【試合評】 四面楚歌の中、溜飲を下げた安楽&オコエ「二十歳の投打躍動劇」~2017年8月24日●楽天イーグルス1-2ロッテ
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スコア1-2という接戦以上に、楽天に一方的な凡ミスが多発する「トホホ...」のロッテ18回戦になった。
これがつい10日ほど前までソフトバンクと激しい優勝争いを繰り広げていたチームのやることか...
情けなさがこみあげてくるゲーム展開の中、ハイビスカスのような、ひときわ大きな花を咲かせてくれたのが、オコエの存在。
ぼくらファンを慰撫する、素晴らしいプレーをみせてくれた。
8番・右翼で3試合ぶりにスタメン出場したオコエは、チーム6安打中、3本のヒットを叩き出す活躍ぶり。
今季初の猛打賞、その1本目は2回1死1塁。
自打球を打たされ1-2と追い込まれた第1打席だった。
外に逃げていく変化球をバットの先でひっかけたサード前方のボテボテ。
これを必死の1塁全力疾走で内野安打へ。
サードを守る中村は捕球するだけで投げられずという俊足飛ばしたヒットは、1死2,1塁のチャンスを演出した。
1点を追った4回の第2打席も、足を活かした。
島内、聖澤、先輩2名があっさり倒れた2死無走者のこと。
結果球は、関谷が繰り出した139km速球直後の112kmカーブ。
緩急を苦にせず、柔らかな打撃でタイミング良く左中間に打ち返した当たりだった。
緩急差27km以上をヒットにしたのは、8月10日の日本ハム戦(○4x-3)、延長11回サヨナラのお膳立てをした左翼二塁打に続く自身プロ通算2本目になっている。
この当たり、着弾後2バウンドでレフトの角中がまわりこんで処理した、おそらく通常だとシングルヒットコース。
しかし、オコエはその一瞬の隙を逃さなかった。
一気にトップギアに上げ、大きなストライドを飛ばして2塁へ。
角中からのワンバンドの2塁返球を間一髪制して滑り込んだ2塁到達タイムは、当方計測7秒49。
プロの世界では2塁到達タイム8秒29を切れば俊足と評価されるなか、それを悠々クリアし、自身の通算二塁打の中でも、最速のタイムを叩き出す二塁打になっている。
■オコエ瑠偉 二塁打での2塁到達タイム
※2016年6月11日のみスポニチアネックス計測。他は当方計測。
※「不明」は中継カメラがオコエの2塁到達を映し出していなかったため、計測できず。
そして、そして、そして!
ハイライトは2点を追った9回土壇場、2死無走者でまわった第4打席だった。
誰もが諦めかけていたそのときだった。
内竜也との親戚初対決を制した一撃が左中間スタンドに吸い込まれていった。
結果球は初球アウトコースの145km速球。
見事に仕留めた大当たりは今季1号ソロ、通算2本目のホームランになった。
両軍のスタメン
楽天=1番・茂木(遊)、2番・ペゲーロ(指)、3番・ウィーラー(三)、4番・アマダー(一)、5番・銀次(二)、6番・島内(中)、7番・聖澤(左)、8番・オコエ(右)、9番・細川(捕)、先発・安楽(右投)
ロッテ=1番・荻野(右)、2番・サントス(中)、3番・鈴木(二)、4番・ペーニャ(指)、5番・角中(左)、6番・中村(三)、7番・三木(遊)、8番・香月(一)、9番・吉田(捕)、先発・関谷(右投)
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打ってはオコエが今季1号含む3安打猛打賞の活躍、投げては先発・安楽が7回途中2失点の好投。
20歳の若武者2人が躍動するなか、その活躍劇をおじゃんにしたのが、彼らよりもプロキャリアが長い先輩の犬鷲戦士たちだった。
外国人トリオが打てなさすぎた。
3人そろって12打数2安打、2三振、2二塁打。
得点圏10打席中、助っ人3人に合計5打席まわり5タコに終わった。
両翼に2本の二塁打を弾き返した2番・ペゲーロも、肝心要の2回2死満塁での2打席目では仕事ができず、この試合、マリンの風に乗って良く変化していた関谷のチェンジアップを強引に打ちにいき、ひっかけての二ゴに倒れてしまう。
前日5タコだったウィーラーは本戦も2三振含む4タコ、これで8月月間打率を.219に下げてしまった。
相手先発・関谷は立ち上がり制球不安定だった。
1番・茂木にストライク入らずストレートの四球。
2番・ペギーが二塁打を打って無死3,2塁にした絶好機でまわった1打席目は、その後のアマダー、銀次凡退で「据え膳食わぬ」を引き起こす浅い右飛に倒れてしまう。
1点を追った5回の3打席目では、2打席目に空三振に倒れた全く同じ127kmチェンジアップにまたしてもバットが空を切り、三振後、ウィーラーは険しい表情でバットを叩きつけ、バッティンググローブを脱ぎ捨てる自身にご立腹のアット・バットになった。
そして2点を追った8回無死2塁、一発出れば同点という4打席目、失投変化球を打ち返したが、左翼ウォーニングゾーンで失速、これで10打席ノーヒットになってしまった。
2試合連続マルチ安打、8月月間打率も.323と好調の4番・アマダーも、この試合は関谷、南の落ちる球に手こずり、遊飛、右飛、左飛、三飛のフライアウトのオンパレード。
とくに2点を追った8回1死2塁、おそらく一発狙いでいた第4打席は、悔しさ表すアット・バットだった。
南とのフルカウント勝負は高めに入る失投変化球。
これをミスショット、打ち上げてしまったポップフライを見送った後、バットを叩きつけながら1塁に向かう姿がカメラに射抜かれていた。
この試合、相手先発・関谷は序盤2回まで本当に四苦八苦の制球難だった。
2回までの44球、そのストライク率は低すぎる50.0%。
打者11人中5人にボール2つ並べて2-0にしてしまうカウント構築の気まずさがあった。
楽天側からみれば格好の攻略機だったが、日大三高でコンビを組んでいた関谷x吉田のロッテバッテリーに上手く交わされたのか、それとも、8月15日から続いた悪夢の連敗は止めたものの、その流れの只中からいまだに抜け出せずにいるイーグルス打線の調子の悪さなのか、初回無死3,2塁、2回1死2,1塁~2死満塁の据え膳をみすみす逃してしまった。
そうこうするうち、3回裏、安楽が荻野貴に小力を発揮されソロホームランで先制1点を奪われてしまう。
直後の4回表、楽天はオコエの二塁打で2死からチャンスメイク。
素晴らしい走りっぷりで、苦しい戦況を好転させる可能性を秘めた二塁打になったものの、後続の9番・細川が2打席連続でチャンスにあっさりの空三振してしまう。
本戦、その細川が特に酷かった。
6回には1死1塁、6番・中村のサード右、三遊間突破コースのライナーをウィーラーがダイビングキャッチの好捕でアウト。
大きく飛び出していた1塁走者・ペーニャをアウトにすべく1塁へ投げた送球がワンバウンドになり、一塁手アマダーも取れず、まさかの併殺で3アウトが2死2塁になり、7番・福浦に決勝の二塁打を浴びてしまう場面もあった。
8回1死では5番・清田が一塁ファウルゾーンに打ち上げたフライを、追いかけたアマダーが追いついたかにみえたが、取れず。
フェンスまで距離がまだあるなかで飛び出した解せない拙守が尾を引き、清田に四球、後続の中村にヒットされ、ピンチを招くという見えないミスも生じていた。
しかし、それ以上に細川が酷すぎたのだ。
チャンスで2打席連続の空三振はもとより、初回はパリーグ単独最多に躍り出る捕逸。
1死2塁で3番・鈴木に与えた四球の結果球、自らサインを出しておきながらスライダーを捕球しきれずポロっとやり、完全後逸。
1死2,1塁のはずが、余計な捕逸で1死3,1塁へ。
安楽が後続をゲッツーに取ったから良かったものの、マウンド上の安楽に要らぬプレッシャーをかけてしまった。
それにしても、細川のポロポロは見ていてゲンナリである。
たった56回1/3しかマスクをかぶっていないのに、捕逸はこれで5個なのだ。
パリーグ2位の捕逸4個を記録する西武の炭谷は683回を守っての4個である。
細川は他にも暴投も4個を記録しており、パスボール、暴投が異常レベルの多発劇になっていること、理解できると思う。
安楽に余計な重圧を与えたという点では、3回2死1塁もそうだった。
1塁走者サントス二盗を刺すべく投じた2塁スローイングが大きく逸れて外野に抜ける完全悪送球。
サントスは悠々三進し、2死3,1塁の事態を招いた。
ここも安楽がしっかり後続を見三振に仕留めたことで事なきを得たものの、この日の細川はプロ16年目らしからぬプレーの続出。
もういいでしょう。
今秋のクビ切り要員に入れ、来季からはコーチ業に専念してもらいたい。
そんなこんなもあり、今季は24勝10敗と1点差ゲームに強く、7月21日オリックス戦(○E4-3Bs)から1点差試合7連勝が続いていたが、それも終止符を打つことになり、1位・ホークスとの差も今季最大8.5ゲーム差と致命的なところまで広がってしまった。
106試合終了時点でも、楽天が64勝41敗1分の勝率.610に対し、ホークスは69勝37敗の勝率.651と水をあけられるかたちに。
世紀の失速劇はこのまま続いてしまうのか?
それとも、体勢を立て直し、奇跡の逆転優勝へとつなげるのか?
楽天の自力優勝消滅が最短8月27日に迫るなか、真の瀬戸際に立たされたイーグルスがどのように戦っていくのか?注目していきたい。
(この後も続く)
《成績》6回1/3、打者28人、球数104、被安打8、被本塁打1、奪三振4、与四球1、与死球1、失点2、自責点1。
これで安楽は今季成績を7試合1勝4敗、防御率3.29、WHIP1.49、QS率71.4%とした。
打線は据え膳を食わず、守備でも女房役やウィーラーが足を引っ張ったマウンド。
昨季終了時点で1軍公式戦出場数わずか8試合と経験の浅い球審・岩下のジャッジにも悩まされ、正直、集中力がプツンと切れてしまっても仕方のない場面が何度かあった。
たとえば、1点を追った5回2死3塁で打席は3番・鈴木。
8月月間打率.328と打撃好調、8試合連続ヒットが続いていた敵軍主将との対決である。
2-2から投じたインコース低めいっぱいのカーブに球審・岩下の手が上がらない。
鈴木の前の打席では同じコースに変化球を投げ込んでのストライクコール、鈴木が判定不服の態度をみせた見三振だったが、今度はなぜかコールがなく、安楽も苦笑する場面になった。
しかし、ここで集中力を切らさずフルカウント勝負で鈴木をしっかり二飛に退けたという危機脱出のシーンがあった。
正直、四面楚歌の状況下、良く耐えに耐え、7回途中2失点にまとめるゲームメイクをみせたと思うのだ。
このマウンド、もっと言えば通算23登板目にして、ZOZOマリン初登板だった。
独特な風が渦巻くマリンで、相手先発・関谷は風を味方につけるなか、安楽はマリン初体験ということで風にも悩まされた部分はあったはずだ。
今シーズン被打率.286、同空振り率6.8%を記録していたストレートが、本戦では被打率.400を打たれ、空振り率は3.5%に下がったのも、マリンの風による悪影響だったと感じる。
安楽にとってマイナスな条件が何度も積み重なる難しい状況下でのロースコア接戦、104球の他に1塁へ合計7球牽制球を投じるなど、走者のケアにも注意を払っての粘投は、今後につながりそうな見事なピッチングだった。
得点圏11打席での対戦は、9打数1安打、1二塁打、2三振、1四球、1死球。
得点圏での7本の打球中、内野止まりにしたのが5本と多く、安打凡打の結果に関わらず、外野まで飛ばさせない場面が多かった。
併殺3アウトのはずがウィーラー悪送球でまさかの2死2塁になった6回、直後の福浦に打たれた左翼ポール際フェンス下部直撃のタイムリー二塁打は、安楽の失投というより、2000本安打に命を燃やすベテランに上手く打たれたという印象のほうが強い打席だった。
前日に続き、この日も序盤から福岡はワンサイドゲーム。
千葉では3回表が始まろうかというとき、福岡ではソフトバンクが7-1と大差をつけてリードしていた。
マリンのスコアボードに表示された福岡での戦況を、楽天ナインは当然確認していたはずだ。
それを確認した野手陣は戦意喪失、意気消沈し、焦燥感を募らせたのに対し、マウンド上の安楽は、負けられない状況下で恐らく集中力を高める材料に変えたはず。
4敗目を喫したとはいえ、かぎりなく白に近いオフホワイトな内容だったと思う。
この日、打で唯一良い働きをみせたオコエ共々、この内容をぜひ今後へつなげて欲しいと願っている!!!
...というような試合評を、ほぼ毎試合、今シーズンは主にまぐまぐメルマガとnoteで発表しています。
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今季初の猛打賞、その1本目は2回1死1塁。
自打球を打たされ1-2と追い込まれた第1打席だった。
外に逃げていく変化球をバットの先でひっかけたサード前方のボテボテ。
これを必死の1塁全力疾走で内野安打へ。
サードを守る中村は捕球するだけで投げられずという俊足飛ばしたヒットは、1死2,1塁のチャンスを演出した。
1点を追った4回の第2打席も、足を活かした。
島内、聖澤、先輩2名があっさり倒れた2死無走者のこと。
結果球は、関谷が繰り出した139km速球直後の112kmカーブ。
緩急を苦にせず、柔らかな打撃でタイミング良く左中間に打ち返した当たりだった。
緩急差27km以上をヒットにしたのは、8月10日の日本ハム戦(○4x-3)、延長11回サヨナラのお膳立てをした左翼二塁打に続く自身プロ通算2本目になっている。
この当たり、着弾後2バウンドでレフトの角中がまわりこんで処理した、おそらく通常だとシングルヒットコース。
しかし、オコエはその一瞬の隙を逃さなかった。
一気にトップギアに上げ、大きなストライドを飛ばして2塁へ。
角中からのワンバンドの2塁返球を間一髪制して滑り込んだ2塁到達タイムは、当方計測7秒49。
プロの世界では2塁到達タイム8秒29を切れば俊足と評価されるなか、それを悠々クリアし、自身の通算二塁打の中でも、最速のタイムを叩き出す二塁打になっている。
■オコエ瑠偉 二塁打での2塁到達タイム
※2016年6月11日のみスポニチアネックス計測。他は当方計測。
※「不明」は中継カメラがオコエの2塁到達を映し出していなかったため、計測できず。
そして、そして、そして!
ハイライトは2点を追った9回土壇場、2死無走者でまわった第4打席だった。
誰もが諦めかけていたそのときだった。
内竜也との親戚初対決を制した一撃が左中間スタンドに吸い込まれていった。
結果球は初球アウトコースの145km速球。
見事に仕留めた大当たりは今季1号ソロ、通算2本目のホームランになった。
両軍のスタメン
楽天=1番・茂木(遊)、2番・ペゲーロ(指)、3番・ウィーラー(三)、4番・アマダー(一)、5番・銀次(二)、6番・島内(中)、7番・聖澤(左)、8番・オコエ(右)、9番・細川(捕)、先発・安楽(右投)
ロッテ=1番・荻野(右)、2番・サントス(中)、3番・鈴木(二)、4番・ペーニャ(指)、5番・角中(左)、6番・中村(三)、7番・三木(遊)、8番・香月(一)、9番・吉田(捕)、先発・関谷(右投)
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沈黙した外国人トリオ
打ってはオコエが今季1号含む3安打猛打賞の活躍、投げては先発・安楽が7回途中2失点の好投。
20歳の若武者2人が躍動するなか、その活躍劇をおじゃんにしたのが、彼らよりもプロキャリアが長い先輩の犬鷲戦士たちだった。
外国人トリオが打てなさすぎた。
3人そろって12打数2安打、2三振、2二塁打。
得点圏10打席中、助っ人3人に合計5打席まわり5タコに終わった。
両翼に2本の二塁打を弾き返した2番・ペゲーロも、肝心要の2回2死満塁での2打席目では仕事ができず、この試合、マリンの風に乗って良く変化していた関谷のチェンジアップを強引に打ちにいき、ひっかけての二ゴに倒れてしまう。
前日5タコだったウィーラーは本戦も2三振含む4タコ、これで8月月間打率を.219に下げてしまった。
相手先発・関谷は立ち上がり制球不安定だった。
1番・茂木にストライク入らずストレートの四球。
2番・ペギーが二塁打を打って無死3,2塁にした絶好機でまわった1打席目は、その後のアマダー、銀次凡退で「据え膳食わぬ」を引き起こす浅い右飛に倒れてしまう。
1点を追った5回の3打席目では、2打席目に空三振に倒れた全く同じ127kmチェンジアップにまたしてもバットが空を切り、三振後、ウィーラーは険しい表情でバットを叩きつけ、バッティンググローブを脱ぎ捨てる自身にご立腹のアット・バットになった。
そして2点を追った8回無死2塁、一発出れば同点という4打席目、失投変化球を打ち返したが、左翼ウォーニングゾーンで失速、これで10打席ノーヒットになってしまった。
2試合連続マルチ安打、8月月間打率も.323と好調の4番・アマダーも、この試合は関谷、南の落ちる球に手こずり、遊飛、右飛、左飛、三飛のフライアウトのオンパレード。
とくに2点を追った8回1死2塁、おそらく一発狙いでいた第4打席は、悔しさ表すアット・バットだった。
南とのフルカウント勝負は高めに入る失投変化球。
これをミスショット、打ち上げてしまったポップフライを見送った後、バットを叩きつけながら1塁に向かう姿がカメラに射抜かれていた。
この試合、相手先発・関谷は序盤2回まで本当に四苦八苦の制球難だった。
2回までの44球、そのストライク率は低すぎる50.0%。
打者11人中5人にボール2つ並べて2-0にしてしまうカウント構築の気まずさがあった。
楽天側からみれば格好の攻略機だったが、日大三高でコンビを組んでいた関谷x吉田のロッテバッテリーに上手く交わされたのか、それとも、8月15日から続いた悪夢の連敗は止めたものの、その流れの只中からいまだに抜け出せずにいるイーグルス打線の調子の悪さなのか、初回無死3,2塁、2回1死2,1塁~2死満塁の据え膳をみすみす逃してしまった。
そうこうするうち、3回裏、安楽が荻野貴に小力を発揮されソロホームランで先制1点を奪われてしまう。
直後の4回表、楽天はオコエの二塁打で2死からチャンスメイク。
素晴らしい走りっぷりで、苦しい戦況を好転させる可能性を秘めた二塁打になったものの、後続の9番・細川が2打席連続でチャンスにあっさりの空三振してしまう。
細川の見るに堪えないミス続出
本戦、その細川が特に酷かった。
6回には1死1塁、6番・中村のサード右、三遊間突破コースのライナーをウィーラーがダイビングキャッチの好捕でアウト。
大きく飛び出していた1塁走者・ペーニャをアウトにすべく1塁へ投げた送球がワンバウンドになり、一塁手アマダーも取れず、まさかの併殺で3アウトが2死2塁になり、7番・福浦に決勝の二塁打を浴びてしまう場面もあった。
8回1死では5番・清田が一塁ファウルゾーンに打ち上げたフライを、追いかけたアマダーが追いついたかにみえたが、取れず。
フェンスまで距離がまだあるなかで飛び出した解せない拙守が尾を引き、清田に四球、後続の中村にヒットされ、ピンチを招くという見えないミスも生じていた。
しかし、それ以上に細川が酷すぎたのだ。
チャンスで2打席連続の空三振はもとより、初回はパリーグ単独最多に躍り出る捕逸。
1死2塁で3番・鈴木に与えた四球の結果球、自らサインを出しておきながらスライダーを捕球しきれずポロっとやり、完全後逸。
1死2,1塁のはずが、余計な捕逸で1死3,1塁へ。
安楽が後続をゲッツーに取ったから良かったものの、マウンド上の安楽に要らぬプレッシャーをかけてしまった。
それにしても、細川のポロポロは見ていてゲンナリである。
たった56回1/3しかマスクをかぶっていないのに、捕逸はこれで5個なのだ。
パリーグ2位の捕逸4個を記録する西武の炭谷は683回を守っての4個である。
細川は他にも暴投も4個を記録しており、パスボール、暴投が異常レベルの多発劇になっていること、理解できると思う。
安楽に余計な重圧を与えたという点では、3回2死1塁もそうだった。
1塁走者サントス二盗を刺すべく投じた2塁スローイングが大きく逸れて外野に抜ける完全悪送球。
サントスは悠々三進し、2死3,1塁の事態を招いた。
ここも安楽がしっかり後続を見三振に仕留めたことで事なきを得たものの、この日の細川はプロ16年目らしからぬプレーの続出。
もういいでしょう。
今秋のクビ切り要員に入れ、来季からはコーチ業に専念してもらいたい。
そんなこんなもあり、今季は24勝10敗と1点差ゲームに強く、7月21日オリックス戦(○E4-3Bs)から1点差試合7連勝が続いていたが、それも終止符を打つことになり、1位・ホークスとの差も今季最大8.5ゲーム差と致命的なところまで広がってしまった。
106試合終了時点でも、楽天が64勝41敗1分の勝率.610に対し、ホークスは69勝37敗の勝率.651と水をあけられるかたちに。
世紀の失速劇はこのまま続いてしまうのか?
それとも、体勢を立て直し、奇跡の逆転優勝へとつなげるのか?
楽天の自力優勝消滅が最短8月27日に迫るなか、真の瀬戸際に立たされたイーグルスがどのように戦っていくのか?注目していきたい。
(この後も続く)
《成績》6回1/3、打者28人、球数104、被安打8、被本塁打1、奪三振4、与四球1、与死球1、失点2、自責点1。
プロ初登板のマリンで、準ハイクオリティスタートのゲームメイク
これで安楽は今季成績を7試合1勝4敗、防御率3.29、WHIP1.49、QS率71.4%とした。
打線は据え膳を食わず、守備でも女房役やウィーラーが足を引っ張ったマウンド。
昨季終了時点で1軍公式戦出場数わずか8試合と経験の浅い球審・岩下のジャッジにも悩まされ、正直、集中力がプツンと切れてしまっても仕方のない場面が何度かあった。
たとえば、1点を追った5回2死3塁で打席は3番・鈴木。
8月月間打率.328と打撃好調、8試合連続ヒットが続いていた敵軍主将との対決である。
2-2から投じたインコース低めいっぱいのカーブに球審・岩下の手が上がらない。
鈴木の前の打席では同じコースに変化球を投げ込んでのストライクコール、鈴木が判定不服の態度をみせた見三振だったが、今度はなぜかコールがなく、安楽も苦笑する場面になった。
しかし、ここで集中力を切らさずフルカウント勝負で鈴木をしっかり二飛に退けたという危機脱出のシーンがあった。
正直、四面楚歌の状況下、良く耐えに耐え、7回途中2失点にまとめるゲームメイクをみせたと思うのだ。
このマウンド、もっと言えば通算23登板目にして、ZOZOマリン初登板だった。
独特な風が渦巻くマリンで、相手先発・関谷は風を味方につけるなか、安楽はマリン初体験ということで風にも悩まされた部分はあったはずだ。
今シーズン被打率.286、同空振り率6.8%を記録していたストレートが、本戦では被打率.400を打たれ、空振り率は3.5%に下がったのも、マリンの風による悪影響だったと感じる。
安楽にとってマイナスな条件が何度も積み重なる難しい状況下でのロースコア接戦、104球の他に1塁へ合計7球牽制球を投じるなど、走者のケアにも注意を払っての粘投は、今後につながりそうな見事なピッチングだった。
得点圏11打席での対戦は、9打数1安打、1二塁打、2三振、1四球、1死球。
得点圏での7本の打球中、内野止まりにしたのが5本と多く、安打凡打の結果に関わらず、外野まで飛ばさせない場面が多かった。
併殺3アウトのはずがウィーラー悪送球でまさかの2死2塁になった6回、直後の福浦に打たれた左翼ポール際フェンス下部直撃のタイムリー二塁打は、安楽の失投というより、2000本安打に命を燃やすベテランに上手く打たれたという印象のほうが強い打席だった。
前日に続き、この日も序盤から福岡はワンサイドゲーム。
千葉では3回表が始まろうかというとき、福岡ではソフトバンクが7-1と大差をつけてリードしていた。
マリンのスコアボードに表示された福岡での戦況を、楽天ナインは当然確認していたはずだ。
それを確認した野手陣は戦意喪失、意気消沈し、焦燥感を募らせたのに対し、マウンド上の安楽は、負けられない状況下で恐らく集中力を高める材料に変えたはず。
4敗目を喫したとはいえ、かぎりなく白に近いオフホワイトな内容だったと思う。
この日、打で唯一良い働きをみせたオコエ共々、この内容をぜひ今後へつなげて欲しいと願っている!!!
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