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現在、楽天・青山浩二の身に起きていること。抑え失敗を青山だけに帰する一部ファンの短絡的な批判を批判する

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5/17ナゴヤドームでの中日戦。9回裏1死3,2塁、抑えの青山が代打・山崎武司にサヨナラ2点適時打を打たれ、今季2度目のサヨナラ負けを喫したイーグルス。これで青山は2登板連続でセーブ失敗、3試合連続失点となってしまった。

試合終了後の星野監督は「クローザーが(犠打をのぞけば)1アウトも取れない。野球を分かっていない。(青山は3試合連続失点だが)他にいない」と語り、それでも青山を使っていく意向を示していたものの、昨日5/19ヤクルト戦、1点リードの9回表、マウンドに向かったのは、ラズナーだった。(←私はこの判断は理解できると思っている)

山崎に打たれた後、青山は「調子自体は悪くなかった」と記者陣に洩らしたということだが、今季の青山はいったいどうしたことだろう? そう思っているファンの方は多いはずだ。

開幕以来ここまで8セーブを挙げてきた青山。イニングの頭から1イニングを投げた試合は13回あった。そのうち、きっちり3人、三者凡退のピッチングは僅かに3回。安打を打たれるなど走者を出塁させながらも抑えてきたというのが実態だったのだ。

昨年は同状況は42回あった。そのうち三者凡退で締めたのは21回あった。このことを考えると、今季の青山のピッチングはいまひとつ盤石なものではなかったのかな?と言える。

昨年、楽天は1点差勝利の勝利数、勝率ともにリーグ1位を記録していた。この背景には1点リードの最終回に登板し、数多のセーブを記録してきた青山の功績が大だった。1点を逃げ切っていく経験と実績を持つ青山だが、今季は1点リードの9回に5試合に登板し3試合で抑えを失敗してしまっている。まるで別人のようでは?と思われる方も、多いはずだ。

しかしだ。この抑え失敗を全て青山1人の責任に帰するのは、あまりにも視野が狭い見方だとも感じている。

もちろん、打たれた青山に責任はあるのは自明の理なのだが、その背景に何があるのか?を視野に入れなくては、いったい何が起こっているのか?正確に把握することはできないのだ。

というのは、環境の変化である。

今季は統一球が投手にもたらす恩恵が過去2シーズンと比べると、極端ではなくなってきているからである。投高打低は明らかに終わりを告げ、打者の復権が始まった。ホームランが目に見えて増えていることは皆さんも御存じのとおりで、他にも打者と投手の関係が変わりつつあることを幾つかの指標が如実に指し示している。


《リーグ平均打率》2012年.252 ⇒ 2013年.261

《リーグ平均与四球率》2012年2.85 ⇒ 2013年 3.36

※いずれも5/19終了時


ホームランだけでなくヒット全体の数も増えており、リーグ平均打率は1割上昇。四球数も1試合当たり約0.5個分の増加傾向にある。過去2シーズンと違い、一発が飛び交う中、投手による大胆なストライクゾーンの中での投球が、できなくなりつつあるのだ。

(また、ストライクゾーンが変更されているフシも否定できない。昨年なら取っていたであろう際どいコースで球審の手が悉く上がらない。そんな光景が増えている気がするのだ)

ヒットもフォアボールも増えている。こういう状況だから、リーグ全体で投手が1イニングを三者凡退で退ける回数も、一昨年昨年と比べた場合、大きく減っているのは間違いないところなのだ。

こういう環境下で青山は投げている。

当然、青山1人だけ例外とはいかず、御多分に漏れずということになるのだ。環境の激変に戸惑いを覚えつつ投げていても、なんらおかしくはないと言える。1点リードの最終回をしっかりゼロに抑える仕事は、過去2年と比べると明らかに激務になっているといえるのだ。たった3個のアウトではないか?と考えているファンは、認識を改めたほうがいい。

その意味で、青山が精彩を欠いているように見えてしまうのは、環境の変化というフィルターがかかっていることによる影響もも大きいのでは?と思うのだ。

さて、ここからは、昨年と今年の青山の投球データを用いて、どこに大きな差異が認められるのか?確認してみたい。


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まず、最初に調べてみたのは、ストライク率だった。

昨年と比べて、初球でポン!とストライクを取ることができていないのでは?と思ったからだ。

結果は下記表のとおりになった。2012年が51.8%に対し、2013年は50.8%。1.0%下落しているものの、目立った変化とは言えそうもない。


■初球ストライク率
2球目以降に決着がついた打席を分母としている。



その次に、3球目で0-2または、1-2、2ストライクを取れているかどうか?を調べてみた。

そう言えば『マネーボール』にも、こんなくだりが出てくるのを覚えている。


たとえば、第1球がストライクだと、バッターの打率は約7分5厘下がる。ボールだと逆に同程度アップする。しかしなにより注目に値するのが3球めだ。

「1-2になるか2-1になるかで、結果の予想が大きく変わります。ワンストライク・ツーボールなら、メジャーリーグの平均的打者がオールスター級の打者に変身する。ツーストライク・ワンボールなら、貧打者に成り下がるんです。世間では初球のストライクが肝心だ、と言いますね。でもじつは初球なんて、3球のうちの1球にすぎません」(同書227頁より)



確かに、1-1の並行カウントから1-2になるのか?2-1になるのか?はカウント構築面から言って、大きな分岐点の1つと言える。

調べてみると、ここで大きな差異を確認することができた。

昨年は59.5%の確率で3球目の時点で追い込むことに成功していたが、今年は53.5%。6.0%減となっている。


■3球目2ストライク率
4球目以降に決着がついた打席を対象としている。
20130520DATA5.jpg


次に確認してみたのが、ストライクカウント別の被打率になる。

0ストライク、1ストライク、2ストライク。いずれのストライクカウントでも昨年から大きく悪化をみせていた。

その中でも、追い込まれる前(0ストライク、1ストライクの合計)の被打率が.255から.384へと約1割3分も跳ね上がってしまっている。この点は前述した3球目2ストライク率の減少、つまり昨年と比べてストライク先行の組み立てができていない状況とも関係してくるのだろう。

また、2ストライク以降の被打率も前年比約1割増となっている。今季2ストライク以降に打たれた9本のヒットのうち、フルカウント以外での1-2、2-2からのヒットは6本。ボール球をまだ使える状況にありながらも、制球が甘くなってしまい痛打される場面が、特に5月に入ってから増えている。

そう、ボール球を使いたくないという無意識の中の意識が青山の投球を狂わせているとも言えるのだ。フォアボールが増加傾向にあるリーグ環境、もちろんイーグルスの投手陣全体も増加傾向にある。その中で青山の与四球率は前年の2.64から1.84へと1試合当たり約0.80個削減となっていたのだ。

これはオープン戦時から同僚投手が四球をことごとく出し、その度ごとに指揮官のカミナリが落ちる、というようなことが日常茶飯事であったから、反面教師として刷り込まれてしまったのかもしれない。

そのため、ボール球を使うことができる余裕のあるシチュエーションでスーっとストライクを取りに行ってしまうようなこともあったと私は想像を巡らしている。


■ストライクカウント別の被打率
〔2012年〕


〔2013年〕
20130520DATA7.jpg


最後に確認しておきたいのは、大半の投手の軸となる基本球、ストレートの数値だ。

下記にストレートの被打率をまとめてみた。一目瞭然の結果となった。

被打率は.216から.440へ悪化。この表にはないが、被OPSでいえば.610から1.161へと大幅悪化。

今季はまだ5月中旬を少し越えた段階だというのに、ストレートで11本の安打を許してしまっている。前半だけで昨年の19本を軽々越えてきそうな気配である。


■ストレート被打率
※当ブログ集計のデータより
20130520DATA8.jpg


制球はやや甘くなっているのは事実かもしれないが、と同時にストレートの走りも悪いのか?ということで、平均球速を確認してみた。

当ブログ集計のデータによると、昨年は平均143.0キロ。今年は141.8キロ。1.2キロ減となっている。この点もストレートの被打率悪化に影響を与えているに違いない。

投球の基本と言えるストレートがこのような状況だと、残念ながら、さすがに今の青山に抑えを任せるのは、荷が重いよね、という結論になってしまうのだ。

ストレートが使えないから、ストライク先行の組み立ても、ままならなくなってきているのかもしれない。とはいっても、四球を出すと闘将の般若の面がベンチで待っているから出すわけにはいかず、悩みながら投げた投球が真正直にストライクゾーンの真ん中付近に入ってしまっているのかもしれない。

いずれにせよ、しばしの冷却時間を設けて、青山には立ち直ってもらわないと困るのだ。

セットアッパー、抑えとして近年好成績をあげてきた青山なくして楽天の初優勝はあるだろうか? 正直、想像しづらい。なくてはならない初優勝へのマスターピースなのだから、なんとか立ち直ってもらいたいと思っている。

【終】


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◎◎◎青山が抑え失敗した3試合の試合評◎◎◎
【試合評】 2013年4月16日(火) ●楽天イーグルス5-6ソフトバンク。今季初の延長戦は悔しい1点差負け。決め球と守備の精度を欠いた田中。青山セーブ失敗
【試合評】 2013年5月12日(日) ●楽天イーグルス4-5xロッテ。野球の神髄を、醍醐味を堪能したロッテ2連戦
【試合評】 2013年5月17日(金) ●楽天イーグルス3-4X中日。「絶対に打ってやろうと思いました」。執念を見せた永遠の狗鷲大砲、自身7度目のサヨナラ打

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よかった

3連続被打点で、正直昔のBPイップス青山が
復活したのかも・・・と思いました。

1回休みをおいて今日(5/20)の2点差で投げさせる
闘将は、やはりピッチャーのことを良くわかっていると思う。

近代野球で守護神抜きの優勝は記憶にありません。
今日の青山のSPは楽天にとっても大きなものだと思います。

嶋のおかげ?

サンスポの記事にありましたが、嶋が首脳陣に直訴したらしいですね。
私も青山の活躍なくして上位進出はありえないと思います。
どの選手でも好不調の波はあるし、特にストッパーはメンタル面での影響も強くあらわれるポジションだと思います。
なので、昨日の投球が復活へのきかっけとなってくれることを期待します。

Re: よかった



ざっぷすさん

> 3連続被打点で、正直昔のBPイップス青山が
> 復活したのかも・・・と思いました。

青山は例年1度か2度は精彩を欠く時期がやってくるんですよね。私はそれをその後好投するための「通過儀礼」と思っているわけですが。昨年は4月下旬が悪くて松田に満塁弾を打たれたり、押し出し四球を与えたりしましたが、その後、5試合連続セーブなど5月月間MVPの活躍でした。

ただ、今年は圧倒的な好投もなかった。そんな中、3試合連続、1週間かそこらの中で2度の抑え失敗・サヨナラ負けと、イメージが悪すぎでした。

> 近代野球で守護神抜きの優勝は記憶にありません。
> 今日の青山のSPは楽天にとっても大きなものだと思います。

そうですね。あの直前、リードを2点に広げる嶋のタイムリーは大きかったなあ。実は青山登板は嶋が首脳陣に直訴したから叶ったということのようです。今後の好投のきっかけにするには十分すぎるほどのエピソードと三者凡退投球でしたから、今後にまた期待できそうです。

Re: 嶋のおかげ?


だいだいさん

> サンスポの記事にありましたが、嶋が首脳陣に直訴したらしいですね。

ねえ、びっくりさせられましたが、思わず涙腺が緩んでしまう、そんな温かいエピソードでしたね。

> 私も青山の活躍なくして上位進出はありえないと思います。
> どの選手でも好不調の波はあるし、特にストッパーはメンタル面での影響も強くあらわれるポジションだと思います。
> なので、昨日の投球が復活へのきかっけとなってくれることを期待します。

どんなに優れた抑えでも1シーズン通して抑え失敗がないということは考えづらいですから、青山はちょうどこの時期にそれがやってきたという風に、私は切り替えて考えるようにしています。昨年も5月月間MVP受賞直後に2試合で黒星を喫し、またそこから立ち直って好投し続けましたし。
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