評価したいファルケンボーグ自由契約&広島退団ミコライオの獲得劇
スポンサーリンク
昨日、楽天イーグルスは広島を退団になったミコライオの獲得を発表している。契約金や年俸など1年総額1億5000万円で契約合意に至り、背番号は43に決まったという。
◎背番号43・・・徳元敏(投手、2005~2007年)─寺田龍平(投手、2008~2011年)─小斉祐輔(内野手、2012~2014年)─ミコライオ(投手、2015年~)
楽天は今季抑えを務めていたファルケンボーグを構想外にしていたため、来季の守護神候補探しに注目が集まっていたが、これで一安心。報道を追いかけていると、かなり早い段階からミコライオに白羽の矢を立て獲得調査に入り、交渉のテーブルについていたことが確認できる。
ファンミルが戦力外になったため、205cmのミコライオは現在、NPBの現役選手最身長。長身から投げ込まれる角度のある“動く速球”が武器。打者にゴロを打たせる典型的なグラウンドボール・ピッチャーだ。年齢も30歳とまだ若く、選手生命の全盛期と言える。来季の活躍次第では契約延長ということもあるのだろう。
個人的には、良い投手と契約したと思っている。ファルケンボーグを構想外にして、代役にミコライオを手に入れたこの補強、賛成なのだ。
今年の救援陣の陣容を眺めた時、斎藤隆とファルケンボーグの2人が共に名を連ねたことが少々拙かった。いずれもアラフォー。連投が効かないなど起用に制限があった。
このことが今季躍進した福山の過剰な登板を招くなど(3点差以上で19試合、ビハインドで19試合登板)、他投手の運用へしわ寄せが生じていたように思われる。起用に縛りがつくベテラン右腕を2人もブルペンに入れる今季の体制は良いとは言えず、1年で解消するべきものだった。
今オフ、球団は斎藤を来季構想の枠内に入れた。ということは、必然、ファルケンボーグはリリースということになるわけなのだ。
ソフトバンク時代の2011年、平均球速150.0キロを誇ったストレート。今季は147.2キロまで落ち込み、過去3年.214以下だった被打率は.262に悪化した。
被本塁打2本に抑え、被本塁打率0.48と一見素晴らしかったように見えるが、打者に打たせた(犠打を除く)全打球に占めるウォーニングゾーン以遠飛球の比率は、同じベテラン右腕の斎藤と共にチーム内で高い割合を残していた。(下記参照)
■2014年 楽天主な投手 全打球に占めるウォーニングゾーン以遠飛球比率
斎藤隆 7.4% (7/94)
ファルケンボーグ 6.3% (6/95)
菊池保則 5.4% (8/147)
則本昂大 4.9% (27/554)
辛島航 4.1% (20/491)
西宮悠介 3.2% (4/126)
松井裕樹 2.41%(7/290)
昨年の田中将大 2.37% (14/590)
福山博之 1.9% (4/211)
36歳を迎えたファルケンボーグの体内では、加齢による衰えが確実に進行していたと言える内容だったのだ。
使用時に何かと面倒な36歳を、あまり気にしなくて良い30歳に置き換えることができ、かつ、年俸も2億から1.5億と5000万コストが浮くのだから、これほど良い補強はない。
それでは、下記でミコライオの成績、球種割合などを確認してみよう。
ブログ村投票のお願い
現在「楽天イーグルス」部門3位
どうぞ応援のクリックお願いしますm(_ _)m

にほんブログ村
■ミコライオ 年度別 投手成績

広島の3年間で169試合に登板、6勝10敗、28ホールド、73セーブ。防御率は3年とも2点台で安定している。
被打率の推移は.207、.225、.227。BABIPは.250、.253、.260、こちらも安定推移。
元々、一発を浴びるタイプではないが、被本塁打率も0.62、0.47、0.19と年々減らすことに成功。(もちろん場数が少ないこともあるのだが)パリーグ球場ではいまだに一発を打たれていないのも魅力かもしれない。
ざっと挙げたこれらの数字だけを見ても、来季の好活躍に胸が高まってしまう。
今年の数字は分からないものの、ゴロ率が異様に高いのも良し。2012年はリーグ平均47.8%に対し、ミコライオの数字は64.4%を記録。2013年も同平均47.3%のところ、57.1%という依然として高い数字を残している。
与四球率2.17、奪三振率8.38を記録した2012年と比べると、ここ2年間は与四球率が3.45、3.40の推移、奪三振率は6.12、5.48と下落傾向。三振が減って四球が増えた点がやや気になるかもしれない。
ただ、これはコントロールが悪化したというより、統一球で極端な投高打低にあった2012年は臆することなくストライクゾーン内に投げ込んで勝負できていたからこその2.17だったのだろう。また、統一球は従来球と比べて曲がり易いという特徴もあったため、打者の対応が進むまで三振も多く奪えていたと推測できる。
2013年、2014年の数字のほうが本来の姿と言えそうで、反発係数が上方修正され、2012年のようにストライクゾーン内にドシドシ勝負するわけにもいかず、また、球を動かすタイプのため、クサイところを狙ったのが外れることもあり、与四球率が3.40台を記録しているものと思われる。
ただ、昨年は6試合を数えた1登板2四死球が、今年は9/27中日戦の1試合だけだったことからも分かるように、連続で四球を出して自壊するタイプではないと言えそうだ。
■ミコライオ 球種割合
※表中シュートの表記にしてしまったが、ツーシームである。

いずれも平均球速150キロ前後を計測するストレートとツーシームを軸球に、球を動かして打者にゴロを打たせてアウトを取るタイプである。ストレート+ツーシームの球種割合。今年は全体の78.4%にも及んだ。そのファストボールはコンスタントに150キロ超えを連発している模様で、脂が乗り切った投球を感じさせる。
ほとんどヒットを許さないスライダーに、チェンジアップの変化球。共に平均球速130キロ台半ば。いずれも空振り率が20%台と高く、打者が対応に苦慮している姿が彷彿とさせるのに十分。カーブは持ち球にない模様だ。
■ミコライオ vs右打者 投手成績

■ミコライオ vs左打者 投手成績

最後に、投手成績を対戦打者の左右別にチェックして終わりにしたい。
御覧頂いたように、右打者は通算被OPS.477、被打率.189と実に良く抑えている。四球も少ないことが見て取れる。
しかし、左打者との対戦では通算被OPS.708、被打率.254と相性が悪いようだ。2012年、2013年は打たれたヒットの3分の1が長打になっていた。ただし、今年は.573、.211と改善に成功している。【終】
◎◎◎関連記事◎◎◎
・2年総額3億円の後藤光尊を引き取った立花陽三クン。その呆れた大盤振る舞いに唖然呆然の巻
・楽天の捕手人材難。解決のトレードは実現する?! 戸村健次を出して取りたいハマの来季5年目捕手とは?!
・豪州で奮戦中。楽天・中川大志のウインターリーグ打撃成績10月11月分の詳細をまとめてみたよ
Amazon、楽天市場でのお買いものはこちらからどうぞ。ブログ継続安定運営のモチベー ションになります

《当ブログのコメントルール》御感想のある方は下記コメント欄でどうぞ。ただし、感情に流された御意見・誹謗・中傷・悪意の類、プロ野球や楽天と関係のないもの、名無しや通りすがりなどハンドルネームがいい加減と私が判断したものは、内容に関わらず、御遠慮申し上げております。頂いても削除の対象となります。なお、管理人の都合により、返信が遅れる場合、またはできない場合がございます。
《Twitterやっています》アカウントは@eagleshibakawaです。ブログ更新のお知らせ、プロ野球、スポーツの話題、時々実況しながら記録などをつぶやきます。フォロワー数1400人突破。
《facebookページを作りました》当ブログのページをfacebookに作成しました。ブログ更新情報やブログに載せない、Twitterでつぶやかない軽い話題などもアップ中。現在いいね!300人到達。
http://www.facebook.com/eagleshibakawa


ベールボールチャンネルさんへの寄稿開始!!
雑誌『ベースボールサミット』編集部運営の野球ネット・メディア、ベースボールチャンネルさん。中の方にお声をかけて頂き、しばらくの間、月1でコラムを書いていきます。寄稿した原稿のURLをリンクで御紹介します。みなさま、御笑覧よろしくお願いします。
◎デーブ新体制に欠かせない「足の演出家」―― 背番号23の復活を
◎楽天の今オフ〝最大〟の補強は、嶋基宏の残留だ――数字が証明した嶋の測り知れない貢献度
2015年の新守護神、ミコライオに決定
昨日、楽天イーグルスは広島を退団になったミコライオの獲得を発表している。契約金や年俸など1年総額1億5000万円で契約合意に至り、背番号は43に決まったという。
◎背番号43・・・徳元敏(投手、2005~2007年)─寺田龍平(投手、2008~2011年)─小斉祐輔(内野手、2012~2014年)─ミコライオ(投手、2015年~)
楽天は今季抑えを務めていたファルケンボーグを構想外にしていたため、来季の守護神候補探しに注目が集まっていたが、これで一安心。報道を追いかけていると、かなり早い段階からミコライオに白羽の矢を立て獲得調査に入り、交渉のテーブルについていたことが確認できる。
ファンミルが戦力外になったため、205cmのミコライオは現在、NPBの現役選手最身長。長身から投げ込まれる角度のある“動く速球”が武器。打者にゴロを打たせる典型的なグラウンドボール・ピッチャーだ。年齢も30歳とまだ若く、選手生命の全盛期と言える。来季の活躍次第では契約延長ということもあるのだろう。
個人的には、良い投手と契約したと思っている。ファルケンボーグを構想外にして、代役にミコライオを手に入れたこの補強、賛成なのだ。
今年の救援陣の陣容を眺めた時、斎藤隆とファルケンボーグの2人が共に名を連ねたことが少々拙かった。いずれもアラフォー。連投が効かないなど起用に制限があった。
このことが今季躍進した福山の過剰な登板を招くなど(3点差以上で19試合、ビハインドで19試合登板)、他投手の運用へしわ寄せが生じていたように思われる。起用に縛りがつくベテラン右腕を2人もブルペンに入れる今季の体制は良いとは言えず、1年で解消するべきものだった。
今オフ、球団は斎藤を来季構想の枠内に入れた。ということは、必然、ファルケンボーグはリリースということになるわけなのだ。
劣化が進んでいたファルケンボーグ
ソフトバンク時代の2011年、平均球速150.0キロを誇ったストレート。今季は147.2キロまで落ち込み、過去3年.214以下だった被打率は.262に悪化した。
被本塁打2本に抑え、被本塁打率0.48と一見素晴らしかったように見えるが、打者に打たせた(犠打を除く)全打球に占めるウォーニングゾーン以遠飛球の比率は、同じベテラン右腕の斎藤と共にチーム内で高い割合を残していた。(下記参照)
■2014年 楽天主な投手 全打球に占めるウォーニングゾーン以遠飛球比率
斎藤隆 7.4% (7/94)
ファルケンボーグ 6.3% (6/95)
菊池保則 5.4% (8/147)
則本昂大 4.9% (27/554)
辛島航 4.1% (20/491)
西宮悠介 3.2% (4/126)
松井裕樹 2.41%(7/290)
昨年の田中将大 2.37% (14/590)
福山博之 1.9% (4/211)
36歳を迎えたファルケンボーグの体内では、加齢による衰えが確実に進行していたと言える内容だったのだ。
使用時に何かと面倒な36歳を、あまり気にしなくて良い30歳に置き換えることができ、かつ、年俸も2億から1.5億と5000万コストが浮くのだから、これほど良い補強はない。
それでは、下記でミコライオの成績、球種割合などを確認してみよう。
ブログ村投票のお願い
現在「楽天イーグルス」部門3位
どうぞ応援のクリックお願いしますm(_ _)m

にほんブログ村
■ミコライオ 年度別 投手成績

広島で73セーブ。ゴロ率高く、被打率、BABIPが安定推移
広島の3年間で169試合に登板、6勝10敗、28ホールド、73セーブ。防御率は3年とも2点台で安定している。
被打率の推移は.207、.225、.227。BABIPは.250、.253、.260、こちらも安定推移。
元々、一発を浴びるタイプではないが、被本塁打率も0.62、0.47、0.19と年々減らすことに成功。(もちろん場数が少ないこともあるのだが)パリーグ球場ではいまだに一発を打たれていないのも魅力かもしれない。
ざっと挙げたこれらの数字だけを見ても、来季の好活躍に胸が高まってしまう。
今年の数字は分からないものの、ゴロ率が異様に高いのも良し。2012年はリーグ平均47.8%に対し、ミコライオの数字は64.4%を記録。2013年も同平均47.3%のところ、57.1%という依然として高い数字を残している。
与四球率2.17、奪三振率8.38を記録した2012年と比べると、ここ2年間は与四球率が3.45、3.40の推移、奪三振率は6.12、5.48と下落傾向。三振が減って四球が増えた点がやや気になるかもしれない。
ただ、これはコントロールが悪化したというより、統一球で極端な投高打低にあった2012年は臆することなくストライクゾーン内に投げ込んで勝負できていたからこその2.17だったのだろう。また、統一球は従来球と比べて曲がり易いという特徴もあったため、打者の対応が進むまで三振も多く奪えていたと推測できる。
2013年、2014年の数字のほうが本来の姿と言えそうで、反発係数が上方修正され、2012年のようにストライクゾーン内にドシドシ勝負するわけにもいかず、また、球を動かすタイプのため、クサイところを狙ったのが外れることもあり、与四球率が3.40台を記録しているものと思われる。
ただ、昨年は6試合を数えた1登板2四死球が、今年は9/27中日戦の1試合だけだったことからも分かるように、連続で四球を出して自壊するタイプではないと言えそうだ。
■ミコライオ 球種割合
※表中シュートの表記にしてしまったが、ツーシームである。

150キロ超をコンスタントに計測するファストボールが武器
いずれも平均球速150キロ前後を計測するストレートとツーシームを軸球に、球を動かして打者にゴロを打たせてアウトを取るタイプである。ストレート+ツーシームの球種割合。今年は全体の78.4%にも及んだ。そのファストボールはコンスタントに150キロ超えを連発している模様で、脂が乗り切った投球を感じさせる。
ほとんどヒットを許さないスライダーに、チェンジアップの変化球。共に平均球速130キロ台半ば。いずれも空振り率が20%台と高く、打者が対応に苦慮している姿が彷彿とさせるのに十分。カーブは持ち球にない模様だ。
■ミコライオ vs右打者 投手成績

■ミコライオ vs左打者 投手成績

左打者との対戦を苦手とするものの、右打者は被打率.189と圧倒
最後に、投手成績を対戦打者の左右別にチェックして終わりにしたい。
御覧頂いたように、右打者は通算被OPS.477、被打率.189と実に良く抑えている。四球も少ないことが見て取れる。
しかし、左打者との対戦では通算被OPS.708、被打率.254と相性が悪いようだ。2012年、2013年は打たれたヒットの3分の1が長打になっていた。ただし、今年は.573、.211と改善に成功している。【終】
◎◎◎関連記事◎◎◎
・2年総額3億円の後藤光尊を引き取った立花陽三クン。その呆れた大盤振る舞いに唖然呆然の巻
・楽天の捕手人材難。解決のトレードは実現する?! 戸村健次を出して取りたいハマの来季5年目捕手とは?!
・豪州で奮戦中。楽天・中川大志のウインターリーグ打撃成績10月11月分の詳細をまとめてみたよ
Amazon、楽天市場でのお買いものはこちらからどうぞ。ブログ継続安定運営のモチベー ションになります
《当ブログのコメントルール》御感想のある方は下記コメント欄でどうぞ。ただし、感情に流された御意見・誹謗・中傷・悪意の類、プロ野球や楽天と関係のないもの、名無しや通りすがりなどハンドルネームがいい加減と私が判断したものは、内容に関わらず、御遠慮申し上げております。頂いても削除の対象となります。なお、管理人の都合により、返信が遅れる場合、またはできない場合がございます。
《Twitterやっています》アカウントは@eagleshibakawaです。ブログ更新のお知らせ、プロ野球、スポーツの話題、時々実況しながら記録などをつぶやきます。フォロワー数1400人突破。
《facebookページを作りました》当ブログのページをfacebookに作成しました。ブログ更新情報やブログに載せない、Twitterでつぶやかない軽い話題などもアップ中。現在いいね!300人到達。
http://www.facebook.com/eagleshibakawa


スポンサーサイト
テーマ : 東北楽天ゴールデンイーグルス
ジャンル : スポーツ