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【CS試合評】 則本2戦連続の背信。遅きに失したエースの投球~2017年10月20日●楽天イーグルス5-7ソフトバンク

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打線が奮起、苦手左腕・和田から5得点




本戦は試合前から苦戦を予想していた。

敵の先発は和田、楽天が苦手にする左投手だったからだ。
今シーズン、イーグルスは相手先発が左腕のとき、13勝18敗の勝率.419と負け越していた。
クライマックスシリーズに突入しても、左投手のとき、チームOPS/打率は.593/.209に沈んでいた。
なかでも左打者vs左投手のときは.386/.171と数字を下げ、主戦級に左打者が多い楽天の弱点をさらけ出していた。

ところが、予想に反して打線が奮起する。

敵の左腕先発に対し、楽天の左打者が弾き返した最多安打は、ここまで5月17日の日本ハム戦(○E15-6F)、2回途中8安打6失点でKOした加藤から左打者が合計6本のヒットを弾き返したのが、今季の最多だった。
しかし、本戦ではそれを更新する7本。

1回は銀次の中安、島内の左安(打点1)。
2回は聖澤の中安、茂木の右安(打点1)、藤田の右翼二(打点1)。
4回は岡島の左翼二、5回は再び島内の左安。
出場した左打者全員が和田から満遍なくヒットを記録した。

さらには、ウィーラーの好機拡大ヒットと、2点を追った5回に飛び出したアマダーによる起死回生の同点2ランが合わさって、和田を5回5失点と、早期降板に追い込むことに成功したのだった。

そのなか、ぼくが注目するのは、1回2死1塁、4番・ウィーラーが左前へ弾き返した快打である。
0-1からの第2球だった。
129kmスライダーで内角を攻められた投球を詰まらされることなく、コンパクトに振り抜き、鋭い矢を左前へ射かけた。

ぼくのnoteマガジン/まぐまぐメルマガをご購読いただいている読者の皆さんならご承知だと思うが、じつはこれ、左投手対戦時におけるウィーラーの最大の弱点だった。
そのウィークポイントを攻められながらも、完璧な形で応戦できた点に、驚かされた。
もしあの場面、凡退していたら、和田の攻略は遅れ、則本も7回まで投げることもできなかったかもしれない。

狙い澄ましたかのようなアマダーの一閃も、素晴らしかった。

今季のアマダーは打率こそ.237と低いが、23本のホームランが要所で飛び出すことが多かった。
たとえば、1~2点の僅差リードを盤石なものにする突き放しの本塁打は6本、先制&勝ち越し弾も6本あった。
逆転弾は2本を記録し、同点弾も2本あった。
この傾向を地で行くような、欲しいところに飛び出した同点2ランになった。

この打席、129kmスライダー、128kmスライダーと、アマダーがお得意にする半速球の打席だった。
まるで朝飯前と言わんばかりに、ああいった半速球をすくい上げるのは、この人、本当に達者である。

しかし、不安要素もあった。

初回の第1打席は、3連打で良い雰囲気を作って1点先制した直後の2死3,2塁でまわってきた。
一打出ればさらに2点入るかという場面で、インハイ釣り球を投げ込まれ、顔を大きくそむけながらの窮屈なハーフスイングの空三振。
2打席目も3回1死2塁の好機ながらも、高め釣り球攻めに遭い、イージーな中飛に倒れていた。
アマダーには、8月27日の日本ハム戦(●E2-5F)の上沢、9月1日ソフトバンク戦(●E0-2H)の東浜というブラッシュボール事件がある。

そのことを考えると、2打席連続で高め釣り球攻めを受けながらも、集中力を切らすことなかったこと、ペゲーロから託された活躍の場でしっかり戦う姿を確認することができたことは、朗報になった。

両軍のスタメン

楽天=1番・茂木(遊)、2番・藤田(二)、3番・銀次(一)、4番・ウィーラー(三)、5番・島内(中)、6番・アマダー(指)、7番・聖澤(左)、8番・岡島(右)、9番・足立(捕)、先発・則本(右投)

ソフトバンク=1番・今宮(遊)、2番・城所(中)、3番・デスパイネ(指)、4番・内川(一)、5番・長谷川(左)、6番・松田(三)、7番・中村晃(右)、8番・高谷(捕)、9番・本多(二)、先発・和田(左投)

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田中将大から託されたエースの称号が泣く...




打線が奮起して和田から取った5点の大量援護をおじゃんにしてしまったのは、まさかのエースだった。

前回10月14日西武戦(●E0-10L)では嶋と組んで4回7失点と今季最低最悪の背信投球。
そのことがあったから、梨田監督も、今シーズンはコンビを組んだとき防御率0.55(49回・自責点3)、被打率.194(191打数37安打)と傑出した戦績を挙げていた足立をスタメンマスクに指名したのだろう。

ところが、この黄金コンビを生かせなかったのが、則本だった。

確かに則本は例年立ち上がりの失点が多い。
今季も63失点中、初回に最多13失点。
立ち上がりは鬼門になっていたが、それでも大舞台の本戦で、味方先制直後に逆転を許す初回の2失点は、あまりにも拙かった。

口火を許した1番・今宮の130km、同点打になった3番・デスパイネの132km、いずれも変化球が打ちごろの高さに入った。

その後の5番・長谷川の投安は、則本の1塁送球が打者走者と交錯しかけ、そのことでしっかり捕球できなかったのか、ファースト銀次がミットに球を1度は収めかけながらも完全捕球できずにこぼすという不運な当たりだった。
直後に6番・松田に左翼線へ痛打された逆転ツーベースは、緩急演出の内角攻めを上手くさばかれた形になったが、初回に浴びたヒット4本中、少なくとも2本は、甘く入った失投を弾き返されていた。

3回も同様、先頭の2番・城所に打ち返された右翼二は、外角低めを狙った124km変化球がふわっと浮く、まるで糸が切れて漂流する凧のような失投だった。

この後、3番・デスパイネを歩かせたのは止むなしとして、4番・内川には初球カーブを本当に上手く打たれた感だ。
111kmの緩い球に全く体勢を崩されることなく、本当に狙っていたかのようなタイミングでバットを振り抜かれてしまった。

前夜は辛島のカーブ3連投からの緩急差38kmをつけた速球を、もののみごとに左翼席に運んでいたので、内川にはカーブを混ぜた安易な緩急は禁物と見るべきだったかもしれない。

この場面は、好リードでチームを2連勝に導いた嶋からスタメンマスクを足立に変えたその弊害だったかもしれない。

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1試合5失点は本戦で今シーズン7度目





3回までの則本は、前回の流れの只中にあった。

たとえば1回1番・今宮への2-2からの第6球。
外角に決めにいった152km真っすぐが、外のボールゾーンにやや逸れる形でアウトハイに外れた。
際どいコースを取ってもらえなかった前回を引きずっている象徴というべきシーンだった。

しかし、4回以降、尻上がりに立ち直った。
まるで内川に浴びた3ランで目を覚ましたかのように、圧倒的なピッチングだった。

4回は8番・高谷、9番・本多、1番・今宮を3者連続三振。
7回も1番・今宮、2番・城所、3番・デスパイネを3者連続三振のワンツースリー。
3回まで148.0kmだった速球の平均球速は4回以降150.0kmを計測。
なかでも、6回は151.1km、7回は152.2kmとスピードを上げ、唸りを上げたストレートと比例するかのように、フォーク等の変化球のキレ味も鋭さを増した。

しかし、遅きに失した感は否めない。

回が進めば進むほど、楽天打線に立ちはだかるのは、救援防御率リーグ1位2.78を誇るホークスの強力なリリーフ陣である。
案の定、楽天打線は相手が継投に入った6回以降、5投手を小刻みに継投され、そのなかで打ち返したヒットは1本だけ。

これが後ろに不安を残す日本ハムだったら、初回5失点もその後は修正、抜群のパワーピッチングで相手をねじ伏せ、味方打線も追いつき追い越せで15-6の爆勝になった5月17日の岩手盛岡での再現もあったかもしれないが、相手は工藤監督いわく3倍増しの気合で楽天に立ち向かってきた若鷹軍団だった。

それにしても、Twitterに書いたけど、今シーズンはエースは則本だったけど、エースの仕事をしたのは岸、そしてエース級の活躍だったのは美馬、この思いを改めて強くした一戦になった。

則本の今季WARは両リーグ投手1位の7.4。
前年比でも、菊池雄星との比較でも1.2を上まわる傑出値だった。

しかし、その数字どおりの実感を得にくいのが、今季の背番号14だった。

5失点以上した試合が、岸が2試合に対し、則本は本戦を含めて7試合もあった。
7試合という数字は、田中将大が2009年~2013年の合計5年間で記録した数字と同じである。
田中は高卒3年目の2009年以降、1試合5失点は1シーズン多くても3試合だった。
あの2013年はポストシーズンを含めても1度もなかった。

このことを考えると、田中から託されたエースの称号が泣くというものである。


サブちゃんは疲れていた




尻上がりに調子を取り戻し、ゾーンに入ったかに見えた則本だったが、7回でお役御免になった。

試合後の梨田監督の談話によると、7回までが限界だったと言う。
球速も150km越え連発だったので、相当飛ばしていたことはハタ目から見ても分かったので、妥当な判断だと思った。

そして同点の8回、出てきた二番手は福山だった。
一夜明けて振り返ってみれば、はたして8回は福山だったか?とも思うが、その采配も妥当だと思う。
相手は8回表に岩崎を出してきたのだから、こちらも同等の良い投手を出していくべきだったと思うからだ。

しかし、5試合連続登板、3日連続登板、シーズンから数えてちょうど70登板目になった福山は、明らかに疲弊していた。

福山の速球平均球速を確認してみると、以下のようになっていた。


■福山博之の速球平均球速
10月レギュラーシーズン、146.0km/h
10/15西武戦、146.9km/h
10/16西武戦、147.2km/h
10/18ソフトバンク戦、145.6km/h
10/19ソフトバンク戦、144.0km/h
10/20ソフトバンク戦、142.3km/h


10月レギュラーシーズンの数字と比べても、わずか5日前の15日西武戦と比較しても、本戦の142.3kmはいずれも数字を大きく下げてしまっていた。

昨オフは「カキを食べまくるとか、賞味期限が10日くらい過ぎたものを食べるとか。焼き肉を焼かないで生肉で食べることもしています」「シーズン中に食べられないものを食べている。おなかを壊すくらいものを食べて、胃を鍛えている」と常識を超えた食トレにも励んだ鉄腕。

18日ソフトバンク戦で3試合連続登板になった後も、「3試合連続でも、17日に(試合がなく)1日空いたので大丈夫。ブルペンでやっていることが普段通りできている。何連投でも、練習しているので問題ない」と力強く語っていた福山。

その福山とて人の子だ。
当然、蓄積疲労がないと言ったら嘘だろうし、こういった日もあるということなのだろう。

あのまま5失点したエースを続投させて打たれて負けたなら悔いが残ったが、信頼のおけるセットアッパーが打たれたのだから、止むなしだろう。

ぼくらファンも切り替えて、今季は則本の代わりにエースの仕事をしてきた岸に、日本シリーズ進出に王手をかける好投を期待したい。

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