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【試合評】 2013年5月26日(日) ●楽天イーグルス4-6広島。永井を諦めたベンチ判断は支持できるものの、出てきた金刃の背任投球・・・

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お蔵入りの封印を解いてしまった広島2回戦

楽天が例年苦手としてきた交流戦。しかし今季は一味違う戦いぶりをみせている。昨日終了時で成績は6勝3敗、1位・オリックスと勝敗・勝率の差なしで2位、念願のチャンピオンシップを狙える好位置につけた。好調の要因は?と訊かれれば、先発投手陣の奮投にあり!と答えるファン、多いはずだ。

交流戦の9試合、先発が6回以上を投げたのが7試合。8回以上を放ったのが6試合。先発陣が長いイニングを投げたことが奏功していた。

何が言いたいのか?というと、あえて厳しい物言いをすれば、出したくない救援投手陣を出さずに、お蔵入りにできた点が勝因と言えた。(←先を見据えれば、本当はこんな対処療法みたいなことじゃいけないんですよ)

この試合前まで交流戦で起用された救援投手の人数はのべ17人を数えている。そのうち片山、小山、青山のスリーマウンテンズとラズナーの信頼の置ける4人衆以外の起用は、7-5で勝利した5/15DeNA戦の金刃と斎藤、4-10で大敗を喫した5/23巨人戦の菊池、ハウザー、金刃の5人に止まっていたのだ。

今日、先発が珍しく6回以上を投げ抜くことができず「お蔵入りにしておきたい投手」を出さざるを得ない状況が発生してしまったのだ。

4回表、聖澤の先制打で1点を先取すると、その裏、永井が2死から2四死球でピンチを迎えると、昨日代打で則本からタイムリーを放っていた松山が、永井の膝元の投球をすくいあげ、右翼ポール際へ叩き入れる逆転3ラン。(E1-3C)

一転、2点を追いかける立場になった楽天は、5回表、小斉の今季1号ソロで1点を返していた。

スコアE2-3Cの1点を追う翌6回、永井が1死からフルカウントから四球を出してしまう。さらにこの結果球がワンバウンドのワイルドピッチとなり、打者走者は一気に2進。

ピンチを背負ってバッターボックスに左打ちの丸を迎えると、楽天ベンチが動いた。

永井を諦め、二番手に左腕・金刃を起用、火消しに向かわせたのだった。

ところがだ。丸に高めの変化球を右中間スタンドへ運ばれてしまう。(E2-5C)

3点ビハインドの7回表、楽天は嶋、島内、代打・銀次の3連打で1点を返し(E3-5C)、なおも1死2,1塁の好機を作っていた。しかし、松井が泳がされての三振に倒れると、藤田の打席時に二走・島内が、反撃の狼煙に水を差す走塁死。マエケンの2塁牽制に刺され、見事な憤死を遂げたのだった。

直後の裏、この回のアタマから登板した三番手・青山が不運も重なり1失点。

先頭打者・小窪の討ち取ったボテボテが内野安打になり、その後四球を挟んで2死2,1塁、菊池の当たりは詰まらせたポップフライ。1塁後方・ライト前方の右翼ライン沿い上空に高々と打ち上げた「完全に討ち取った飛球」を、ファーストのジョーンズ、セカンドの銀次、ライトの島内が、まさかのお見合い。エアポケットにポトリと落ちた当たりがタイムリーになってしまい、再び点差を3点に戻されてしまう。(E3-6C)

8回表、1死後、聖澤が右中間を割る三塁打で出塁すると、AJがセンターへ犠牲フライ。楽天に4点目が入ったが、後続凡退。(E4-6)

9回はミコライオの前に三者凡退に倒れ、結局、楽天が4-6で敗戦。

終わってみれば、丸に浴びた2ラン・ショットが痛すぎたと言えそうだ。

これでチーム成績は45試合24勝21敗の貯金3。順位は2位、ゲーム差は1位・ロッテと3.0、3位・西武とゲーム差なし、4位・ソフトバンクと2.0、6位・日本ハムと6.0となっている。交流戦成績は10試合6勝4敗の3位。なお、各種成績は下記のとおりで推移している。

◎直近10試合・・・6勝4敗
◎5月月間成績・・・20試合13勝7敗
◎ビジター戦績・・・24試合12勝12敗
◎デーゲーム戦績・・・19試合8勝11敗
◎先制した試合・・・22試合15勝7敗

両軍のスターティングラインアップ

楽天=1番・松井(遊)、2番・藤田(二)、3番・聖澤(中)、4番・ジョーンズ(一)、5番・マギー(三)、6番・小斉(左)、7番・嶋(捕)、8番・島内(右)、9番・永井(右投)

広島=1番・中東(左)、2番・菊池(二)、3番・丸(中)、4番・廣瀬(右)、5番・松山(一)、6番・梵(遊)、7番・小窪(三)、8番・石原(捕)、9番・前田健(右投)



■楽天イーグルスの広島戦、全試合記録


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金刃憲人の背任投球・・・

5回1死2塁、楽天ベンチは先発・永井を諦めた。ここまで赤ヘル打線に許したヒットは4回松山の3ラン1本だけ。このことを考えれば、続投の選択肢もあったかもしれない。しかし、1死2塁、打席に左打者の丸を迎えたところで、ベンチは継投に動いた。

永井を諦めた件については、後述するが理解できるところだと思う。ベンチもできれば出したくなかったはずの、金刃を、左対左ということでマウンドに向かわせてしまったのが、拙かった。

というのは、金刃の左打者被打率が.313(16-5)と酷いのだ。右が.100(10-1)であることを考えると、左のワンポイントとして用いるには、サンプル数は少ないながらも、不安が残る数字と言えた。

内容も悪い。ここまで20人の左打者と対峙してきた金刃は、2四球、2犠打を除くと16打数で対戦してきた。そのうち三振3個を除く13本の打球。そのゴロ率は38.5%と極めて低かった。巨人時代の金刃というとゴロを打たせてアウトで取っていくスタイル。しかし、今季はゴロを打たせることができず、フライ、ライナーを打たれてしまっている。

さらに言えば、良い当たりも多かった。安打か?凡打か?結果に関わらず、良い当たりかどうかを見るWH率は.0615(当ブログ調査)。左打者に快音を飛ばされた結果が、左打者の被打率.313という悪い数字になって表れていた。

今日の対戦を確認してほしい。4人と対戦したが、ゴロアウトは僅かに1個だけ。左打者は一発をくらった丸の他に松山とも対戦したが、センターオーバーのフェンス直撃ツーベースを打たれている。これで左打者被打率は18-7となって.389まで悪化した。

2点を追う7回アタマから三番手として登板した青山も1点を失った。ただ、青山と金刃の投球内容をつぶさにみれば、金刃のほうが歴然として悪いのだ。青山は投手責任が及ばない要素、運や味方守備に振りまわされた部分も多く同情の余地は残るものの、金刃の場合は酌量すべき要素が見当たらない。

戻ってきたハウザーも5/23巨人戦で失点しており、左腕の戦力不足は全く解消されていないことは改めて浮かび上がったと言えそうだ。これは近々、トレードや新外国人など戦力補強の報道も、あるかもしれない。


■楽天 永井怜 球種別 投球詳細
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あの場面で降板させるのは妥当といえた

5回1/3、打者20人、92球(1回当たり17.25、1人当たり4.60)、被安打1、被本塁打1、奪三振2、与四死球3(四2、死1)、失点4、自責点4。

初球の入り(20球)=ストレート11、スライダー3、フォーク1、カーブ5
2ストライク以降(26球)=ストレート9、シュート3、スライダー6、フォーク3、カーブ5


前回初勝利の5/19DeNA戦では100点満点の採点をつけた星野監督、果たして今日は何点つけたのだろうか?

個人的にはクオリティスタートに届いていないため合格点は与えられないとしても、次回へ向けて光明は見える及第点の投球だったかと思う。

打者20人中フルカウントにすること6人と球数も多く、永井は長いのいつもの永井に戻った感はあったものの、変化球がなかなか機能しない中、赤ヘル打線をヒット1本──その1本が大きかったとはいえ──に抑えた功績は、評価したい。

3回まではパーフェクト投球だった。内角を効果的に用いた嶋の好リードにも支えられ、赤ヘル打線に思うような打撃をさせず、詰まらせての凡打という光景が多かった。

しかし、打順が2まわり目に突入したところで雲行きが怪しくなってしまう。先頭・中東には内角球を痛打されたものの、セカンド正面のライナーアウト。2番・菊池は外の縦割れカーブで三振に取ったものの、丸に四球を与え、この試合初のセットポジションで廣瀬への投球でコントロールがばらついた。結局、フルカウントからの第9球がはずれ、1塁に歩かせると、その直後、松山に3ランを被弾した。

終わってみれば、良かった球種は速球だけで、看板球カーブを始め、スライダー、フォークもいまひとつの状態となった。

永井の足をひっぱったスライダー

特に初回から感じていたのは、この試合、全92球のうち22.8%に当たる21球を投げたスライダーの制球がバラバラだった点だ。

下記にスライダーだけの配球図を掲載した。

表のとおり、ストライクゾーンのど真ん中に入ってくる球も目立った。赤ヘル打線の打ち損じに助けられた部分も大きかったと言える。また、右打者のアウトコース低めを狙った投球がインコース高めボールゾーンへ入ってしまう抜け球も多かった(特に4回)。

廣瀬を歩かせてしまった球もスライダーで、松山に3ランを被弾した球種もスライダー、降板のきっかけになった5回菊池に与えた四球の結果球、ワイルドピッチになったあれもスライダーだった。

松山の3ランは、決して甘いコースではなく膝元の厳しい所、普通なら打ったら恐らくファウルにしかならないようなゾーンと言えたが、お立ち台で松山本人が明言したように好きなコースであるということ、さらに永井のスライダーのキレがなく、打者が判断し易い状況だったことも重なったと言えそうだ。

以上のことから、5回1死2塁で、あのまま永井を続投させていても、苦しかったのかな?と思うのだ。むやみにひっぱり打たれたら、被安打1の良いイメージを損なってしまう。次につなげるためにも、永井をひっこめることは重要な判断と言えた。

そのため、継投作戦は理解できるところなのだが、出てきた投手が金刃だった所が、私の期待感を大いに削ぐかたちとなった。またその投球も、だ。(1点を追う展開だったし、まだ5回だったこともあり、片山を出すには時期尚早だったのかもしれない)


■スライダー配球図



■広島 前田健太 球種別 投球詳細
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要所を締めたマエケン

7回、打者28人、109球(1回当たり15.57、1人当たり3.89)、被安打8、被本塁打1、奪三振10、与四死球0、失点3、自責点3。

やっぱり、マエケンだ。セリーグ防御率1位。パリーグを代表するエース級が田中将大だとすると、セリーグはやっぱりマエケン。決して圧投という内容ではなかったものの、要所を上手く抑えられてしまったと言える。

空三振、空三振、三ゴの3タコ。マエケン相手に2打席得点圏で打席がまわり、いずれも外角低めのスライダーを振らされて三振に倒れたマギーがブレーキ役になってしまったか(本塁打以外のタイムリーヒットが5/10ロッテ戦以来、出ていないのが気がかりだ)。あるいは、島内の牽制死も反撃の機運を削ぐかたちになった。

試合展開だけをみれば、勝てる可能性はあったゲームだったものの、相手がマエケンであることを考えれば負けることも十分に想定された試合。それだけに、切り替えるには、ある意味、最適な敗戦と言えるかもしれない。

1日置いて、また明後日から良い戦いぶりをみせてほしい!【終】


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