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マリナーズ岩隈久志がブレーブス戦で今季4勝目を挙げることができたその理由~2014年6月4日○SEA2-0ATL

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ブレーブス戦で今季4勝。チームの連勝を5へ伸ばす



シアトルマリナーズは只今4連勝中。30勝28敗のアリーグ西地区3位。1位・アスレチックスとは6.0ゲーム差を離されているものの、2位・エンゼルスとは僅か0.5ゲーム差のところで推移している。

対するナリーグ東地区1位に君臨するブレーブスは31勝26敗。敵地インターリーグ2連戦の2戦目に岩隈が先発した。

試合は相手先発マイナーとの投手戦。7回まで1-0のロースコアゲームになった。先制はマリナーズ。4回表、先頭カノの安打出塁を起点にヒット3本を集め、7番・ガレスビーがフルカウント勝負の末、左前へ先制打。2点目が入ったのは8回表、代わったばかりの二番手投手から4番・ロメロ&5番・シーガーの中軸による長短連打攻勢で追加点を入れた。

7回まで投げた岩隈は96球無失点のクオリティスタート。8回からマウンドを救援陣に託し、メディーナ、ロドニーの継投リレーで零封。2-0で勝利し、チームの連勝を5に伸ばしている。岩隈は今季4勝目。

両軍のスタメン

マリナーズ=1番・ブルームクイスト(一)、2番・チャベス(中)、3番・カノ(二)、4番・ロメロ(右)、5番・シーガー(三)、6番・ズニーノ(捕)、7番・ガレスピー(左)、8番・ミラー(遊)、9番・岩隈(右投)

ブレーブス=1番・ヘイワード(右)、2番・B.アップトン(中)、3番・フリーマン(一)、4番・J.アップトン(左)、5番・ガティス(捕)、6番・ジョンソン(三)、7番・ラステラ(二)、8番・シモンズ(遊)、9番・マイナー(左投)

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序盤球数過多でピンチ背負うも、好守備もみせる



1回表、味方打線が三者凡退ゴロアウトに倒れた後、岩隈がターナーフィールドのマウンドに初めて登板している。

立ち上がり、初回先頭打者に安打を許した。1回1番にヒットされたのは今季2度目。

2球目、外の真っすぐを右前に弾き返されてのシングルヒットだったが、この後、2者連続三振に取る。いずれも0-2と追い込んでからの三振劇。2番の右打者アップトン兄には低め誘い球を振らせ、3番左打ちのフリーマンにはインコースを速球で攻めて空振りを奪っていた。

2死後、4番・アップトン弟に追い込んでからファウルで3度粘られ、2-2からの第8球のヒッティングが1,2塁間突破。3,1塁のピンチを背負ったが、後続をイージーな三ゴに仕留めている。しかし、21球。立ち上がりに費やした球数では今季最多を更新している。

2回裏、この回も先頭にヒットを許した。横っ飛びしたカノの先を破られたが、後続を抑えている。

無死1塁、初回カノの1,2塁間ヒット性を好守でアウトにした7番打者の当たり損ねゴロは嫌らしい当たりになった。一塁方向に跳ね、ファースト左へ達しようかというバウンドゴロ。進塁打にはなったが、背走した岩隈が好処理をみせている。あの打球を一塁手ブルームクイストに任せて自らがベースカバーに入った場合内野安打になるという判断が機敏なフィールディングにさせたのだろう。素晴らしい守備を見せてくれた。

1死2塁、ここで8番シモンズが初球をあっさり打ち上げて二飛に倒れたのが大きかった。2死後バッターボックスに迎えた打者は投手のマイナーだったから、初球でシモンズを仕留めることができたのは、岩隈に幾分かの余裕をもたらしたはず。そのマイナーに追い込んでからファウルで粘られたのはやや想定外だったかもしれないが。結果球は低めに決まる素晴らしいスプリッターだった。(空振り三振)

3回表、岩隈の今季初打席は初球ストライクの後、2度空振りしての3球三振。

その裏、ブレーブスの打順が2巡目に突入、1番から始まる敵軍の攻撃になった。初球ストライクのストライク先行投球が光る。上位打線を遊ゴ、遊ゴ、空三振に仕留める本戦初の三者凡退投球。しかし、追い込んでからボール球が目立ち、粘られるファウルなどもあり、球数が多い。初登板のマウンドということも少しは影響したのだろうか? 1回21球、2回17球、そしてこの回18球、3回終了で56球と過多ペースだったが、しかし、4回以降、見事な球数調整に入っていく。

3イニング連続三者凡退。尻上がりに調子を上げる



味方が1点を先制した直後の4回裏、1打席目に8球粘られヒットにされた4番・アップトンから始まる相手の攻撃だった。この4番を初球打ちイージーな遊ゴに討ち取ったことでリズムが出てきたか、続く5番を3球三振、6番は2-2からアウトコースいっぱいのシンカーで見逃し三振。この回を9球で終えている。

5回表、岩隈の2打席目。フルカウント勝負からアウトハイに球がはずれて四球出塁。メジャー5打席目にして初出塁になった。

その裏、普段打席に立たない投手の場合、出塁後にリズムや調子を崩すことがありがちとされる中、岩隈は心配御無用。7番から始まる下位打線をきっちり3人、いずれもゴロアウトで片づける11球、3回から3イニング連続三者凡退としている。

序盤のピンチをしのいだ岩隈の本戦2度目のカギは、しいて挙げれば6回7回だったか。

6回裏は打順3まわり目、1番から始まる相手の攻撃。この日1回にヒットを打っていた先頭ヘイワードにセンター返しで出塁されていた。続くアップトン兄の当たりは三塁線へのゴロ。2塁封殺で1塁に兄が生き残る。正直、嫌な走者が1塁に残るかたちになった。昨年終了時で通算244盗塁の走り屋、足でかきまわされる恐れもあった。

当然、岩隈も相手が走り屋であることは把握していて、フリーマンの打席、2度牽制を入れる走者のケアを見せている。相手のエンドラン攻撃が2度ファウルで失敗に終わったこともあり、2-2と追い込むと、一走を釘付けにしたままフリーマンをスプリッターで三振に仕留め、2死。4番・アップトン弟の当たりはライナーだったが一塁手正面を突いた。この回も11球。

翌7回裏、本戦4度目の先頭打者安打出塁を許していた。しかし、さすがはクマ、後続を初球打ち4-6-3の併殺ゴロ。あっさりお得意のダブルプレーに取り、ピンチの芽を摘み取ることに成功している。

打者・岩隈の最終打席はその前、7回表にまわってきた。先頭のミラーがフォアボールで1塁に歩いた後の打席、初球でしっかり送りバントを決めてみせている。結局、本戦の打撃成績は空三振、四球、投犠。メジャー通算では4打数ノーヒット3三振1四球1犠打としている。

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岩隈4勝目の背景に相手打線の迫力不足も



7回、打者26人、96球(1回当たり13.71)、被安打6、被本塁打0、奪三振7、与四死球0、無失点。

初球26球・・・4Seam10、Sinker3、Slider10、Splitter3
2ストライク以降37球・・・4Seam12、Sinker1、Slider5、Splitter19

「今日はしっかり左足を踏み込んで、腕もしっかり振れていましたので、この感覚が出ると大丈夫かなと思いながら、丁寧に投げることができたと思います」(日刊スポーツ)

これで4勝2敗、防御率2.66、WHIP0.93、QS率57.1%としている。インターリーグでは4登板目にして初勝利となった。

ブレーブスはナリーグ東地区1位とはいえ、打線の得点力は強烈ではなく、OPSは全30球団中24位。打率も同25位。規定打席到達打率3割打者が1人もいないという状況の中、一方で防御率2.98は全30球団中アスレチックスの2.91に次ぐ2位。今季の好成績は投手力が牽引するかたちになっている。

岩隈の好投はそういった相手打線の迫力不足に付け加えて、ブレーブスvs岩隈が本戦初顔合わせで、相手打者が岩隈の球の軌道、投球術に全く慣れていなかったことも要因として挙げられる。

その証拠と言えそうなのが、二桁を記録した空振り数。14個は5/8ロイヤルズ戦に次ぐ今季2番目に多い空振り数で、特にスプリッターで多くを奪うことができたこと。また、ファウルが合計30本と大変多く、相手打者がフィールド内に打ち返すことができずに四苦八苦していたことの2点で説明がつくと思う。

もちろん、2ストライク以降のファウルが12本あり、その多くが序盤3回までに集中していたことから、序盤の球数過多の原因の1つにもなっていた。そのため、粘られているという表現になるが、より正確を期すなら「辛うじて粘っている」というフレーズのほうが妥当になってくる。ファウルの中で良い当たりのファウル、果たしてあっただろうか?と振り返った時、全く記憶にないのだ。

制球良く、低めに球を集めゴロを打たせる本領発揮



ここ何試合かの中では制球は良かった。前回タイガース戦ではストライクゾーン真中(下記配球図の赤網掛けゾーン)に集まった球は全体の27.6%だったが、本戦では16.7%と10%以上の改善に成功していた。

低めに良く球を、特に変化球を低めに集める持ち味は本戦でもさすがで全体の83.9%が低めゾーンに記録されている。

ストライク超先行の投球で自身有利の状況を作り出していた。序盤は追いこんでからのボール球も目立ったものの、相手が自分の球にアジャストできていないと察知するや、ボール球をほとんど使わずに投げてきたように思われる。そのあたりの機微もさすが。

ゴロ率もすこぶる高く、外野に飛んだ飛球は1回ヘイワードの右安(ライナーヒット)、7回ガティスの左安(ライナーヒット)の2本だけ。3戦連続で浴びていた被本塁打もストップさせることに成功している。好投のもう1つの要因はストライク先行+ゴロ率の高さと言えそうだ。



スプリッター上々の機能



球種では前述のとおり、スプリッターが今季最高と言えるほど機能した。32球中、2ストライク以降での使用は59.4%の19球。追い込んでからのスプリッターが特に素晴らしく、8打数ノーヒット5三振と2回1/3分のアウトをスプリッターで獲得した。

6番サードで先発出場し3打数1安打ながらも7回裏無死1塁で初球をセカンド併殺打に倒れた相手主力選手ジョンソンは「右打者にはシンカーとスライダーで攻めてくるのが定石だと思ったが、そこにスプリットが入ってくると別の話。今日は打つチャンスをほとんどもらえなかったよ」とお手上げのコメントを残している。いつもより右打者に使うスプリッター割合が劇的に多かったわけでもないのだが(ここまで17.2%、本戦25.0%)、初顔合わせの相手には相当印象に残る嫌な球ということになりそうだ。

大半が右打者に使用されたスライダーも上々。時節、アウトコースを狙った投球が内角寄りに入ることはあったものの、この球種でも多くの凡打を量産させることができていた。

取り急ぎ、本エントリーはここまでです。【終】

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