楽天、2013年韓国最多奪三振のドミニカ右腕ラダメス・リズと契約間近。課題は制球面も、剛速球はダルビッシュ級?!
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ここへきて楽天の来季助っ人外国人投手の報道が入ってきている。
日刊スポーツが今季韓国のハンファで投げてきたエスミル・ロジャースの情報を報じると、スポニチアネックスは昨日今日とMLBのパイレーツに所属していたラダメス・リズ(Radhames Liz)について報じている。既にリストアップされ、契約合意も間近だと言われている。
◎大谷より速い! 楽天、163キロ剛腕ドミニカン獲得狙う(スポニチアネックス2015年11月20日 10:00)
◎楽天社長が示唆 リズと合意間近 今江には「吉報を待ちたい」(スポニチアネックス2015年11月21日 05:30)
本稿ではラダメス・リズについて取り上げたい。
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■メジャー通算投手成績

■マイナー 3A通算投手成績

■韓国 KBO 通算投手成績

1983年10月6日ドミニカ生まれの32歳。身長188cm体重88kg。右投右打。2003年にオリオールズと契約を交わし、同参加のマイナーチームで4年間プレーした後、2007年にメジャー初昇格している。以降2009年までオリオールズで投げた。
その後は2011~2013年の3年間、韓国のKBO(LGツインズ)に活躍の場を移し、2013年には韓国で最多奪三振のタイトルを獲得。同年オフ、オリックスが「手が長くて球が速い。面白い投手」としてリストアップ、調査を続けたが、契約合意には至らなかった。
その後、再びMLBに身を置き、2014年はブルージェイズ傘下の2A、3Aで投げた。今季はパイレーツに移籍。メジャーと3Aを行き来しながらプレーを続けた。メジャーでは4月5月、枠が広がった9月の合計14試合23.1回を投げ、1勝4敗、防御率4.24、WHIP1.63の成績だった。
MLB通算成績は42試合133.2回に投げ、7勝12敗、防御率6.94、WHIP1.84だった。
先発と救援、どちらの経験も有している。韓国では94試合中85試合が先発とほぼスターターの役割を果たしたが、メジャーでは42試合中、先発21試合、救援21試合。3Aでは77試合のうち先発57試合、救援20試合という内訳だった。
韓国で奪三振王に輝いたことからも分かるように、打者を圧倒できる力投派だ。
メジャー通算奪三振率は7.34と平凡な数字だが、今年に限って言えば10.41と二桁をマークしている。3A通算は8.42と良値。3Aの今季数値もメジャーと同じく二桁の10.35だった。
一方、力投派には良くある話だけど、コントロールに難を抱えている。
与四球率はメジャー通算5.93。今年に限っても4.63とかんばしくない。韓国通算でも4.16。3A通算は3.17と数字は落ち着くかたちをみせているものの、今年の値は3.70と高めである。
注目したいのは四球だけではなく死球の多さだ。9イニング当たりの死球頻度、与死球率はメジャー通算0.61、3A通算0.64、3A今年0.82、KBO0.76となっており、リーグや環境が変わっても、ぶつける頻度は安定推移だ。メジャーやマイナーの左右打者別成績を確認すると、右打者にぶつけるケースが多くなっている。以上のことから、NPBでも9イニング投げれば与四死球を少なくとも4.5個前後は出しそうな、そんな投手像が湧いてくる。(KBOでは通算4.93だった)
打者を圧倒する力投派ながらも、課題の制球面が全く解決されず(今季メジャーでのストライク率は60.6%と合格ラインの66%を下回った)、そのことで甘く入った失投を痛打され、今季はサヨナラ打を3本浴びるなど、メジャーに定着できなかったと推測できそうだ。メジャーでは通算133.2回で被安打158。投球回を上回る被安打を浴びたが、力量の落ちる3A、韓国リーグでは投球回を下回る被安打数に止めたので、日本での活躍もコントロール、与四死球次第と言えそうだ。
ここで退団したクルーズとメジャー通算の値を比べてみよう。

御覧のとおり、奪三振率ではリズに軍配上がったものの、与四球率、被本塁打率ではクルーズに大きく後れを取った。これを見ても、日本での活躍は1にも2にもコントロール次第になりそうだ。
持ち球を確認してみよう。

上は今季メジャーでの球種割合だ。MLB Gamedayから採取した。
4シームは大谷翔平より速い最速163キロとの触れ込みだが、今季最速は159キロ。平均152.7キロを60%前後で投げた。2シームと合わせた速球割合は全体の72.9%にも及んでいる。変化球は平均130.8キロのスライダーと、平均13.7キロのチェンジアップ。カーブも投げるようだが、今シーズンは記録されていない。
右打者には速球とスライダーが大半、左打者にはスライダーの割合が減り、速球とチェンジアップの組み合わせだ。
この中で武器になってきそうなのが、4シームだ。長身から投げ下ろすように投げ込まれるファストボールは角度がつき、打者は打ちにくいはずだ。
下記に掲げたのはfangraphsから採取した4シームのPitch f/xである。
左側(←)がリズの今季、右側(→)が昨年のダルビッシュだ。打者視点になっているため、左側(←)が右打者の打席になる。リズの4シームはダルビッシュのそれと変化量が良く似ているのだ。

次に下記のPitch f/xを御覧頂きたい。リズの4シームのそれを拡大させたものになる。
水色でプロットされているのがリズの4シームだ。参考までにクルーズ、2013年大活躍した時の上原浩治のそれも枠線で示してみた。
緑色の枠で囲った部分がクルーズの変化量になる。岩隈もココに入ってくる。リズと比べて、シュートする変化量が多くなっている。来日1年目、クルーズの真っすぐが良くシュート回転していたことを覚えているファンは、なるほどとうなずいてもらえるはずだ。

オレンジの枠線で囲った部分が、上原浩治の4シーム変化量になる。クルーズや岩隈と比べると、シュート変化量は少ないものの、垂直方向にホップする変化が大きくなっている。藤川球児の火の玉ストレートもココに該当する。
青線で囲った部分がダルビッシュの4シームだ。リズの4シームが、クルーズ、上原、ダルビッシュの3人と比べたときに、ダルビッシュに似ているのが分かるかと思う。ちなみに田中マー君はこの三者に幅広く分布するかたちになっていた。
平均球速150キロ超えで、ダルビッシュ級の変化量を持つ4シームをストライクゾーンの枠内、あるいは打者が振ってしまいそうなボールゾーンに安定して投げ込むことができるか?がNPBでの成功のカギになりそうだ。
クルーズのようにシュート成分が多くないため、ストライクゾーンの枠内や近辺に投げ込めさえすれば、バットに当てられるケースは、1年目のクルーズより少ないと思う。
最後に、2013年韓国で活躍していた時の映像を挙げておきたい。冒頭の0.34秒、左打者の膝元に大きく縦に曲がるブレーキングボールが素晴らしい。この球も武器になりそうだ。【終】
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◎大谷より速い! 楽天、163キロ剛腕ドミニカン獲得狙う(スポニチアネックス2015年11月20日 10:00)
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■メジャー通算投手成績

■マイナー 3A通算投手成績

■韓国 KBO 通算投手成績

2013年、韓国で最多奪三振を獲得
1983年10月6日ドミニカ生まれの32歳。身長188cm体重88kg。右投右打。2003年にオリオールズと契約を交わし、同参加のマイナーチームで4年間プレーした後、2007年にメジャー初昇格している。以降2009年までオリオールズで投げた。
その後は2011~2013年の3年間、韓国のKBO(LGツインズ)に活躍の場を移し、2013年には韓国で最多奪三振のタイトルを獲得。同年オフ、オリックスが「手が長くて球が速い。面白い投手」としてリストアップ、調査を続けたが、契約合意には至らなかった。
その後、再びMLBに身を置き、2014年はブルージェイズ傘下の2A、3Aで投げた。今季はパイレーツに移籍。メジャーと3Aを行き来しながらプレーを続けた。メジャーでは4月5月、枠が広がった9月の合計14試合23.1回を投げ、1勝4敗、防御率4.24、WHIP1.63の成績だった。
MLB通算成績は42試合133.2回に投げ、7勝12敗、防御率6.94、WHIP1.84だった。
先発と救援、どちらの経験も有している。韓国では94試合中85試合が先発とほぼスターターの役割を果たしたが、メジャーでは42試合中、先発21試合、救援21試合。3Aでは77試合のうち先発57試合、救援20試合という内訳だった。
三振を取れる力投派ながらも、課題はコントロール
韓国で奪三振王に輝いたことからも分かるように、打者を圧倒できる力投派だ。
メジャー通算奪三振率は7.34と平凡な数字だが、今年に限って言えば10.41と二桁をマークしている。3A通算は8.42と良値。3Aの今季数値もメジャーと同じく二桁の10.35だった。
一方、力投派には良くある話だけど、コントロールに難を抱えている。
与四球率はメジャー通算5.93。今年に限っても4.63とかんばしくない。韓国通算でも4.16。3A通算は3.17と数字は落ち着くかたちをみせているものの、今年の値は3.70と高めである。
注目したいのは四球だけではなく死球の多さだ。9イニング当たりの死球頻度、与死球率はメジャー通算0.61、3A通算0.64、3A今年0.82、KBO0.76となっており、リーグや環境が変わっても、ぶつける頻度は安定推移だ。メジャーやマイナーの左右打者別成績を確認すると、右打者にぶつけるケースが多くなっている。以上のことから、NPBでも9イニング投げれば与四死球を少なくとも4.5個前後は出しそうな、そんな投手像が湧いてくる。(KBOでは通算4.93だった)
打者を圧倒する力投派ながらも、課題の制球面が全く解決されず(今季メジャーでのストライク率は60.6%と合格ラインの66%を下回った)、そのことで甘く入った失投を痛打され、今季はサヨナラ打を3本浴びるなど、メジャーに定着できなかったと推測できそうだ。メジャーでは通算133.2回で被安打158。投球回を上回る被安打を浴びたが、力量の落ちる3A、韓国リーグでは投球回を下回る被安打数に止めたので、日本での活躍もコントロール、与四死球次第と言えそうだ。
ここで退団したクルーズとメジャー通算の値を比べてみよう。

御覧のとおり、奪三振率ではリズに軍配上がったものの、与四球率、被本塁打率ではクルーズに大きく後れを取った。これを見ても、日本での活躍は1にも2にもコントロール次第になりそうだ。
持ち球を確認してみよう。

平均152.7キロの4シームを長身から投げ込む速球派
上は今季メジャーでの球種割合だ。MLB Gamedayから採取した。
4シームは大谷翔平より速い最速163キロとの触れ込みだが、今季最速は159キロ。平均152.7キロを60%前後で投げた。2シームと合わせた速球割合は全体の72.9%にも及んでいる。変化球は平均130.8キロのスライダーと、平均13.7キロのチェンジアップ。カーブも投げるようだが、今シーズンは記録されていない。
右打者には速球とスライダーが大半、左打者にはスライダーの割合が減り、速球とチェンジアップの組み合わせだ。
この中で武器になってきそうなのが、4シームだ。長身から投げ下ろすように投げ込まれるファストボールは角度がつき、打者は打ちにくいはずだ。
リズのファストボールはダルビッシュ級?!
下記に掲げたのはfangraphsから採取した4シームのPitch f/xである。
左側(←)がリズの今季、右側(→)が昨年のダルビッシュだ。打者視点になっているため、左側(←)が右打者の打席になる。リズの4シームはダルビッシュのそれと変化量が良く似ているのだ。

次に下記のPitch f/xを御覧頂きたい。リズの4シームのそれを拡大させたものになる。
水色でプロットされているのがリズの4シームだ。参考までにクルーズ、2013年大活躍した時の上原浩治のそれも枠線で示してみた。
緑色の枠で囲った部分がクルーズの変化量になる。岩隈もココに入ってくる。リズと比べて、シュートする変化量が多くなっている。来日1年目、クルーズの真っすぐが良くシュート回転していたことを覚えているファンは、なるほどとうなずいてもらえるはずだ。

オレンジの枠線で囲った部分が、上原浩治の4シーム変化量になる。クルーズや岩隈と比べると、シュート変化量は少ないものの、垂直方向にホップする変化が大きくなっている。藤川球児の火の玉ストレートもココに該当する。
青線で囲った部分がダルビッシュの4シームだ。リズの4シームが、クルーズ、上原、ダルビッシュの3人と比べたときに、ダルビッシュに似ているのが分かるかと思う。ちなみに田中マー君はこの三者に幅広く分布するかたちになっていた。
平均球速150キロ超えで、ダルビッシュ級の変化量を持つ4シームをストライクゾーンの枠内、あるいは打者が振ってしまいそうなボールゾーンに安定して投げ込むことができるか?がNPBでの成功のカギになりそうだ。
クルーズのようにシュート成分が多くないため、ストライクゾーンの枠内や近辺に投げ込めさえすれば、バットに当てられるケースは、1年目のクルーズより少ないと思う。
最後に、2013年韓国で活躍していた時の映像を挙げておきたい。冒頭の0.34秒、左打者の膝元に大きく縦に曲がるブレーキングボールが素晴らしい。この球も武器になりそうだ。【終】
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