【2015検証7】 打撃の基本「好球必打」とは正反対のことをした楽天打線。未曾有の得点力不足に陥った"もう1つの"決定的理由
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年内中に、楽天が2年連続最下位に低迷した理由を探る一連エントリーをアップしている。
「オーナーの過度な現場介入」「相次ぐ怪我人」「外国人打者の不振」。この三大要素の下に連なる諸々の要因をあぶり出し、反省の意味を込めて白日の下に明らかにしていくことが狙いになる。ここまで6つのエントリーを書いてきた。(最下記の関連記事を参照)
西武が631得点を記録する中、なぜ楽天の得点は463点に終わったのか?
その原因を10/30付のエントリー「【2015検証4】 Plate Disciplineが指し示す楽天の得点力低迷。驚きの原因とは?」で明らかにした。
詳細は上記エントリーを読んで頂きたいが、結論から言えば、今季の楽天はストライクゾーンスイング率がリーグ最低(=見逃しストライク率がリーグ最多)、対するライオンズはストライクゾーン・スイング率がリーグ最多(=見逃しストライク率リーグ最少)だったことが大きかった。
ざっくり計算してみると、西武と楽天の差は443球。楽天がストライクゾーンの443球を丸々見逃してストライクを奪われたのに対し、西武は443球を打ちに行っていた事実があった。
実は、それだけではないのだ。
第7回目はもう1つ、びっくりぽんのPlate Disciplineデータを御紹介したい。
(下記に続く)
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■2015年 パリーグ チーム別のボールゾーンスイング率
※シーズン終了時データ。DELTA調べ
※リーグ平均値は31.7%

そのPlate Disciplineデータとは、ボールゾーン・スイング率だ。
上記表のとおり、楽天のボールゾーン・スイング率は、リーグ平均値が31.7%の中、33.7%。ストライクゾーン・スイング率と全く同じのセパ12球団中11位、パリーグワーストだった。
当ブログの調査では1シーズン、当該チームの打線が対峙する球数は約21,000球に及ぶことが明らかになっている。
投手の球数の中で、ボールゾーン投球割合は平均で約57%(正確に言えば56.9%)になる。
この21,000球と57%を掛けると、相手投手が当該打撃陣に投げ込んできた1シーズン当たりのボールゾーンの投球数がざっくり出てくる。計算してみると、11,970球になった。
この11,970球に前掲したチーム別ボールゾーン・スイング率を掛けると、チーム別のボールゾーン・スイング数が出てくる。つまり、ボール球に手を出した数が出てくるのだ。その数を上記表の右側に表示した。
楽天打線は今シーズン4,034球のボール球に手を出す結果になった。
ボールゾーン・スイング率リーグ2位の西武は3,651球。その差は実に383球を数えた。
もちろん、ボールゾーンの球を打ちに行って、ヒットになることもあるだろう。2ストライク以降でコンタクトに成功し、ファウルゾーンに球を運べば、相手投手に球数を多く投げさせる粘りの打撃にもなる。
しかし、そういった打者有利のケースはごく一部に過ぎない。大半は投手有利に作用する。ストライクゾーンの球とボールゾーンの球。打者が空振りする頻度が高いのは後者であることは今さら言うまでもない。ぎりぎりバットに当ててファウルで逃れても、追い込まれる前のカウントならストライクを稼がれてしまう。また、バットに当たった打球がインフィールドに飛んだとしても、当たり損ねてのボテボテや詰まらされてのイージーフライなど打ち取られるケースが大変多いのだ。
最初の質問に戻ろう。
西武が631得点を記録する中、なぜ楽天の得点は463点に終わったのか?
その結論はこう断言できる。
イーグルスはライオンズと比べて、ストライクゾーンの球に対し443球多く見逃してストライクを奪われ、ボールゾーンの球に対して383球多く手を出しにいき、自ら打者不利の状況を作っていた。合計826球で楽天と西武ではアクション、アプローチが異なった点が大きかった。
選手別のデータについて触れておきたい。
DELTAでは規定打席に到達した楽天4選手のボールゾーン・スイング率が公開されている。下記になった。(カッコ)内は昨年の数値。こちらはDELTAではなくデータスタジアムの数字だ。
松井稼頭央 33.4% (32.9%)
ペーニャ 33.5% (???)
藤田一也 35.1% (37.7%)
後藤光尊 48.6% (48.8%)
やはり、後藤の数値が酷すぎる。昨年と変わらず2球に1球、ボール球に手を出しており、全く改善の余地が見られなかった。昨年は141打席に止まったので、後藤の悪球打ちがチーム全体に及ぼす悪影響も少なかったが、今年は444打席に立ったことで、チームのボールゾーン・スイング率が悪化したのは、昨年と比べて後藤の影響が大きいと言えそうだ。
なお、他選手の数字を当ブログ集計データをもとに調べてみた。(カッコ)内はデータスタジアムによる昨年の数字。ウィーラー、サンチェスのみfangraphs、MLBの数字だ。
今季は打撃不振に終わった嶋だが、さらにボール球を振らなくなっていた。一方、中川の数値が大きくなっているのが目立つかたちになった。
2015年の楽天はチームとして打撃の基本、好球必打ができていなかったと断言できるのだ。
嶋基宏 16.5% (20.9%)
銀次 22.9% (21.3%)
ウィーラー 24.2% (27.3%)
聖澤諒 27.4% (27.9%)
サンチェス 25.5% (28.3%)
福田将儀 28.9%
中川大志 35.3%
西田哲朗 28.6% (32.5%)
【終】
◎◎◎関連記事◎◎◎
・【2015検証(1)】 2年連続リーグ平均を下回る約40失点。低迷する楽天の守備力
・【2015検証(2)】 敵軍サウスポーを打ち崩せず... ガタ減りした楽天打者の左投手打率
・【2015検証(3)】 守備指標UZRで診るイーグルスの内外野守備の現在地
・【2015検証(4)】 Plate Disciplineが指し示す楽天の得点力低迷。驚きの原因とは?
・【2015検証(5)】 バント名人がまさかの不振。思うように機能しなかった楽天のバント作戦~真のバント成功率調査より・【2015検証6】ポジョション別OPS、UZRから楽天の補強箇所を確認する
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西武が631得点を記録する中、なぜ楽天の得点は463点に終わったのか?
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※リーグ平均値は31.7%

ストライクを見逃し、ボールを打ちにいった楽天
そのPlate Disciplineデータとは、ボールゾーン・スイング率だ。
上記表のとおり、楽天のボールゾーン・スイング率は、リーグ平均値が31.7%の中、33.7%。ストライクゾーン・スイング率と全く同じのセパ12球団中11位、パリーグワーストだった。
当ブログの調査では1シーズン、当該チームの打線が対峙する球数は約21,000球に及ぶことが明らかになっている。
投手の球数の中で、ボールゾーン投球割合は平均で約57%(正確に言えば56.9%)になる。
この21,000球と57%を掛けると、相手投手が当該打撃陣に投げ込んできた1シーズン当たりのボールゾーンの投球数がざっくり出てくる。計算してみると、11,970球になった。
この11,970球に前掲したチーム別ボールゾーン・スイング率を掛けると、チーム別のボールゾーン・スイング数が出てくる。つまり、ボール球に手を出した数が出てくるのだ。その数を上記表の右側に表示した。
楽天打線は今シーズン4,034球のボール球に手を出す結果になった。
ボールゾーン・スイング率リーグ2位の西武は3,651球。その差は実に383球を数えた。
もちろん、ボールゾーンの球を打ちに行って、ヒットになることもあるだろう。2ストライク以降でコンタクトに成功し、ファウルゾーンに球を運べば、相手投手に球数を多く投げさせる粘りの打撃にもなる。
しかし、そういった打者有利のケースはごく一部に過ぎない。大半は投手有利に作用する。ストライクゾーンの球とボールゾーンの球。打者が空振りする頻度が高いのは後者であることは今さら言うまでもない。ぎりぎりバットに当ててファウルで逃れても、追い込まれる前のカウントならストライクを稼がれてしまう。また、バットに当たった打球がインフィールドに飛んだとしても、当たり損ねてのボテボテや詰まらされてのイージーフライなど打ち取られるケースが大変多いのだ。
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西武が631得点を記録する中、なぜ楽天の得点は463点に終わったのか?
その結論はこう断言できる。
イーグルスはライオンズと比べて、ストライクゾーンの球に対し443球多く見逃してストライクを奪われ、ボールゾーンの球に対して383球多く手を出しにいき、自ら打者不利の状況を作っていた。合計826球で楽天と西武ではアクション、アプローチが異なった点が大きかった。
選手別のデータについて触れておきたい。
DELTAでは規定打席に到達した楽天4選手のボールゾーン・スイング率が公開されている。下記になった。(カッコ)内は昨年の数値。こちらはDELTAではなくデータスタジアムの数字だ。
松井稼頭央 33.4% (32.9%)
ペーニャ 33.5% (???)
藤田一也 35.1% (37.7%)
後藤光尊 48.6% (48.8%)
やはり、後藤の数値が酷すぎる。昨年と変わらず2球に1球、ボール球に手を出しており、全く改善の余地が見られなかった。昨年は141打席に止まったので、後藤の悪球打ちがチーム全体に及ぼす悪影響も少なかったが、今年は444打席に立ったことで、チームのボールゾーン・スイング率が悪化したのは、昨年と比べて後藤の影響が大きいと言えそうだ。
なお、他選手の数字を当ブログ集計データをもとに調べてみた。(カッコ)内はデータスタジアムによる昨年の数字。ウィーラー、サンチェスのみfangraphs、MLBの数字だ。
今季は打撃不振に終わった嶋だが、さらにボール球を振らなくなっていた。一方、中川の数値が大きくなっているのが目立つかたちになった。
2015年の楽天はチームとして打撃の基本、好球必打ができていなかったと断言できるのだ。
嶋基宏 16.5% (20.9%)
銀次 22.9% (21.3%)
ウィーラー 24.2% (27.3%)
聖澤諒 27.4% (27.9%)
サンチェス 25.5% (28.3%)
福田将儀 28.9%
中川大志 35.3%
西田哲朗 28.6% (32.5%)
【終】
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