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【試合評】 2013年5月19日(日) ○楽天イーグルス1-0ヤクルト。9回表「生みの苦しみ」を乗り越え、今シーズン初の零封勝利

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スコアは1-0。9回表を迎えていた

今季初の零封勝利をつかみ取るため、楽天は「生みの苦しみ」に直面していた。

何度かあった好機をフイにした後、ようやく6回1死満塁、高須のセンター犠牲フライで1点を先取。試合はそのまま進み、最終回、虎の子の1点を守るべく指揮官が送りだしたのは、抑え失敗の青山ではなく、ダレル・ラズナーだった。

直球無双が冴える。先頭の森岡をまっすぐで押すと、最後は外角139キロで振り遅れの空振り三振。続くミレッジにも高め速球でファウルを打たせて1-2と追い込むことに成功していた。

しかし、この直後、激変に襲われていく。

折から弱雨に見舞われていたKスタは、ミレッジが一塁側にフライファウルを打った後、突如バケツをひっくり返したような集中豪雨に襲われる。あっという間に激しい雨に叩きつけられたKスタは、試合一時中断。時計の針は20時57分を指し示していた。

そこから待つこと延々34分。21時31分にようやく試合再開。

追い込んだミレッジをショート右へのゴロに討ち取ったはずが、グラウンドコンディションの難しさもあったのだろう、松井がまさかのファンブル。1死1塁、同点の走者の出塁を許してしまった。

バッターボックスは4番・バレンティン。一発浴びれば逆転だ。途中、1塁代走・上田に二盗を許し、単打でも同点というピンチ高まる場面だった。ラズナーは相当投げずらそうな仕草をみせ、間合いが長くなることたびたび。ボールをしっかり見定められ、フルカウントから低めの投球を看破されて、バレンティンが1塁へ歩いていく。

1死2,1塁の得点圏、ここで打順がまわったのが、元犬鷲戦士、岩村明憲である。

この試合は5番・サードでスタメン出場していた。

楽天での2年間は期待されていたような成績を残せず、昨年秋に戦力外。追われるようにして仙台を去った。古巣ヤクルトに出戻り、屈辱の2年間から再起をかける正念場の今シーズンは、限られた出場機会ながらも既にホームランは3本。打率も.302と記録、得点圏打率ではさらに跳ね上がって429の勝負強さもみせていた。

羽村亜美さんの取材に対し、中日・山崎武司がみせたサヨナラ打のような劇的な活躍ができたらいいと抱負を語ってみせた岩村だ。正直、一筋縄ではいかないだろうと思っていた。

カウント1-1からのラスト第3球、ラズナーが投じた低めチェンジアップを、岩隈が弾き返していく。

強い打球になったが、打球が上がらずに地を這ったことが楽天側に幸いした。しかもセカンド正面だ。4-6-3の併殺コースか?と思われたが、懸命に走る岩村と、ぬかるんだグラウンドコンディションの前に打球の勢いが削がれたか、1塁送球は間一髪のセーフに。この間、二走が3塁へ到達し、2死3,1塁。

打者は畠山。その初球だった。1塁代走・三輪に二盗を決められ、3,2塁。

一打出れば、逆転の2者生還というリスク高まるシチュエーション。窮地に立たされたラズナーだったが、2球目を畠山がセカンド上空に打ち上げた。

銀次のグラブにポップフライが無事収まってゲームセット。3時間43分に及んだ1点を巡る攻防を制し、楽天は今季初の零封勝利を飾ってみせた。

零封勝利はパリーグで最遅。セパでも11番目に遅い達成となっている。


■楽天以外のセパ他球団による今季初の零封試合
西武=4/13楽天戦○L60-E
日本ハム=4/16楽天戦○F6-0E
ソフトバンク=4/6日本ハム戦○H6-0F
ロッテ=4/12ソフトバンク戦○M1-0H
オリックス=4/7○Bs10-0L

巨人=4/14ヤクルト戦○G2-0S
中日=4/4阪神戦○D1-0T
ヤクルト=3/30阪神戦○S1-0T
広島=4/4ヤクルト戦○C1-0S
阪神=5/7巨人戦○T5-0G
DeNA=まだなし


それにしても、随分気を揉むことになった9回表だった。9回表だけで40分近く費やしたのではないだろうか。

ヤクルト打線を8回4安打零封に抑えた先発・永井が今季初勝利。雨中のKスタのお立ち台にも登っている。

これでチーム成績は40試合21勝19敗の貯金2。順位は3位まま。ゲーム差は1位・ロッテと2.5、2位・西武と1.0。獅子の背中が見えてきた。4位・ソフトバンク、5位・オリックスと2.0、6位・日本ハムと5.5。直近10試合は7勝3敗、5月月間成績は15試合10勝5敗、交流戦成績は5試合3勝2敗、Kスタ戦績は18試合10勝8敗となっている。

両軍のスターティングオーダー

ヤクルト=1番・比屋根(中)、2番・森岡(二)、3番・ミレッジ(左)、4番・バレンティン(指)、5番・岩村(三)、6番・畠山(一)、7番・武内(右)、8番・中村(捕)、9番・川島(遊)、先発・八木(左投)

楽天=1番・松井(遊)、2番・銀次(二)、3番・聖澤(中)、4番・ジョーンズ(指)、5番・マギー(一)、6番・高須(三)、7番・中島(左)、8番・嶋(捕)、9番・鉄平(右)、先発・永井(右投)



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4点、5点の試合をもっと増やしていきたい

これで40試合を終了。チーム総得点は179点でリーグ2位。1試合平均にして4.48となっている。しかし、今日の試合のように、ホームが遠く1点以下に抑えられてしまうケースも非常に多くなっている。もしこの試合、打線が4.48点取れていれば、9回、手に汗握る試練を味わわなくても済み、マウンド上のラズナーに過度なプレッシャーを与えずにも済んだのだ。

下記の棒グラフは44試合の得点分布を調べた分布図になる。

1試合平均得点4.48なので、理想を言えば、4点、5点の得点帯の試合を増やしていきたいところなのだ。しかし、ここまでの40試合は大量得点か?2点以下の試合か?の両極端にブレてしまっている。44試合中、1点以下は22.7%の10試合。2点以下だと31.8%の14試合、相手投手陣に押し込められてしまう試合も多いのだ。

どのようなかたちにせよ、4点、5点をコンスタントに取っていける得点力。この点が今後の課題の1つになってくるはずだ。


■楽天の1試合得点の分布



粘りをみせる銀次

1試合4安打の次はマルチ安打。2試合前まで打率.238の男が.270となって、今夜遂に.283に。ようやく銀次らしいアベレージになってきた。

初回は1番・松井が凡退に倒れた後、2番打者として右前に弾き返し、リードオフの代役をしっかり遂行。続く聖澤とともに得点圏の構築にも成功している。8回にもイニング先頭打者として安打出塁をみせたが、この日のハイライトはなんといっても、3回2死3塁でまわってきた第2打席だろう。

直前の松井が空振り三振に倒れ、2死3塁となっていた。銀次が倒れれば、攻守交代となってしまう。なんとしてもつなげる打撃をみせたいというこの男の執念が、驚異の粘り腰となって表れた。

もちろん、八木の投球が全て高めに集まっていて、バットに当てやすい状況はあったかもしれない。にしてもだ。普通の打者なら13球投げさせた末、追い込まれてからファウルで粘ること7度の末、フォアボールを獲得することなんて、できないはずだ。13球の中には30キロ差の緩急差に晒された場面もあったわけで、よくくらいついていったと思う。

2回まで29球。球数も普通のペースできていた八木だったが、銀次の粘り腰に遭い3回で53球と一気に球数過多ペースになっていく。結局この回は後続凡退で得点ならずだったものの、ここでの粘りが序盤中盤と球威のあった八木の速球の威力を削ぎ、終盤8回速球をセンターへ打ち返した高須の、タッチアップには飛距離十分のセンター犠牲フライを生む下地を作ったと言えるかもしれない。

今シーズン、楽天の打者が相手投手に1打席で10球以上投げさせた例は、ここまで3例あった。

4/2オリックス戦、5回1死2塁、松井。小松から10球。3-2から左飛
4/12西武戦、1回1死走者なし、藤田。岸から11球。3-2から左飛
4/14西武戦、2回1死1塁、枡田。十亀から12球。2-2から空振り三振。

今夜の銀次の粘りはこれを上まわる今季最多の粘りとなった。

良く粘ったなあとは感嘆はするものの、このことは銀次の能力を考えれば、別に不思議でもなんでもない。実は2011年10/9オリックス戦、7回無死走者なしでの打席では平野佳寿を相手に実に16球投げさせていたからだ。結局このときの打席は左飛に倒れたものの、この16球は2011年楽天打者が相手投手に1打席で最も多くの球数を投げさせた最多例となっていた。13球粘る銀次を見ながら、2011年の16球を思い出していたのだ。


■楽天 永井怜 球種別 投球詳細


完全復活を目指す背番号30、今季初勝利

8回、打者28人、108球(1回当たり13.50、1人当たり3.86)、被安打4、奪三振7、与四球0、失点0、自責点0。

初球の入り(28球)=ストレート13、スライダー10、フォーク2、カーブ3
2ストライク以降(31球)=ストレート15、スライダー7、フォーク2、カーブ7


同じ被安打4ながらもヤクルト先発・八木が初回から何度もスコアリングポジションのピンチを迎えていたのに対し、永井は5回まで2塁を踏ませない好投となった。

明暗分かれたのは、なぜか?

大きな理由に与四球の差があった。

永井の0個に対し、八木は5個。無駄な走者を出すことなく、ストライクゾーンで勝負できていた点も、好投の秘訣と言える。

実はフルカウントまで球数を費やした場面は28人の対戦打者のうち5人を記録したが、いずれも四球は出さなかった。3回中村にセンター前へ弾き返され安打出塁は許したものの、他4人はすべて内野で退けてみせた。5回中村、8回比屋根には球威押しの詰まり気味ハーフライナーがそれぞれ野手の正面を突いている。

もしフルカウントから慎重を期す投球がクサイところにはずれてしまい四球を何個か許してしまったら、8回108球という省エネ投球も実現することは困難だったはずだ。永井が攻める気持ちで打者と対峙していたことが功を奏したと言えるのかもしれない。

また、イニングの先頭打者の出塁を1度たりとも許さなかったのも、好投の要因だ。8打数ノーヒット4三振。凡打も全て内野アウトで、打者に自身のバッティングを許さなかったのだ。

球種別では看板球カーブが、カウント球としても、勝負球としても上々の機能を発揮。ブレーキが効いたキュッとしたカーブを何度も目撃することができた。

3回までと、打者2巡目に突入していく4回以降、球種割合を変えたのも奏功。序盤はストレート中心の組み立て、4回以降はスライダーやフォークなど変化球に軸足を移し、打者の狙い球を絞らせなかったと判断できそうだ。

3回まで(43球)=ストレート25、スライダー8、フォーク1、カーブ9
4回以降(65球)=ストレート31、スライダー21、フォーク5、カーブ8


■ヤクルト 八木亮祐 球種別 投球詳細
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荒れ球・八木を上手く乗りこなした捕手・中村の好リード

7回、打者28人、128球(1回当たり18.29、1人当たり4.57)、被安打4、奪三振5、与四球5、視点1、自責点1。

打者28人中、3ボール以上のカウントまでいった対決は実に8人。立ち上がりから制球がばらつくなど、コントロールに苦労するマウンドとなったが、平均球速138.5キロという球速表示以上にスピンが効いてきた速球と、100キロを切るスローカーブの緩急がイヌワシ打線を手こずらせた。

荒れ馬のような八木の投球を見事乗りこなしてみせた捕手・中村のリードにも、してやられた面は大きい。

象徴するシーンは3回2死3,1塁、聖澤の打席だ。直前に変化球主体とした投球を銀次に粘られ16球費やしての四球を与えていた八木は、一転、聖澤に対してはまっすぐ勝負。ファウル、空振りで追い込まれた後のラスト3球目がインコースいっぱいに決まり、聖澤は見逃し三振に倒れている。

【終】


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