「イニング先頭打者の四球は失点につながりやすい」は真っ赤な嘘である
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今年も数多くの野球を観戦してきた。
楽天戦、田中将大や岩隈久志登板などのMLBの試合、高校野球やオールスター、日本シリーズ、日米野球など全てをひっくるめれば200試合前後になるのかもしれない。
数多くの野球中継を観ていると、実況アナや解説者が、野球界お決まりの文句を繰り出すことが、しばしばある。
きっと皆さんも幾つか心当たりあると思う。
「イニング先頭打者の四球は失点につながりやすい」も、その中の1つ。あまりにも有名な野球界の定説だ。
この文脈の中には、単打より四球のほうが失点につながりやすい、どうせランナーを出すならヒット(単打)を打たれたほうが良いという意味合いも含まれている。勝負を避けて四球を出すより、勝負した結果、打たれたほうが悔いが残らない。好打者でも7割は打ち損じるのだから、勝負すべきという教訓めいたものも含まれている。
この定説、今季の楽天戦でも、何度も聞く場面に出くわした。
山村宏樹氏を始め何人かの解説者は「90%失点につながる」と力強くコメントをしていたのも覚えている。
しかし、この定説、本当に合っているのだろうか?
単打も四球も同じ無死1塁だ。アウト塁状況は、どちらが有利でどちらが不利ということはないはずだ。
確かに打者を怖がっての四球はいただけないが、勝負した結果のフォアボールもあるはずだ。単打の中にも勝負しにいって打たれた単打もあるだろうし、こわごわ投げたのが甘く抜けて痛打された単打もあるだろう。勝負しにいった結果=単打、勝負を避けた結果=四球とは一概に区別できるはずもない。
そんな違和感に苛まれながらも、野球中継を観戦してきたが、このたび、この疑問が解決したのでお知らせしたい。
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今夏発売され、今秋読了した『高校球児に伝えたい!プロだけが知っているデータで試合に勝つ法』(東邦出版)に紹介されていた。
同書はデータスタジアムさんが記録収集した2009~2013年のNPBデータを用いて、ヒットが出やすいカウント、長打になりやすい球種、見逃し三振を奪いやすいコース等々、様々な状況を解説している一冊である。紹介されているデータは全てNPBのものなので、私のような野球好きが読んでも、十分に楽しめる内容になっている。
その中の188ページに、先頭打者出塁内容別イニング平均失点が掲載されていた。
単打や二塁打、四球、エラー・・・などで先頭打者を出塁させた場合、3アウトまで平均何失点するのか?のNPBの2009~2013年の平均値が紹介されていた。
単打0.78点
二塁打.096点
三塁打1.28点
本塁打1.45点
四球0.80点
死球0.74点
エラー0.82点
結果はこのとおり。単打と四球の平均失点では明確な差異は確認されていないのだ。
単打より四球のほうが失点につながりやすいのは真っ赤な嘘と言えるし、楽天戦の実況席で何人かの解説者が口にした90%の失点も認められない。もし本当に失点確率が90%近くあるなら、平均失点は0.80どころじゃ済まされないからだ。
しかし、絶対エースの田中将大が抜けて、リーグ5位の防御率4.14に終わった楽天投手陣である。
松井裕樹や森雄大などの若手投手が、驚くほどの四球を連発していた今シーズンである。
確かにNPB平均値では、「イニング先頭打者の四球は失点につながりやすい」は真っ赤な嘘だと判明したけど、こと楽天投手陣に限って言えば、違うのではないか?
そんな疑問が頭をもたげてきたので、いつもどおりに断続的にシコシコと、今年の楽天投手陣の数字を調べてみた。
■2014年 楽天投手陣 回先頭打者出塁内容別の平均失点

ここで言う回先頭打者は無死走者なしでのもの。例えば、先頭打者が出塁し、次打者が本塁打を放ち、なおも無死走者なしで次々打者が打席に入った場合、この打者が出塁した時のケースもカウントに含まれている。
御覧のとおり、今年、楽天投手陣がイニング先頭打者を単打で出塁させた場合、その平均失点は0.86だった。四球の場合は0.83。ほとんど変わらないのだ。
今年の楽天投手陣、回の先頭打者をフォアボールで出した場合、その失点確率は45.0%だった。90%だなんて、ないない(ヾノ・∀・`) という結果が判明している。楽天戦でそのようにコメントした解説氏は揃って頭を丸めて勉強しなおしたほうが良いようである。
ただし、失点もリーグ5位と多かった今年である。前掲書に記載のあった2009~2013年のNPB平均値と比べた場合、いずれも悪い結果が出ていた。
ということで、リーグ平均値と比べた場合、悪い結果が出ているが、単打か?四球か?では大きな差異は発生していなかったという結論になる。
さて、それでは、個々の投手別ではどうか?
週明け月曜日12/15(月)の当ブログ運営の有料メールマガジン「shibakawaの楽天イーグルス応援マガジン」では、投手別のデータをコメントと共に発表する予定でいる。(すでに調べはついている!)
やっぱり、投手別になると、色々と差異が発生しているのだった。
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イニング先頭打者の四球は失点につながりやすいは本当か?!
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しかし、この定説、本当に合っているのだろうか?
単打も四球も同じ無死1塁だ。アウト塁状況は、どちらが有利でどちらが不利ということはないはずだ。
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単打0.78点
二塁打.096点
三塁打1.28点
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四球0.80点
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今年の楽天投手陣をみても、差異は確認されなかった
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