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【嶋基宏vs岡島豪郎】 数字で診る両者の違い(8)対右打者にみる配球傾向

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嶋基宏vs岡島豪郎、数字で診る両者の違い。

去年、ルーキーながらもインパクトなプレーをした岡島の台頭もあって議論百出した正捕手論争。イーグルスの正捕手に相応しいのは、嶋基宏なのか?岡島豪郎か? このことに決着すべく、2012年データを使用して、両者の捕手像を数字で比較するシリーズ連載をおこなってきた。

ここまで「チーム勝敗・勝率」「被本塁打」「盗塁阻止率」「暴投と捕逸」「プレート周りの守備力」、「捕手防御率・被OPS・被打率」、「対左打者にみる配球傾向」の7項目にわたって数字を確認してきた。


シリーズ連載最終回となる今回は「対右打者にみる配球傾向」を確認してみたい。


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~~~


今回、サンプルに使うのは、対左打者と同様、嶋、岡島が釜田とバッテリーを組んだときのデータになる。なぜ釜田を選んだのか?というと、釜田と組んだ時の回数が両者それほど開きがない点と、その防御率もほとんど変わらないからだ。嶋と釜田は8試合で防御率4.03、岡島と釜田は5試合で同4.30だった。他投手は試合数、防御率そのどちらかで明らか開きが出ているため、サンプルとして相応しくないと判断した。

全ての配球パターンを確認するわけには到底いかないから、幾つかの状況をピックアップしてその違いを眺めていきたいと思う。

最初に、対右打者の球種割合をチェックしてみたい。


■対右打者 球種割合



左打者のときと同様、岡島よりも嶋のほうが速球(ストレート+シュート)を多く使う傾向にある。岡島は55.0%だが、嶋は60.6%なのだ。

スライダーに目を転じてみよう。対左打者では嶋22.6%、岡島10.3%だったスライダーの球種割合が、対右打者では嶋32.5%、岡島39.9%。岡島のほうがスライダーを多く使う傾向にある。

左打者にとって右投手が投げるスライダーは基本的に外から入ってくる球になる。そのため、バットで合わせやすい状況も出てくる。一方、右打者からみると右投手のスライダーは打者から遠ざかっていく球だ。一般的にはこちらのほうが打ちづらくなる。岡島はこれにのっとってスライダーを使用していると言えそうだ。嶋はこのことを踏まえた上で、配球が淡泊にならないよう、左打者に対してもスライダーを用いていると推測できる。

それでは、幾つかの状況における配球を確認したい。まずは、走者なし、打者への初球だ。網掛けの濃淡は多く投げ込まれているコースを濃く、少ないコースを薄く、ヴィジュアル的に確認できるよう施している。


20130309DATA13.jpg


20130309DATA14.jpg
球種略記:St=ストレート、Sh=シュート、Sl=スライダー、Fo=フォーク、Cur=カーブ、Ch=チェンジアップ


嶋と岡島、各々の配球図をパッと見比べた時、目につくのは、右打者の内角高めの使用頻度だ。嶋の場合45球のうち11球(24.4%)を記録されているが、岡島は26球中わずかに1球(3.8%)だった。嶋の11球は調べてみるとそのうち幾つかは嶋が要求したコースから大きく逸れてインハイに抜けていった球だったが、そのことを考慮に入れても、嶋のインハイ使用率が高いことが確認できる。

一転、視線をアウトローに転じてみたい。配球図の左下四隅だ。嶋のとき、3、3、4、4、合計14球記録されている。45球のうち31.1%に当たる14球だ。走者なし・右打者の初球、嶋がマスクをかぶると、外角低め、内角高めの対角線そのどちらかに投げ込まれるのが62.2%に及んだ。一方、岡島のとき、外角低めは7球。26球の26.9%に相当する。

球種内訳もチェックしておこう。嶋は速球62.2%、スライダー33.3%。岡島は速球38.5%、スライダー53.8%。嶋は釜田の代名詞まっすぐを多く要求していることが確認できる。岡島は2球に1球スライダーで入る。そのスライダーは外角、低め中心に投げ込まれている。

次に、走者あり・右打者の初球は、どうなのか?


20130309DATA15.jpg

20130309DATA16.jpg


走者あり、右打者の初球、嶋も岡島もアウトコースへの配球が多くなっている。嶋は63球中52.4%、岡島は42球の42.9%が外角に集まった。

両者に大きな差異が生じているのは、低めゾーンの割合だ。配球図をヨコに分割したときの4行目と最下段の5行目のゾーンのことだ。

嶋は39.7%、岡島は52.4%。走者ありの状況で右打者をバッターボックスに迎えたとき、岡島は2球に1球は低めを要求していることが確認できるわけだ。さらに突っ込むと、この低めの球は大半がスライダーになっている。

球種内訳は、下記のとおり


嶋=速球74.6%、スライダー20.6%
岡島=速球50.0%、スライダー47.6%


速球は嶋が多く、スライダーは岡島が多い点は走者なしのときと同様だが、走者なし・ありで各々の変化をみると、下記のようになっている。


嶋=速球53.3%→74.6%、スライダー33.3%→20.6%
岡島=速球38.5%→50.0%、スライダー53.8%→47.6%


嶋と比べると速球の使用頻度が少ない岡島だが、走者なしと走者ありの状況で比較してみると、38.5%から50.0%に上昇しているのだ。速球が増える理由には、走者を背負った状況でこそ釜田の持ち味を引き出そうという狙いと、(走者ありは満塁や2,1塁なども含まれてしまうので一概には言えないものの)塁上の走者にスタートを切られたくないという心理から速球が多くなっているのでは?と推測できる。

次に、得点圏での配球を確認してみたい。



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20130309DATA17.jpg

20130309DATA18.jpg


得点圏でのヒートマップである。両者とも外角配球が多いのだが、一方で嶋は内角や高めの割合も3割以上記録していることが判る。


嶋=〔外角〕50.3%、〔内角〕33.5%、〔高め〕32.3%
岡島=〔外角〕47.7%、〔内角〕27.3%、〔高め〕21.6%


球種内訳は下記のとおり。


嶋=速球57.8%、スライダー36.6%、
岡島=速球48.9%、スライダー46.6%



最後に、カウント1-0からのピッチングを眺めてみたい。


20130309DATA19.jpg

20130309DATA20.jpg


ボール先行1-0は打者有利のカウントになる。

ノーストライクなので、打者はストライクゾーンの中で狙い球やコースを完全に絞って待つことができるからだ。スイングも当てにいくようなものではなく、しっかりとした自分のスイングをしてくるケースが多い。そして狙い球でなければ悠々見逃すことができる。ワンストライク取られて1-1となったところで勝負はまだ五分五分だからだ。

このようなカウントで捕手の経験値が表れるのだと思う。

経験値の浅い捕手なら1-0から1つボールカウントを増やして2-0にはしたくないという心理が働く。1-0より2-0のほうがリードするのに難易度が上がってしまうし、打者をさらに有利にさせてしまうからだ。なんとかして1-1の並行カウントに戻したいと考えるため、ストライクゾーン内への要求が増えてくる。

一方、経験豊富の捕手は、1-0は打者有利とはいえ、まだ余裕を持つことができる。できればストライクを取りにいきたい1-0からの2球目ですら、次への布石球として用いることができる。

実際、岡島のときはストライクゾーン内への球が多く記録されているのに対し、嶋はボールゾーンに記録されている球も多い。嶋の場合、右打者のアウトローとインハイ、対角線を中心に幅のあるリードができている点も、経験値の差と言えるのかもしれない。

以上、ざっと駆け足だが、右打者への配球傾向を確認してみた。


~~~

終わりに

8項目に渡って調査してきた「嶋基宏vs岡島豪郎、数字で診る両者の違い」。このシリーズ連載も今回でひとまず最終回とさせて頂きたい。個人的には久々に充実した大きな達成感に包まれている。

調べる前、2012年の嶋と岡島を比べた際、岡島が圧倒的に有利なのでは?と私も考えていた。ところが、データや数字を細かく調べてみると、それはイメージの問題にすぎず、実際は嶋も相当頑張っていたことが確認できた。また、嶋と岡島の間には、現状かなりの差があることも判明したのだ。

調べてみた8項目を、◎、○、△、×で採点してみると、下記表になった。


20130309DATA21.jpg


岡島と比べて嶋が著しく遅れを取っているのは、盗塁阻止率だけとなった。その他は、嶋に軍配が上がるか?もしくは実力伯仲という結果となった。

この結果をみて岡島に期待しているファンはなんら気に止むことはない。

このことは岡島自身がよく把握しているだろうし、逆に岡島に軍配が上がるケースが多いという結果になっていたら、ノムさんの薫陶を受けてきたこれまでの嶋のプロとしてのキャリアはいったいなんだったのか?大卒1年目の捕手に簡単にその座を明け渡すほどの選手だったのか?という問題になりかねない。

岡島はポテンシャルや伸びしろのある選手であることは疑いようもない事実なのだし、まだプロ2年目なのだ。これから大いに力を伸ばしていけばよいだけの話で、今回の結果にがっくりする必要はどこにもない。

現在、岡島は右肘痛の故障もあって2軍にいる。岡島の代わりに1軍に上がってきた小関が好アピール、伊志嶺も1軍帯同している。2013年も楽天の正捕手は嶋基宏で揺らがないのではないかと思うが、二番手以下の捕手陣全体のレベルアップはプライオリティの高い課題事項になっている。

というのは、嶋は今オフにも国内FAを取得見込みとみられているからだ。嶋が権利を行使するか否か?はさておき、そのような状況が待ち受けているため、危機管理上、二番手以下の捕手の全体的なレベルアップは欠かせない。そのため、オープン戦、1軍出場ゼロの小関に多くの機会が与えられているのだ。

捕手陣全体で切磋琢磨して、底上げを目指してほしいと考えている。

以上、長くなりましたが、序章を含めるとシリーズ9回に及んだ本連載、最後までお読み頂いた読者のみなさん、誠にありがとうございました。【終】


◎◎◎関連記事◎◎◎
【嶋基宏vs岡島豪郎】数字で診る両者の違い(1)先発マスク時の勝敗と勝率(2013.1.8)
【嶋基宏vs岡島豪郎】数字で診る両者の違い(2)被本塁打(2013.1.11)
【嶋基宏vs岡島豪郎】数字で診る両者の違い(3)盗塁阻止率。2012年楽天捕手陣の許盗塁企図履歴を掲載(2013.1.20)
【嶋基宏vs岡島豪郎】数字で診る両者の違い(4)ワイルドピッチとパスボール(2013.1.30)
【嶋基宏vs岡島豪郎】数字で診る両者の違い(5)プレート周りの守備力 (2013.2.8)
【嶋基宏vs岡島豪郎】 数字で診る両者の違い(6)捕手防御率、捕手被OPS、捕手被打率 (2013.2.18)
【嶋基宏vs岡島豪郎】 数字で診る両者の違い(7)対左打者にみる配球傾向 (2013.2.20)

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