FC2ブログ

岩隈久志、2014年前半戦を昨季と同じ8勝で終える。天敵アスレチックス相手に9回途中2失点の快投~2014年7月12日○SEA6-2OAK

スポンサーリンク




前半戦最後は天敵アスレチックス戦に登板



岩隈久志、オールスター前の前半戦最後の登板は、本拠地アスレチックス3連戦の第2戦になった。

アリーグ西地区同士の激突。50勝43敗のマリナーズは3位。58勝35敗の全球団最高勝率.624の1位・アスレチックスを8.0ゲーム差で追いかける中でのナイトゲームになった。その3連戦、先発ローテを組み換えて臨んだ初戦をキングで取ったシアトルは第2戦、クマで連勝を狙うという一戦だった。相手先発はジェシー・チャベス。今季の成績は防御率3.06、7勝5敗である。

岩隈vsアスレチックスはここまで3勝4敗、防御率4.35。ダルビッシュ有、黒田博樹、田中将大ら日本人投手が苦杯を舐めさせれてきたタフなマネーボール打線は、岩隈にも同様の結果を突きつけていた。昨年、スプリッターで3本のホームランをくらった悪夢は今なおファンの間に衝撃として居残っている。天敵セスペデスとの再戦も気になるところだった。

また、この試合、球審は日本の野球ファンなら絶対に忘れることはできないあの忌まわしきボブ・デ-ビッドソン! 岩隈のメジャー先発初勝利試合の2012年7/30ブルージェイズ戦では三塁塁審を務めていたボブが、本戦では球審を務めていた。(岩隈先発試合でのボブ球審は初)

試合前の予想では全く読めなかった一戦。タフになることは間違いないと原を括って観戦に臨んだ試合は、終わってみれば心配御無用、現時点でメジャーで1,2を争うベストピッチになった。

【訂正】9回の失点他の状況が実際と異なっていますが、直すのが面倒なのでそのままにします。

HANREI3.jpg

両軍のスタメン

アスレチックス=1番・ジェイソ(指)、2番・ボート(一)、3番・セスペデス(左)、4番・モス(右)、5番・ドナルドソン(三)、6番・ロウリー(遊)、7番・ノリス(捕)、8番・ソガード(二)、9番・ジェントリー(中)、先発・チャベス(右投)

マリナーズ=1番・チャベス(右)、2番・ジョーンズ(中)、3番・カノ(二)、4番・モリソン(一)、5番・シーガー(三)、6番・ハート(指)、7番・アクリー(左)、8番・ミラー(遊)、9番・スクレ(捕)、先発・岩隈(右投)


立ち上がりから速球走る。メジャー2度目の初回三者三振投球



試合前、岩隈のボブルヘッド人形がファンに配布されたヒサシ・イワクマのボブルヘッドナイトになった本戦。立ち上がりの1回表、見事な投球を披露した。マネーボール打線を1、2、3の三者連続三振。岩隈が初回を三者三振の三者凡退投球をみせたのは6/20ロイヤルズ戦以来、メジャーでは2度目である。

2番・左打のボートにはボール先行2-0を経由したものの、2球連続でファウルを打たせて2-2、カウントを整えると、ラストは1度首を振って投げ込んだ低め91マイル(約146.5キロ)の速球。相手の裏をかいたような配球は、ボートに反応を許さず、ズバッと見逃し三振。首を振って選択した球種が速球だったことに、前回ツインズ戦の試合前ブルペンで掴んだという速球の良い感触が、自他共に本戦でも確認できたシーンになった。

2死走者なし、天敵・セスペデスとの今季初対戦。圧倒した。ストライク、ファウルで2球で追い込んだ後、第3球目はインハイを速球で攻めて、仕上げは対角線にスプリッター。厳しい攻めでセスペデスの体勢を完全に崩しての空振り三振。

圧巻の立ち上がりになったが、カウフマンスタジアムでは突如ゲリラ豪雨に見舞われたこともあり、油断はできない。そんな期待と一抹の不安がない混ぜになった1回表の15球だった。

翌2回表、本戦で初めてのピンチに直面している。

先頭の4番・モスを左翼後方の左直で1死を取った後、5、6番にコンパクトな打撃でクリーンヒットの連打を許して2,1塁。ここからが圧巻だった。7番・ノリス、8番・眼鏡のソガード、右左の下位打線に対し、僅か2球で追い込んだ後、無駄球を極力使わずの2者三振。スプリッターの低め投球が素晴らしい。伝家の宝刀を巧みに操り、ポーカーフェイスで危機を脱出している。

岩隈がピンチを跳ねのけた直後の2回裏、味方打線が1点を先制。ハート、アクリーの長短打による援護点が入った。

1点援護を貰った直後の3回表、先頭打者は9番・ジェントリー。過去の通算対戦成績6打数3安打と岩隈からヒットを打っている右打者を右邪飛に仕留めると、選球眼に長けている1番・ジェイソには0-2から打たせて三邪飛。内角狙いの速球が逆球でアウトコースに入ったものの、打者が想像する以上に球が伸びているのだろう、球の下っ面を叩かせてのポップフライになっている。この後、2番・ボートを追い込んでからイージーな中飛に仕留めての三者凡退投球になった。

■似ているかな?


完封・完投を視野に捉えた4、5回の省エネ投球



ゼロを序盤3イニングに並べ続けた岩隈、中盤の4、5回が圧巻だった。合計2イニングを11球で終わらせる省エネ投球。序盤3回までが43球と普通だったことから、この2イニングの球数削減で一気に9回完封・完投の可能性が開けたシーンになった。

その4回表、本戦で先頭打者の出塁を唯一許したイニングになった。(逆に4回以外は許さなかったのが素晴らしい)

先頭・セスペデスに三遊間へゴロを打たせた当たり。これを遊撃手ミラーがお手玉してしまう。俊足の天敵が出塁し無死1塁、打席には4番以下を迎えるという固唾を飲む場面だった。

4番・モスは恐らく狙っていたのだと思われる。1-0からの第2球、低めスプリッターをバット一閃。打ち返された飛球は右翼ウォーニングゾーン手前まで到達する当たりになったが、右翼手チャベスが余裕の処理。岩隈のスプリッターがバットを折ったことが奏功したのだろう。少しヒヤッとする紙一重のシーンになる。(NPBでバットを折りながら外野後方まで飛ばすシーンはほとんど見かけないが、MLBでは普通の光景である)

この後、5番・ドナルドソンに2球目をひっかけさせて注文どおりの5-4-3併殺ゴロ。この回を5球で終わらせる。

5回表は僅か6球での三者凡退投球。ロウリーをウォーニングゾーン付近への中直、2回ピンチで連続三振に取ったノリス、ソガードには今度はいずれも内野ゴロを打たせている。

好投を続ける岩隈だが、さすがに援護が1点止まりは心もとなかった。その心配を解消したのが、5回裏、4番・シーガーの目の覚めるような2ランショット。(SEA3-0OAK)

これでリードが3点に広がると、6回表は2死から2番にヒットを許し、2死1塁で天敵セスペデス。ボール先行3-1になったが、続く第5球に投げミスがない。外角低めいっぱいに投じた速球でファウルを打たせて3-2に。フルカウント勝負の仕上げは低めスプリッター。恐らくセスペデスも来るだろうと読んでいた中での打撃だったはずだが、岩隈の投げ勝ち。平凡な左飛に仕留めている。

終盤7回、8回も三者凡退。1試合で合計5イニング三者凡退を記録したのは、5/13レイズ戦(8回無失点勝敗つかず)に続く今季2度目の快挙になっている。

8回を96球無失点で終わらせた岩隈は、最終9回のマウンドにも登っていた。

直前の攻撃回、味方がカノの一発などでダメ押しの3点を追加し、リードは6点差へと広がっていた。先頭の1番・ジェイソに左前へ弾き返され出塁を許したが、2番・ボグド、3番・セスペデスを凡退。2死まで漕ぎつけていた。

岩隈のメジャー初完封勝利まであとアウト1つ。首位アスレチックスに対して連勝へ向けてあとアウト1個。セーフコフィールドは興奮のるつぼに湧いていた。

しかし、4番・モス。

初球、外角低め狙いの速球が真中低め寄りに入ったところをバット一閃。

最後の最後で右中間スタンドに飛び込む2ランショットをくらい、マクレンドン監督がベンチを出る。岩隈は104球で御役御免(これはMLBではこういうものだろうと、私はけっこうサバサバして観ていた)。最後のアウトをメディーナに託して降板、残念ながら初完封初完投はお預けになったが、見事な9回途中2失点の104球だった。(モスは翌日も一発を放っている)

ブログ村投票のお願い
皆さんの1票が継続運営のエネルギーになります

にほんブログ村 野球ブログ 東北楽天ゴールデンイーグルスへ
にほんブログ村

岩隈vsセスペデスの対戦成績を整理する



本戦での対戦は、空三振、遊ゴ失、左飛、左飛、4の0。岩隈に軍配が上がっている。セスペデスに1本もヒットを許さなかったのは昨年5/10対戦時に続く2度目。これで通算対戦打率を.375にしている。

■岩隈久志 vsセスペデス 通算対戦成績
◎第2回WBC2009年・・・2打数1安打、1四球、1三塁打
◎2012年・・・4打数2安打1打点、1二塁打、1本塁打
◎2013年4/2・・・2打数1安打1打点、1三振、1本塁打
◎2013年5/10・・・3打数0安打、2三振
◎2013年6/16・・・3打数2安打1打点、1二塁打
◎2013年6/21・・・3打数1安打2打点、1三振、1本塁打
◎2013年8/21・・・3打数2安打、1三振、2二塁打
◎2014年7/12・・・4打数0安打、1三振
◎通算・・・打率.375、24打数9安打5打点、6三振、1四球、4二塁打、1三塁打、3本塁打

20140715DATA02.jpg

8回2/3、打者31人、104球(1回当たり12.00)、被安打5、被本塁打1、奪三振8、与四死球0、失点2、自責点2。

初球31球・・・4Seam18、Sinker6、Slider4、Splitter1、Curveball2
2ストライク以降27球・・・4Seam8、Slider3、Splitter16

岩隈の談話「(完封は)なかなかできないものですね。しっかり締めたいという気持ちもあった。本当にいい投球ができた。状態もすごくいいので、後半もどんどん投げていければ」

アリーグ1位の与四球率、同5位のWHIP



これで岩隈は3連勝。今季成績を14試合8勝4敗、QS率も64.3へ上昇。防御率を再び2点台に戻し2.98としている。1.00のWHIPは本稿執筆の日本時間7/15朝時点で1.01の田中将大を抜いてアリーグ5位へ。与四球率0.74はアリーグ1位。四球を出さない田中の1.32の約半分の数字だから、本当に凄い。

昨年は前半戦で20試合に先発、成績は8勝4敗、防御率3.01、WHIP0.94、QS率65.0%、与四球率1.30だったことを考えると、故障で出遅れて数少ない登板数だったにも関わらず、昨年と遜色ない数字を残すことができたのは、岩隈にとってもファンにとってもホッとする部分だと思う。(それだけに故障がなければ・・・という思いもあるのだが)

捕手はズニーノではなくスクレだった。昨年5/26レンジャーズ戦(8回2失点の勝敗つかず)で1度だけ組んだことのある若手で、岩隈とツーカーの仲になりつつあるズニーノではないことも本戦観戦のチェックポイントの1つだったが、問題なかった。

速球が高めにも低めにも上々の機能をみせたことで、低めに集めたスプリッターを始め、変化球も生き生きした。制球、コマンドも申し分なかった。全体のストライク率は70.3%と上々。初球ストライク率こそ51.6%とやや低いのかな?という数値も、4球目以降に決着がついた打者13人を対象とした3球目2ストライク率では69.2%と高く、早々に追い込んでカウント有利に試合運びできた点も、良かった。

当ブログは岩隈の投球データ記録集計で前の球と次の球の緩急差も記録を取るようにしている。緩急差10マイル(約16キロ)以上の投球を3回以降織り交ぜ、この緩急差の中で、3回ジェイソ三邪飛、5回ノリス遊ゴ、7回ドナルドソン二飛、3つのアウトを取ることに成功している。

7月に入り陰りが見えるマネーボール打線



オールスター明けの後半戦へ向けて期待高まるベストピッチになったが、それに水を差すわけでは決してないのだけれど、指摘しておかなければならないのはアスレチックス打線の不調だ。

本戦試合前時点でアスレチックスのチーム得点460はアリーグ2位の多さを誇っていた。しかし、7月に限ってみると38得点はアリーグ12位(マリナーズは30得点で最下位)。主要打者の7月月間打率はドナルドソン.176、セスペデス.081(僅かに3安打)等とスランプに陥っている打者も目立っていた。その中で7月好調は.349のロウリーと.441のボート。両者は前日もマルチ安打を放ち、本戦でも岩隈からそれぞれヒットを放っていた。

このように、岩隈自身の状態が上がってきたことに加えて、相手打線の状態が落ちてきたところで迎えたのが本戦だったのでは?と言える。

追い越まれてからファウルで粘り、しぶとく選球するアスレチックスらしさをほとんど見かけることができなかったのは、岩隈の状態の良さと、相手打線の不振の両面があったと言える。

6/5アスレチックス戦の田中と本戦の岩隈を比べてみよう。

◎ボール全体に占める2ストライク以降のボール投球・・・田中27.3%、岩隈22.6%
◎2ストライク以降のファウル・・・田中14本、岩隈6本

2ストライク以降にどれだけボール球を投げさせ、どれだけファウルで粘るることができるか?がアスレチックスの真骨頂と言えるのだが、これらの数字だけでも、相手の不振が確認できるかと思う。

日本のオールスターブレイクの間に、岩隈新刊本の書評を書くことができたらと思います【終】

■アスレチックス戦の投手成績


20140715DATA03.jpg

◎◎◎関連記事◎◎◎
ボストンの至宝との対決は2ラン含む2安打3打点。マリナーズ岩隈久志、今季最短5回途中KOの4敗目~2014年6月25日●SEA4-5BOS
アストロズ相手に6回1失点。マリナーズ岩隈久志、大量援護の今季6勝目も、私が本来の姿ではないと感じるその理由~~2014年7月1日○SEA13-2HOU
お得意様ツインズ相手に33回2/3無失点。今季7勝目を挙げた岩隈久志の105球~2014年7月7日○SEA2-0MIN


Amazon、楽天イーグルスオフィシャルショップなど楽天市場でのお買いものはこちらからどうぞ。ブログ継続安定運営のモチベー ションになります




《当ブログのコメントルール》御感想のある方は下記コメント欄でどうぞ。ただし、感情に流された御意見・誹謗・中傷・悪意の類、プロ野球や楽天と関係のないもの、名無しや通りすがりなどハンドルネームがいい加減と私が判断したものは、内容に関わらず、御遠慮申し上げております。頂いても削除の対象となります。なお、管理人の都合により、返信が遅れる場合、またはできない場合がございます。

《Twitterやっています》アカウントは@eagleshibakawaです。ブログ更新のお知らせ、プロ野球、スポーツの話題、時々実況しながら記録などをつぶやきます。フォロワー数1000人突破。

《facebookページを作りました》当ブログのページをfacebookに作成しました。ブログ更新情報やブログに載せない、Twitterでつぶやかない軽い話題などもアップ中。現在いいね!300人到達。
http://www.facebook.com/eagleshibakawa

ブログパーツ
レンタルCGI




このエントリーをはてなブックマークに追加
スポンサーサイト



テーマ : MLB
ジャンル : スポーツ

プロフィール

shibakawa

Author:shibakawa
真田幸村の赤備えがクリムゾンレッドにみえるそんな信州人による、東北楽天ゴールデンイーグルス応援ブログ。

鷲ブロガーの中で楽天の記録やデータを最も見ている管理人が、各種データや記録、セイバーメトリクス等を用いながらイーグルスの魅力を紹介していきます。

御訪問&閲覧有難うございます。初めての方、当方と連絡希望の方は「はじめに」をお読み頂いた上で、楽しんで頂けたら幸いです。

Twitter
プロ野球、楽天イーグルス、ブログ更新情報を専門的にツイートするアカウントを作成しました。
カレンダー
06 | 2014/07 | 08
- - 1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 31 - -
月別アーカイブ
最新記事
カテゴリ
スポンサーリンク
feedlyへのRSS登録はこちらから
follow us in feedly
検索フォーム
投票御協力のお願い
各種ブログランキングに参加中です。日々の更新の励みになりますので、ポチっと押して頂けたら幸いです。SHIFTキーを押しながらマウスで次々にクリックして頂けるとスピーディーです。お忙しい時はブログ村!でm(_ _)m
このブログのはてなブックマーク数
この日記のはてなブックマーク数
ブログ村PVランキング
アクセスランキング
[ジャンルランキング]
スポーツ
172位
アクセスランキングを見る>>

[サブジャンルランキング]
野球
30位
アクセスランキングを見る>>
RSSリンクの表示
最新コメント
このページのトップへ
try{ var pageTracker = _gat._getTracker("UA-20192910-1"); pageTracker._trackPageview(); } catch(err) {}