【戦評】 復活を目指す「打者・嶋基宏」夏場の熱闘~2018年7月17日○楽天イーグルス6-1ロッテ
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◎コテコテの巨人ファンがナベツネ教を脱会し、東北楽天ゴールデンイーグルスに一目惚れしたその理由
楽天が「幕張サマースタジアム」をジャックした。
美馬学vs石川歩、東京ガス先輩後輩対決は通算3度目を迎えた。
両者譲らずの投げ合いになり、8回終了時までスコアは2-1。
終盤まで1点差を巡る接戦になったが、9回に楽天が一気に4得点!
6-1と大きく突き放し、パリーグではソフトバンクと並ぶ後半戦2連勝スタートを飾っている。
決勝点は6回、石川から5号ソロをバックスクリーン右へ放った島内。
「プロ入って一番良い当たり」と手ごたえをつかんだ島内は7月4勝のうちヒーローインタビューに3度呼ばれる好活躍が続いている。
この日、救援陣も奮闘した。
6回以降は4イニング三者凡退リレー。
6回7回は松井が2イニングを担当し、8回は青山、9回は高梨がゼロを入れた。
とくに凄かったのは7回2死の藤岡空三振を起点に「打者7人連続三振斬り」で締めくくったこと。
高梨は5点差と点差が開いた中での登板になったが、集中力を切らすことなく投げ切った。
さて、翌日の3戦目は古川がパリーグ球団相手に初勝利を狙う。
チームも5/11~5/13オリックス戦に続く今季2度目の同一カード3連勝を目指す。
楽天は今週ビジター日程。
ぜひとも3連勝し、勢いを駆って金曜日からの敵地首位西武3連戦に乗り込みたい。
チーム成績は81試合31勝49敗1分の勝率.388、借金は7/6以来の18へ。
各種戦績は平石代行10勝8敗、7月4勝5敗、ロッテ戦4勝6敗、ビジター17勝20敗1分に。
ゲーム差は1位・西武と15.5、2位・日本ハムと14.0、3位・ソフトバンクと11.0、4位・オリックスと10.0、5位・ロッテと9.0になった。
5位とのゲーム差が9.0以内に縮まったのは6/24以来のことだ。
(下記へつづく)
両軍のスタメン
楽天=1番・田中(中)、2番・茂木(遊)、3番・島内(左)、4番・今江(三)、5番・銀次(一)、6番・アマダー(指)、7番・藤田(二)、8番・ペゲーロ(右)、9番・嶋(捕)、先発・美馬(右投)
ロッテ=1番・藤岡(遊)、2番・平沢(右)、3番・中村(二)、4番・井上(一)、5番・角中(左)、6番・福浦(指)、7番・田村(捕)、8番・鈴木(三)、9番・加藤(中)、先発・石川(右投)
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◎「観る野球から考える野球へ。選手がノートを持ってノムさんの講義を受けるみたいな感覚が常にあるメルマガです。こちらを読むようになってから、本棚に野球の関連本が増えました」(東海在住40代男性さん)
9回は長らくの懸案事項が一挙解決に向かいそうな「希望の4得点」になった。
今シーズン楽天の得点がセパ12球団中最少で唯一300点未満にとどまる理由は、大きく分けて2つある。
ホームランが少ない。
開幕81試合時点で昨年88本から今年73本へ。
ウィーラーや茂木の不調などが響き、前年比15本減を余儀なくされている。
2つめは、満塁でのチーム打率がすこぶる悪い。
その成績は、41打数7安打27打点、1二塁打、1本塁打、11三振、4四球、1犠打、4犠飛。
フルベースでは打率.171と、チーム打率を大きく下回る戦績にあえいでいた。
しかし、本戦はフルベースから3本のタイムリーが誕生した。
ロッテ三番手・大谷から先頭の4番・今江がヒットで出塁。
続く5番・銀次がバントを決めると、6番・アマダー申告敬遠で7番・藤田へ。
その藤田がヒットでつないで1死満塁をお膳立てすると、そこから途中出場の8番・岡島、9番・嶋、1番・田中と3者連続タイムリーが生まれ、4得点で試合を決めた。
長らく1割台を低迷していたチームの満塁打率も.227へ上昇。
チーム打率.240と遜色のない数字まで上げることに成功したのだ。
■2018年 楽天の満塁成績


それにしても、9回の3者連続タイムリーで感じたのは『打者・嶋基宏の復権』だ。
本戦ではチーム唯一の2安打をマーク。
2本ともタイムリーになった。
1本目は2回だった。
この回、楽天は先頭打者エラーを含む2失策1四球と「もらったチャンス」で2死2塁~2死2,1塁の先制機を得ていた。
ここで打席は嶋。
石川との通算対戦打率は50打席で.111と分が悪く、さらに1-2と追いこまれてしまった。
しかし、カウント不利の苦しい中、石川が投じた内角145キロを上手くおっつけて応戦。
センター返しの当たりがショート右を射抜く先制打になった。
キャプテンマークが1試合複数適時打を記録したのは今季初の快挙である。
嶋は2打席目にも石川から粘りに粘り8連続ファウルを含む13球勝負の見せ場を演じた。
これは今季、楽天打者が1打席内で球数を投げさせた最多タイ記録にもなり、調子が上向いていることを感じさせるアットバットだ。
これでシーズン打率を.209に上げ、7月月間打率は.308を記録。
例年なら開幕直後が一番調子が良く、夏場になるにつれて尻すぼみに終わるパターン。
ところが今季は夏場から巻き返していく「今までにないニュースタイル」を見せようとしている。
7月に入って、嶋の打撃好調は、例年苦手にする変化球撃ちで結果が出ている点にある。
下記のとおり、嶋の変化球打率は2014年の.268を起点に年々目減りする一方だった。
■2014年以降 嶋基宏 速球・変化球打率
2014年・・・速球.259、変化球.268
2015年・・・速球.197、変化球.247
2016年・・・速球.303、変化球.221
2017年・・・速球.237、変化球.135
今季も御多分に漏れなかった。
6月まで速球.289ながらも、変化球は.094と1割を切る始末。
ところがだ。
7月に入り、速球.300、変化球.333と、両方で打率3割をマークしている。
これは推測だが、打者・嶋の復権の背景には栗原打撃コーチの尽力があるのかもしれない。
打者・嶋が完全に復権するにはあともう1つ、「四球獲得能力の復活」が欠かせない。
2014年以降は.112、.119、.122、.140と安打以外の出塁率IsoDが驚異の1割超えを記録している嶋だが、今年はここまで.062と前年比半減とらしさが出ていない。
他球団捕手よりも長けた出塁能力こそ、捕手・嶋の価値を作るコア要素だ。
この値が例年どおり1割を越えてくると、打者・嶋の完全復活と言えそうで、そこに注目していきたい。
もう1つ指摘しておきたい。
嶋の7月月間打率は.308。
さらに言えば、7月の嶋の代打が挙げた戦績も4打数2安打3打点、2本塁打、1三振。
この4打席はいずれも枡田慎太郎による仕事で、すこぶる良いのだ。
7月は、嶋の打席と当初は嶋に与えられながらも代打を送られた打席で、30打数10安打の打率.333と9番で目覚ましい戦績を挙げている。
■茂木栄五郎 7/3以降の打撃成績

今季の茂木は梨田楽天に終止符を打った「四大戦犯」の1人である。(詳細はコチラを参照)
その茂木が7月もよくない。
この日は右安、二ゴ、遊ゴ、ヒット1本は詰まり気味のヒットで、ゴロ2本はいずれもタイミングをずらされ、当てにいったイージーゴロに倒れた。
7/1西武戦で腰の状態が思わしくなく3回守備時にベンチに退いて以降の32打席で打率.074、OPS.268と、極度のスランプに陥っている。
この試合も8回に代打が送られたように、この間の9試合は全試合スタメン出場だったが、ゲームセットまで出場したのはわずかに3試合。
今江、銀次、藤田、島内と好守備が続出するなか、茂木はエラーを犯したことを考えても、まだまだ腰の状態がよくないのだろう。
状態不良のなか、無理を押してスタメン出場し続けるメリットが分からない。
ここはいったん休ませて、前日三塁打を放った三好に機会を与えてもよいように思うのだが、平石代行の判断いかに?

5回、打者22人、93球、被安打5、被本塁打0、奪三振0、与四球2、与死球0、失点1、自責点1。
6/17阪神戦以来、ちょうど1ヵ月ぶりの白星は今季ようやくの2勝目になった。
これで今季成績は13試合74回を投げて防御率4.62、2勝6敗、被打率.286、WHIP1.42、QS率46.2%になった。
美馬xZOZOマリンと言えば相性の良い球場である。
しかし、昨年8/23は6回8安打5失点、今年3/31は2回8安打5失点。
ZOZOマリンでの直近2登板は炎上続きだった。
本戦も炎上なら今後マリンにはイヤなイメージがついてしまう。
それだけに、本戦は今後への試金石といえるマウンドだった。
不安な立ち上がりだった。
初回2回と変化球が決まらず、そのストライク率は25.0%。
とくに初回に投げた変化球7球は全てストライクゾーンの枠内をはずれてボールになっていた。
風の影響を把握するまでコントロールできなかったのだ。
しかし、感触をつかんだ3回以降は変化球ストライク率58.6%と修正に成功する。
毎回走者を出しながらもゴロを打たせる投球に腐心し、粘投で5回1失点とゲームメイクに成功した。
ZOZOマリンで美馬が良いときは、じつはスライダーやカーブといったブレーキングボール系が機能したときではなく、シュートが機能したときである。
この日も全体の28.0%を投じたシュートが効果を発揮し、ゴロ凡打の大量生産につなげた。
美馬といえばシュートボーラーというイメージも強いが、じつは年々右打者の内角に投じる割合は少なくなっていた。
ところが、今季は開幕来の不調もあり、右打者対戦時のストライクゾーンを大きく使う必要が生じたことから、右打者のインコースへの投球が前年と比べて増えている。
このことは、下記に記した投球マップでも明らかで、右打者の内角への分布が増えているのが確認できる。
■2017~2018年 美馬学 投球マップ
〔2017年〕

〔2018年〕

この日も右打者の37.1%と大変高い割合を内角狙いで投じた。
とくに前日ホームランを打った4番・井上には14球勝負中、6球が内角狙いだった。
(タイムリー二塁打を浴びた2打席目の3球勝負は全て外角だった)
ストレートも7月に入り平均球速が上昇してきている。
3月4月・・・平均143.1キロ
5月・・・平均143.5キロ
6月・・・平均143.4キロ
7月・・・平均144.9キロ
先発三本柱と期待されながら、梨田楽天を終わらせた「四大戦犯」の1人と化してしまった背番号15が、例年なら鬼門になる7月、ようやく徐々に調子を上げてきたと言えそうだ。
楽天は7/30から3週連続の日程に突入する。
そこでの美馬の奮闘に注目しよう。
...というような試合評やデータをもとにした分析コラムを、今季も主に「まぐまぐメルマガ」「note」で情報発信しています。
みなさんも僕たちとともに後半戦の平石楽天を注視していきましょう!
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「膨大なデータから一筋の解を見つけ出す『ストーリー作成能力』や、真のバント成功率などの実態をより反映した『指標作成能力』は、本業の学会発表や論文執筆の際に大変参考にさせて頂いております」(関東在住20代男性さん)
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高梨は5点差と点差が開いた中での登板になったが、集中力を切らすことなく投げ切った。
さて、翌日の3戦目は古川がパリーグ球団相手に初勝利を狙う。
チームも5/11~5/13オリックス戦に続く今季2度目の同一カード3連勝を目指す。
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ぜひとも3連勝し、勢いを駆って金曜日からの敵地首位西武3連戦に乗り込みたい。
チーム成績は81試合31勝49敗1分の勝率.388、借金は7/6以来の18へ。
各種戦績は平石代行10勝8敗、7月4勝5敗、ロッテ戦4勝6敗、ビジター17勝20敗1分に。
ゲーム差は1位・西武と15.5、2位・日本ハムと14.0、3位・ソフトバンクと11.0、4位・オリックスと10.0、5位・ロッテと9.0になった。
5位とのゲーム差が9.0以内に縮まったのは6/24以来のことだ。
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両軍のスタメン
楽天=1番・田中(中)、2番・茂木(遊)、3番・島内(左)、4番・今江(三)、5番・銀次(一)、6番・アマダー(指)、7番・藤田(二)、8番・ペゲーロ(右)、9番・嶋(捕)、先発・美馬(右投)
ロッテ=1番・藤岡(遊)、2番・平沢(右)、3番・中村(二)、4番・井上(一)、5番・角中(左)、6番・福浦(指)、7番・田村(捕)、8番・鈴木(三)、9番・加藤(中)、先発・石川(右投)
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希望の4得点
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ホームランが少ない。
開幕81試合時点で昨年88本から今年73本へ。
ウィーラーや茂木の不調などが響き、前年比15本減を余儀なくされている。
2つめは、満塁でのチーム打率がすこぶる悪い。
その成績は、41打数7安打27打点、1二塁打、1本塁打、11三振、4四球、1犠打、4犠飛。
フルベースでは打率.171と、チーム打率を大きく下回る戦績にあえいでいた。
しかし、本戦はフルベースから3本のタイムリーが誕生した。
ロッテ三番手・大谷から先頭の4番・今江がヒットで出塁。
続く5番・銀次がバントを決めると、6番・アマダー申告敬遠で7番・藤田へ。
その藤田がヒットでつないで1死満塁をお膳立てすると、そこから途中出場の8番・岡島、9番・嶋、1番・田中と3者連続タイムリーが生まれ、4得点で試合を決めた。
長らく1割台を低迷していたチームの満塁打率も.227へ上昇。
チーム打率.240と遜色のない数字まで上げることに成功したのだ。
■2018年 楽天の満塁成績


打者・嶋の復権
それにしても、9回の3者連続タイムリーで感じたのは『打者・嶋基宏の復権』だ。
本戦ではチーム唯一の2安打をマーク。
2本ともタイムリーになった。
1本目は2回だった。
この回、楽天は先頭打者エラーを含む2失策1四球と「もらったチャンス」で2死2塁~2死2,1塁の先制機を得ていた。
ここで打席は嶋。
石川との通算対戦打率は50打席で.111と分が悪く、さらに1-2と追いこまれてしまった。
しかし、カウント不利の苦しい中、石川が投じた内角145キロを上手くおっつけて応戦。
センター返しの当たりがショート右を射抜く先制打になった。
キャプテンマークが1試合複数適時打を記録したのは今季初の快挙である。
嶋は2打席目にも石川から粘りに粘り8連続ファウルを含む13球勝負の見せ場を演じた。
これは今季、楽天打者が1打席内で球数を投げさせた最多タイ記録にもなり、調子が上向いていることを感じさせるアットバットだ。
これでシーズン打率を.209に上げ、7月月間打率は.308を記録。
例年なら開幕直後が一番調子が良く、夏場になるにつれて尻すぼみに終わるパターン。
ところが今季は夏場から巻き返していく「今までにないニュースタイル」を見せようとしている。
7月に入って、嶋の打撃好調は、例年苦手にする変化球撃ちで結果が出ている点にある。
下記のとおり、嶋の変化球打率は2014年の.268を起点に年々目減りする一方だった。
■2014年以降 嶋基宏 速球・変化球打率
2014年・・・速球.259、変化球.268
2015年・・・速球.197、変化球.247
2016年・・・速球.303、変化球.221
2017年・・・速球.237、変化球.135
今季も御多分に漏れなかった。
6月まで速球.289ながらも、変化球は.094と1割を切る始末。
ところがだ。
7月に入り、速球.300、変化球.333と、両方で打率3割をマークしている。
これは推測だが、打者・嶋の復権の背景には栗原打撃コーチの尽力があるのかもしれない。
打者・嶋が完全に復権するにはあともう1つ、「四球獲得能力の復活」が欠かせない。
2014年以降は.112、.119、.122、.140と安打以外の出塁率IsoDが驚異の1割超えを記録している嶋だが、今年はここまで.062と前年比半減とらしさが出ていない。
他球団捕手よりも長けた出塁能力こそ、捕手・嶋の価値を作るコア要素だ。
この値が例年どおり1割を越えてくると、打者・嶋の完全復活と言えそうで、そこに注目していきたい。
もう1つ指摘しておきたい。
嶋の7月月間打率は.308。
さらに言えば、7月の嶋の代打が挙げた戦績も4打数2安打3打点、2本塁打、1三振。
この4打席はいずれも枡田慎太郎による仕事で、すこぶる良いのだ。
7月は、嶋の打席と当初は嶋に与えられながらも代打を送られた打席で、30打数10安打の打率.333と9番で目覚ましい戦績を挙げている。
■茂木栄五郎 7/3以降の打撃成績

茂木の低迷...
今季の茂木は梨田楽天に終止符を打った「四大戦犯」の1人である。(詳細はコチラを参照)
その茂木が7月もよくない。
この日は右安、二ゴ、遊ゴ、ヒット1本は詰まり気味のヒットで、ゴロ2本はいずれもタイミングをずらされ、当てにいったイージーゴロに倒れた。
7/1西武戦で腰の状態が思わしくなく3回守備時にベンチに退いて以降の32打席で打率.074、OPS.268と、極度のスランプに陥っている。
この試合も8回に代打が送られたように、この間の9試合は全試合スタメン出場だったが、ゲームセットまで出場したのはわずかに3試合。
今江、銀次、藤田、島内と好守備が続出するなか、茂木はエラーを犯したことを考えても、まだまだ腰の状態がよくないのだろう。
状態不良のなか、無理を押してスタメン出場し続けるメリットが分からない。
ここはいったん休ませて、前日三塁打を放った三好に機会を与えてもよいように思うのだが、平石代行の判断いかに?

5回、打者22人、93球、被安打5、被本塁打0、奪三振0、与四球2、与死球0、失点1、自責点1。
変化球の制球を修正し、粘投の今季2勝目
6/17阪神戦以来、ちょうど1ヵ月ぶりの白星は今季ようやくの2勝目になった。
これで今季成績は13試合74回を投げて防御率4.62、2勝6敗、被打率.286、WHIP1.42、QS率46.2%になった。
美馬xZOZOマリンと言えば相性の良い球場である。
しかし、昨年8/23は6回8安打5失点、今年3/31は2回8安打5失点。
ZOZOマリンでの直近2登板は炎上続きだった。
本戦も炎上なら今後マリンにはイヤなイメージがついてしまう。
それだけに、本戦は今後への試金石といえるマウンドだった。
不安な立ち上がりだった。
初回2回と変化球が決まらず、そのストライク率は25.0%。
とくに初回に投げた変化球7球は全てストライクゾーンの枠内をはずれてボールになっていた。
風の影響を把握するまでコントロールできなかったのだ。
しかし、感触をつかんだ3回以降は変化球ストライク率58.6%と修正に成功する。
毎回走者を出しながらもゴロを打たせる投球に腐心し、粘投で5回1失点とゲームメイクに成功した。
ZOZOマリンで美馬が良いときは、じつはスライダーやカーブといったブレーキングボール系が機能したときではなく、シュートが機能したときである。
この日も全体の28.0%を投じたシュートが効果を発揮し、ゴロ凡打の大量生産につなげた。
美馬といえばシュートボーラーというイメージも強いが、じつは年々右打者の内角に投じる割合は少なくなっていた。
ところが、今季は開幕来の不調もあり、右打者対戦時のストライクゾーンを大きく使う必要が生じたことから、右打者のインコースへの投球が前年と比べて増えている。
このことは、下記に記した投球マップでも明らかで、右打者の内角への分布が増えているのが確認できる。
■2017~2018年 美馬学 投球マップ
〔2017年〕

〔2018年〕

この日も右打者の37.1%と大変高い割合を内角狙いで投じた。
とくに前日ホームランを打った4番・井上には14球勝負中、6球が内角狙いだった。
(タイムリー二塁打を浴びた2打席目の3球勝負は全て外角だった)
ストレートも7月に入り平均球速が上昇してきている。
3月4月・・・平均143.1キロ
5月・・・平均143.5キロ
6月・・・平均143.4キロ
7月・・・平均144.9キロ
先発三本柱と期待されながら、梨田楽天を終わらせた「四大戦犯」の1人と化してしまった背番号15が、例年なら鬼門になる7月、ようやく徐々に調子を上げてきたと言えそうだ。
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