〔分析〕シアトルマリナーズ岩隈久志投手、12イニングで3本塁打浴びているその理由とは?!
スポンサーリンク




ブログ継続運営の活力は皆さんの1票です。楽天から羽ばたいた岩隈投手を応援しています。ブログ村「楽天イーグルス」部門1位です。引き続き宜しくお願いします

にほんブログ村
シアトルマリナーズの岩隈について、先日、Twitterでツイートしたことを叩き台に、ここまでの投球を振り返ってみたい。
なぜ岩隈は12イニングで3本の本塁打を浴びてしまったのか?ということだ。
メジャー初の被本塁打は、初登板となった4/20シカゴホワイトソックス戦で、3番打者アダム・ダンに右本を打たれた。2本目は4/28トロントブルージェイズ戦で5番打者エドウィン・エンカーナシオンに無死満塁からグランドスラムを右翼席に運ばれている。3本目は5/16クリーブランドインディアンス戦。4番のトラビス・ハフナーの右本を被弾した。
さて、ここまでの投球成績を確認してみよう。4試合に登板、合計12イニング、打者50人に180球を投げた(1イニング当たり15.00、1人当たり3.60)。打たれたヒットは10本、そのうち、二塁打が2本、本塁打が3本、奪三振13、与四球5(敬遠1含む)、7失点、7自責点で、防御率は5.25、WHIPは1.25という成績になっている。
■岩隈久志 登板日別 投手成績

次に、被打率、被OPSを確認してみたい。球種別被打率も4シーム(速球)とスプリッター(フォーク)でチェックしてみたい。
■岩隈久志 被打率 被OPS

被打率では.222と打者を抑え込んでいるものの、打たれた安打のうち半分が長打ということもあり、被OPSは決して良いという値ではない。球種別では、4シーム(=ストレート)、スプリッター(=フォーク)、明暗わかれる結果が出ている。
スプリッターは被打率.050、被OPS.100という素晴らしい成績、奪三振13個のうち10個をスプリッターで獲得、10本の凡打は全て内野ゴロとなっている。下記の明細表のとおり、低め低めに集めることができている制球の良さも確認できる。昨年右肩痛から復帰した後はスプリッターに本来の制球・キレがなく甘さが目立っていたが、どうやら輝きを取り戻したと言ってよさそうだ。(下記のスプリッター明細表を参照)
一方、4シームは、ちょっと信じがたい数字が並んでいる。被打率.500、被OPS1.905。浴びた3本のホームランは全て4シームで、打たれた5本の長打のうち4本は4シームなのだ。
確かに岩隈の失投が招いた一発だったという要素はかなりの部分である。ダン、エンカーナシオンに打たれた4シームはいずれも逆球だったからだ。ダンに対しては捕手モンテロがアウトコースに構えたものの中に抜けて入ってしまったところを狙われた。満塁弾になったエンカーナシオンは捕手のミットは内角を要求していたものの、アウトローに流れてしまう逆球で、見逃せばボールだったものの、いとも簡単に右翼席へ運ばれてしまった。
また、NPBで活躍していた昨年と比べると、MLBで速球が通用しにくくなっている事実もあるだろう。昨年、岩隈のストレート被打率は私の調べだと.207、被OPSは.556だった。統一球という極端なバイアスは考慮しなければならないものの、明暗わかれるかたちとなっている。
しかし、ここ最近になり、こんな心境になりつつあるのだ。
ホームランは防ぐことができたのでは?
というのは、明らかな傾向がデータ上から伺えるからだ。
この3本の一発、2つの共通項がある。
〔1〕相手の主軸打者であること
〔2〕初球を打たれてしまっていること
前述したとおり、ダンは3番、エンカーナシオンは5番、ハフナーは4番。打線の主軸にすわるバッターだった。さらに、いずれも初球の4シームを打たれているのだ。
最も警戒しなければならない主軸相手に、初球、ストレートから入るのは、あまりにも素直すぎると言えるのではないだろうか?
日本では、強打者や初球から積極的にバットを振りにいくバッターに対しては、初球をクサいゾーンへのボールから入って様子を探ったり、変化球で入っていくケースが普通の光景としてそこにある。
しかし、敬遠と球種不明の2打席を除く対戦打者48人の初球球種割合を確認すると、4シーム27、シンカー6、カーブ4、スライダー11となっている。シンカーは日本で言うシュートだから、4シーム+シンカーを「まっすぐ系」とすると、まっすぐ系の割合は実に68.8%となる。この割合、昨年は53.3%となっているのだ。
さらに、初球で未使用の球種が存在するのが気になってくる。そう、素晴らしい成績を残しているスプリッター(=フォーク)だ。MLBでは打者の初球にまだ1球も使っていないのだ。一方、昨年は対戦471打席のうち初球スプリッターの割合は11.7%に当たる55打席で記録している。
もう少し見てみよう。対戦50打者のうち、初球打ちに遭ったのは16打席ある。16打席で相手はバットをスイングして、空振りが4度、ファウルが6度、バットに球が当たってフィールドに飛んで打席結果が出たのが6度あった(6打数3安打3本塁打)。この球種を確認すると、球種不明1、まっすぐ系13、スライダー2という内訳になっている。初球から打ちにきているバッターは「まっすぐ系」に狙い球を絞っている雰囲気だ。
相手の主軸、一発もある強打者、初球から積極的にバットを振りまわしていくバッターに対する初球の入り方、カウントの取り方に、今後の好投へ向けての1つのカギが隠されているような気がしてならない。
この点は、捕手モンテロ、オリボのリードも問題も大きいと思う。また、岩隈がまだ対戦チームの打者の傾向を(当たり前なことだけども)抑えきれていない点もある。現在、配球の最終決定権を岩隈、捕手のどちらが握っているのか?はぼくには判らない。郷に入れば郷に従えとも言うけれども、ここはという譲れない要所では自己の考えを貫くことも必要になってくるはずだ。
初球の一発がなかったら、ここまでの4登板はほぼパーフェクトといえる素晴らしい内容になってくる。こういう傾向が出ていることは、おそらくクマも判っているはずだ。今後の修正に期待したい。
■岩隈久志 スプリッター 明細

◎◎◎関連記事◎◎◎
・〔記録〕マリナーズ入りの楽天・岩隈久志、MLBでの活躍に不安を残す「あるデータ」とは?
・〔試合評〕4回6失点、光が見えない岩隈久志。その53球全詳細 ──2012年3月26日(月)シアトルマリナーズvs巨人(2012.3.26)
・〔速報〕シアトルマリナーズ・岩隈久志、ホワイトソックス戦でメジャー初登板!──その全45球の配球図など投球詳細
・〔記録〕マリナーズ・岩隈久志、悔いが残るメジャー2登板目。その全22球、配球図、球種別詳細、打者別詳細
・〔記録〕マリナーズ岩隈久志、緊急登板で3回1失点、サヨナラ勝利への下地を作る全48球
・〔記録〕シアトルマリナーズ 岩隈久志 5/16 クリーブランドインディアンズ戦に登板、4回1失点。その全65球の詳細
---------------------------------------------------------
初めて当ブログにお越し頂いた方、何度か当ブログに閲覧頂いている皆様。もしブログの内容を気に入って頂けましたらRSSリーダーの登録よろしくお願いします
---------------------------------------------------------
ご感想のある方は下記コメント欄でどうぞ。ただし、感情に流された御意見・誹謗・中傷・悪意の類、プロ野球、楽天と関係のないもの、通りすがりなどハンドルネームがいい加減なものは御遠慮申し上げております
---------------------------------------------------------
最後まで読んで頂き、有難うございました。各種ブログランキングに参加してます。皆様の応援の1票が更新の活力源です。宜しくお願いします。現在ブログ村「楽天イーグルス部門」1位

にほんブログ村








ブログ継続運営の活力は皆さんの1票です。楽天から羽ばたいた岩隈投手を応援しています。ブログ村「楽天イーグルス」部門1位です。引き続き宜しくお願いします

にほんブログ村
シアトルマリナーズの岩隈について、先日、Twitterでツイートしたことを叩き台に、ここまでの投球を振り返ってみたい。
なぜ岩隈は12イニングで3本の本塁打を浴びてしまったのか?ということだ。
メジャー初の被本塁打は、初登板となった4/20シカゴホワイトソックス戦で、3番打者アダム・ダンに右本を打たれた。2本目は4/28トロントブルージェイズ戦で5番打者エドウィン・エンカーナシオンに無死満塁からグランドスラムを右翼席に運ばれている。3本目は5/16クリーブランドインディアンス戦。4番のトラビス・ハフナーの右本を被弾した。
さて、ここまでの投球成績を確認してみよう。4試合に登板、合計12イニング、打者50人に180球を投げた(1イニング当たり15.00、1人当たり3.60)。打たれたヒットは10本、そのうち、二塁打が2本、本塁打が3本、奪三振13、与四球5(敬遠1含む)、7失点、7自責点で、防御率は5.25、WHIPは1.25という成績になっている。
■岩隈久志 登板日別 投手成績

次に、被打率、被OPSを確認してみたい。球種別被打率も4シーム(速球)とスプリッター(フォーク)でチェックしてみたい。
■岩隈久志 被打率 被OPS

被打率では.222と打者を抑え込んでいるものの、打たれた安打のうち半分が長打ということもあり、被OPSは決して良いという値ではない。球種別では、4シーム(=ストレート)、スプリッター(=フォーク)、明暗わかれる結果が出ている。
スプリッターは被打率.050、被OPS.100という素晴らしい成績、奪三振13個のうち10個をスプリッターで獲得、10本の凡打は全て内野ゴロとなっている。下記の明細表のとおり、低め低めに集めることができている制球の良さも確認できる。昨年右肩痛から復帰した後はスプリッターに本来の制球・キレがなく甘さが目立っていたが、どうやら輝きを取り戻したと言ってよさそうだ。(下記のスプリッター明細表を参照)
一方、4シームは、ちょっと信じがたい数字が並んでいる。被打率.500、被OPS1.905。浴びた3本のホームランは全て4シームで、打たれた5本の長打のうち4本は4シームなのだ。
確かに岩隈の失投が招いた一発だったという要素はかなりの部分である。ダン、エンカーナシオンに打たれた4シームはいずれも逆球だったからだ。ダンに対しては捕手モンテロがアウトコースに構えたものの中に抜けて入ってしまったところを狙われた。満塁弾になったエンカーナシオンは捕手のミットは内角を要求していたものの、アウトローに流れてしまう逆球で、見逃せばボールだったものの、いとも簡単に右翼席へ運ばれてしまった。
また、NPBで活躍していた昨年と比べると、MLBで速球が通用しにくくなっている事実もあるだろう。昨年、岩隈のストレート被打率は私の調べだと.207、被OPSは.556だった。統一球という極端なバイアスは考慮しなければならないものの、明暗わかれるかたちとなっている。
しかし、ここ最近になり、こんな心境になりつつあるのだ。
ホームランは防ぐことができたのでは?
というのは、明らかな傾向がデータ上から伺えるからだ。
この3本の一発、2つの共通項がある。
〔1〕相手の主軸打者であること
〔2〕初球を打たれてしまっていること
前述したとおり、ダンは3番、エンカーナシオンは5番、ハフナーは4番。打線の主軸にすわるバッターだった。さらに、いずれも初球の4シームを打たれているのだ。
最も警戒しなければならない主軸相手に、初球、ストレートから入るのは、あまりにも素直すぎると言えるのではないだろうか?
日本では、強打者や初球から積極的にバットを振りにいくバッターに対しては、初球をクサいゾーンへのボールから入って様子を探ったり、変化球で入っていくケースが普通の光景としてそこにある。
しかし、敬遠と球種不明の2打席を除く対戦打者48人の初球球種割合を確認すると、4シーム27、シンカー6、カーブ4、スライダー11となっている。シンカーは日本で言うシュートだから、4シーム+シンカーを「まっすぐ系」とすると、まっすぐ系の割合は実に68.8%となる。この割合、昨年は53.3%となっているのだ。
さらに、初球で未使用の球種が存在するのが気になってくる。そう、素晴らしい成績を残しているスプリッター(=フォーク)だ。MLBでは打者の初球にまだ1球も使っていないのだ。一方、昨年は対戦471打席のうち初球スプリッターの割合は11.7%に当たる55打席で記録している。
もう少し見てみよう。対戦50打者のうち、初球打ちに遭ったのは16打席ある。16打席で相手はバットをスイングして、空振りが4度、ファウルが6度、バットに球が当たってフィールドに飛んで打席結果が出たのが6度あった(6打数3安打3本塁打)。この球種を確認すると、球種不明1、まっすぐ系13、スライダー2という内訳になっている。初球から打ちにきているバッターは「まっすぐ系」に狙い球を絞っている雰囲気だ。
相手の主軸、一発もある強打者、初球から積極的にバットを振りまわしていくバッターに対する初球の入り方、カウントの取り方に、今後の好投へ向けての1つのカギが隠されているような気がしてならない。
この点は、捕手モンテロ、オリボのリードも問題も大きいと思う。また、岩隈がまだ対戦チームの打者の傾向を(当たり前なことだけども)抑えきれていない点もある。現在、配球の最終決定権を岩隈、捕手のどちらが握っているのか?はぼくには判らない。郷に入れば郷に従えとも言うけれども、ここはという譲れない要所では自己の考えを貫くことも必要になってくるはずだ。
初球の一発がなかったら、ここまでの4登板はほぼパーフェクトといえる素晴らしい内容になってくる。こういう傾向が出ていることは、おそらくクマも判っているはずだ。今後の修正に期待したい。
■岩隈久志 スプリッター 明細

◎◎◎関連記事◎◎◎
・〔記録〕マリナーズ入りの楽天・岩隈久志、MLBでの活躍に不安を残す「あるデータ」とは?
・〔試合評〕4回6失点、光が見えない岩隈久志。その53球全詳細 ──2012年3月26日(月)シアトルマリナーズvs巨人(2012.3.26)
・〔速報〕シアトルマリナーズ・岩隈久志、ホワイトソックス戦でメジャー初登板!──その全45球の配球図など投球詳細
・〔記録〕マリナーズ・岩隈久志、悔いが残るメジャー2登板目。その全22球、配球図、球種別詳細、打者別詳細
・〔記録〕マリナーズ岩隈久志、緊急登板で3回1失点、サヨナラ勝利への下地を作る全48球
・〔記録〕シアトルマリナーズ 岩隈久志 5/16 クリーブランドインディアンズ戦に登板、4回1失点。その全65球の詳細
---------------------------------------------------------
初めて当ブログにお越し頂いた方、何度か当ブログに閲覧頂いている皆様。もしブログの内容を気に入って頂けましたらRSSリーダーの登録よろしくお願いします
---------------------------------------------------------
ご感想のある方は下記コメント欄でどうぞ。ただし、感情に流された御意見・誹謗・中傷・悪意の類、プロ野球、楽天と関係のないもの、通りすがりなどハンドルネームがいい加減なものは御遠慮申し上げております
---------------------------------------------------------
最後まで読んで頂き、有難うございました。各種ブログランキングに参加してます。皆様の応援の1票が更新の活力源です。宜しくお願いします。現在ブログ村「楽天イーグルス部門」1位

にほんブログ村




- 関連記事
-
- 〔記録〕マリナーズ 岩隈、3回3失点もメジャー初セーブ──5/30テキサスレンジャーズ戦に登板、その41球の詳細
- 〔分析〕シアトルマリナーズ岩隈久志投手、12イニングで3本塁打浴びているその理由とは?!
- 〔記録〕シアトルマリナーズ 岩隈久志 5/16 クリーブランドインディアンズ戦に登板、4回1失点。その全65球の詳細。
スポンサーサイト
