5番だけではない。3番、9番の不振も痛かった!!~楽天イーグルスの打順OPS、初V&最下位の2年分を確認する
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12/7エントリーで昨年と今年の楽天の守備位置OPSを振り返ってみた。
今度はイーグルスの打順OPS推移を確認しておきたい。
今季の楽天は、5番が決まらなかったことが低迷の一要因になった。多くのファンが感じている皮膚感覚になる。そのイメージを実際の数字で確認することは重要だ。また、数字で診た場合、今まで気づかなかった問題点が浮かび上がってくることもある。
ということで、初Vの昨年と最下位に沈んだ今年の2年分の打順OPSを確認してみたい。
まずは一気にグラフを3枚御覧頂きたい。
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※この打順OPSは、先発出場した打者だけでなく、代打や代走、守備固めで途中からその打順で打席に入った打者の打撃成績も含まれている。
チーム全体のOPSが前年.717から.034下落して今年.683だったから、打順OPSのそこここでリーグ平均値を下まわるのは、むべなるかな、といった印象である。昨年はOPS8割以上が4番、5番の2つあったのが、今年は1番の1つだけ。7割以上は昨年4つだったのが、今年は3つに減り、全体的に小粒な感は否めない。
ちなみに、昨年の.717は球団史上初リーグ2位の数字だったが、今年の.683は2010年以来の最下位だった。(はあるとはいえ、2010年は.707だったので、今年はそれよりも酷かったことになる。
■2014年 パリーグ球団別 5番打者 打撃成績

5番の大穴。このことはグラフや数字でも確認できる。
初Vの昨年、主にマギーが担当した楽天の5番は平均値を.070上まわるOPS.846を残した。これはソフトバンクの5番(首位打者・長谷川が主に担当)が記録した.903に次ぐリーグ2位の好数字だった。本塁打29本、打点91。昨年の5番打者の中で最多のホームラン数と、2番目に多い打点を稼ぎ、初V楽天の得点源を担った。
ところが、今年は昨年と比べて.125の大幅減。平均値を下まわるリーグ5位の.721に終わり、攻撃の足をひっぱるかたちになった。昨年と比べてスラッシュラインは.273/.354/.493から.274/.333/.388へ。
打率は7月中旬から本格的に5番にまわった銀次が目覚ましい快打連発(9/17~9/21まで猛打賞2回含む4試合連続マルチ安打など)で、必死に率を回復させたため、昨年と同数字を維持することができた。
しかし、OPSを構成する出塁率、長打率では共に減らすかたちになり、本塁打は29本からリーグ5位の9本に減少。これが痛かった。
打点は82。実は他球団5番打者と比べた場合、リーグ1位の数字である。しかし、これは8月以降の銀次による槍働き(9/18ロッテ戦で自身初の1試合5打点)が大きく、8月以降の打点は昨年35、今年36と変わらない数字を見せたものの、ユーキリスの不振などが響き、開幕から7月までは前年10減の56打点にとどまっている。
得点をみてみよう。昨年はリーグ2位の81得点だったが、今年は同5位の63に。昨年の5番打者はポイントゲッターとチャンスメイカーの役割を両方高いレベルで担っていたのが、今年はぎりぎりポイントゲッターの役目をこなすのに精いっぱいだったと言える。
5番スタメン起用人数も、西武の13人に次ぐ12人と多かった。嶋が8試合で起用されたことだけを見ても、今季の楽天が5番に相当悩んでいたことが分かる。主な5番打者のスタメン出場時のOPSは下記のとおりである。
銀次57試合.859
ユーキリス21試合.665
ボウカー21試合.616
松井稼頭央9試合.525
ラッツ9試合1.244
嶋基宏6試合.646

5番の穴ばかり指摘されるが、実は3番もかなり酷かった。
楽天3番OPSは昨年も今年もリーグワーストの数字である。昨年は4番、5番がしっかり機能したため、3番の不甲斐なさがそこまで目立つことはなかった。しかし、今年は5番が機能不全に陥ったこともあり、3番の穴もチーム全体に大きな悪影響を与えていたと思う。
スラッシュラインは.296/.352/.377から.274/.348/.328。いずれも昨年から数字を下げ、二塁打は28本から19本へ、三塁打は5本から1本に大きく減らした。本塁打は2年連続リーグ最少の3本だった。
4番に座ったAJは昨年と似たような成績を残したが、それでも今季のAJの印象がイマイチと見られがちなのは、その脇を固める3番、5番の得点力が下落したため、4番も悪く見えてしまったということなのだろう。そう、写真の背景が寒色か暖色かで被写体の印象がガラリと変わってしまうように。
(4番OPSが.837から.791に減ったのは、AJの成績悪化ではなく、試合展開でAJが途中に退くケースが増え、途中出場の4番打者の打席が昨年より大幅増になり、彼らの成績が悪かったことによるもの)
楽天の主力層には、長打のないアベレージヒッタータイプばかりがズラリ並ぶ。この偏ったチーム編成と、生え抜きの長距離打者育成に失敗してきた長年のツケが、3番の穴に表れているのだと思う。
どういうことか?というと、長打供給を期待される外国人補強は上手く当たっても、昨年のように最大2人だろう。この場合、外国人は4、5番を担うことになり、生え抜きの長距離砲不在のイーグルスは、どうしても3番にホームランも期待できる好打者を置くことができなくなり、アベレージタイプでお茶を濁さざるをえなくなるのだ。
今季、3番スタメン起用された打者のOPSは下記のとおり。
岡島豪郎62試合.707
銀次53試合.702
後藤光尊6試合.760
松井稼頭央6試合.718
ジョーンズ6試合.658
5番、3番ときて、9番の穴も実は痛かった。
クリーンアップの打点。昨年251から今年217に減少した実は大きな要因かもしれないのが、9番の打撃不振かもしれない。
昨年、楽天の9番は平均値を.102と大きく超過する.699を残し、下位から上位に攻撃の流れを作った。しかし、今年は平均をどうにか越えたものの、OPSは昨年から.098減らして.601止まり。出塁率も.345から.295に減らした。
「恐怖の9番打者」として下位で相手に重圧を与えた島内の不振が痛かった。昨年は45試合に先発出場してOPS.773の好成績を9番で残した。しかし、今年は30試合.619にとどまり、恐怖が恐怖でなくなったのが大きい。
9番打者の得点も59から42へ。主軸の打点が減った原因の1つは9番打者がチャンスメイクできなかったのも響いている。【終】
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12/7エントリーで昨年と今年の楽天の守備位置OPSを振り返ってみた。
今度はイーグルスの打順OPS推移を確認しておきたい。
今季の楽天は、5番が決まらなかったことが低迷の一要因になった。多くのファンが感じている皮膚感覚になる。そのイメージを実際の数字で確認することは重要だ。また、数字で診た場合、今まで気づかなかった問題点が浮かび上がってくることもある。
ということで、初Vの昨年と最下位に沈んだ今年の2年分の打順OPSを確認してみたい。
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※この打順OPSは、先発出場した打者だけでなく、代打や代走、守備固めで途中からその打順で打席に入った打者の打撃成績も含まれている。
大きく突出したのは1番だけ。今年は全体的に小粒の感
チーム全体のOPSが前年.717から.034下落して今年.683だったから、打順OPSのそこここでリーグ平均値を下まわるのは、むべなるかな、といった印象である。昨年はOPS8割以上が4番、5番の2つあったのが、今年は1番の1つだけ。7割以上は昨年4つだったのが、今年は3つに減り、全体的に小粒な感は否めない。
ちなみに、昨年の.717は球団史上初リーグ2位の数字だったが、今年の.683は2010年以来の最下位だった。(はあるとはいえ、2010年は.707だったので、今年はそれよりも酷かったことになる。
■2014年 パリーグ球団別 5番打者 打撃成績

数字でも裏付けられた5番の大穴
5番の大穴。このことはグラフや数字でも確認できる。
初Vの昨年、主にマギーが担当した楽天の5番は平均値を.070上まわるOPS.846を残した。これはソフトバンクの5番(首位打者・長谷川が主に担当)が記録した.903に次ぐリーグ2位の好数字だった。本塁打29本、打点91。昨年の5番打者の中で最多のホームラン数と、2番目に多い打点を稼ぎ、初V楽天の得点源を担った。
ところが、今年は昨年と比べて.125の大幅減。平均値を下まわるリーグ5位の.721に終わり、攻撃の足をひっぱるかたちになった。昨年と比べてスラッシュラインは.273/.354/.493から.274/.333/.388へ。
打率は7月中旬から本格的に5番にまわった銀次が目覚ましい快打連発(9/17~9/21まで猛打賞2回含む4試合連続マルチ安打など)で、必死に率を回復させたため、昨年と同数字を維持することができた。
しかし、OPSを構成する出塁率、長打率では共に減らすかたちになり、本塁打は29本からリーグ5位の9本に減少。これが痛かった。
打点は82。実は他球団5番打者と比べた場合、リーグ1位の数字である。しかし、これは8月以降の銀次による槍働き(9/18ロッテ戦で自身初の1試合5打点)が大きく、8月以降の打点は昨年35、今年36と変わらない数字を見せたものの、ユーキリスの不振などが響き、開幕から7月までは前年10減の56打点にとどまっている。
得点をみてみよう。昨年はリーグ2位の81得点だったが、今年は同5位の63に。昨年の5番打者はポイントゲッターとチャンスメイカーの役割を両方高いレベルで担っていたのが、今年はぎりぎりポイントゲッターの役目をこなすのに精いっぱいだったと言える。
5番スタメン起用人数も、西武の13人に次ぐ12人と多かった。嶋が8試合で起用されたことだけを見ても、今季の楽天が5番に相当悩んでいたことが分かる。主な5番打者のスタメン出場時のOPSは下記のとおりである。
銀次57試合.859
ユーキリス21試合.665
ボウカー21試合.616
松井稼頭央9試合.525
ラッツ9試合1.244
嶋基宏6試合.646

実は2年連続リーグ最下位だった楽天3番OPS
5番の穴ばかり指摘されるが、実は3番もかなり酷かった。
楽天3番OPSは昨年も今年もリーグワーストの数字である。昨年は4番、5番がしっかり機能したため、3番の不甲斐なさがそこまで目立つことはなかった。しかし、今年は5番が機能不全に陥ったこともあり、3番の穴もチーム全体に大きな悪影響を与えていたと思う。
スラッシュラインは.296/.352/.377から.274/.348/.328。いずれも昨年から数字を下げ、二塁打は28本から19本へ、三塁打は5本から1本に大きく減らした。本塁打は2年連続リーグ最少の3本だった。
4番に座ったAJは昨年と似たような成績を残したが、それでも今季のAJの印象がイマイチと見られがちなのは、その脇を固める3番、5番の得点力が下落したため、4番も悪く見えてしまったということなのだろう。そう、写真の背景が寒色か暖色かで被写体の印象がガラリと変わってしまうように。
(4番OPSが.837から.791に減ったのは、AJの成績悪化ではなく、試合展開でAJが途中に退くケースが増え、途中出場の4番打者の打席が昨年より大幅増になり、彼らの成績が悪かったことによるもの)
楽天の主力層には、長打のないアベレージヒッタータイプばかりがズラリ並ぶ。この偏ったチーム編成と、生え抜きの長距離打者育成に失敗してきた長年のツケが、3番の穴に表れているのだと思う。
どういうことか?というと、長打供給を期待される外国人補強は上手く当たっても、昨年のように最大2人だろう。この場合、外国人は4、5番を担うことになり、生え抜きの長距離砲不在のイーグルスは、どうしても3番にホームランも期待できる好打者を置くことができなくなり、アベレージタイプでお茶を濁さざるをえなくなるのだ。
今季、3番スタメン起用された打者のOPSは下記のとおり。
岡島豪郎62試合.707
銀次53試合.702
後藤光尊6試合.760
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ジョーンズ6試合.658
恐怖の9番打者、機能せず・・・
5番、3番ときて、9番の穴も実は痛かった。
クリーンアップの打点。昨年251から今年217に減少した実は大きな要因かもしれないのが、9番の打撃不振かもしれない。
昨年、楽天の9番は平均値を.102と大きく超過する.699を残し、下位から上位に攻撃の流れを作った。しかし、今年は平均をどうにか越えたものの、OPSは昨年から.098減らして.601止まり。出塁率も.345から.295に減らした。
「恐怖の9番打者」として下位で相手に重圧を与えた島内の不振が痛かった。昨年は45試合に先発出場してOPS.773の好成績を9番で残した。しかし、今年は30試合.619にとどまり、恐怖が恐怖でなくなったのが大きい。
9番打者の得点も59から42へ。主軸の打点が減った原因の1つは9番打者がチャンスメイクできなかったのも響いている。【終】
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・楽天の捕手人材難。解決のトレードは実現する?! 戸村健次を出して取りたいハマの来季5年目捕手とは?!
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