【試合評】 秋田こまちスタジアムは岸孝之独擅場。楽天今季4度目零敗で借金最多6へ~2014年5月17日(土) ●楽天イーグルス0-7西武
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12時現在、気温11.5度、湿度76%。冷気を帯びた風速7.2mの海風が右翼から左翼へ強く吹きつけている秋田こまちスタジアム。楽天のベンチにはストーブが置かれ、指揮官は手袋をしながらの指揮となった西武9回戦は、寒空にもめげず13,522人の聴衆が集まった。これは同地楽天戦で昨年記録した12,759人を上まわり最多観客動員数となっている。
大雨から一夜明けた今朝も小雨が降り続いていたという。そんな悪天候の中、午前8時30分頃から球場のグラウンドキーパー、地元秋田の大学生有志によるグラウンド整備が入念に行われ、雨も上がったこまちスタジアムでは試合開始15分遅れでプレイボールが告げられていたのだが、終わってみれば楽天打線を合計6イニングで三者凡退シャットアウトした西武先発・岸孝之の独擅場だった。
先日千葉でノーヒットノーランを達成、今季は主要タイトルのいずれかを取りそうな気配の岸の前に、イーグルス打線は終始圧倒されっぱなし。見せ場らしい見せ場は、辛島が先に2点を失った直後の4回裏の攻撃だけだった。
先頭の1番・岡島が粘りに粘った。岸に10球投げさせてカーブを巧打で左前に運ぶと、藤田はバント。打撃好調の4番AJの前に、3番・銀次も右前に弾き返して1死3,1塁のかたちを作ることに成功していた。ここで1点でももぎ取っておけば、その後の展開はどうなっていたか?分からないというシーンだった。
初球外角低めスライダーがはずれた後の第2球だった。外角低めに入った142キロ速球、AJがセンター返しで弾き返していく。しかし、2塁ベース左横に達した時には遊撃・永江が追いついており、6-4-3のゲッツーゴロで3アウト。
結局、この試合、楽天が後にも先にもスコアリングポジションに走者を進めたのは、この4回裏の銀次、AJの2打席だけだった。
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楽天の先発・辛島は投球回を上まわる9本のヒットを浴びながらも、6回を2失点にまとめるクオリティスタートの粘投。スコア0-2と2点を追う状況、ワンチャンスで追いつける望みをつなぎ、終盤7回からブルペン陣にバトンを託したが、ブルペン陣が失点を重ねた。7回には二番手・青山が3失点、9回には相原が2失点。終わってみれば、0-7。今季4度目の零封負けを喫するかたちになった。
特に7回表はバッテリーが酷かった。1死後、代打の脇谷、3番・栗山に対し、青山が8球連続ボール。4番・中村の前に2者連続四球で2,1塁の自作自演ピンチを招くと、バッターボックスのおかわりにも右翼ラインへ弾き返され、塁上満員御礼。メヒアをかろうじて三振に討ち取った2死後、先制打の6番・浅村に手痛い一撃をくらっている。
青山の内角に投げ切ることができなかった逆球を浅村が右前へ痛打。三走は悠々生還。2塁の栗山も3塁を蹴って本塁に突入していく。ライト岡島のバックホーム送球も良くクロスプレーに見えたが、栗山と嶋激突の末、セーフ。嶋が転倒して痛がって立ち上がれない間、一走の中村にも生還を許す走者一掃劇になってしまった。
ライト岡島のバックホームは嶋の手前でワンバウンドする送球になったが、あれに悪送球のエラーがついていまうのは、岡島に気の毒に思える。解説・松本匡史氏が指摘したように、嶋が前へ弾くことなく、しっかり捕球していれば、クロスプレーもアウトになっていたはずのプレーだった。突っ込んでくる走者に注意を払いながらの捕球は高難度なのかもしれないが、1年目から数多くのマスクをかぶってきたその経験を生かして欲しかった。
現実は、岡島の本塁ワンバン返球を前に落として弾いてしまってあたふたしているところに、栗山に体当たりされ、栗山の右足が嶋の左大腿部にぶつかるかたちになり、嶋がもんどりうって担架で運ばれる負傷退場劇になってしまった。急遽、小関がマスクを被り、その後、嶋はトレーニングルームでマッサージを受けて今のところ病院には行かないで様子を見るとのベンチリポートが中田浩光さんから届けられた。しかし、明日の出場は微妙だろう。青山ともどもバッテリーの残念なシーンになってしまった。
これで楽天は今季4度目の3連敗、チーム成績は40試合17勝23敗。借金は今季最多の6としている。なお、各種戦績は下記のようになっている。
カードの初戦戦績7勝8敗
ホームゲーム戦績8勝13敗
西武戦6勝3敗
先制された試合3勝17敗
秋田県八郎潟出身の後藤は、秋田こまちスタジアムでのプレーは本戦が初めてだったという。残念ながらスタメン出場とはならなかったのもの、試合の趨勢が決まった8回表、藤田に代わってセカンドの守備で途中出場した。
惜しくも打席はまわってこなかったが、9回表1死3,1塁で炭谷が放ったゲッツーコースのゴロをバックハンドで取りにいったところを弾いてしまい、これが二ゴ失。7失点目のタイムリーエラーを記録してしまっている。
両軍のスタメン
西武=1番・熊代(中)、2番・山崎(三)、3番・栗山(左)、4番・中村(一)、5番・メヒア(指)、6番・浅村(二)、7番・木村(右)、8番・炭谷(捕)、9番・永江(遊)、先発・岸(右投)
楽天=1番・岡島(右)、2番・藤田(二)、3番・銀次(一)、4番・ジョーンズ(指)、5番・ボウカー(左)、6番・松井稼(三)、7番・西田(遊)、8番・嶋(捕)、9番・島内(中)、先発・辛島(左投)
午前中まで雨が降っていたグラウンドコンディションの問題、慣れない地方球場での守備という難しい環境下にあったとはいえ、西武のエラーがゼロの中、イーグルスの3はあまりにもいただけない。7回岡島のバックホーム、嶋が取れなかったことから悪送球エラーがついてしまったのは気の毒と言えるものの、残りの2つはいただけない。
そのうち1つは前述、後藤のもの。もう1つは1回、熊代のファースト左、1,2塁間の当たりを銀次が弾いてしまったものである。銀次は翌2回炭谷の同様のゴロに対しても、討ち取ったとはいえ、ファンブルするかたちになった。
さらに拙いのは4回表1死満塁で浅村、木村に浴びた連続タイムリーの左前安打である。三遊間を襲った。サード松井稼の右横だった。浅村の当たりはあまりにも痛烈すぎたので松井稼が及ばなかったのは仕方がないかもしれない。しかし、木村の当たりはあともう少しでグラブが届きそうなところを抜けていったもの。松井稼の守備範囲の衰えを痛感するシーンだったかと思う。
昨年、パリーグで最少失策数で最高守備率を誇った楽天だが、今年は一転、5/16現在で失策数はリーグ3位の21個。守備率.986は、ロッテ、ソフトバンクに抜かれて3位に甘んじている。

6回、打者27人、102球(1回当たり17.00)、被安打9、被本塁打0、奪三振3、与四球2、失点2、自責点2。
初球27球・・・速球14、スライダー7、チェンジアップ1、カーブ5
2ストライク以降32球・・・速球15、スライダー/カット8、チェンジアップ8、カーブ1
「3回までは良い投球ができていたのですが。先に失点してしまい、リードを許したままマウンドを降りることになってしまったので、申し訳ないです」
辛島本人が言うように状態は悪くなかったと思う。6回2失点は6回無失点と紙一重だったかと思う。それどころか、ゴロを打たせていくという自身の投球は高いレベルで実現できていた(ゴロ率は驚異の71.4%だった)。辛島は三振を奪っていくタイプではないので、どうしてもバックの守備陣の力量に左右される要素がある。今日はそれが裏目に出てしまったと言えるそうだ。
確かに4回1死から4番・中村を必要以上に警戒してストレートで歩かせてしまったのは拙かった。先制2失点劇の起点になるフォアボールだったので、ミソがつくかたちになった。あの場面、外角低めの際どい所を速球で攻めるのではなく、初球をカーブで例え甘くなったとしてもストライクを取っておきたかった。恐らく中村、初球カーブは待っていなかったと思うのだ。その意味では配球に問題あったとも指摘できる。
実は試合前時点で、辛島の得点圏被打率は.146だった。今季は得点圏で打たれた長打はゼロ。得点圏での直近打者20人との対戦でヒットを打たれたのは僅かに1本という、ここ最近の辛島はタフなピッチングをみせていた。4回、浅村に打たれた先制打が実に得点圏で21打席ぶりに打たれたヒットになった。
結局、2本のタイムリーを浴びた辛島だったが、その後、炭谷を6-4-3の併殺打に仕留め、自ら火消しに成功した点は評価できるところ。そして、いまだに辛島は得点圏で長打を許していない。その意味で辛島のタフな部分はなおも継続していると言えるし、次戦の好投も期待できると思っている。


9回、打者28人、124球(1回当たり13.78)、被安打4、被本塁打0、奪三振7、与四死球0、失点0。
初球28球・・・ストレート13、スライダー6、チェンジアップ4、カーブ5
2ストライク以降・・・ストレート24、スライダー1、チェンジアップ14、カーブ6
岸のストレートは元々上質で昨年も被打率は.221、空振り率は7.2%を記録していた。しかし、今季はさらに輪をかけて素晴らしく、試合前まで被打率は2割を切る1割台。空振り率は空振りを奪える一流の真っすぐとされる10%に迫る数字を記録していた。
本戦の岸の真っすぐも素晴らしかった。千葉でのノーヒットノーラン劇のときと比べると数きろスピードは落ちていたものの、球速以上に走っていたように感じる。楽天打者が岸のストレートを打っていった結果は15打数2安打の.133。中盤以降は高め釣り球を頻繁に使われ、楽天打線は相手バッテリー思惑どおりの手を出していってのフライアウトに倒れるケースも目立った。
ストレートの走りが良いから、真っすぐと同じ腕の振りで繰り出されるチェンジアップが楽天打線を苦しめた。3本の併殺打のうち2本はチェンジアップを打たされたもの。2本の併殺打を含む6本のゴロ凡打をチェンジアップで記録するハメとなっている。(そのうち5本は追い込まれてからのチェンアップを打たされている)
◎◎◎関連記事◎◎◎
《辛島航の前回登板試合》
・【試合評】イヌワシ打線今季3度目20安打猛攻でロッテ投手陣木端微塵。タフになった辛島航~2014年5月11日(日) ○楽天イーグルス12-2ロッテ
《昨年の秋田主催試合》
・【試合評】 同点2ランのマギー。大好物は右投手が投げる真中・内角スライダーです!!──2013年7月31日(水) △楽天イーグルス2-2西武
《直近の試合評》
・【試合評】雨天で流れた2回裏幻の4点逆転劇も、良しとしたいノーゲーム~2014年5月14日(木)〔雨天ノーゲーム〕楽天イーグルス4-オリックス
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秋田こまちスタジアムは東北人・岸孝之の独擅場
12時現在、気温11.5度、湿度76%。冷気を帯びた風速7.2mの海風が右翼から左翼へ強く吹きつけている秋田こまちスタジアム。楽天のベンチにはストーブが置かれ、指揮官は手袋をしながらの指揮となった西武9回戦は、寒空にもめげず13,522人の聴衆が集まった。これは同地楽天戦で昨年記録した12,759人を上まわり最多観客動員数となっている。
大雨から一夜明けた今朝も小雨が降り続いていたという。そんな悪天候の中、午前8時30分頃から球場のグラウンドキーパー、地元秋田の大学生有志によるグラウンド整備が入念に行われ、雨も上がったこまちスタジアムでは試合開始15分遅れでプレイボールが告げられていたのだが、終わってみれば楽天打線を合計6イニングで三者凡退シャットアウトした西武先発・岸孝之の独擅場だった。
先日千葉でノーヒットノーランを達成、今季は主要タイトルのいずれかを取りそうな気配の岸の前に、イーグルス打線は終始圧倒されっぱなし。見せ場らしい見せ場は、辛島が先に2点を失った直後の4回裏の攻撃だけだった。
先頭の1番・岡島が粘りに粘った。岸に10球投げさせてカーブを巧打で左前に運ぶと、藤田はバント。打撃好調の4番AJの前に、3番・銀次も右前に弾き返して1死3,1塁のかたちを作ることに成功していた。ここで1点でももぎ取っておけば、その後の展開はどうなっていたか?分からないというシーンだった。
初球外角低めスライダーがはずれた後の第2球だった。外角低めに入った142キロ速球、AJがセンター返しで弾き返していく。しかし、2塁ベース左横に達した時には遊撃・永江が追いついており、6-4-3のゲッツーゴロで3アウト。
結局、この試合、楽天が後にも先にもスコアリングポジションに走者を進めたのは、この4回裏の銀次、AJの2打席だけだった。
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辛島6回2失点粘投も、7回バッテリー陣が試合をぶち壊し・・・
楽天の先発・辛島は投球回を上まわる9本のヒットを浴びながらも、6回を2失点にまとめるクオリティスタートの粘投。スコア0-2と2点を追う状況、ワンチャンスで追いつける望みをつなぎ、終盤7回からブルペン陣にバトンを託したが、ブルペン陣が失点を重ねた。7回には二番手・青山が3失点、9回には相原が2失点。終わってみれば、0-7。今季4度目の零封負けを喫するかたちになった。
特に7回表はバッテリーが酷かった。1死後、代打の脇谷、3番・栗山に対し、青山が8球連続ボール。4番・中村の前に2者連続四球で2,1塁の自作自演ピンチを招くと、バッターボックスのおかわりにも右翼ラインへ弾き返され、塁上満員御礼。メヒアをかろうじて三振に討ち取った2死後、先制打の6番・浅村に手痛い一撃をくらっている。
青山の内角に投げ切ることができなかった逆球を浅村が右前へ痛打。三走は悠々生還。2塁の栗山も3塁を蹴って本塁に突入していく。ライト岡島のバックホーム送球も良くクロスプレーに見えたが、栗山と嶋激突の末、セーフ。嶋が転倒して痛がって立ち上がれない間、一走の中村にも生還を許す走者一掃劇になってしまった。
ライト岡島のバックホームは嶋の手前でワンバウンドする送球になったが、あれに悪送球のエラーがついていまうのは、岡島に気の毒に思える。解説・松本匡史氏が指摘したように、嶋が前へ弾くことなく、しっかり捕球していれば、クロスプレーもアウトになっていたはずのプレーだった。突っ込んでくる走者に注意を払いながらの捕球は高難度なのかもしれないが、1年目から数多くのマスクをかぶってきたその経験を生かして欲しかった。
現実は、岡島の本塁ワンバン返球を前に落として弾いてしまってあたふたしているところに、栗山に体当たりされ、栗山の右足が嶋の左大腿部にぶつかるかたちになり、嶋がもんどりうって担架で運ばれる負傷退場劇になってしまった。急遽、小関がマスクを被り、その後、嶋はトレーニングルームでマッサージを受けて今のところ病院には行かないで様子を見るとのベンチリポートが中田浩光さんから届けられた。しかし、明日の出場は微妙だろう。青山ともどもバッテリーの残念なシーンになってしまった。
これで楽天は今季4度目の3連敗、チーム成績は40試合17勝23敗。借金は今季最多の6としている。なお、各種戦績は下記のようになっている。
カードの初戦戦績7勝8敗
ホームゲーム戦績8勝13敗
西武戦6勝3敗
先制された試合3勝17敗
御当地・後藤光尊は途中出場
秋田県八郎潟出身の後藤は、秋田こまちスタジアムでのプレーは本戦が初めてだったという。残念ながらスタメン出場とはならなかったのもの、試合の趨勢が決まった8回表、藤田に代わってセカンドの守備で途中出場した。
惜しくも打席はまわってこなかったが、9回表1死3,1塁で炭谷が放ったゲッツーコースのゴロをバックハンドで取りにいったところを弾いてしまい、これが二ゴ失。7失点目のタイムリーエラーを記録してしまっている。
両軍のスタメン
西武=1番・熊代(中)、2番・山崎(三)、3番・栗山(左)、4番・中村(一)、5番・メヒア(指)、6番・浅村(二)、7番・木村(右)、8番・炭谷(捕)、9番・永江(遊)、先発・岸(右投)
楽天=1番・岡島(右)、2番・藤田(二)、3番・銀次(一)、4番・ジョーンズ(指)、5番・ボウカー(左)、6番・松井稼(三)、7番・西田(遊)、8番・嶋(捕)、9番・島内(中)、先発・辛島(左投)
拙守、相次ぐ
午前中まで雨が降っていたグラウンドコンディションの問題、慣れない地方球場での守備という難しい環境下にあったとはいえ、西武のエラーがゼロの中、イーグルスの3はあまりにもいただけない。7回岡島のバックホーム、嶋が取れなかったことから悪送球エラーがついてしまったのは気の毒と言えるものの、残りの2つはいただけない。
そのうち1つは前述、後藤のもの。もう1つは1回、熊代のファースト左、1,2塁間の当たりを銀次が弾いてしまったものである。銀次は翌2回炭谷の同様のゴロに対しても、討ち取ったとはいえ、ファンブルするかたちになった。
さらに拙いのは4回表1死満塁で浅村、木村に浴びた連続タイムリーの左前安打である。三遊間を襲った。サード松井稼の右横だった。浅村の当たりはあまりにも痛烈すぎたので松井稼が及ばなかったのは仕方がないかもしれない。しかし、木村の当たりはあともう少しでグラブが届きそうなところを抜けていったもの。松井稼の守備範囲の衰えを痛感するシーンだったかと思う。
昨年、パリーグで最少失策数で最高守備率を誇った楽天だが、今年は一転、5/16現在で失策数はリーグ3位の21個。守備率.986は、ロッテ、ソフトバンクに抜かれて3位に甘んじている。

辛島6回2失点。4回中村の四球が全ても、合格点はつけることができる
6回、打者27人、102球(1回当たり17.00)、被安打9、被本塁打0、奪三振3、与四球2、失点2、自責点2。
初球27球・・・速球14、スライダー7、チェンジアップ1、カーブ5
2ストライク以降32球・・・速球15、スライダー/カット8、チェンジアップ8、カーブ1
「3回までは良い投球ができていたのですが。先に失点してしまい、リードを許したままマウンドを降りることになってしまったので、申し訳ないです」
辛島本人が言うように状態は悪くなかったと思う。6回2失点は6回無失点と紙一重だったかと思う。それどころか、ゴロを打たせていくという自身の投球は高いレベルで実現できていた(ゴロ率は驚異の71.4%だった)。辛島は三振を奪っていくタイプではないので、どうしてもバックの守備陣の力量に左右される要素がある。今日はそれが裏目に出てしまったと言えるそうだ。
確かに4回1死から4番・中村を必要以上に警戒してストレートで歩かせてしまったのは拙かった。先制2失点劇の起点になるフォアボールだったので、ミソがつくかたちになった。あの場面、外角低めの際どい所を速球で攻めるのではなく、初球をカーブで例え甘くなったとしてもストライクを取っておきたかった。恐らく中村、初球カーブは待っていなかったと思うのだ。その意味では配球に問題あったとも指摘できる。
実は試合前時点で、辛島の得点圏被打率は.146だった。今季は得点圏で打たれた長打はゼロ。得点圏での直近打者20人との対戦でヒットを打たれたのは僅かに1本という、ここ最近の辛島はタフなピッチングをみせていた。4回、浅村に打たれた先制打が実に得点圏で21打席ぶりに打たれたヒットになった。
結局、2本のタイムリーを浴びた辛島だったが、その後、炭谷を6-4-3の併殺打に仕留め、自ら火消しに成功した点は評価できるところ。そして、いまだに辛島は得点圏で長打を許していない。その意味で辛島のタフな部分はなおも継続していると言えるし、次戦の好投も期待できると思っている。


岸孝之、快刀乱麻の好投
9回、打者28人、124球(1回当たり13.78)、被安打4、被本塁打0、奪三振7、与四死球0、失点0。
初球28球・・・ストレート13、スライダー6、チェンジアップ4、カーブ5
2ストライク以降・・・ストレート24、スライダー1、チェンジアップ14、カーブ6
岸のストレートは元々上質で昨年も被打率は.221、空振り率は7.2%を記録していた。しかし、今季はさらに輪をかけて素晴らしく、試合前まで被打率は2割を切る1割台。空振り率は空振りを奪える一流の真っすぐとされる10%に迫る数字を記録していた。
本戦の岸の真っすぐも素晴らしかった。千葉でのノーヒットノーラン劇のときと比べると数きろスピードは落ちていたものの、球速以上に走っていたように感じる。楽天打者が岸のストレートを打っていった結果は15打数2安打の.133。中盤以降は高め釣り球を頻繁に使われ、楽天打線は相手バッテリー思惑どおりの手を出していってのフライアウトに倒れるケースも目立った。
ストレートの走りが良いから、真っすぐと同じ腕の振りで繰り出されるチェンジアップが楽天打線を苦しめた。3本の併殺打のうち2本はチェンジアップを打たされたもの。2本の併殺打を含む6本のゴロ凡打をチェンジアップで記録するハメとなっている。(そのうち5本は追い込まれてからのチェンアップを打たされている)
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・【試合評】イヌワシ打線今季3度目20安打猛攻でロッテ投手陣木端微塵。タフになった辛島航~2014年5月11日(日) ○楽天イーグルス12-2ロッテ
《昨年の秋田主催試合》
・【試合評】 同点2ランのマギー。大好物は右投手が投げる真中・内角スライダーです!!──2013年7月31日(水) △楽天イーグルス2-2西武
《直近の試合評》
・【試合評】雨天で流れた2回裏幻の4点逆転劇も、良しとしたいノーゲーム~2014年5月14日(木)〔雨天ノーゲーム〕楽天イーグルス4-オリックス
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