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【試合評】楽天・田中将大、226イニングを投げて防御率0点台へ突入──2013年8月23日(金) ○楽天イーグルス5-0ロッテ

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運命の1球と絶妙バックドア



田中将大、開幕18連勝、通算22連勝へ向けての船出は、予想外にタフなものになった。

1回表の田中は、いつもはコースに厳しく決まる高い制球力が影を潜めた。高めに抜けたり、横に逸れたり、ばらつくケースが多かったのだ。ロッテ打線は18得点という前夜の勢いを駆って、序盤は集中していたように感じる。

1番・岡田に追い込んでからの高め失投を左翼線へ弾き返され、岡田は悠々2塁へ。いきなりの無死2塁のピンチに直面する。根元進塁打の後、3番・井口にはインコースを突いた速球が制球効かず、デッドボール。1死3,1塁と傷口を広げてしまった。その後、今江を辛くもスプリットで三振に取ったが球数を要し、角中にはボール先行3-1からフォアボール。2死満塁で6番・サブローを迎えていた。

ロッテを代表するベテラン好打者との対戦も、ボール先行から始まる苦しいピッチングを余儀なくされた。1-0から2-1、2-2、3-2とボール先行が続く。ラスト6球目、低めを狙ったスプリットが高めに抜けてしまったものの、僥倖にも救われた。サブローがボールと判断した142キロが高めからストライクゾーンに際どく入って、球審がストライクの判定。29球を費やしながら、どうにかゼロでスタートしていた。

終わってみれば、サブローへの結果球が、彼我の明暗を分けた運命の1球だったと言えそうだ。

ロッテ・伊東監督は、昨年田中との対戦成績で13打数5安打1本塁打の.385と打っていたベテランを、7/13日本ハム戦以来のスタメンで起用したものの、見三振、見三振、捕邪飛。軍配は完全に田中に上がったのだった。

2回、3回、4回、走者の出塁を許しながら、苦労しながらも2塁を踏ませず、ゼロに抑えていく。3回は先頭・根元のなんでもない正面ゴロを銀次がまさかのファンブル。エラーで無死1塁、ロッテの中軸を迎える場面になったが、井口を空振り三振、今江は見逃し三振、角中は左飛。見事に凡退させ、ゼロでしのいだ。

特に今江への結果球は、惚れ惚れする投球だった。針の穴を通すかのようなコントロールで、外角ボールゾーンからバックドアでストライクゾーンのアウトコース低めいっぱいへ入ってきた148キロ速球。今江もただただ苦笑するしかない圧巻の三振劇になった。

2回以降、田中は徐々に落ち着きを取り戻し、いつもの田中に戻っていく。

1番・岡田から始まる5回表ロッテの攻撃、田中はようやくこの試合初の三者凡退イニングを作ることに成功。先制点が入ったのはその直後、5回裏、味方の攻撃だった。

ロッテ先発は則本と新人王を争う西野勇士。8/9日本ハム戦の登板を最後に右肩痛で戦列を離脱していた今季売り出し中の右腕が中13日で登板。相当飛ばして入った西野の前に、イヌワシ打線は序盤3回を完璧に封じられてしまう。4回ようやく2四球で得点圏を作ったものの、MJ砲が低めの変化球に揃って空振り三振。田中を援護できずにいた。

序盤4回までは0-0ながらも、田中劣勢、西野優勢という状況だっただけに、5回裏の先制点は大きなものになった。

ちょうどこの回から、西野の球が高めに上ずるケースが増えていく。その綻びを突いたのが枡田だった。先頭打者として中前に痛烈なクリーンヒットを弾き返し、切り込んでいく。松井も続いてセンター後方へ快飛球。フェンスぎりぎりで岡田のグラブに収まるかたちになったものの、この飛球で枡田が2塁へタッチアップの好走塁。嶋も続いて三遊間を破る左前安打で3,1塁、バッターボックスには島内を迎えていた。

8/15以降18打数2安打と調子下降気味の背番号35が集中力をみせていく。2-2と追い込まれながらもラスト5球、外角低めフォークボールに身体を泳がせながらも巧く拾った打球はセンターへの飛球に。犠牲フライにはぎりぎりの飛距離までなんとか飛ばし、3塁から枡田がタッチアップホームイン。貴重な1点をもぎ取ることに成功した。(楽1-0ロ)

プロ最速156キロ



島内の執念で1点を先制してもらった田中は、その直後6回表、2本の短長打で2死3,2塁のピンチを迎えていた。伊東監督が勝負札を切ってくる。バッターボックスは金澤に代わってピンチヒッター、福浦和也が告げられる。昨年田中から7打数2安打を記録したベテランを迎えたところで、田中将大が一気にリミッターをはずしていく。

初球153キロで空振り、2球153キロでボール、3球144キロスプリットで空振り、1-2と追い込んでからのラスト第4球だった。アウコトース高めにプロ最速の156キロ剛速球が決まっていく。ベテラン打者のバットは完全に振り遅れての空振り三振。思わず福浦も「気持ちと体のバランスがあったいい球だった」と認めざるをえない圧巻のシーンになった。

田中が力技で福浦をねじ伏せた直後、6回裏、味方の攻撃。楽天の中軸が西野攻略に成功する。

1死後、銀次が0-2と追い込まれながらも西野の勝負球フォークボールにくらいつき、中前安打で出塁に成功。1死1塁でMJ砲をバッターボックスに迎えていた。

初回、好機で連続三振に倒れたそのリベンジを果たす絶好機がやってくる。

ジョーンズの当たりは、誰もいない左翼線へ痛烈に弾き返されたラインドライヴを描き、悠々のツーベース。1死3,2塁、マギーが西野の高め失投を完璧に料理する。左中間へ打ち返した打球はその後、外野の間を転々としフェンスまで到達、本塁に銀次、ジョーンズが楽々帰ってくる。2塁に到達したマギーを本塁に呼びこんだのは、枡田のお仕事である。ボール先行3-1から高め変化球を捉え、ライトの左へ矢のようなヒット。マギーが3塁を蹴って悠々ホームを駆け抜けた。楽天はこの回、一気に3得点。田中への援護点を4点とした。(楽4-0ロ)

楽天は翌7回にも1点を追加した。三番手・レデズマから1番・岡島がデッドボールで出塁、バントで送って銀次がつなぎ、ジョーンズがタイムリー。前夜18得点で西武を叩きのめして仙台に乗り込んできたロッテ勢に、トドメを刺す1得点。いよいよリードは5点差まで広げることに成功した。

先発・田中は7回116球無失点でお仕事終了。8回は斎藤が三者凡退で締め、9回は金刃が残りのアウト3個を取り、ゲームセット。

エースの粘投でイーグルスは連敗を5でストップさせ、さあここから仕切り直し!という勝利を飾っている。

これでチーム成績は107試合61勝45敗の1位。貯金を16へと戻し、ゲーム差は2位・ロッテと3.5、3位・ソフトバンクと6.5、4位・西武と7.0としている。なお、各種戦績は下記のとおり。

直近10試合=3勝7敗
リーグ戦=83試合46勝36敗1分
後半戦=25試合14勝10敗1分
8月=18試合9勝9敗
ロッテ戦=17試合10勝7敗 (Kスタ8勝1敗)
カード初戦=43試合29勝13敗
Kスタ=49試合29勝20敗
ナイトゲーム=75試合42勝32敗1分

両軍のスターティングラインアップ

ロッテ=1番・岡田(中)、2番・根元(二)、3番・井口(一)、4番・今江(三)、5番・角中(右)、6番・サブロー(指)、7番・鈴木(遊)、8番・荻野貴(左)、9番・金澤(捕)、先発・西野(右投)

楽天=1番・岡島(右)、2番・藤田(二)、3番・銀次(一)、4番・ジョーンズ(指)、5番・マギー(三)、6番・枡田(左)、7番・松井(遊)、8番・嶋(捕)、9番・島内(中)、先発・田中(右投)


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◎8/5発行Vol.001:相手打者との対戦結果から探る、田中将大その進化の理由
◎8/12発行Vol.002:データから探る楽天・銀次覚醒3つの理由とは?
◎8/19発行Vol.003:絶好調の枡田慎太郎、好活躍確信の中にも気になる懸念材料とは?
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■田中将大登板試合における主な打者の打撃成績
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田中登板試合で打ちまくるマギー、銀次、嶋の存在



MJ砲と、その両脇を固める8年目の生え抜きが揃って活躍をみせ、女房役・嶋も2安打。理想点な点の取り方となった。

これで田中登板試合のチーム得点合計は113点。1試合平均5.38とよく点を取っているのだ。最低2点に終わったのは6/3中日戦の1試合だけ。3点が3試合、4点が3試合、5点以上が13試合と打線が爆発しているのが良く分かるのだ。

それでは、誰が打っているのだろう? 中継では島村俊治アナが銀次が良く打っていることを紹介していた。他には誰がいるのだろう?ということで、この試合のスタメンメンバーの田中登板試合における打撃成績を上記表にまとめてみた。

OPSでは最高値を記録したのはマギー。1.119という驚きの数字で、72打数24安打の打率.333、長打も7二塁打、6本塁打と多く飛び出している。

打率で言えば.424のハイアベレージの銀次がトップだ。OPSでも1割越え。66打数28安打と快音が止まらない。枡田もすこぶる上々だ。

注目したいのは女房役の嶋である。田中登板試合に上げた打点は、上記表中、マギーの22打点に続いて多い18打点である。4/2オリックス戦では放ったヒット3本が全てタイムリーになった。6/3中日戦、7/26ロッテ戦、今季放った2本のサヨナラ打はいずれも田中の試合だった。4/9日本ハム戦では先制3ランをぶっ放し、田中を援護した。6/25西武戦では満塁機に走者一掃打を放ち、2安打3打点の槍働きをみせた。

今季の田中の快記録には、やはり、嶋基宏の存在は欠かせない。もし嶋以外の捕手がスタメンマスクをかぶっていたなら、攻守両面でこれほどの活躍はできただろうか?と思うのだ。

貴重な一打となったAJの左翼線ツーベース



前夜1試合4安打の槍働きをみせたAJは、今日も2安打1得点1打点の好活躍。チームの勝利に貢献した。打撃復調の真価が問われるのはこのロッテ3連戦であり、このカードが終わった後、その成果を確認してみたい。

しかし、AJは動きが良くなっているように感じるのだ。というのは、6回に西野から放った左翼線ツーベース。1-2と追い込まれてからストライクゾーンのインコース低め、膝元のストレートを弾き返した当たりだったのだが、あのコースはAJの苦手コースである。

ここまで相手投手はストライクゾーン内角低めに合計63球を投じてきている。そのうち打席結果が出たのは12打席。12打数9三振という内訳だった。63球中、見逃しストライクは43球。率にして68.3%を見逃す、最大の見逃しゾーンだった。そこへ投じられた速球を今夜弾き返し、このゾーンで初のヒットを記録したという訳になるのだ。AJの快進撃がここから始まるのかもしれない。

■楽天 田中将大 球種別 投球詳細
※訂正=与四球、正しくは1です。
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7回、打者30人、116球(1回当たり16.57、1人当たり3.87)、被安打6、被本塁打0、奪三振8、与四死球(四1死1)、失点0、自責点0。

《初球30球》
右打者9球=ツーシーム4、スライダー4、スプリット1
左打者21球=ストレート5、ツーシーム3、スライダー5、カットボール3、スプリット2、カーブ3

《2ストライク以降33球》
右打者7球=ストレート5、スプリット2
左打者26球=ストレート11、ツーシーム1、スライダー4、スプリット9、カーブ1

田中将大、防御率0点台へ突入



初回29球を費やし、2回も19球、3回も17球と球数過多気味だった田中。今夜最も心配したのはその球数の多さだった。もっと粘られていたら、その後の継投は2イニングではなく3イニングになっていた可能性は高い。後ろが投げるイニングが増えれば増えるほど、失点リスクは高まると言えるので、その点だけが懸念されたのだが、なんとか7回を116球投げ終えてくれた。

これで投手成績を21試合18勝0敗、防御率1.15としている。QS率は100%を堅くキープ、7回以上自責点2点以内のHQS率でも85.7%へとさらに数字を上げている。

夢の防御率0点台の可能性は?というと、これから25イニング連続自責点ゼロを記録してようやく0.99へ突入することになる。

しかし、起点を変えると、田中の防御率はこの試合で0点台に突入しているのだった。

ちょうど1年前、昨年8/26Kスタの日本ハム戦の勝利から始まった通算22連勝記録。この期間内の投手成績は226イニング投げて自責点25となり、防御率は今夜0.995575221・・・となった。四捨五入しなければ、0点台なのだ。いやはや、本当に凄いことである。この期間内、私は全ての試合、全ての投球を観戦してきたが、その幸せを今、改めて噛みしめている。


■田中将大 22連勝の軌跡


■ロッテ 西野勇士 球種別 投球詳細
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5回1/3、打者人23、92球(1回当たり17.25、1人当たり4.00)、被安打5、被本塁打0、奪三振6、与四球2、失点4、自責点4。

新人王を狙う則本をもサポートする西野攻略劇



序盤3回まで完全に牛耳られた好投・西野を、中盤に打ち崩した戦果は本当に大きい。やっぱり、島内の執念が翌回のクリーンアップ攻勢へとつながったと思うのだ。

今日もし、田中が初回に1、2点取られ、西野がそのまま7回当たりまでゼロピッチングが続いたとしたら、西野は誰にも止められなかった田中と投げ合って、二桁勝利に到達していたことになる。これは白星で11勝と先行する則本との新人王レースにも大きな影響を及ぼしていた可能性高いのだ。もし則本が白星先行してシーズンを終えたとしても、西野の1勝が物凄い価値を帯びてくるわけで、評価が2分される恐れがあった。それを阻止できた点においても、今夜の打線の活躍は、おみごとだった。


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