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【試合評】 9回裏の一部始終は「奇跡」でも「底力」でもない──2013年7月26日(金) ○楽天イーグルス3x-2ロッテ

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9回裏の一部始終は「奇跡」でも「底力」でもない

9回裏に起きたことの一部始終を、本当に「奇跡」や「底力」の一言で片づけてしまっていいのだろうか?

松井の押し出し四球で土壇場に追いついた楽天は、なおも1死満塁、サヨナラ劇を迎えていた。バッターボックスは嶋基宏ロッテの守護神・益田が繰り出すパワーピッチングに一歩も引かず粘って粘って粘り抜いた。10球投げさせ、ラストを弾き返した打球が、内野の頭上を越えたのを見届けて以降、私は自問自答の只中にいる。

杜の都に新球団が誕生して9シーズン目。ようやくつかんだ「真の実力」であることを、我々ファンはよく噛みしめなければならないと思うのだ。もはや弱者ではない。2009年の躍進は弱者のまま「弱者の兵法」を熟知した老獪な指揮官の下、プレーオフに進出した。しかし、2013年、この快進撃は王道を一歩一歩、歩んでいる。「強者の戦い」だ。

後半戦の初戦、私は「高まる初優勝への期待感が確信へと変わる第一歩」と綴った。今夜の試合は「奇跡や底力が実力へと変貌し始めた第一歩」と言えるかもしれない。奇跡や底力は頻繁に起きるものではない。1度や2度起こるからこそ「奇跡」であり「底力」なのだ。今季イーグルスが成し得た数々の勝利は「奇跡」や「底力」ではなく、「実力」の賜物なのかもしれない。今夜の逆転劇は、そんなことをつらつらと思うに至る勝利となった。

田中、2012年6/22以来の1試合2被本塁打

試合は2回、両軍ホームランで1点ずつ取り合ってスタートした。2回表、2死走者なしから田中が鈴木に初球の甘いスライダーを右翼席へ運ばれてしまうと、その裏、枡田も右中間席に打球を放りこみ、すぐさま同点とする。(楽1-1ロ)

田中は3、4、5回と先頭打者の出塁を許したものの、後続を絶つピッチング。得点圏への進出されても3塁は踏ませない内容でゼロを並べていく。楽天打線も相手先発グライシンガー相手に毎回のように出塁に成功したものの、要所を締められホームが遠い。

そうこうするうちに迎えた6回表のことだった。この回の先頭打者は3番・井口。第2打席で左前にヒットを放ち、日米通算2000本安打に王手をかけたベテラン打者が、田中が投じた初球、インコースを攻めた147キロツーシームを捉えた。2000本安打目のメモリアルヒットは、左中間席へと吸い込まれていく勝ち越しのソロショット。

直後の裏、松井が右前に弾き返し1死1塁、攻撃の足がかりを作ったが、嶋の当たりはKスタ場内が溜息へと変わる6-4-3のゲッツーゴロ。この後、9回裏に一転、歓喜のサヨナラ打が待っているとは、この時点では想像しづらかった。

ロッテの守護神・益田直也を追い詰めた三本の矢

1点差のまま迎えた9回表、マウンド上はロッテの抑え・益田。先頭打者は前日規定打席に到達し初登場3位でランクインした銀次だった。3本目のヒットは詰まり気味ながらもサード後方、左翼線いっぱいに着弾するツーベースとなった。ここで銀次が魅せた2塁を陥れる好走塁が、益田にプレッシャーをかけた。

これが無死1塁なら、Kスタがどんなに騒然となっても、益田も落ち着いていたことだろう。無死1塁でMJ砲だ。エンドラン等の細かい作戦は取りづらい状況のため、バッターボックス上の打者との勝負に専念できる。しかし、無死2塁、いきなり同点の走者が得点圏にいる状況が、益田の投球を狂わるその1になった。

その2は「やるか、やらないかわからない時に(by嶋)」集まった2万人越えのKスタのファンが生みだした一体感だ。

1球ごとに応援が鳴り響き、益田の一挙一動ごとに場内騒然とする。中継越しに伝わってくる圧力はKスタでの阪神戦のタイガースファンのそれを超えていた。田中の14連勝を信じて止まない楽天ファンが一丸となって生みだしたプレッシャーが、益田から冷静さを奪い取った。

その3は、楽天の先発投手が田中将大だった点だ。

あの場面、無死2塁で打席にクリーンアップを迎えた場合、ロッテ側は同点は仕方がないと割り切る必要もあったはずなのだ。もちろん、益田は抑えを任されているのだから、最大目的は同点にさせてはいけない。しかし、一方でそのように腹を括って投げる必要性があった。最もしてはならないのは弱腰の投球になってしまい、サヨナラ劇を許してしまうこと。そのためには、同点にされるリスクはあっても攻めていかなければならないシーンといえた。

しかし、田中は8回を終えて79球。まだまだ球数に余裕を残していた。追いつかれてしまったら、再びロッテが勝ち越す可能性は低い。そのように益田は判断したのではないだろうか。開幕13連勝中の田中を降せば、苦しいチームを勢いに乗せることができる、そんな皮算用も働いたのかもしれない。

そんな諸々が、益田を追い詰めた。無死3,1塁、空振り三振に倒れたマギーによる球審・栄村への必死の激高劇。あれは栄村に激しく訴えたというよりは、マウンド上の益田をビビらせる目的もあったのかもしれない。

それに、苦しい益田の球を、枡田、松井がよく選別した。塁上が1つ空いている枡田の打席時までは使用していたシンカーは、枡田、松井が四球で1塁に歩いて満塁になったことで、その後、嶋との対決時に使うことができなくなっていた。ワンバウンドで暴投のリスクもあるからだ。そのため、嶋との対決は低め勝負ができず、自然と球が高めに集まる速球主体のパワーピッチングにならざるを得なかった。嶋が粘ってサヨナラ打を打つことができたのは、枡田、松井が1塁に歩いたことも大きいのだ。

嶋のサヨナラ打は、2010年5/29広島戦(永川から)、2013年6/3中日戦(武藤から)に続くプロ3度目。田中将大は開幕14連勝。あと1勝でNPB記録タイに並ぶところまで来た。

銀次は猛打賞で打率を.343とし、7/26終了時で打率ランキングのてっぺんへ。

チーム成績は85試合49勝36敗の貯金13。ゲーム差は2位・ロッテ、3位・西武と3.0、4位・ソフトバンクと7.0、5位・オリックスと7.5、6位・日本ハムと8.5としている。

◎直近10試合=6勝4敗
◎7月月間成績=17試合11勝6敗
◎リーグ戦=61試合34勝27敗
◎後半戦=3試合2勝1敗
◎ロッテ戦=11試合6勝5敗 (Kスタ5勝1敗)
◎カード初戦=35試合24勝11敗
◎Kスタ戦績=39試合23勝16敗
◎ナイトゲーム=55試合32勝23敗
◎相手先発外国人試合=12試合7勝5敗
◎1点差試合=21試合12勝9敗
◎6回終了時ビハインドの試合=5勝30敗

両軍のスターティングラインアップ

ロッテ=1番・荻野貴(左)、2番・角中(右)、3番・井口(一)、4番・今江(三)、5番・ブラゼル(指)、6番・鈴木(遊)、7番・岡田(中)、8番・川本(捕)、9番・早坂(二)、先発・グライシンガー(右投)

楽天=1番・聖澤(中)、2番・藤田(二)、3番・銀次(一)、4番・ジョーンズ(指)、5番・マギー(三)、6番・枡田(左)、7番・松井(遊)、8番・嶋(捕)、9番・島内(右)、先発・田中(右投)


ロッテは左太もも裏を痛めていた根元が登録抹消。代役は早坂。楽天は松井が3試合ぶりにスタメン復帰。

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勝って兜の緒をキリッとしめた勝利を知る男、星野仙一

試合終了後の指揮官の記者会見。記者陣の「しびれる試合でしたね」の問いに、開口一声「まだしびれていないよ」。「最後は底力を感じました」の受け答えに、「底力もこれからだよ」と答えた闘将。このやりとりに、違和感を感じたファンの方も多いかもしれない。

素直に喜べよ!と。

しかし、一呼吸置いて考えてみると、勝って兜の緒を締めた指揮官のコメントは、本当にそのとおりだと言える。今季2度目のサヨナラ勝利とはいえ、2位との差はまだまだ3.0ゲーム差。3連戦3連敗で追いつかれてしまう差なのだ。それに後半戦の戦いはまだスタートを切ったばかりである。本当の意味でのしびれる試合や底力の試合は、今夜ではなく、これからやってくる、いや、やってこなければイーグルスの悲願成就はありえない。

その意味で、指揮官はやっぱり勝利の味、その怖さをも知り尽くしているように感じる。

変わり始めたAJのバッティングスタイル

後半戦に入ってジョーンズの打撃アプローチに変化の兆しが見え始めている。監督、関係者、ファンにもっと積極的にバットを振ってほしいと要望を出されているAJは、それに応えてなのか、後半戦13打席中、初球をスイングしにいったのは6打席、率にして46.2%を記録しているのだ。前半戦の初球スイング率が僅か16.6%だったことを考えれば、まだ始まったばかりとはいえ、大きな変化と言える。

今夜も初打席では初球から3球連続でバットを振っていった。2打席目にも初球をスイング。3打席目は初球、2球目と連続スイングした。AJが初球も2球目もバットを振っていったのは、7/13西武戦の1回1死2,1塁の打席以来。その前は?というと7/2ロッテ戦の4回2死走者の打席までさかのぼる。1試合の中で2度記録することは本当に珍しい光景となった。

初球からバットを振っていけば、相手バッテリーの配球や攻めにも変化が生まれる。それがAJにとってプラスに作用すれば、これ以上の好成績を期待できそうだ。ただ、私はAJが積極的にバットを振ることが、ここまで数多の四球を選んだことで維持してきた高い出塁率が失われるリスクもあるのでは?と若干の懸念も感じえない。積極的にスイングしてヒットを打っていくこと(=打率を上げること)と、四球を選んで高い出塁率を維持することは、トレードオフのようにも感じられるのだ。懸念に終わってくれれば、幸いではあるのだが、どうなっていくのか?引き続き注目したい。

■楽天 田中将大 球種別 投球詳細
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9回、打者33人、90球(1回当たり10.00、1人当たり2.73)、被安打5、被本塁打2、奪三振2、与四球1、失点2、自責点2。

《初球33球》
右打者15球=ストレート8、ツーシーム3、スライダー4
左打者18球=ストレート9、ツーシーム1、スライダー3、カットボール3、スプリット1、カーブ1

《2ストライク以降15球》
右打者6球=ストレート2、スライダー1、スプリット3
左打者9球=ストレート5、スプリット4

田中、開幕14連勝。NPB記録へ王手

試合前時点での田中の2ストライク以降被打率は.140を記録していた。当然、ロッテサイドもこの数字は把握していたはずだ。至難の業だが田中を叩けばチームも勢いに乗ることが間違いない、そう考えたロッテは初球から積極的に徹底してバットを振っていく田中対策を敷いてきた。

この日のロッテ打線のスイング率の高さがそれを物語っている。初球時は45.5%、1-0からは69.2%。いずれも極めて高い数字を残していた。通常、田中は僅か2球で0-2と追い込んでみせることも多いのだが、今夜は僅かに3度だけ。相手が積極的にバットを振ってくることをわきまえていたのだろう、故意にボール球を挟むケースも多かった。しかし、早打ちのため、打席結果が早々に出ることも多く、対戦打者33人中じつに15人が2球目以内に決着がつくかたちに。そのため、省エネピッチングで9回を完投することができた。

田中の100球未満での9回完投勝利は2011年8/13Kスタでのロッテ戦で記録した9回、打者32人、97球、被安打5、奪三振6、与四死球1、失点1、自責点1の投球以来、自身2度目の快挙となった。(ちなみにNPB記録は71球だそうだ)

スライダーの出来がいまひとつだったものの、ストレート、ツーシームといった速球の状態は上々。序盤から140キロ台後半を連発。最速は152キロ、150キロ越えは11球記録。コントロールも申し分なく、ストライクゾーンの両サイド厳しく決まるケースが目立ち、ロッテ打線を圧倒した。

昨季首位打者・角中を得点圏で2度凡退に追い込んでみせた点も大きかった。3回2死2塁の場面では当てただけのショート正面イージーゴロ。5回2死2,1塁では逆球をひっぱられる打撃も、銀次の正面を突くファーストゴロ。ヒットになる確率の高いライナー性の当たりを許さない。

これで田中のロッテ戦通算成績は13勝4敗。2012年4/19以来、マリーンズ相手に5連勝としている。

進化を見せる田中将大、昨年と今年の差異を投球データから探る

シーズン防御率は1.28。これは昨年の1.87より良い数字だ。飛ぶボールに変わっている環境下なのに、この数字である。今シーズンの田中は昨年の田中とどこが違うのか?

このことを、8月5日(月)スタートの当ブログのメルマガ創刊号にて明らかにできればと考えている。昨年と今年の投球データの差異を洗い出すつもりでいる。メルマガへの登録も、どうぞ、よろしくお願いします。(詳細は本エントリー最上記の案内を参照)

■田中将大 ロッテ戦 試合別 通算投手成績


■ロッテ グライシンガー 球種別 投球詳細
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7回、打者26人、112球(1回当たり16.00、1人当たり4.31)、被安打6、被本塁打1、奪三振4、与四球1、失点1、自責点1。

イヌワシ打線を苦しめたセスの高低ピッチング

決して球を低めに集めていたわけではない。いや、逆に高めに多くが集まっていたのだ。112球投げたうち、高めゾーンに記録された球は49球。全体の43.8%。これは高すぎと言える。

しかし、今夜のグライシンガーのピッチングを見ていると、例え捕手のミットがしっかり高めを示していない時でも、故意に高めに投げているように感じられた。買いかぶりかもしれないのだが、低めに集めるべき時と高めに見せるべき時を心得ているようで、ストライクゾーンの高低に、複数球種のコンビネーションで上手く球を散らされてしまった感を抱く。

そんな中、やはり大きかったのは、2回、同点に追いつく枡田の3号ソロショットで、逆に痛かったのは、3回1死1塁での聖澤の牽制死だ。

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