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マリナーズ岩隈久志4年目の課題点。昨年vs左打者対戦成績が悪化したその理由を探る

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マリナーズ岩隈久志4年目の課題点とは?!



1月も下旬に突入するということで、今週から岩隈の成績を分析している。

昨年の岩隈の好活躍は皆さん御存じのとおりだと思うので割愛する。右手中指腱負傷で1カ月出遅れたが、夏場に快投をみせ、マリナーズ躍進の原動力になった。15勝はメジャーで自己最多。与四球率は1.06という驚きの値だった。

しかしである。今回御紹介するのは、その中でも懸念材料と言える左打者との対戦成績なのだ。

右打者との対戦成績は年々改善傾向を示している。

被OPS/被打率を書き出してみると下記になる。(カッコ)内はBABIP。

2012年 .720/.251 (.289)
2013年 .667/.216 (.257)
2014年 .573/.210 (.253)

しかし、左打者対戦成績は前年から大きく悪化した。(下記参照)

■vs左打者 年度別 投手成績


被OPSで約1割悪化した左打者対戦成績



被OPSは.599から.702へ1割の上昇。被打率.216から.273へ悪化した。

セイバー的に言えば、左打者対戦時のBABIPが1年目.276、2年目.250と低かった。運にも恵まれていた部分があったので“揺り戻しで”3年目は.314に推移。その結果、被OPS、被打率が悪化した、ということなのだろう。

ただ、それだと味気ない話になってしまうし、現に右打者BABIPは2年連続2割5分台で安定推移したため、整合性がつかない。また、成績の上下をBABIPだけで片付けてしまう風潮に少なからず辟易しているので、ここではもう少し踏み込んで、なぜ左打者対戦成績が悪化したのか?を探ってみたい。

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20150121DATA03.jpg

左打者対戦時の打球内訳になる。インフィールドに飛んだ犠打を除く打球のゴロ、フライ、ライナーの割合を診ている。集計はMLB Gamedayから当ブログが採取した。

青系がゴロ、緑系がフライ、ピンク系がライナーである。

ゴロ、フライ、ライナーそれぞれの割合は、大きく変化していない。

2012年・・・ゴロ54%、フライ29%、ライナー17%
2013年・・・ゴロ55%、フライ30%、ライナー15%
2014年・・・ゴロ54%、フライ29%、ライナー17%

全て2%以内での推移になっており、これくらいの差異だと誤差の範囲内と言えそうだ。

ただ、全打球の54~55%を占めるゴロの中で、外野ゴロの割合が7%→10%→14%と年々増加傾向になっている。

滅多にない右ゴ、左ゴが発生しない限り、外野ゴロは内野守備網を突破した外野ゴロ安打になるわけで、ゴロ安打の増加は気になるところなのだ。

■vs左打者 ゴロ・フライ・ライナーの安打率
20150121DATA04.jpg

最も増えたのはゴロ安打



ゴロ・フライ・ライナーの打球数、安打数。それぞれの打球に占める安打の比率(安打÷打球の安打率)をまとめたのが上表だ。前述したとおり、ゴロの場合は外野ゴロはほぼ100%ヒットと言えるのだが、フライやライナーの場合はそうはいかない。外野に飛んだ打球であっても、それなりにアウトになる確率があるのだ。安打数はこちらの表でチェックしてみよう。

安打率に注目したい。いずれも前年と比べて大きく変動している。ライナーは61.5%から52.0%へ約10%減らしたのに対し、ライナーよりも打球数が多いフライで18.7%から30.6%に10%超の増加。結果、飛球合計では32.7%から38.5%への増加になった。

飛球の安打率の上昇も気になる点ではあるものの、1番注目すべきなのは、最も打球数が多いゴロで安打になる確率が上昇している点だ。安打率は前年22.6%から30.2%へ。メジャー1年目から増加傾向が続いている。

もし、ゴロの安打率が前年と同じ22.6%だった場合、ゴロ安打は48本ではなく36本となって12本ヒットが減ることから、左打者被打率も.273ではなく.261に。被OPSも.702ではなく.638になっていたであろうことが予測される。

岩隈の持ち味は打者にゴロを打たせる投球術である。メジャーに来てからゴロを良く打たせていた。左打者のゴロ率は2012年53.6%、2013年55.1%、2014年54.1%。高いレベルで安定推移しているのだ。

長打リスクが高まり、ゴロよりヒットになりやすいフライやライナーがいきなり増えたというわけではない点は、ホッと安心できる材料だ。

しかしながら、前年と比べて、飛球もゴロも安打になる割合が増えてしまったのは、左打者が岩隈の球をしっかり捉えてきた結果なのでは?と思う。

例えばゴロの場合、強いゴロが内野守備網を切り裂き、外野へ到達したと考えられる。内野守備陣は前年と比べて昨年のほうが良かったと思うので、守備に足を引っ張られたというより、打者に強い当たりを打ち返されたのでは?と推測する。

前年より強い当たりを許した



ここで『Slugger』誌の投手白書に目を移してみよう。(2014年2月号、2015年2月号)

被WH率(被ウェルヒット率)という指標がある。凡打安打の結果に関らず、打者に良い当たりをされた割合を診るスタッツだ。岩隈の数字は下記だった。(カッコ)内はMLB平均。

2013年 .151 (.162)
2014年 .172 (.154)

前年と比べて約2分悪化したのだ。これは右打者対戦時も含めたトータルの数値のため、左打者のそれがどのくらいだったか?は分からない。ただ、前述のとおり、右打者の対戦成績は年々改善されて昨年キャリアハイの好成績を示した。そのため、右打者の被WH率は安定推移したと推測できる。悪化したのは左打者の被WH率だったのではないか。

ここでは(仮説ながらも)前年と比べて左打者に良い当たりをされるケースが増えたと定義して話を進めたい。

なぜ左打者に良い当たりを許したのか?

それは、シーズン中の試合評でも何度か触れてきたが、インコースを攻めることができなかったのが大きいと考えている。

下記図は前掲Slugger誌に掲載されていたゾーン別の投球率だ。

■vs左打者 ゾーン別の投球率


徹底したアウトコース中心の配球が裏目に



御覧いただければ分かるように、水色網掛けで示された内角の投球率が前年と比べて少なくなったのが確認できる。

前年は全投球数の24.7%だったのが、昨年は20.7%へ減少。特に左打者の上体をのけぞらせたい内角中段・内角高めでの減少が目立った。

インコースのファストボールが減った



配球の基本に、内角速球+外角変化球というパターンがある。打者の身体に近いインコースをファストボールで攻め上体をのけぞらせておいて、アウトコースの変化球で仕留める。身体から遠いところへ緩い球を投げ込めば、積極的に踏み込めずにいる打者は体勢を崩すかたちになり、良い当たりを打つことはできないのだ。

そこで、当ブログが集計してきたデータを調べてみた。岩隈が左打者に投じた全球数に占める内角速球割合だ。速球とは4Seam、Sinkerをさす。(MLB Gamedayでは岩隈の2Seam、シュートはSinker判定になる。2013年は6/10HOU戦、2014年は5/13TB戦のゾーン・コースが集計できていないことを予めお断りする)

2013年・・・16.0% (272/1698)
2014年・・・12.1% (166/1369)

予想どおり、内角の速球、フロントドアのファストボールが減っていた。

上記配球図のとおり、昨年の岩隈は左打者のアウトコースに多くの球を集めていた。前年49.6%の投球率は58.7%と6割近くまで増加した。特に外角低めは24.2%から33.3%に増えた。

一般に打者が打ちづらく、長打リスクが少ないとされるアウトコースに多くの球数を集めたのは決して間違っていない。しかし、内角をみせずに外角一辺倒になると、当然、相手もプロだ。どんどん踏み込んで対応してくる。

■vs左打者 アウトコース被OPS、被打率
2013年・・・被OPS.501、被打率.194、227打数44安打、49三振、12四球、1犠打、2犠飛、8二塁打、3本塁打
2014年・・・被OPS.586、被打率.255、204打数52安打、37三振、5四球、6二塁打、2本塁打

御覧のとおり、左打者アウトコース投手成績は被OPS、被打率、いずれも悪化してしまった。

一方、下記のとおり、左打者インコースは前年同様の好成績だった。なぜもっとインコースを攻めなかったのだろう?

左打者内角成績は確かに素晴らしかったが、打たれた安打の約半数が長打になっていた。このことを恐れたのかもしれない。

あるいは、左打者インコース速球のコントロールの精度に不安を抱えていたということなのかもしれない。フロントドアの失投はヘタすると、シュート回転になってストライクゾーン真中に入るリスクがあり、それを回避したかったのかもしれない。だからこそシーズン中盤からカッターを投げ始めたのかもしれない。

■vs左打者 インコース被OPS、被打率
2013年・・・被OPS.628、被打率.185、65打数12安打、20三振、10四球、1犠飛、5二塁打、1三塁打、1本塁打
2014年・・・被OPS.627、被打率.212、52打数11安打、14三振、5四球、4二塁打、1本塁打

次に球種割合の変遷、球種別の被打率をチェックしてみよう。

■vs左打者 2013年 球種割合、球種被打率
※空振り率・・・空振り数÷球数
※CutterはSlierに入れている。
20150121DATA05.jpg
20150121DATA08.jpg

■vs左打者 2014年 球種割合&球種被打率
20150121DATA06.jpg
20150121DATA09.jpg

被打率悪化のSinker、空振り率・ゴロ率悪化のSplitter



速球は前年の55%から51%へ微減。その中でも4Seamが減り、Sinkerが増えた。球を動かして打者の打ち損じを狙う作戦だったのかもしれないが、結果からみれば、4Seamの被打率は前年と同程度の安定推移だったのに対し、Sinkerは被打率.205から.435に大幅悪化。Sinkerを増やしたことが裏目に出てしまった。

Sliderは9%から12%に微増。カッターを投げ始めたこともあって増えたとみられるが、こちらも被OPS・被打率いずれも悪化。

Splitterは27%から32%へ上昇。ゴロ率、空振り率はいずれも高かったが、それでも昨年と比べると数字を下げており、打球に占める外野飛球率も22.0%から29.7%へ増えてしまった。

一方、Curveballは8%から5%に減った。

結果から言ってしまえば、なぜもっと4Seamを使用しなかったのか?なぜもっとCurveballを使っていかなかったのか?ということだと思う。

スプリッターのゴロ率・空振り率・外野飛球率の悪化を診るに、メジャーで3年を経過し、(右打者と比べて)右投手の球に合わせやすい左打者の岩隈対応が、一段と進んだとも言える。そこへきて、インコースを攻め切ることができずに、アウトコース中心になってしまった淡白な配球が左打者対戦成績の悪化に拍車をかけたとも言えそうだ。

最後に、打球方向をチェックしてみたい。

■vs左打者 2013年 打球方向(全354打球)


■vs左打者 2014年 打球方向(全294打球)
20150121DATA11.jpg

センター中心へ。進んでいる?左打者の岩隈対策



(カッコ)内は安打数。

赤線で囲った中堅の打球に注目したい。

前年は52本。全354打球の14.7%がセンターに飛び、そのうち38.5%がヒットになった。

昨年は59本。全294打球の20.1%がセンターに到達した。そのうち59.3%がヒットになっている。

センターに到達した打球の割合も増加すれば、センターに到達した打球が安打になる比率も上昇した。

被本塁打を見てみると、センターから逆方向の被弾は前年1本だったのが、昨年は3本に増えている。

もちろん、岩隈が外角を中心に球を集めたことも影響しているのだろうが、前年と比べて左打者がむやみに引っ張ろうとせず、コンパクトな打撃を実践したこともあるのでは?と思う。

全体の空振り率が9.9%から8.8%に微減したり、スプリッターのそれが17.0%から12.8%に減少したのも、左打者がそのような打撃を志した結果なのでは?と思えてくる。

メジャー4年目の今年、左打者を打ち取るには、内角を攻めることができるか?カッターやカーブなど球種のコンビネーションを豊富に用意することができるか?がカギになってくるのだと思う。【終】

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