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【嶋基宏vs岡島豪郎】 数字で診る両者の違い(7)対左打者にみる配球傾向

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昨年、新人ながらも記憶に残る好活躍をした岡島の台頭もあって、沸き起こった正捕手論争。イーグルスの正捕手に相応しいのは、嶋なのか?岡島か? このことを解決すべく、2012年データを使用して、両者の捕手像を数字で比較する「嶋基宏vs岡島豪郎、数字で診る両者の違い」をおこなってきた。

ここまで「チーム勝敗・勝率」「被本塁打」「盗塁阻止率」「暴投と捕逸」「プレート周りの守備力」、「捕手防御率・被OPS・被打率」の6項目にわたって数字を確認してきた。


今回は「対左打者にみる配球傾向」を確認してみたい。

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今回、サンプルとして取り上げたのは、嶋、岡島が釜田とバッテリーを組んだときのピッチングだ。なぜ釜田を選んだのか?というと、釜田と組んだ時の回数が両者それほど開きがない点と、その防御率もほとんど変わらなかったからだ。

嶋と釜田は8試合で防御率4.03、岡島と釜田は5試合で同4.30だった。他投手は試合数、防御率そのどちらかで明らか開きが出ているため、サンプルとして相応しくないと判断した。

全ての配球パターンを確認するわけには到底いかないから、幾つかの状況をピックアップしてその違いを眺めていきたいと思う。

まずは全体の球種割合から。

20130219DATA9.jpg


速球(ストレート+シュート)の割合を比べてみる。

嶋60.8%、岡島55.9%。

嶋と組んだ時の釜田は速球が多くなる傾向があり、岡島と組んだ時は速球が減り、そのぶん変化球が多くなっていると言えそうだ。

その変化球の中でも違いが確認できて、興味深い。

嶋はスライダーを多く要求するものの、落ちる系のフォーク、チェンジアップの使用頻度は低い。
岡島はスライダーの割合が減る分、落ちる系の球種割合が増えている。嶋(8.2%)の約2倍、17.6%だ。

嶋は速球、スライダーを多く要求し、岡島はフォーク、チェンジアップを多用したがる。この傾向が最も顕著に表れているのが、対左打者への球種割合だ。


■対左打者球種割合
◎嶋=〔速球〕61.1%、〔スライダー〕22.6%、〔落ちる系〕13.1%
◎岡島=〔速球〕56.7%、〔スライダー〕10.3%、〔落ちる系〕30.4%


このように、明らかな違いとなっている。

釜田だけしか確認していないので、ここからは完全な推測にすぎないが、岡島といえば「暴投、捕逸」のエントリーでも触れたように、岡島がマスクをかぶるとき楽天投手陣の暴投、捕逸が多い。もし岡島が落ちる系の球種を多用するのが好きな捕手で他投手のときも今回のような傾向があったとしたら、ある程度、暴投、捕逸が多くなってしまうのは仕方ないのかな?と感じる。

さて、ここからは、対左打者の状況別のヒートマップだ。どのゾーン・コースに何球投げ込まれたか?を見る図となっている。多く投げ込まれたゾーンごとに網掛けで濃淡をつけている。濃い網掛けが多く投げ込まれたことを表している。

例えば捕手は内角を要求しているのに逆球になって外角に入った、こういうケースがあるとする。この場合は最終的に投げ込まれた外角で記録をつけている。できれば、逆球や抜け球を考慮したいところなのだが、そこまでしっかり記録をつけていたわけではないので、ここでは逆球、抜け球など捕手のリードに反する球の存在は考慮していない。

図の球種表記、St=ストレート、Sh=シュート、Sl=スライダー、Fo=フォーク、Cur=カーブ、Ch=チェンジアップ。




20130219DATA2.jpg

走者なし左打者への初球、岡島マスク時はアウトコースが多い

アウトカウントは不問、塁状況が走者なしのとき、打者への初球のヒートマップになる。嶋は50球、岡島は37球。

嶋も岡島も外角球が多くなっている、中でも岡島はさらに顕著なのだ。嶋の外角割合が48.0%に対し、岡島は64.9%。上記図のとおり、ストライクゾーンの真中から外角にかけて24球が投げ込まれている。左打者初球の64.9%がここに集中する。

一方、嶋は外角球も多いが、内角にもそれなりの球数を釜田に放らせている。内角割合は岡島13.5%に対し、嶋は24.0%だ。

球種割合では、嶋の場合、速球が多い。変化球ではスライダーが多く。速球とスライダーだけで82.0%を記録する。岡島は速球、変化球が約半々。変化球も特定の球種に偏ることがなく、スライダー、カーブ、フォーク、チェンジアップと満遍なく釜田に要求している。



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20130219DATA3.jpg

20130219DATA4.jpg

走者1塁、左打者への配球。嶋は外角高め、岡島は外角低め

次に、アウトカウント不問、塁状況が走者1塁のときのピッチングを確認してみよう。嶋67球、岡島37球。

両者とも外角配球が多いが、ストライクゾーン真中を起点にして、嶋は外角高めボールゾーンにかけてのゾーンが、岡島は外角低めボールゾーンにかけての球が多い。

内角割合の差異はここでも確認できる。嶋29.9%、岡島18.9%。岡島も内角の低めは記録があるが、内角高めは1球しか記録されていない。

球種割合では速球は嶋64.2%、岡島62.2%とほぼ変わらないものの、変化球で違いが生じている。どちらかと言うと嶋はスライダーを要求しているが、岡島は落ちる系を多く使っている。


20130219DATA5.jpg

20130219DATA6.jpg

得点圏での対左打者、岡島マスク時に落ちる系の球種割合、急上昇

次に、アウトカウント不問、塁状況が得点圏でのピッチングだ。嶋79球、岡島90球。

違いが認められるのは、コース別だ。「真中」「外角」の割合が大きく違う。

◎嶋=「真中」24.1%、「外角」46.8%、
◎岡島=「真中」31.1%、「外角」40.0%。

嶋のほうが両サイドを使ったリードをしている?と推測できそうだ。

岡島はコースにしっかり投げ分けていくリードというより、釜田が持つ球威を活かしたリードをしているのかもしれない。あるいは、釜田が濃いにストライクゾーンめがけて腕を振って投げ込んでいるという推測もできる。

年齢では岡島が先輩とはいえ、釜田と岡島は同期入団。投手と捕手の力関係を考えたときに、嶋のリードに異議を申し立てることができなくても、岡島には物を言いやすい状況、要求されたコースを半ば無視して故意に投げることができやすい環境にあると言えそうだ。もっとも完全な推測になってしまうが。

ここでも、球種割合に違いが生じている。


◎嶋=〔速球〕58.2%、〔スライダー〕25.3%、〔落ちる系〕13.9%
◎岡島=〔速球〕54.4%、〔スライダー〕10.0%、〔落ちる系〕35.6%


得点圏のとき、嶋と岡島のスライダー、落ちる系の球種割合の、ここまではっきりした違いは、興味深い。

もっと細かくみると、得点圏で左打者を迎えたとき、岡島は追い込んでからスライダーを1球も要求していない。全て追い込む前の0ストライク、1ストライクで使用されている。嶋は20球中3球、追い込んでから使っている。それもいずれもインコース低めに要求している。

追い込んでからの球種割合では、岡島は29球中、速球12球、落ちる系17球に対し、嶋は22球中、速球14球、スライダー3球、落ちる系5球という内容。各々のキャッチャーの個性が表れているようで、興味深い。


20130219DATA7.jpg

20130219DATA8.jpg

カウント2-2からの対左打者、嶋は内角も多く要求。

最後に、カウント2-2からのピッチングを確認して終わりにしよう。嶋25球、岡島21球。

岡島は真中から外角へかけて球が集まる傾向があり、嶋は内角に32.0%記録があるように両サイドを意識したリードになっている。ここでも球種割合は顕著だ。この状況下、左打者に対し岡島が釜田に要求する球種は速球か?落ちる系か?このどちらかだ。スライダーは僅か2球しか記録されていない。嶋の場合、落ちる系ばかりでなくスライダーも使用している。


幾つかの状況を設定して、ざっと眺めてきたが、嶋と岡島、両者の違いがくっきり浮かび上がったと言えるのではないだろうか。ここで私は「△△だから○○のリードが正しい」と言うつもりは毛頭ない。どんなに素晴らしい配球をしても、結果が打たれてしまったら意味をなさなくなってしまう。リードは結果ありきのところが多分にあるため、ここでは、どちらかに軍配をあげるつもりはない。ただ、その違いを確認したかった。

嶋は内角を使う頻度が多く、岡島は落ちる系を用いる頻度が多いことが確認できた。


「嶋基宏vs岡島豪郎、数字で診る両者の違い」、次回は対右打者のヒートマップを確認してみたいと思っている。【終】


◎◎◎関連記事◎◎◎
【嶋基宏vs岡島豪郎】数字で診る両者の違い(1)先発マスク時の勝敗と勝率(2013.1.8)
【嶋基宏vs岡島豪郎】数字で診る両者の違い(2)被本塁打(2013.1.11)
【嶋基宏vs岡島豪郎】数字で診る両者の違い(3)盗塁阻止率。2012年楽天捕手陣の許盗塁企図履歴を掲載(2013.1.20)
【嶋基宏vs岡島豪郎】数字で診る両者の違い(4)ワイルドピッチとパスボール(2013.1.30)
【嶋基宏vs岡島豪郎】数字で診る両者の違い(5)プレート周りの守備力 (2013.2.8)
【嶋基宏vs岡島豪郎】 数字で診る両者の違い(6)捕手防御率、捕手被OPS、捕手被打率 (2013.2.18)

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プロだw

相変わらず、素晴らしくクオリティーの高い記事ですね(^_^;)

この記事なんかは、他球団のスコアラーレベルなのではなかろうかw

もしかしたら、shibakawaさんの方が詳しく分析しているかもしれませんね^^;

対戦バッターとしては、岡島の時は落ちる系が多いって知っておくだけでも、結果は変わってくると思いますし、
この記事を他球団の関係者が見ていることを、
わりと真面目に危惧しました。

Re: プロだw

カモマイルさん

> この記事なんかは、他球団のスコアラーレベルなのではなかろうかw
> もしかしたら、shibakawaさんの方が詳しく分析しているかもしれませんね^^;

そう言っていただけて、恐縮です(汗)

実は最近、野村ID野球を支えたヤクルトのスコアラー、片岡大蔵氏のインタビューが掲載された本を読んだり、テレビでWBCの橋上戦略コーチの話も聞いたりして、プロのスコアラーによるデータ分析の奥深さに舌を巻いてるところです。まず逆球なんて当たり前に記録につけています。投手がどこで首を振ったのか?首を振った後に投げた球種は何だったか?打者が空振りした直後の球は同じ球種を要求するのか?・・・等々、球場で発生したことを事細かに記録しており、驚いています。

> 対戦バッターとしては、岡島の時は落ちる系が多いって知っておくだけでも、結果は変わってくると思いますし、

ここまで落ちる球が多いとは思いませんでした。対戦左打者は追い込まれたら、スライダーは捨てて、低めの球は落ちる系で見逃せばボールを読んで、ゾーンをあげて速球狙いでいいのでしょうね。明らかな特徴だと思います。
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