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【記録】2013年パリーグ。攻撃側のバント作戦を最も封じたチームはどこか?! 球団別の許した犠打企図数、犠打阻止率を調査した

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不満に思うNPBオフィシャルサイトの記録面



NPBオフィシャルサイトの記録については不満に思うところが多々あって、当ブログでは何度もボヤいてきた。

例えば、守備イニングだ。各選手の守備成績に試合数の明記はあるものの、守備イニングの記載がない。同じ50試合出場でも、スタメンで50試合と途中出場で50試合では全く意味合いが異なってくる。

盗塁も挙げられる。もっぱら打撃成績として管理されているが、守備側の成績として紐付けして公開することも可能のはずだ。しかし、一向にその気配がない。併殺打も同様。打者側の記録として出てくるものの、ゲッツーを打たせた投手側、処理した守備側の記録としては出てこない。

特に、盗塁や併殺打といった記録は、打者側から見たときと、守備側から見たときではまるで景色が変わってくることがある。その選手、チームの実像をより正しく把握するためにも、常々、複眼で見る必要があると思っている。

今回、取り上げる犠打も同様である。

■2013年 パリーグ チーム別 犠打数 犠打成功率
※犠打成功率は『季刊ベースボール・タイムズVol.18』より
20140131DATA3.jpg

犠打も守備側と紐付けして眺めてみることが重要では?!



攻撃側の犠打数はNPBオフィシャルサイトを始め、YAHOOプロ野球などでも普通に公開されているスタッツだ。犠打成功率も一部雑誌の年間総集号をめくれば、記載されている。

※余談だが『季刊ベースボール・タイムズVol.18』に記載されている犠打成功率は、打席結果の犠打と犠打失敗数で算出したものだろう。例えば2度バントファウルになってしまい追い込まれたがために、作戦がバントからヒッティングに変わったものは含まれていないはずだ。

しかし、守備側の数字は一向に出てこない。攻撃時に犠打を多用してくるチームや、昨年の楽天のようにあまり用いなチームがあったりするのと同じく、守備側でみたときに、犠打を多用されてしまうチーム、犠打を簡単には許さないチームもあるのではないだろうか?

という疑問が生じた。

ということで、今回、調べてみました。

ここ10日間近く目を皿のようにして、パリーグ各球団オフィシャルサイトに掲載されている全試合ボックススコアをチェックするという膨大な作業を試みた。なにぶん人力のため、どこかで集計漏れが生じているケースは否定できないし、二重チェックする時間的猶予も気力もなかった。あらかじめ御了承頂きたい。

(下記へ続く)

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■2013年 パリーグ チーム別 許した犠打企図数
20140131DATA4.jpg

攻撃側にバント作戦をさせなかった楽天。最多企図を許した日本ハム



まずは、犠打企図数を守備側チームと紐付けしてみた。

ここでいう犠打企図数とは、バントをしにいって打席結果が犠打、バント安打、バント三振、犠打野選、犠打失策になった合計数を指している。

狭義での犠打とは塁上に走者がいるときに実施されるバント作戦のはずだが、ここでは広義に捉え、走者なしでバントヒットを狙った打席結果も対象としている。

昨年、パリーグで相手側のバント作戦を最も許したのは最下位に沈んだ日本ハムになった。1試合(9イニング)当たり平均して.122回の企図を許している。

最もバント作戦を採らせなかったのは初Vを飾った楽天になった。1試合当たり0.93回の頻度である。

楽天の場合、正しく言えば、バント作戦をさせなかったというより、相手がバント作戦を試みるシチュエーションそのものが他球団と比べた時に少なかったと言えるのかもしれない。

御存じのように昨年の楽天は2位・西武に実に7.5ゲーム差の大差をつけて82勝59敗3分で優勝した。勝ち試合が多かった=楽天リードしている展開が多かった、相手側が追いかける状況が多かったとも考えられる。御存じのように、アウト1個を相手に渡すことが多いバント作戦の場合、リスク面から、点差が大きくなれば大きくなるほど実施されないケースが多い。楽天が許した犠打企図数が少ないのは、そういった理由も大きいのだろう。

ボックススコア打席結果の説明をしてみたよ



ここでパリーグ各球団オフィシャルサイトに記載があるボックススコアのバント関連打席結果を説明したい。

投犠、捕犠、一犠、三犠・・・バント (中にはスクイズも含まれる)
投犠選、捕犠選、一犠選など・・・フィルダースチョイス。本稿では守備側のミスとして取り扱う。
投犠失、一犠失など・・・本来なら犠打になっていたものを守備側がエラーをしてしまったもの
投バ失、一バ失、捕バ失、三バ失・・・本来ならバント失敗の凡打になっていたはずの当たりを守備側がエラーしたもの
投バ安、捕バ安、三バ安など・・・バントヒット
投バゴ、捕バゴなど・・・バントしにいった当たりがゴロ凡打になったもの
投バ併、捕バ併など・・・バントしにいった当たりがゴロになり併殺打になったもの
投バ飛、捕バ邪飛など・・・バントしにいった当たりがフライ凡打になったもの
バ三振・・・スリーバント失敗

それでは、次にチーム別の犠打阻止率をチェックしてみよう。


■2013年 パリーグ チーム別 犠打阻止率
20140131DATA5.jpg

犠打阻止率トップは西武、ワーストはロッテ



犠打阻止数は、バントしにいって凡打になったもの(「投バゴ」「一バゴ」「投バ併」「捕バ邪飛」など)とスリーバント失敗に当たる「バ三振」の合計値である。

その犠打阻止率を犠打企図数で割ったのが、犠打阻止率として表している。

この表によると、犠打阻止率が高かったチームは、犠打企図を多く許した西武、日本ハムの2チーム。

犠打阻止率ワーストの12.3%を記録したのは、西武、日本ハムに次いで多くの犠打企図を許したロッテだったこと。

楽天の犠打阻止率は14.2%で、リーグ平均17.3%と下まわってしまったこと、などが読み取れる。

しかし、これだと、どうも片手落ちの気がしてしまう。というのは、犠打阻止数は相手側がバントしにいった打球をアウト処理できたものだけをみているからだ。バントしにいった打球を処理しにいった守備側がエラーをしてしまったり、フィルダースチョイスでアウトが取れずに傷口を広げてしまったり、バントヒットを許してしまったりしたケースは考慮されていない。

そこで、そういったケースも考慮した「犠打阻止点」なる指標を便宜上、考えてみた。

(下記に続く)

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■2013年 パリーグ チーム別 犠打阻止点
20140131DATA8.jpg

犠打阻止率トップは楽天、ワーストはロッテ



犠打阻止点の計算式は下記になる。この数値が少なければ少ないほど優れていることを示す。多ければ多いほどかんばしくないということになる。

犠打阻止点=犠打-(三振+凡打+併殺×2)+(安打×2+失策/野選×2)

バント安打や失策野選は傷口を広げる結果のため、2倍にしている。一方、投バ併など併殺はアウト2個を取ることができているため、こちらも2倍にした。それぞれに比重をかけて、犠打数から引いたり足したりして算出した、とてもシンプルなものになる。

犠打阻止点でみるリーグトップは楽天の107だった。

これは前述したとおり、楽天守備時の相手側の犠打企図数がそもそも少なかったことが大きく影響している。また、昨年リーグ最少の失策だったことが表すように、ここでも失策/野選というミスが少なかったことも大きいだろう。

楽天守備陣が凡打として処理した19個のバント打球を細かく確認してみよう。下記表参照。処理したポジション別の内訳を出してみた。

投手、主に銀次が担った一塁、マギーが担当した三塁の処理数が他球団と比べて少ない傾向であることが確認できる。捕手の嶋基宏のプレート周り守備力、特にホームプレート周辺に転がったゴロに対して「強さ」を発揮していたのは、先日確認したとおりだ。サードとファーストがバント処理にもっと積極的であれば、達者だったら、もっとアウトを取ることができたはずで、もったいないと言える。


◎参照エントリー>>データで確認する、楽天・嶋基宏のリーグ屈指を誇るプレート周り守備力


次に優秀な数値を残したのは、西武(114)と日本ハム(110)になる。こちらはいずれも犠打企図されるケースが多かったチームである。

西武の場合、バント併殺打の数が5個と多いのが特徴だ。また下記表でも明らかなように投手陣がバントを凡打処理しているケースがリーグ最多になっている。

日本ハムの場合、攻撃側のバント作戦を凡打処理するケースが34個とリーグ最多を示していた。どのポジションが処理したか?詳細を下記表で確認すると、捕手が19で最多になっていた。もっと突っ込んで確認すると、665イニングでマスクを被った鶴岡の7個に対し、553.1回を担った大野が12個。鶴岡より大野のほうがプレート周りの守備力は高かったと言えそうだ。

犠打阻止点でワーストを記録したのは、ロッテになった。

相手側から奪ったスリーバント失敗、バント三振数は4個とリーグ最多だったが、いかんせん、凡打処理が圧倒的に少ない。内訳をみると、捕手、投手、三塁の処理数が少ないのが一目瞭然である。ロッテは他球団と比べた時に、投手やサードのチャージが甘いなど、バントシフトになんらかの課題を抱えているのかもしれない。

諸々のことが今回の調査で、ざっくりながらも、おおざっぱながらも、浮かび上がってくる。

以上、駆け足になってしまったが、ひとまずの報告を終わりにしたい。


■2013年 パリーグ 守備側チームのバント凡打内訳
※凡打にはバ三振は含まず。
20140131DATA7.jpg

◎◎◎関連記事◎◎◎
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