【試合評】拙攻3併殺。イヌワシ打線、巨人・内海に今季初白星献上~2014年5月29日(木) ●楽天イーグルス0-6巨人
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2013年10月31日、東京ドーム──。5回無失点。打たれたヒットは僅かに1本。初Vに王手をかける延長戦劇的勝利の下地を作るゲームメイクをした。「いいピッチングをしましたね」。試合後の勝利監督インタビューで星野監督自らが辛島の好投をねぎらったあの日から約7ヵ月。辛島航がビッグエッグのマウンドに、内海哲也との再戦に、4/19以来のチームの連勝をかけて臨んだ。
両左腕の投げ合いは中盤までロースコアの投手戦へ。
2回裏、辛島が村田に先制ソロを被弾し1点を許したものの、5回まで1失点にまとめる好投。一方、楽天打線は7回まで投げた内海相手に初回こそ三者凡退に倒れたとはいえ、2回以降は毎回走者を出塁する攻撃を見せていた。
しかし、拙攻に次ぐ拙攻。2回、4回、5回はいずれも先頭打者が、3回は1死から出塁に成功したが、2塁を踏むことができない。
2回表は先頭AJが四球、しかし5番・嶋がスリーバント失敗、後続・松井稼の捉えたと思われた当たりは野手正面を突く中飛、走者を2塁に送り込むことができない。
3回表は1死から西田が四球を選んで1塁へ。打順が1番に帰って聖澤、藤田がいずれも左飛で凡退。ひきつけて逆方向を狙った意識の打撃で、やりたいことは分かるのだが、結果につながらない。
クリーンアップトリオの登場となった4回表は先頭の3番・岡島がハイバウンド攻撃で相手のエラーを誘って出塁(坂本の後逸をセカンド片岡がバックアップしたのは敵軍ながら好プレー。あれで岡島は2塁を狙うことができなかった)。しかし、AJ三ゴ(併殺崩れ)で1死後、嶋の打席時、フルカウント勝負の末、三振ゲッツーに。本戦試合開始前時点でフルカウント時の嶋の出塁率は実に.795。それだけに期待高まるシーンだったが、残念な結果に終わってしまう。
翌5回表は先頭・松井稼が左翼線へクリーンヒット。今季の楽天、6回終了時に負けている試合の成績は1勝26敗という散々なデータがあるため、ここらで同点に追いつきたいところだった。しかし、7番・ボウカーが4-6-3のゲッツーゴロ。内海の前に連打、連続出塁を作ることができず、打線がブツ切りにされ、出した走者を2塁に送り込むことができない。無死1塁で2度バント作戦が取りづらい外国人打者に打席がまわるという巡り合わせの悪さもあった。
ようやく楽天がスコアリングポジションに走者を送り込んだのは6回表のこと。2死から岡島、巧打AJの連打で作った2,1塁のチャンスだったが、嶋がセカンド正面のイージーゴロに倒れて凡退。
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そうこうするうちに、6回裏、巨人に2点目が入ってしまう。
1死後、坂本に右前安打を打ち返されると、この日2打席連続三振の4番・セペダにストレートのフォアボール。その後、阿部のセカンドゴロ時での藤田のプレーも拙かった。
詰まった打球は藤田の前方へ。捕ろうと思えば捕れるハーフライナーを故意に前でワンバンさせ4-6-3のゲッツーを狙おうというプレーだった。しかし、張り換えたばかりの東京ドームの人工芝。思った以上に打球が跳ねず、藤田がお手玉、一瞬、球を見失う事態になる。どうにか2塁封殺は取れたものの、2死3,1塁、バッターボックスに嫌な井端を迎えていた。
2-2から投じたインコース速球勝負を、ベテランらしい経験に裏打ちされた井端の打撃で、左翼線へ見事に打ち返されてしまう適時二塁打。(楽0-2巨)


2点を追うイーグルスは7回表、本戦絶好の得点機を迎えていた。エラー、ボウカーの詰まったポテンヒットで作った無死2,1塁、牧田は送りバント。しかし、打球が強めだったことと内海の好フィールディングに遭い、3塁封殺。前夜3号ソロを打った後続の西田は6-4-3の併殺打に倒れてしまう。
絶好のチャンスを拙攻で逃した直後の7回裏、辛島が4番・セペダに満塁本塁打を打たれてしまった。1死後、巨人打線の鮮やかなバスターエンドランが決まり、一走・中井の二盗で1死3,2塁、片岡凡退後の2死、3番・坂本を敬遠して満塁でセペダ勝負というシーンだった。2-2後、嶋がマウンドに行って意思疎通を取った直後の痛すぎる被弾で、勝負あり。(楽0-6巨)
楽天は今季6度目の零敗、またしても連勝を逃すと、チーム成績は49試合20勝29敗、借金は三度今季最多タイの9に。
順位は5位変わらず。ゲーム差は1位・オリックスと11.5、2位・ソフトバンクと9.5、3位で並ぶロッテ、日本ハムと4.5、6位・西武と2.0としている5月月間成績は8勝13敗、星野監督休養後1勝2敗、交流戦成績は3勝5敗で10の推移となった。
相手7番・一塁でボウカースタメンには驚いてしまった。本戦試合開始前時点でNPB復帰後のボウカーは左投手からまだ1本もヒットを打っていなかった。12打席バッターボックスに立ち、10打数ノーヒット1併殺打3三振2四球。MLB時代からサウスポーを苦手にしており、その傾向はここまで変わらずだった。
本戦では2回2死1塁で一ゴ、5回無死1塁で4-6-3の併殺打、7回無死1塁の第3打席には左安を記録したものの、討ち取られたフライがポテンするテキサスヒットだった。
ここは7番・一塁でボウカーではなく右の中川を使って欲しかったところ。中川は25日にブラックリー、阿部と共に1軍に合流してきたが、いまだに出場の機会に恵まれていなかった。
ボウカー起用は狭い東京ドームで一発も期待してのことかと思われる。しかし、内海は過去2年左打者に浴びたホームランは僅かに1本だけ。今季も打たれていなかったことを考えると、ボウカー先発起用はどうだったのかなあ?と思わざるをえない。
嶋の中軸起用も再考の余地ありそうだ。3番に起用されたとき、周囲に荷が重すぎることをボヤいていたという嶋。ハマれば大きいが、ハズれると本戦のように、打の影響がリードへとつながってしまいかねない。
両軍のスタメン
楽天=1番・聖澤(中)、2番・藤田(二)、3番・岡島(右)、4番・ジョーンズ(指)、5番・嶋(捕)、6番・松井稼(三)、7番・ボウカー(一)、8番・牧田(左)、9番・西田(遊)、先発・辛島(左投)
巨人=1番・中井(左)、2番・片岡(二)、3番・坂本(遊)、4番・セペダ(指)、5番・阿部(捕)、6番・井端(一)、7番・村田(三)、8番・長野(右)、9番・松本哲(中)、先発・内海(左投)

7回、打者32人、112球(1回当たり16.00)、被安打9、被本塁打2、奪三振5、与四球3(敬遠1含む)、失点6、自責点6。
初球32球・・・ストレート13、スライダー/カット7、チェンジアップ7、カーブ5
2ストライク以降22球・・・速球11、スライダー2、チェンジアップ8、カーブ
ここまで白星がなかった敵軍左腕・内海登板時の援護点も酷すぎるものだったが、辛島も同様。好投すれども援護点が少なく、本戦終了時データで辛島先発時の1試合平均得点は僅かに2.9点。ここには12点取って爆勝した5/11ロッテ戦も含まれているので、実際のところ1.89点と言うべきだろう。これでは、いくら好投しても白星にはつながらない。
本戦も6回まで2失点のクオリティスタートの内容を見せた。3回はうるさ型の片岡に出塁を許したが、自らの1塁牽制球で片岡を刺すなど、素晴らしいフィールディングも見せた。今季はソフトバンク本多も1塁牽制で刺すなど、走者へのケアが改善傾向にある。
しかし、本戦も援護に恵まれなかった。前述のとおり、先頭打者を出塁させても二進すらままならない味方の拙攻に、遂に辛島が力尽きるかたちになるという気の毒なかたちになった。
同情の余地ありとはいえ、一方で課題がなかったというわけではない。
ツメの甘さが露呈するピッチングが目立つ、そんなシーンが多かった。
というのは、追い込んでから打たれるケースが多かったこと。2ストライク以降の被打率は14打数4安打、5三振、1二塁打、1本塁打、実に.286を記録していた。特に追い込んでからの速球で4本のヒットを打たれていた。
特に6回裏井端に打ち返された左翼線タイムリー二塁打、7回満塁策でセペダに浴びた満塁弾。いずれも結果球はインコースを狙った速球勝負だった。セペダの結果球は内角に投げ切ることができずに真中近辺に入ってしまったもの。この打席の初球も内角を狙った速球が真中へ入り、セペダはバックネット裏を突き刺すファウルを打っており、タイミングは合っていた。明らかな配球ミスと言えた。
井端のシーンは直前にインコース低めの真っすぐで見逃しストライクを取って2-2と追い込んでいた。恐らく井端が想定していなかった2ストライク目だったが、これで味をしめたのか、同様の球を続けてしまったのが、アダとなった。追い込まれるまで狙い球を絞っていたという井端は2ストライクと取られた後、狙い球を変えたという。同じコースに2球続けて、しかも速球勝負を見逃してくれるはずもない経験豊富な巧打者だったことを、バッテリーは失念していたようだ。
いずれの場面も変化球勝負を選択すべきだった。セペダの結果球はバッテリー話し合った末の結果なので、ぐうの音も出ない。本戦の辛島、追い込んでからの変化球は7打数ノーヒット3三振、4本の凡打は全てイージーな内野ゴロだったことを考えると、あの場面は変化球を選択して欲しかった。


7回、打者27人、106球(1回当たり15.14)、被安打4、被本塁打0、奪三振4、与四球3、失点0。
内海の鷲キラーぶりは健在。ストライク先行を許し(特に左打者が初球ストライクを容易に取られてしまうケースが多かった)、ゴロを打たされる結果に(ゴロ率65.0%)。4、5、7回と3度の併殺劇に見舞われるなど、打線がつながらない。
巨人打線が辛島のストライクゾーン真中球に対し9打数4安打の戦果を挙げた一方、楽天は4打数1安打、空振り3回、ストライク寄与ファウル3本と相手の失投を仕留めることもままならなかった。
■本戦試合前時点での内海哲也 楽天戦投手成績

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日本シリーズ以来の辛島vs内海の再戦
2013年10月31日、東京ドーム──。5回無失点。打たれたヒットは僅かに1本。初Vに王手をかける延長戦劇的勝利の下地を作るゲームメイクをした。「いいピッチングをしましたね」。試合後の勝利監督インタビューで星野監督自らが辛島の好投をねぎらったあの日から約7ヵ月。辛島航がビッグエッグのマウンドに、内海哲也との再戦に、4/19以来のチームの連勝をかけて臨んだ。
両左腕の投げ合いは中盤までロースコアの投手戦へ。
2回裏、辛島が村田に先制ソロを被弾し1点を許したものの、5回まで1失点にまとめる好投。一方、楽天打線は7回まで投げた内海相手に初回こそ三者凡退に倒れたとはいえ、2回以降は毎回走者を出塁する攻撃を見せていた。
しかし、拙攻に次ぐ拙攻。2回、4回、5回はいずれも先頭打者が、3回は1死から出塁に成功したが、2塁を踏むことができない。
2回表は先頭AJが四球、しかし5番・嶋がスリーバント失敗、後続・松井稼の捉えたと思われた当たりは野手正面を突く中飛、走者を2塁に送り込むことができない。
3回表は1死から西田が四球を選んで1塁へ。打順が1番に帰って聖澤、藤田がいずれも左飛で凡退。ひきつけて逆方向を狙った意識の打撃で、やりたいことは分かるのだが、結果につながらない。
クリーンアップトリオの登場となった4回表は先頭の3番・岡島がハイバウンド攻撃で相手のエラーを誘って出塁(坂本の後逸をセカンド片岡がバックアップしたのは敵軍ながら好プレー。あれで岡島は2塁を狙うことができなかった)。しかし、AJ三ゴ(併殺崩れ)で1死後、嶋の打席時、フルカウント勝負の末、三振ゲッツーに。本戦試合開始前時点でフルカウント時の嶋の出塁率は実に.795。それだけに期待高まるシーンだったが、残念な結果に終わってしまう。
翌5回表は先頭・松井稼が左翼線へクリーンヒット。今季の楽天、6回終了時に負けている試合の成績は1勝26敗という散々なデータがあるため、ここらで同点に追いつきたいところだった。しかし、7番・ボウカーが4-6-3のゲッツーゴロ。内海の前に連打、連続出塁を作ることができず、打線がブツ切りにされ、出した走者を2塁に送り込むことができない。無死1塁で2度バント作戦が取りづらい外国人打者に打席がまわるという巡り合わせの悪さもあった。
ようやく楽天がスコアリングポジションに走者を送り込んだのは6回表のこと。2死から岡島、巧打AJの連打で作った2,1塁のチャンスだったが、嶋がセカンド正面のイージーゴロに倒れて凡退。
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藤田のプレーも拙かった
そうこうするうちに、6回裏、巨人に2点目が入ってしまう。
1死後、坂本に右前安打を打ち返されると、この日2打席連続三振の4番・セペダにストレートのフォアボール。その後、阿部のセカンドゴロ時での藤田のプレーも拙かった。
詰まった打球は藤田の前方へ。捕ろうと思えば捕れるハーフライナーを故意に前でワンバンさせ4-6-3のゲッツーを狙おうというプレーだった。しかし、張り換えたばかりの東京ドームの人工芝。思った以上に打球が跳ねず、藤田がお手玉、一瞬、球を見失う事態になる。どうにか2塁封殺は取れたものの、2死3,1塁、バッターボックスに嫌な井端を迎えていた。
2-2から投じたインコース速球勝負を、ベテランらしい経験に裏打ちされた井端の打撃で、左翼線へ見事に打ち返されてしまう適時二塁打。(楽0-2巨)


絶好の得点機を逃した直後、セペダに満塁弾を浴びる...
2点を追うイーグルスは7回表、本戦絶好の得点機を迎えていた。エラー、ボウカーの詰まったポテンヒットで作った無死2,1塁、牧田は送りバント。しかし、打球が強めだったことと内海の好フィールディングに遭い、3塁封殺。前夜3号ソロを打った後続の西田は6-4-3の併殺打に倒れてしまう。
絶好のチャンスを拙攻で逃した直後の7回裏、辛島が4番・セペダに満塁本塁打を打たれてしまった。1死後、巨人打線の鮮やかなバスターエンドランが決まり、一走・中井の二盗で1死3,2塁、片岡凡退後の2死、3番・坂本を敬遠して満塁でセペダ勝負というシーンだった。2-2後、嶋がマウンドに行って意思疎通を取った直後の痛すぎる被弾で、勝負あり。(楽0-6巨)
楽天は今季6度目の零敗、またしても連勝を逃すと、チーム成績は49試合20勝29敗、借金は三度今季最多タイの9に。
順位は5位変わらず。ゲーム差は1位・オリックスと11.5、2位・ソフトバンクと9.5、3位で並ぶロッテ、日本ハムと4.5、6位・西武と2.0としている5月月間成績は8勝13敗、星野監督休養後1勝2敗、交流戦成績は3勝5敗で10の推移となった。
釈然としないボウカーのスタメン起用
相手7番・一塁でボウカースタメンには驚いてしまった。本戦試合開始前時点でNPB復帰後のボウカーは左投手からまだ1本もヒットを打っていなかった。12打席バッターボックスに立ち、10打数ノーヒット1併殺打3三振2四球。MLB時代からサウスポーを苦手にしており、その傾向はここまで変わらずだった。
本戦では2回2死1塁で一ゴ、5回無死1塁で4-6-3の併殺打、7回無死1塁の第3打席には左安を記録したものの、討ち取られたフライがポテンするテキサスヒットだった。
ここは7番・一塁でボウカーではなく右の中川を使って欲しかったところ。中川は25日にブラックリー、阿部と共に1軍に合流してきたが、いまだに出場の機会に恵まれていなかった。
ボウカー起用は狭い東京ドームで一発も期待してのことかと思われる。しかし、内海は過去2年左打者に浴びたホームランは僅かに1本だけ。今季も打たれていなかったことを考えると、ボウカー先発起用はどうだったのかなあ?と思わざるをえない。
嶋の中軸起用も再考の余地ありそうだ。3番に起用されたとき、周囲に荷が重すぎることをボヤいていたという嶋。ハマれば大きいが、ハズれると本戦のように、打の影響がリードへとつながってしまいかねない。
両軍のスタメン
楽天=1番・聖澤(中)、2番・藤田(二)、3番・岡島(右)、4番・ジョーンズ(指)、5番・嶋(捕)、6番・松井稼(三)、7番・ボウカー(一)、8番・牧田(左)、9番・西田(遊)、先発・辛島(左投)
巨人=1番・中井(左)、2番・片岡(二)、3番・坂本(遊)、4番・セペダ(指)、5番・阿部(捕)、6番・井端(一)、7番・村田(三)、8番・長野(右)、9番・松本哲(中)、先発・内海(左投)

辛島6敗目はツメの甘さが露呈
7回、打者32人、112球(1回当たり16.00)、被安打9、被本塁打2、奪三振5、与四球3(敬遠1含む)、失点6、自責点6。
初球32球・・・ストレート13、スライダー/カット7、チェンジアップ7、カーブ5
2ストライク以降22球・・・速球11、スライダー2、チェンジアップ8、カーブ
ここまで白星がなかった敵軍左腕・内海登板時の援護点も酷すぎるものだったが、辛島も同様。好投すれども援護点が少なく、本戦終了時データで辛島先発時の1試合平均得点は僅かに2.9点。ここには12点取って爆勝した5/11ロッテ戦も含まれているので、実際のところ1.89点と言うべきだろう。これでは、いくら好投しても白星にはつながらない。
本戦も6回まで2失点のクオリティスタートの内容を見せた。3回はうるさ型の片岡に出塁を許したが、自らの1塁牽制球で片岡を刺すなど、素晴らしいフィールディングも見せた。今季はソフトバンク本多も1塁牽制で刺すなど、走者へのケアが改善傾向にある。
しかし、本戦も援護に恵まれなかった。前述のとおり、先頭打者を出塁させても二進すらままならない味方の拙攻に、遂に辛島が力尽きるかたちになるという気の毒なかたちになった。
同情の余地ありとはいえ、一方で課題がなかったというわけではない。
ツメの甘さが露呈するピッチングが目立つ、そんなシーンが多かった。
というのは、追い込んでから打たれるケースが多かったこと。2ストライク以降の被打率は14打数4安打、5三振、1二塁打、1本塁打、実に.286を記録していた。特に追い込んでからの速球で4本のヒットを打たれていた。
特に6回裏井端に打ち返された左翼線タイムリー二塁打、7回満塁策でセペダに浴びた満塁弾。いずれも結果球はインコースを狙った速球勝負だった。セペダの結果球は内角に投げ切ることができずに真中近辺に入ってしまったもの。この打席の初球も内角を狙った速球が真中へ入り、セペダはバックネット裏を突き刺すファウルを打っており、タイミングは合っていた。明らかな配球ミスと言えた。
井端のシーンは直前にインコース低めの真っすぐで見逃しストライクを取って2-2と追い込んでいた。恐らく井端が想定していなかった2ストライク目だったが、これで味をしめたのか、同様の球を続けてしまったのが、アダとなった。追い込まれるまで狙い球を絞っていたという井端は2ストライクと取られた後、狙い球を変えたという。同じコースに2球続けて、しかも速球勝負を見逃してくれるはずもない経験豊富な巧打者だったことを、バッテリーは失念していたようだ。
いずれの場面も変化球勝負を選択すべきだった。セペダの結果球はバッテリー話し合った末の結果なので、ぐうの音も出ない。本戦の辛島、追い込んでからの変化球は7打数ノーヒット3三振、4本の凡打は全てイージーな内野ゴロだったことを考えると、あの場面は変化球を選択して欲しかった。


内海、10試合目にして今季初勝利
7回、打者27人、106球(1回当たり15.14)、被安打4、被本塁打0、奪三振4、与四球3、失点0。
内海の鷲キラーぶりは健在。ストライク先行を許し(特に左打者が初球ストライクを容易に取られてしまうケースが多かった)、ゴロを打たされる結果に(ゴロ率65.0%)。4、5、7回と3度の併殺劇に見舞われるなど、打線がつながらない。
巨人打線が辛島のストライクゾーン真中球に対し9打数4安打の戦果を挙げた一方、楽天は4打数1安打、空振り3回、ストライク寄与ファウル3本と相手の失投を仕留めることもままならなかった。
■本戦試合前時点での内海哲也 楽天戦投手成績

◎◎◎関連記事◎◎◎
《昨年日本シリーズでの辛島航vs内海哲也の投げ合い》
・【試合評】魂の3時間49分。今年の野球界の主役は俺たち楽天まであと1勝!!──2013年10月31日(木) ○楽天イーグルス4-2巨人
《直近2試合の試合評》
・【試合評】ボブ川井粘投も、今月2度目三連投・福山博之、力尽く・・・~2014年5月26日(月)●楽天イーグルス1-4ヤクルト
・【試合評】則本昂大至福の110球。田中将大ですら達成しえなかった2戦連続完封勝利~2014年5月28日(水)○楽天イーグルス4-0巨人
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《当ブログのコメントルール》御感想のある方は下記コメント欄でどうぞ。ただし、感情に流された御意見・誹謗・中傷・悪意の類、プロ野球や楽天と関係のないもの、名無しや通りすがりなどハンドルネームがいい加減と私が判断したものは、内容に関わらず、御遠慮申し上げております。頂いても削除の対象となります。なお、管理人の都合により、返信が遅れる場合、またはできない場合がございます。
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