【試合評】プロ初勝利の濱矢廣大。本戦投球データから診る今後の課題点三箇条とは?!~2014年9月28日(日)○楽天イーグルス6-5西武
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時間がなく、本来なら本戦の試合評をすっ飛ばして今夜のオリックス戦から再び書き始めるつもりだったのだけれど、濱矢について書きたかったので、書いておきたい。
ルーキーイヤーでのプロ初先発・初登板・初勝利は下記の2人に続く球団史上3人目。
井坂亮平(09年5/5西武戦、6回、被安打6、被本塁打1、奪三振3、与四球3、失点3、自責点3)
塩見貴洋(11年5/5ソフトバンク戦、6回、被安打4、被本塁打0、奪三振3、与四球1、失点0)
ルーキーイヤーでのプロ初登板・初勝利は上記2人に今年の横山1球勝利を入れて球団史上4人目。
いずれにしても快挙達成となった。
ただ、投球内容をみれば、褒められたものではない。かなりの僥倖と野球の神様の気まぐれが濱矢の初勝利につながったと言える。
新人なので結果や投球内容には私自身全くこだわっていない。これから書き連ねることをあげて、だから濱矢はダメなんだとかヤボなことを言うつもりは一切ない。あくまでも観戦メモ、備忘録として記しておきたいということなのである。
両軍のスタメン
楽天=1番・松井稼(左)、2番・藤田(二)、3番・岡島(右)、4番・ジョーンズ(指)、5番・枡田(一)、6番・西田(遊)、7番・島内(中)、8番・岩崎(三)、9番・小関(捕)、先発・濱矢(左投)
西武=1番・栗山(左)、2番・渡辺直(遊)、3番・浅村(二)、4番・メヒア(指)、5番・森(捕)、6番・秋山(中)、7番・木村(右)、8番・森本(一)、9番・林崎(三)、先発・誠(右投)
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5回0/3、打者24人、96球(1球当たり19.20)、被安打9、被本塁打0、奪三振0、与四球3、失点2、自責点2。
初球24球・・・ストレート12、スライダー5、フォーク2、カーブ5
2ストライク以降14球・・・ストレート5、スライダー4、フォーク5
ボール先行39球・・・ストレート27(69%)、スライダー8、フォーク3、カーブ1
まず先に結論から言ってしまえば、濱矢も横山同様、何か「持っている」投手なのかもしれない。
各種数字を診る限りでは、とても勝利投手を記録できる内容ではなかったからだ。
まず、奪三振がゼロ、奪空振りも僅かに2球だった点。今季、奪三振ゼロを記録した楽天先発投手と、奪空振りが2球以下に止まった楽天先発投手の一覧をそれぞれ作成してみた。
■2014年 楽天先発投手 奪三振ゼロの一覧

■2014年 楽天先発投手 奪空振り2球以下の一覧

御覧頂ければ一目瞭然のように、濱矢以外で白星を手にした投手はいない。多くの先発投手がゲームメイクできずに序盤降板を余儀なくされているのだ。
もちろん、投手の中には奪三振や奪空振りが平均と比べて少なく、打たせて取るタイプもいる。しかし、打たせて取るタイプの投手であっても、奪三振がゼロだったり、奪空振りが2個以下だったり等と極端に少ないのも「良くないサイン」と言えそうだ。打たせて取るタイプでも、ある程度の球のキレやノビ、球が動いてなければ打者の打ち損じを誘発できない。極端に少ないというのは、全く球が変化していない、あるいは、球に球威がないということを指し示しているのだと思う。
例えば、BABIPの思想に立てば、バットに球を当てられインフィールドに打ち返された打球はその3割がヒットに変換される。奪三振ゼロの場合、10打数3安打で被打率.300。これがもし奪三振2だったとすると、12打数3安打で被打率.250まで下がる。4の場合は14打数3安打で.214。たちまち好投手の数字になる。
BABIPは投手の力ではどうすることもできない運の介在や守備力の影響等も受けるため、BABIP.300を.200にすることは運を天に任せる作業になってしまう。それよりも自らの力量で奪三振を増やすことができれば、BABIP.300だったとしても被打率で良い数字を作ることができるわけだ。
その意味で、本戦の濱矢は、球自体の球威や切れに乏しかった。
ストレートは平均136.3キロ。最速141キロを計時。NPBの平均がだいたい140キロだと考えられるため、それより球速で劣る数字になっている。もちろん、球速は1つの目安にすぎず、球にキレがある場合は球速表示以上の体感速度を打者に与えることができるわけである。しかし、本戦のストレート被打率12打数8安打の.667。右打者にも左打者にもカンカン真っすぐを打たれていたことを考えると、球速表示以上のノビや、スピンの効いた質の良いストレートではなかったと言えるのだろう。
各種ストライク率
ストレート53.6%、変化球47.5%
左打者54.5%、右打者49.2%
走者なし50.0%、走者あり51.9%
初登板ということで緊張していたこともあったのかもしれないが、制球力がアバウトだった。全体のストライク率は53.1%。当ブログが重視している3球目2ストライク率、4球目以降に決着がついた打者14人対象でその3球目に2ストライクと追い込むことができたかどうかの率は僅かに7.1%、14人中1人に止まった。
上記に掲げたように、ストレートも悪いのだが、変化球はさらに低い。打者の左右で言えば(もちろん左打者も物足りないのだが)右打者への制球に課題を抱えていると言えそうだ。
これは前述したストレートの球威不足も関連してくるが、制球力に課題を抱えているからなのだろう。右打者のインコースを攻めるクロスファイアの速球。16球を投げていたが、そのうち75.0%に当たる12球がボールカウントになっていた。もちろん、中には見せ球としてのインコースもあったと思われるが、それにしても75.0%は多すぎである。
右打者を抑えるには内角攻めでどれだけ有効な投球ができるか?が1つのカギになってくるので、今後の継続課題として精進していってもらえればと思う。

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濱矢廣大、球団史上3人目の快挙
時間がなく、本来なら本戦の試合評をすっ飛ばして今夜のオリックス戦から再び書き始めるつもりだったのだけれど、濱矢について書きたかったので、書いておきたい。
ルーキーイヤーでのプロ初先発・初登板・初勝利は下記の2人に続く球団史上3人目。
井坂亮平(09年5/5西武戦、6回、被安打6、被本塁打1、奪三振3、与四球3、失点3、自責点3)
塩見貴洋(11年5/5ソフトバンク戦、6回、被安打4、被本塁打0、奪三振3、与四球1、失点0)
ルーキーイヤーでのプロ初登板・初勝利は上記2人に今年の横山1球勝利を入れて球団史上4人目。
いずれにしても快挙達成となった。
ただ、投球内容をみれば、褒められたものではない。かなりの僥倖と野球の神様の気まぐれが濱矢の初勝利につながったと言える。
新人なので結果や投球内容には私自身全くこだわっていない。これから書き連ねることをあげて、だから濱矢はダメなんだとかヤボなことを言うつもりは一切ない。あくまでも観戦メモ、備忘録として記しておきたいということなのである。
両軍のスタメン
楽天=1番・松井稼(左)、2番・藤田(二)、3番・岡島(右)、4番・ジョーンズ(指)、5番・枡田(一)、6番・西田(遊)、7番・島内(中)、8番・岩崎(三)、9番・小関(捕)、先発・濱矢(左投)
西武=1番・栗山(左)、2番・渡辺直(遊)、3番・浅村(二)、4番・メヒア(指)、5番・森(捕)、6番・秋山(中)、7番・木村(右)、8番・森本(一)、9番・林崎(三)、先発・誠(右投)
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5回0/3、打者24人、96球(1球当たり19.20)、被安打9、被本塁打0、奪三振0、与四球3、失点2、自責点2。
初球24球・・・ストレート12、スライダー5、フォーク2、カーブ5
2ストライク以降14球・・・ストレート5、スライダー4、フォーク5
ボール先行39球・・・ストレート27(69%)、スライダー8、フォーク3、カーブ1
今季、楽天先発投手で奪三振ゼロで白星を掴んだ初の事例に
まず先に結論から言ってしまえば、濱矢も横山同様、何か「持っている」投手なのかもしれない。
各種数字を診る限りでは、とても勝利投手を記録できる内容ではなかったからだ。
まず、奪三振がゼロ、奪空振りも僅かに2球だった点。今季、奪三振ゼロを記録した楽天先発投手と、奪空振りが2球以下に止まった楽天先発投手の一覧をそれぞれ作成してみた。
■2014年 楽天先発投手 奪三振ゼロの一覧

■2014年 楽天先発投手 奪空振り2球以下の一覧

濱矢廣大。来季への課題その1:そこそこ空振りが取れる球種の確立を!
御覧頂ければ一目瞭然のように、濱矢以外で白星を手にした投手はいない。多くの先発投手がゲームメイクできずに序盤降板を余儀なくされているのだ。
もちろん、投手の中には奪三振や奪空振りが平均と比べて少なく、打たせて取るタイプもいる。しかし、打たせて取るタイプの投手であっても、奪三振がゼロだったり、奪空振りが2個以下だったり等と極端に少ないのも「良くないサイン」と言えそうだ。打たせて取るタイプでも、ある程度の球のキレやノビ、球が動いてなければ打者の打ち損じを誘発できない。極端に少ないというのは、全く球が変化していない、あるいは、球に球威がないということを指し示しているのだと思う。
例えば、BABIPの思想に立てば、バットに球を当てられインフィールドに打ち返された打球はその3割がヒットに変換される。奪三振ゼロの場合、10打数3安打で被打率.300。これがもし奪三振2だったとすると、12打数3安打で被打率.250まで下がる。4の場合は14打数3安打で.214。たちまち好投手の数字になる。
BABIPは投手の力ではどうすることもできない運の介在や守備力の影響等も受けるため、BABIP.300を.200にすることは運を天に任せる作業になってしまう。それよりも自らの力量で奪三振を増やすことができれば、BABIP.300だったとしても被打率で良い数字を作ることができるわけだ。
その意味で、本戦の濱矢は、球自体の球威や切れに乏しかった。
濱矢廣大。来季への課題その2:ストレートを磨け!
ストレートは平均136.3キロ。最速141キロを計時。NPBの平均がだいたい140キロだと考えられるため、それより球速で劣る数字になっている。もちろん、球速は1つの目安にすぎず、球にキレがある場合は球速表示以上の体感速度を打者に与えることができるわけである。しかし、本戦のストレート被打率12打数8安打の.667。右打者にも左打者にもカンカン真っすぐを打たれていたことを考えると、球速表示以上のノビや、スピンの効いた質の良いストレートではなかったと言えるのだろう。
濱矢廣大。来季への課題その3:制球力の向上
各種ストライク率
ストレート53.6%、変化球47.5%
左打者54.5%、右打者49.2%
走者なし50.0%、走者あり51.9%
初登板ということで緊張していたこともあったのかもしれないが、制球力がアバウトだった。全体のストライク率は53.1%。当ブログが重視している3球目2ストライク率、4球目以降に決着がついた打者14人対象でその3球目に2ストライクと追い込むことができたかどうかの率は僅かに7.1%、14人中1人に止まった。
上記に掲げたように、ストレートも悪いのだが、変化球はさらに低い。打者の左右で言えば(もちろん左打者も物足りないのだが)右打者への制球に課題を抱えていると言えそうだ。
これは前述したストレートの球威不足も関連してくるが、制球力に課題を抱えているからなのだろう。右打者のインコースを攻めるクロスファイアの速球。16球を投げていたが、そのうち75.0%に当たる12球がボールカウントになっていた。もちろん、中には見せ球としてのインコースもあったと思われるが、それにしても75.0%は多すぎである。
右打者を抑えるには内角攻めでどれだけ有効な投球ができるか?が1つのカギになってくるので、今後の継続課題として精進していってもらえればと思う。

◎◎◎関連記事◎◎◎
・【試合評】則本昂大14勝。8回11安打7失点もタイトル争いに踏み止まる貴重な白星~2014年9月25日(木)○楽天イーグルス8-7ソフトバンク
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・【試合評】9月逆襲の楽天。快進撃もここまでか。1点差試合の連勝8でストップ~2014年9月27日(土)●楽天イーグルス3-4西武
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