン平均レベルまで上げてくることができたのかな?という良いイメージで私は捉えている。
■楽天・三好匠 2014年 2軍 月別 打撃成績

波があった5月、不調の7月、一転、絶好調の8月
三好の成績を月別にざっくり確認してみよう。
OPS.767、打率.254の月間成績を残した5月は波の激しい月だったようだ。月の前半は12打席、13打席といったノーヒットが続いたが、後半に入ると5/15から6/1まで10試合連続安打を記録。この間マルチ安打を実に6試合でマークしている。
夏場の7月は打率.189と苦しむ結果になった。調べてみると、6/27から6/27から7/5にかけて22打席ノーヒットがあった。この間に2本の犠打を決め、7/3ヤクルト戦(○E3-2S)でのサヨナラ押し出し四球を選んでいるが、ヒットは打てなかった。
最も調子が良かったのは8月に当たる。OPS.974、打率.341の月間成績を残した。月別の三振%もこの月の10.9%が最も良く、コンタクト率も上々だったのだろう。8/2横手で開催された大勝ゲームのロッテ戦(E20-4M)では2番・セカンドで先発出場し、3ラン2本含む6打数4安打6打点の獅子奮迅ぶりをみせている。
■楽天・三好匠 2014年 2軍 左右投手別 打撃成績

2年連続で左投手に弱く、右打者に強い傾向
次にその成績を投手の左右別で確認してみよう。
右打者の三好だが、どちらかと言うと、左投手には少々手こずり、右投手をやや得意にしていたと言えそうだ。昨年はこの傾向が両極端すぎて、左投手に弱く(OPS.484、打率.175)、右投手に滅法強かったのだが(OPS.847、打率.319)、今年はそこまでのハッキリした差異を確認することはできない。
ただ、やっぱり、右打者のため、左打者に対する数字はもっと良くしていきたいところだ。打率.220は寂しすぎる。その中、サウスポーの吉川光夫から打ったプロ初安打の二塁打は自信になったのではないか。あの時の吉川は速球が走っていて、楽天打線はその速球にタジタジにさせられていたところ、その真っすぐを甘いとはいえ、打ち返すことができたのは、今後の財産になるはずだ。
■楽天・三好匠 2014年 2軍 打球方向
※犠打を除く
※カッコ内は安打数

全体の約2割が遊撃に集中
最後に打球方向を確認して、本稿を終わりにしたい。
3年目を迎えた三好のバッティングは、現在、ひっぱり傾向にあるようだ。外野に記録された安打83本のうち、センターからレフト方向は実に69本、外野に記録されたヒットの83.1%を占めていた。一方、ライトには僅か8本に止まっていた。昨年もその傾向があり、昨年のレフトからセンターへのヒットの割合は79.2%だったが、今年はさらにその傾向が強まったと言えそうだ。
1つ懸念材料がある。遊撃に60本もの打球が記録されている点だ。これは内外野合わせた全311打球の19.3%、約2割を占めている。このパーセンテージ、昨年は12.9%に止まっていたので、昨年と比べて今年は激増したと言えそうだ。そしてその大半が遊ゴになっていた。
投手の左右別でみると、左投手から放った全102打球中、遊撃打球は17.6%の18本だった。これが右投手だと全209打球中、20.1%の42%を記録した。どちらかと言うと右投手対戦時に遊撃への凡打が多いと言えそうだ。
ここからは完全な推測だが、例えば、無理にひっぱりにいくあまり、右投手が投げる外角低めの逃げる球(スライダー等)や左投手が落としてくるチェンジアップ等をひっかけて遊ゴに終わるケースが多かったのでは?と想像している。
来季は4年目を迎える背番号2。また一段上のステージに登るためにも、来季は状況に応じたバッティングも求められるだろう。今季は昨年に続いてバントの失敗も目立っただけに、バントや走者を進める打撃、コースにさからわないバッティング技術の向上にも積極的に取り組んでいってもらいたい。
西田と松井稼の関係がそうだったように、球団としては藤田がアラフォーに足をかける2017年、三好が高卒6年目の24歳になるタイミングで藤田との世代交代ができればというロードマップを描いているはずだ。(もちろん、それより早いことに越したことはないのだけれど) ここまでは順調にきているようにみえるので、今後の研鑽にも注視していきたいと思っている。
【終】
◎◎◎関連記事◎◎◎
・〔記録〕楽天 三好匠 2012年 2軍打撃成績。左右投手別、月別、打球方向 (シーズン終了データ)
・【記録】楽天イーグルス 三好匠 2013年 2軍打撃成績詳細 (シーズン終了時データ)
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