楽天の2015年4番候補、ギャビー・サンチェス Gaby Sanchez のメジャー成績を確認する
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今朝、スポニチアネックスが、楽天のギャビー・サンチェス獲得を報じている。
◎楽天 メジャー61発の新4番獲得!大乱闘で武勇伝の“熱い男” (スポニチアネックス)
5番打者には確実性のある好打者を起用したい。恐らくラッツが任されるのだろう。となると来季の新4番は報道にもあるように、サンチェスになりそうだ。とにかく、彼の打棒に期待するしかない。
1983年生まれ31歳、右投右打の内野手。キューバ人の両親を持つ米国フロリダ生まれのフロリダ育ち(同地は亡命キューバ人コミュニティがあることでも知られている)。マイアミで高校、大学と進み、2005年のドラフトでフロリダ・マーリンズ(現マイアミ・マーリンズ)から全体126位の4巡目指名を受け入団。
2008年シーズン終盤にメジャー初昇格を果たすと、2010~2011年の2年間は正一塁手として150試合超でプレー。2012年シーズン途中にピッツバーグ・パイレーツに移籍。パイレーツではギャレット・ジョーンズと共にプラトーン起用され、主に左投手への切り札として活躍していた模様だ。
今シーズンは123試合に出場した。290打席のうち60打席は代打起用だったようだ。スラッシュライン(打率/出塁率/長打率)は.229/.293/.385、OPSは前年の.762から.679へと落とし、Slugger誌2014年12月号「メジャーリーガー555人&30球団通信簿」では「がんばりましょう」の評価になっている。
守備位置は、一塁で610試合、DH4試合、右翼1試合、三塁1試合。完全なファースト専用内野手で、楽天でも一塁もしくはDHでの起用が予想されている。
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■Gaby Sanchez メジャー 年度別 打撃成績

安打の37.6%が長打という中距離打者になる。
通算のスラッシュラインは.254/.332/.413。2271打席でOPS.744、61本。この通算成績は、初V打の立役者マギーのメジャー通算成績と良く似ている。マギーは今季終了時で.264/.324/.400。2469打席でOPS.712、65本だ。マギーのほうが約200打席多いが、年齢も1歳違いの右打者ということで、共通する部分が多い。

マギーが外野安打の45.1%を中堅から右方向で稼ぐ広角打法でチームを日本一に導いたように、報道によると、サンチェスも広角打法という触れ込みだという。
しかし、両者のメジャー本塁打数を打球方向別にまとめてみると、マギーが65本の26.2%に当たる17本を右中間~右翼に叩き入れているのに対し、サンチェスは61本の8.2%に当たる5本と少なく、圧倒的に左翼が多い。
少なくとも、ホームランで見る限りでは、サンチェスはマギーより右方向への長打は少ないと言えるのだ。
次にスイング率、コンタクト率を確認してみよう。
■Gaby Sanchez PITCHf/x Plate Discipline
※fangraphsより引用。

8打席のみだった2008年、23打席に留まった2009年の数字は参考にならない。2010年以降を見ていこう。
ストライクゾーンのスイング率。27歳の2010年は64.6%だったが、30歳を超えてきたここ2年は59.0%、59.2%。約5%ほどのダウンとなっている。若い頃はストライクゾーンに来た球であれば、狙い球でなくてもスイングしていく。そういうタイプだったのが、歳と経験を積み重ねるにつれて、狙い球をじっくり絞るアプローチにシフトチェンジしてきているのかもしれない。そんなイメージが湧く。
この中で気になるのは、ボールゾーンスイング率になる。
表中、黄色の網掛けを施した部分だ。2012年以降、数値が70.4%、64.7%、61.9%と3年連続下降傾向にある。ボールゾーンに手を出す頻度=ボールゾーンスイング率は、2013年は21.0%と少なかったが、だいたい28%台で安定推移していると見てよさそうだ。
しかし、ボール球をスイングしにいってバットに球が当たる頻度を診る同コンタクト率は、全盛期の27~29歳は安定推移し、三十路を数えた頃から下落を始めており、NPBでプレーする時の懸念材料になってくる。
当然、この率が下がると、相手投手のストライクゾーンからボールゾーンに変化する決め球(=ボール球)を振りにいってファウルで逃れて打ち直しに持ち込むという芸当ができなくなり、空振りが増え、三振も多くなるリスクを抱えていることを意味する。
実際、三振は増えていて、今年の20.0%という三振率(打席に占める三振比率)は2010年以降キャリアワーストである。四球率も7.9%と低く、ボール球の対応が悪化したことでフォアボールを選ぶこともできなくなりつつあると言える。
■Gaby Sanchez メジャー vs左投手 年度別 打撃成績

左右投手別の打撃成績を確認してみよう。
報道にもあったように、左腕キラーである。左投手通算は.291/.382/.481。5割に迫る長打率もさることながら、出塁率も4割近い。
先ほど、今年はボール球の対応力が悪化、このため三振率が増えたと書いたが、左投手に限って言えば、2010年以降、12.0%、16.2%、12.7%、14.9%と15%前後の推移を維持しており、左投手が得意である様子が伝わってくる。
ESPNのサイトからゾーン打率を下記に添付した。見て頂ければ分かるとおり、左投手が投げてくるストライクゾーン真中高め~真中~内角高め~内角中段がホットゾーンと言えそうだ。
■Gaby Sanchez メジャー vs右投手 年度別 打撃成績

左投手には強打者然とした素晴らしい戦果を残す一方、右投手を苦手としている。
通算成績はOPS.691、打率.238。打率はここ3年は.207、.204、.202の低空飛行を余儀なくされ、OPSも.566~.619の低空推移になっている。
先ほど指摘した三振率の多さ。右打者に顕著だ。2011年の15.5%を起点に、17.7%、18.0%、今年は25.4%と悪化の一途を辿っている。
今年のパリーグ規定投球回到達投手の中で左腕は辛島1人だけだったことを考えると、杉内や和田がいた一昔前のパリーグとは違い、先発は右投手が多くなっていると言えそうなので、できれば、右投手との対戦成績がもう少しマトモな選手が良かったなあ・・・というのが、率直な感想になる。
とりあえず、ここまで。また機会を改めてサンチェスについて書くエントリーを用意したい。
■Gaby Sanchez vs左投手ゾーン打率
〔2012年〕

〔2013年〕

〔2014年〕

■Gaby Sanchez vs右投手ゾーン打率
〔2012年〕

〔2013年〕

〔2014年〕

◎◎◎関連記事◎◎◎
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5番打者には確実性のある好打者を起用したい。恐らくラッツが任されるのだろう。となると来季の新4番は報道にもあるように、サンチェスになりそうだ。とにかく、彼の打棒に期待するしかない。
1983年生まれ31歳、右投右打の内野手。キューバ人の両親を持つ米国フロリダ生まれのフロリダ育ち(同地は亡命キューバ人コミュニティがあることでも知られている)。マイアミで高校、大学と進み、2005年のドラフトでフロリダ・マーリンズ(現マイアミ・マーリンズ)から全体126位の4巡目指名を受け入団。
2008年シーズン終盤にメジャー初昇格を果たすと、2010~2011年の2年間は正一塁手として150試合超でプレー。2012年シーズン途中にピッツバーグ・パイレーツに移籍。パイレーツではギャレット・ジョーンズと共にプラトーン起用され、主に左投手への切り札として活躍していた模様だ。
今シーズンは123試合に出場した。290打席のうち60打席は代打起用だったようだ。スラッシュライン(打率/出塁率/長打率)は.229/.293/.385、OPSは前年の.762から.679へと落とし、Slugger誌2014年12月号「メジャーリーガー555人&30球団通信簿」では「がんばりましょう」の評価になっている。
守備位置は、一塁で610試合、DH4試合、右翼1試合、三塁1試合。完全なファースト専用内野手で、楽天でも一塁もしくはDHでの起用が予想されている。
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■Gaby Sanchez メジャー 年度別 打撃成績

マギーと良く似たメジャー通算成績を持つサンチェス
安打の37.6%が長打という中距離打者になる。
通算のスラッシュラインは.254/.332/.413。2271打席でOPS.744、61本。この通算成績は、初V打の立役者マギーのメジャー通算成績と良く似ている。マギーは今季終了時で.264/.324/.400。2469打席でOPS.712、65本だ。マギーのほうが約200打席多いが、年齢も1歳違いの右打者ということで、共通する部分が多い。

広角打法の触れ込みは本物か?!
マギーが外野安打の45.1%を中堅から右方向で稼ぐ広角打法でチームを日本一に導いたように、報道によると、サンチェスも広角打法という触れ込みだという。
しかし、両者のメジャー本塁打数を打球方向別にまとめてみると、マギーが65本の26.2%に当たる17本を右中間~右翼に叩き入れているのに対し、サンチェスは61本の8.2%に当たる5本と少なく、圧倒的に左翼が多い。
少なくとも、ホームランで見る限りでは、サンチェスはマギーより右方向への長打は少ないと言えるのだ。
次にスイング率、コンタクト率を確認してみよう。
■Gaby Sanchez PITCHf/x Plate Discipline
※fangraphsより引用。

気になるボールゾーンコンタクト率の悪化
8打席のみだった2008年、23打席に留まった2009年の数字は参考にならない。2010年以降を見ていこう。
ストライクゾーンのスイング率。27歳の2010年は64.6%だったが、30歳を超えてきたここ2年は59.0%、59.2%。約5%ほどのダウンとなっている。若い頃はストライクゾーンに来た球であれば、狙い球でなくてもスイングしていく。そういうタイプだったのが、歳と経験を積み重ねるにつれて、狙い球をじっくり絞るアプローチにシフトチェンジしてきているのかもしれない。そんなイメージが湧く。
この中で気になるのは、ボールゾーンスイング率になる。
表中、黄色の網掛けを施した部分だ。2012年以降、数値が70.4%、64.7%、61.9%と3年連続下降傾向にある。ボールゾーンに手を出す頻度=ボールゾーンスイング率は、2013年は21.0%と少なかったが、だいたい28%台で安定推移していると見てよさそうだ。
しかし、ボール球をスイングしにいってバットに球が当たる頻度を診る同コンタクト率は、全盛期の27~29歳は安定推移し、三十路を数えた頃から下落を始めており、NPBでプレーする時の懸念材料になってくる。
当然、この率が下がると、相手投手のストライクゾーンからボールゾーンに変化する決め球(=ボール球)を振りにいってファウルで逃れて打ち直しに持ち込むという芸当ができなくなり、空振りが増え、三振も多くなるリスクを抱えていることを意味する。
実際、三振は増えていて、今年の20.0%という三振率(打席に占める三振比率)は2010年以降キャリアワーストである。四球率も7.9%と低く、ボール球の対応が悪化したことでフォアボールを選ぶこともできなくなりつつあると言える。
■Gaby Sanchez メジャー vs左投手 年度別 打撃成績

左投手キラー。メジャー通算左投手OPS.863
左右投手別の打撃成績を確認してみよう。
報道にもあったように、左腕キラーである。左投手通算は.291/.382/.481。5割に迫る長打率もさることながら、出塁率も4割近い。
先ほど、今年はボール球の対応力が悪化、このため三振率が増えたと書いたが、左投手に限って言えば、2010年以降、12.0%、16.2%、12.7%、14.9%と15%前後の推移を維持しており、左投手が得意である様子が伝わってくる。
ESPNのサイトからゾーン打率を下記に添付した。見て頂ければ分かるとおり、左投手が投げてくるストライクゾーン真中高め~真中~内角高め~内角中段がホットゾーンと言えそうだ。
■Gaby Sanchez メジャー vs右投手 年度別 打撃成績

右投手にはカラッキシ。打率は3年連続.200台
左投手には強打者然とした素晴らしい戦果を残す一方、右投手を苦手としている。
通算成績はOPS.691、打率.238。打率はここ3年は.207、.204、.202の低空飛行を余儀なくされ、OPSも.566~.619の低空推移になっている。
先ほど指摘した三振率の多さ。右打者に顕著だ。2011年の15.5%を起点に、17.7%、18.0%、今年は25.4%と悪化の一途を辿っている。
今年のパリーグ規定投球回到達投手の中で左腕は辛島1人だけだったことを考えると、杉内や和田がいた一昔前のパリーグとは違い、先発は右投手が多くなっていると言えそうなので、できれば、右投手との対戦成績がもう少しマトモな選手が良かったなあ・・・というのが、率直な感想になる。
とりあえず、ここまで。また機会を改めてサンチェスについて書くエントリーを用意したい。
■Gaby Sanchez vs左投手ゾーン打率
〔2012年〕

〔2013年〕

〔2014年〕

■Gaby Sanchez vs右投手ゾーン打率
〔2012年〕

〔2013年〕

〔2014年〕

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