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ゴロ率は驚異の87.5%。マリナーズ岩隈久志、徹底した打球管理で今季10勝到達──7/26SEA8-2MIN

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お得意様ツインズ戦で今季10勝到達

いやはや、びっくりなのだが、オールスターを挟んでマリナーズは8連勝していた。(楽天戦、パリーグを追い掛けるのに手いっぱいで、ここのところマリナーズの動静を疎かにしていた)

エンゼルスに3タテをくらわしオールスターブレイクに突入したシアトルは、球宴明けの敵地アストロズ3連戦でもスイープ、インディアンズ戦でも勝ち越しを決め、連勝街道は遂に8へ。5月に喫した8連敗をここへきて取りかえす戦いぶりをみせ、遂にはエンゼルスを抜いてアリーグ西地区3位に浮上した。

しかし、ここへきて心配な知らせが舞い込む。指揮を採るウェッジ監督が軽度の脳卒中という診断を受け、チームを離れて自宅療養に入ったというのだ。指揮官の療養が発表された当日、連勝記録もストップ。1-10でインディアンズに大敗を喫していた。

岩隈久志の後半戦2登板目は、その翌日に当たる現地7/25の登板だった。本拠地にツインズを迎えての4ゲームシリーズの初戦である。

立ち上がりの1回は、明暗分けるかたちでスタートした。

1回表、2死後、岩隈は2本の内野安打でピンチを背負った。チームが今抱えている課題点、不安を残す内野守備が露呈するかたちとなった。3番・モアノーの当たりはサード前方へのボテボテ。まわりこんで処理したシーガーが一拍置いてから1塁送球。これがアダになったか間一髪でセーフになる。4番・ドーミットの当たりは強烈ながらもゴロ。セカンド正面へ。しかし、フランクリンがグラブに当てて弾いてしまった(後に記録は内野安打から失策に変更された)。一方、裏のマリナーズの攻撃は相手好守に阻まれた。ミラー、フランクリンの1、2番コンビが1,2塁間にヒット性の当たりを弾き返したものの、相手の堅い守備に遭い、凡退に倒れた。

2回表、岩隈にしては珍しくデッドボールを与える。内角を厳しく攻めた結果だった。その後は2者をゴロで討ち取る。

すると、その裏、マリナーズ打線が猛爆発。オールスター明け、ツインズのチームOPSは.607。これはアリーグ14位に沈む数字である。一方、マリナーズのそれは.700で同6位を記録していた。終わってみれば、この差が如実に出た試合になった。

先頭シーガーが低めを完璧にすくいあげ、右中間フェンス直撃弾。返球をかいくぐり一気に2塁まで進出すると、スモークの当たりは1,2塁間を突破。その後1死3,1塁で女房役ズニーノも続く。左前に弾き返し1点を先制。なおも快音は止まらない。アクリーが右前へ、ミラーがセンターオーバーのタイムリーを放ってさらに2点をあげると、仕上げはフランクリン。右中間席へ打球を叩き入れる3ラン。マリナーズはこの回打者10人の猛攻、7本の長短打を集めて6点を奪うことに成功する。(SEA6-0MIN)



大量の援護点を貰った岩隈の最大ピンチは、直後に訪れていた。3回裏、先頭打者の1番ドージャーに甘い球を左前へ弾き返されると、その後、シーガーのエラーに、横っ飛びシーガーのグラブの先を抜けた左前安打で1死満塁のピンチを招いてしまう。余談だが、バットでは素晴らしい貢献をみせるシーガーは、ここ最近、守備が安定しない。この後6回にもエラーを記録するなど「らしくない」光景が多い。

満塁でバッターボックスに5番打者を迎えた場面。岩隈の投球にスイッチが入る。その2球目、この日の最速94マイル(約151キロ)をマーク。2-2と追い込んだ後、見逃し三振を奪ったアウトコースいっぱいに決まった速球も93マイルを計測した。続く6番打者にも93マイル、94マイルの連投を続けるなど、岩隈の気迫が伝わってくる、岩隈にしては珍しいパワーピッチングを披露。最後はセカンドゴロ。危機を切り抜けた。

4回から5回にかけては4者連続空振り三振劇。4回、自らの暴投で1死2塁の得点圏を抱えると、9番、1番とアウトコースに素晴らしく制球された4シームで空振り三振。2番から始まった5回はスプリッター、4シームでドクターK。この日は速球が走っていた。

5回表、女房役がズニーノからブランコに変わった。ファウルチップが左手に当たったというのだ。4回表のラストバッター、1番ドージャーを外の4シームでファウルチップの空振り三振に取った時に痛めたのだろうか。久しぶりのブランコとのバッテリーとなったものの、前述のように2者連続三振に内野ゴロと三者凡退。ブランコに変わった5回以降、打者8人と対戦したが、許したヒットはゼロ。6回裏には味方打線がさらに2点を追加したことによって、リードは8点に広がり、岩隈は6回102球無失点で仕事を終えている。

マリナーズは9回にペレスが打ちこまれ2点を失ったものの、そのまま大量リードで押し切り、8-2で勝利。岩隈は今季10勝目到達の白星を手にしている。

両軍のスターティングラインアップ

ツインズ=1番・ドージャー(二)、2番・ハーマン(捕)、3番・モアノー(一)、4番・ドーミット(右)、5番・プルーフ(三)、6番・トーマス(左)、7番・コラベロ(指)、8番・ヒックス(中)、9番・フリリモン(遊)、先発・コレイア(右投)

マリナーズ=1番・ミラー(遊)、2番・フランクリン(二)、3番・イバニエス(左)、4番・モラレス(指)、5番・シーガー(三)、6番・スモーク(一)、7番・ソーンダース(右)、8番・ズニーノ(捕)、9番・アクリー(中)、先発・岩隈(右投)


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■試合別 投手成績
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■球種別 投球詳細


6回、打者27人、102球(1回当たり17.00、1人当たり3.78)、被安打4、被本塁打0、奪三振9、与四死球2(四1、死1)、失点0、自責点0。

《初球27球》
右打者9球=4Seam5、Slider2、Splitter2
左打者18球=4Seam5、Sinker9、Splitter3、Curveball1

《2ストライク以降33球》
右打者10球=4Seam6、Slider2、Splitter2
左打者23球=4Seam14、Sinker1、Slider1、Splitter7

速球上々、ツインズ戦26イニング連続無自責点

6/5ホワイトソックス戦以来、久しぶりの無失点投球となった。クオリティスタートもこれで3戦連続。QS率も68.2%へ上昇している。

終わってみれば、相性の良さがそのまま出た試合になった。ツインズ戦は昨年8/17、8/28に先発して2勝を上げており、今年は5/31に敵地登板。8回途中無失点で勝利を上げていた。これでツインズ戦は4戦4勝。いずれの試合でも自責点をいまだ許しておらず、26イニング連続無自責点としている。

ツインズ側もやられっぱなしという苦手意識はあったのだろう。1回、1番・ドージャーがいきなりのバントヒットを狙うなど揺さぶりをかけてきた。しかし、クマは落ち着いて処理、大事なしにする。先頭打者を出塁させる回が目立ったが、球宴明けチーム打率.218と迫力にかけるツインズ打線、さらにマウアー不在ということもあり、3回表1死満塁のピンチを除けば、ピンチらしいピンチはなかったと言えそうだ。

力んだ速球が逆球となったり、右打者のアウトコースを狙ったスライダーがインコースへ抜けて入るなど、コマンドに苦労する場面が見られたものの、4シーム、シンカーといった速球に久々に高いレベルでの球威があったように感じる。

追い込んでからも変化球勝負にいかず、4シーム、シンカーといった速球で押す場面が多く見受けられた。2ストライク以降の33球中、速球は21球を占めたが、これが効果を発揮。11打数1安打、1四球、1死球、7三振と打者を圧倒した。

岩隈のコメント「(10勝は)すごくうれしい。通過点になりますけれど、一つ一つの積み重ねで10勝まできたのは良かった。今日は相手が真っすぐにタイミングが合っていなかった。要所ではコースに投げられていたので、余分なヒットも出さずに抑えたのかなと思う」

いつも以上に横変化する4シームが相手打線を苦しめた

7/29追記:シュート回転するボールがいつもより多かったのでは?という意見があった。確かに4シームも横変化するものが多かったような印象を受ける。

MLB Gamedayで公開されている投球の横変化を示すというBRKという指標で確認してみると、前回アストロズ戦での4シームの平均値が5.56だったのが、この試合では6.87へ上昇していた。腕を振って投げていたためスピードが出たものの、弊害としてシュート回転、横変化していたのか? あるいは故意に狙って投げていたのか?定かではないものの、確かに数字上でも横変化していたことが裏付けられている。

ゴロ率、驚異の87.5%

ところで、連続イニング無失点記録を続けていた古巣のエース、田中将大は、得点圏に走者を背負うと、相手打者のバットを18.44m先から完璧にコントロールし、内野止まりの凡打を多く打たせ、ヒットの確率が高まる外野打球を飛ばせなかった。

この試合の岩隈も同様で、相手打者に打たせた全16本の打球中、許した外野飛球は1回2番ハーマンに左翼ウォーニングゾーン付近まで飛ばされた左飛、この1本だけだった。フライは他にショートポップフライが1本あって、残り14本は全てゴロ。外野安打になった3本も地を這っており、打球管理に完璧に成功していた。

それにしてもせっかくゴロを打たせたのに、味方守備が3失策だ。自らのワイルドピッチも2個を記録した。普通ならそこから崩れても、なんらおかしくない場面、相性に助けられたという側面はあったにせよ、岩隈はよくしのいだと思う。

■配球図
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■7/25ツインズ戦の球詳細
【訂正】3番打者はマウアーとなっていますが間違い、正しくはモアノーでした。
コースNo.は下記図のとおり。球速はマイル表示

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