【2015検証(4)】 Plate Disciplineが指し示す楽天の得点力低迷。驚きの原因とは?
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※11.02修正しました
オフに入り、断続的に2年連続最下位の理由を探っている。「オーナーの過度な現場介入」「相次ぐ怪我人」「外国人打者の不振」この三大要素の下に連なる諸要因をクローズアップすべく、ここまで3つのエントリーを挙げてきた。
◎【2015検証(1)】 2年連続リーグ平均を下回る約40失点。低迷する楽天の守備力 (2015.10.15)
◎【2015検証(2)】 敵軍サウスポーを打ち崩せず... ガタ減りした楽天打者の左投手打率 (2015.10.20)
◎【2015検証(3)】 守備指標UZRで診るイーグルスの内外野守備の現在地 (2015.10.28)
今回はその第4回目だ。
既にメルマガ読者の皆さんには一足先にお伝えしている案件だが、某シンクタンクから発表されたPlate Disciplineデータで楽天打撃陣の、とある数値が看過できないため、共有すべくご紹介したいと思う。
(下記に続く)
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■2015年パリーグ チーム別のストライクゾーン・スイング率
※10/4終了時データ。楽天の141試合消化時。

上記表は某シンクタンクから発表された10/4終了時のストライクゾーン・スイング率だ。ストライクゾーンの枠内に投じられた投球に対して、各チームの打撃陣がどのくらいの頻度バットを振りに行っているのか?を診る指標である。
この楽天の数値が、上記表のとおり、セパ12球団11位、リーグワーストだったのだ。
ストライクゾーンスイング率の少ない順に並べかえれば、それはストライクゾーン見逃しストライク率を意味する。楽天打線は見逃しストライクを奪われる頻度が高かったのだ。
ところで、1シーズンに当該チーム投手陣が相手打線に投げ込む球数の総数、いったいどのくらいを数えるのか、皆さん御存知だろうか。
2014年、楽天投手陣が144試合で投げた球数は21,228球だった。一方、楽天戦で敵軍投手陣がイーグルスの打者に投げ込んだのも21,805球だった。同様に、2015年の楽天投手陣は21,146球。敵軍投手陣は21,146球だった。
1シーズンで約21,000球と言えそうだ。
投手が投げる球数のうち、ストライクゾーン投球の割合は平均して約43%になるので、この21,000球と43%を掛け合わせれば、当該チームのストライクゾーン投球数が出てくる。計算すると9,030球になった。
このストライクゾーンに投じられた9,030球と上記のストライクゾーンスイング率と掛け合わせれば、各チームのストライクゾーンのスイング数が出てくる。下記表参照。
■2015年パリーグ チーム別 想定されるストライクゾーン・スイング数

ストライクゾーンの9,030球に対し、西武打線がスイングしたのは6,005球。一方、楽天打線は5,562球しかスイングしなかった。その差は実に443球を数えている。
楽天打線は443球丸々が見逃しストライクになっているのに対し、西武打線は443球に対し、バットを振り、アクションをかけた。
もちろん、バットを振りに行った全てが好結果になるわけではない。追い込まれる前のファウルならストライクを稼がれてしまうファウルになる。空振りもある。2ストライク以降なら三振だ。バットに球が当たってインフィールドに飛んでも凡打になる可能性もある。ただし、2ストライク以降ならファウルは相手投手に球数を投げさせる粘りのファウルになるし、インフィールドに打球が飛べば、ヒットになる確率が約3割で生じてくる。その中には柵越えする一発も含まれているだろう。
楽天の場合、443球に対し、全くアクションを起こさないのだから、ヒットが生まれるはずもない。それどころか、前述したように、みすみす見逃しストライクを奪われていることを意味する。0ストライク時ならファーストストライクを奪われ、1ストライク時なら追い込まれてしまい、2ストライク時なら見三振になる。一般に打率はストライクカウントが増えれば増えるほど低下していくので、悠々見逃して率を下げた楽天と、積極的にバットを振って出た西武との格差は、むべなるかな、大変大きいと思う。
残念ながら、某シンクタンクからは打者別のストライクゾーンスイング率は発表されていない。そこで、当ブログ集計データから算出して確認してみると、藤田、嶋、ウィーラー、サンチェス、福田、岡島、伊志嶺の値がどうやら低いことが判明した。この7人は今季、チーム内の打席数上位15傑の中に全員がランクインしていた。打席数の多い打者が見逃しストライクを奪われる頻度が高かったということなのだ。
一方、この率が高い打者はペーニャ、後藤、銀次、西田の4人になりそうだ。もちろん、前述したように、やみくもに手を出せば良いという訳ではない。それはストライクゾーン、ボールゾーンかまわず無節操に手を出し続けた後藤(全投球数1556球の58.4%に当たる909球でバットを振っていた)や西田を見ればわかるというもの。
しかし、チーム全体を俯瞰した場合、ストライクゾーンスイング率がセパ12球団11位だったことが、楽天の打率低迷など得点力激減の大きな要因になったことは、疑いようがない。
これだけ下がってしまったのは、故障や不調で打者の打撃の調子がかんばしくなかったこと、負傷者の代わりに経験不足で力量の劣る打者が出場したことだけでは決して説明がつかないと思う。先乗りスコアラーやチーム戦略室、打撃コーチが伝授する相手投手の対策が果たしてそれでよかったのかどうか?も検証する必要はありそうだ。【終】
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・shibakawaが選ぶ楽天イーグルスのFielding of the Year2015はコレだ!!
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目を疑うPlate Disciplineの「とあるデータ」
※11.02修正しました
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◎【2015検証(1)】 2年連続リーグ平均を下回る約40失点。低迷する楽天の守備力 (2015.10.15)
◎【2015検証(2)】 敵軍サウスポーを打ち崩せず... ガタ減りした楽天打者の左投手打率 (2015.10.20)
◎【2015検証(3)】 守備指標UZRで診るイーグルスの内外野守備の現在地 (2015.10.28)
今回はその第4回目だ。
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■2015年パリーグ チーム別のストライクゾーン・スイング率
※10/4終了時データ。楽天の141試合消化時。

ストライクゾーンスイング率がセパ12球団ワースト2位
上記表は某シンクタンクから発表された10/4終了時のストライクゾーン・スイング率だ。ストライクゾーンの枠内に投じられた投球に対して、各チームの打撃陣がどのくらいの頻度バットを振りに行っているのか?を診る指標である。
この楽天の数値が、上記表のとおり、セパ12球団11位、リーグワーストだったのだ。
ストライクゾーンスイング率の少ない順に並べかえれば、それはストライクゾーン見逃しストライク率を意味する。楽天打線は見逃しストライクを奪われる頻度が高かったのだ。
ところで、1シーズンに当該チーム投手陣が相手打線に投げ込む球数の総数、いったいどのくらいを数えるのか、皆さん御存知だろうか。
2014年、楽天投手陣が144試合で投げた球数は21,228球だった。一方、楽天戦で敵軍投手陣がイーグルスの打者に投げ込んだのも21,805球だった。同様に、2015年の楽天投手陣は21,146球。敵軍投手陣は21,146球だった。
1シーズンで約21,000球と言えそうだ。
投手が投げる球数のうち、ストライクゾーン投球の割合は平均して約43%になるので、この21,000球と43%を掛け合わせれば、当該チームのストライクゾーン投球数が出てくる。計算すると9,030球になった。
このストライクゾーンに投じられた9,030球と上記のストライクゾーンスイング率と掛け合わせれば、各チームのストライクゾーンのスイング数が出てくる。下記表参照。
■2015年パリーグ チーム別 想定されるストライクゾーン・スイング数

楽天と西武に横たわる443球の格差
ストライクゾーンの9,030球に対し、西武打線がスイングしたのは6,005球。一方、楽天打線は5,562球しかスイングしなかった。その差は実に443球を数えている。
楽天打線は443球丸々が見逃しストライクになっているのに対し、西武打線は443球に対し、バットを振り、アクションをかけた。
もちろん、バットを振りに行った全てが好結果になるわけではない。追い込まれる前のファウルならストライクを稼がれてしまうファウルになる。空振りもある。2ストライク以降なら三振だ。バットに球が当たってインフィールドに飛んでも凡打になる可能性もある。ただし、2ストライク以降ならファウルは相手投手に球数を投げさせる粘りのファウルになるし、インフィールドに打球が飛べば、ヒットになる確率が約3割で生じてくる。その中には柵越えする一発も含まれているだろう。
楽天の場合、443球に対し、全くアクションを起こさないのだから、ヒットが生まれるはずもない。それどころか、前述したように、みすみす見逃しストライクを奪われていることを意味する。0ストライク時ならファーストストライクを奪われ、1ストライク時なら追い込まれてしまい、2ストライク時なら見三振になる。一般に打率はストライクカウントが増えれば増えるほど低下していくので、悠々見逃して率を下げた楽天と、積極的にバットを振って出た西武との格差は、むべなるかな、大変大きいと思う。
残念ながら、某シンクタンクからは打者別のストライクゾーンスイング率は発表されていない。そこで、当ブログ集計データから算出して確認してみると、藤田、嶋、ウィーラー、サンチェス、福田、岡島、伊志嶺の値がどうやら低いことが判明した。この7人は今季、チーム内の打席数上位15傑の中に全員がランクインしていた。打席数の多い打者が見逃しストライクを奪われる頻度が高かったということなのだ。
一方、この率が高い打者はペーニャ、後藤、銀次、西田の4人になりそうだ。もちろん、前述したように、やみくもに手を出せば良いという訳ではない。それはストライクゾーン、ボールゾーンかまわず無節操に手を出し続けた後藤(全投球数1556球の58.4%に当たる909球でバットを振っていた)や西田を見ればわかるというもの。
しかし、チーム全体を俯瞰した場合、ストライクゾーンスイング率がセパ12球団11位だったことが、楽天の打率低迷など得点力激減の大きな要因になったことは、疑いようがない。
これだけ下がってしまったのは、故障や不調で打者の打撃の調子がかんばしくなかったこと、負傷者の代わりに経験不足で力量の劣る打者が出場したことだけでは決して説明がつかないと思う。先乗りスコアラーやチーム戦略室、打撃コーチが伝授する相手投手の対策が果たしてそれでよかったのかどうか?も検証する必要はありそうだ。【終】
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