〔試合評〕田中、オリ打線の待球作戦に遭い二桁勝利黄信号。約2カ月ぶりの四番打者ホームラン──2012年9月16日(日)○楽天イーグルス3-1オリックス
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○楽天イーグルス3-1オリックスバファローズ

■ハイライト映像
先攻・楽天のスタメン・・・1番・聖澤(中)、2番・西田(ニ)、3番・松井(遊)、4番・ガルシア(指)、5番・銀次(三)、6番・フェルナンデス(一)、7番・牧田(右)、8番・嶋(捕)、9番・定岡(左) 先発・田中(右投)。
後攻・オリックスのスタメン・・・1番・川端(右)、2番・野中(中)、3番・後藤(ニ)、4番・李大浩(一)、5番・T-岡田(左)、6番・バルディリス(三)、7番・スケールズ(指)、8番・横山(捕)、9番・安達(遊)、先発・海田(左投)。
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9/2以来2度目の田中将大vs海田智行
エース、田中の登板試合である。しかし、先手を取ったはオリックスだった。3回裏、順調にみえた田中が2アウトから1点を失ってしまう。新人王を狙う1番・川端に、追いこんでからの低めのスプリットを巧打され、打球は三塁線を破っていく二塁打に。2死2塁、野中には打たせることに成功。ゴロはショート左へ。連日攻守で存在感を放つ主将も、この打球、取りきれない。逆シングルで捕球しにいったグラブに当たり、打球は球足が弱まり左前へ抜けていき、この間に川端の生還を許した。(楽0-1オ)
オリックス先発はドラフト4位の海田。Kスタでの9/2楽天戦のプロ初先発で田中と投げ合い、7回をヒット4本のゼロに抑える好投をみせた相手だった。イヌワシ打線はその新人左腕から今日も得点が取れない。牧田、嶋の連打で掴んだ序盤唯一のチャンス、3回無死2,1塁では、その後1死3,2塁から、聖澤、西田がいずれもゴロを打たされ、得点入らず。
4回は2死から銀次が右前にひっぱり出塁するものの、フェルナンデスが一ゴ。5回、6回は三者凡退に抑えられてしまう。
約3カ月ぶりの4番打者ホームランで同点に追いつく
出塁することすらままならなくなり、1点が徐々に重くなってきた7回表だった。4番・ガルシアのバットが火を噴いた。ボール先行2-0からの3球目、海田がストライクを取りにきた甘いカウント球をバット一閃。打った瞬間の当たりは左翼席前列に飛び込む同点弾(楽1-1オ)。
ガルシアの一発は6/17巨人戦以来の5号。4番のホームランは7/7西武戦で4番スタメン出場した岩村が、藤原から放った日本球界復帰初の右本以来、実に約2カ月ぶりとなった。
■2012年 楽天の4番打者ホームラン履歴
◎4/15日本ハム戦(札幌ドーム)、ガルシア、武田久から右本2ラン
◎6/17巨人戦(Kスタ)、ガルシア、杉内から中本2ラン
◎7/7西武戦(西武ドーム)、岩村、藤原から右本ソロ
◎9/16オリックス戦(ほっともっと神戸)、ガルシア、海田から左本ソロ
4番が固定できず“中心なき組織は機能せず”に陥っている今季の楽天。しかし、まさか4番が打ったホームランが僅か4本だったとは、お口あんぐり状態である。
では、どの打順で何本記録しているのか?というと、チーム42本の本塁打のうち、1番が3本、2番が3本、3番が7本、4番が4本、5番が5本、6番が9本、7番が5本、8番が2本、9番が4本という内訳になっていた。
決勝点劇の戦端を切り開いたリードオフマンの活躍!
追いついた直後の7回裏、二番手・高堀がしっかり三人で片づけると、8回表の攻撃、イーグルスは決勝点となる2点勝ち越しに成功する。
バッターボックスは聖澤。ここまで投ゴ、一ゴ、ニゴと良い所がなかったリードオフマンも、この4打席目、切込役の仕事を敢行。追いこまれながらも打球を中前へ運び、2点決勝劇の起点となる。
出塁後は足で揺さぶって、相手のミスを引き出すことに引き出すことに成功する。
西田が送って、松井が勝負を嫌ったようなフォアボールで歩き、1死2,1塁。4番・ガルシアの打席でのことだった。ニ塁上の聖澤が頻繁に大きなリードを取り、代わったばかりの二番手・比嘉にプレッシャーをかけていく。それが奏功した。比嘉のニ塁牽制時の直前、ボークを誘うことに成功。労せず走者進塁して1死3,2塁。
この後、4番・ガルシアのバットが再び火を噴いた。内角球をひっぱった一撃は、レフト左を完全に割っていく2点決勝二塁打に。ガルシアは今季初の3打点の大活躍。みごと4番打者の務めを果たしてみせた。
終盤2点の勝ち越しに成功した楽天は、8回裏をラズナー、9回を青山で締め、このカード3連勝!
同一カード3連勝は、下記のとおり、今季4度目の快挙となり、前カードと合わせて連勝街道はこれで4に伸びている。
■楽天イーグルス 2012年 同一カード3連勝
◎5/11~5/13オリックス3連戦(京セラドーム)
◎6/29~7/1ソフトバンク3連戦(Kスタ)
◎9/7~9/9西武3連戦(Kスタ)
◎9/14~9/16オリックス3連戦(京セラ、ほっと神戸)
これでチーム成績は、126試合58勝60敗8分の借金2。順位は4位のまま。ゲーム差は1位・日本ハムと6.5、2位・西武と6.0、3位・ソフトバンクは勝利したため3.0変わらず、5位・ロッテと0.5、6位・オリックスと8.0となった。なお、各種成績は下記のように推移している。
◎オリックス戦・・・23試合13勝7敗3分 (京セラドーム10試合6勝3敗1分)
◎後半戦成績・・・45試合18勝22敗5分、勝率.450
◎パリーグ内成績・・・102試合48勝46敗8分
◎9月月間成績・・・14試合8勝5敗1分
◎直近10試合成績・・・・10試合8勝2敗
◎ビジターゲーム成績・・・64試合27勝34敗3分
◎デーゲーム成績・・・38試合18勝15敗5分
◎相手先発左投手試合・・・51試合18勝31敗2分
◎先制された試合・・・61試合16勝40敗5分
◎借金6からの巻き返し(8/22以降)・・・23試合13勝9敗1分、勝率.591


楽天救援陣、9月に入って防御率1.53
9月に入って8勝5敗1分の白星先行。直近10試合では2度の4連勝で10勝2敗と、一縷の望みをかけて土壇場の頑張りをみせている星野楽天。
今月どこが機能しているのか?というと、その1つに「救援陣の頑張り」が挙げられる。
■パリーグ チーム別 9月救援投手成績
※9/16試合前時点
日本ハム・・・防御率4.40、2勝2敗、10ホールド、6セーブ
西武・・・防御率3.71、3勝4敗、9ホールド、4セーブ
ソフトバンク・・・防御率1.97、0勝2敗、9ホールド、6セーブ
楽天・・・防御率1.53、2勝0敗、8ホールド、2セーブ
ロッテ・・・防御率1.46、1勝1敗、2ホールド、1セーブ
オリックス・・・防御率1.25、2勝2敗、10ホールド、4セーブ
上記のとおり、楽天救援陣の9月の防御率が1.53と上々なのだ。1.53は月別で今季最も良い数字となっている。
下位のロッテ、オリックスも1点台と好数字だが、黒星がついている。9月に入って救援陣に敗戦投手が記録されていないのはイーグルスだけということで、今日のような終盤での継投作戦で逆転勝利はあっても、その逆を許していない。1点リードの8回3点を失い逆転負けとなった9/4日本ハム戦は、先発・美馬をひっぱりすぎて美馬が打たれての敗戦で、救援陣が打たれた訳ではなかった。
9月のイニング別得失点を確認してみると、終盤7回~9回の合計は、失点が11、得点が23。7回以降も得点できている点も、今月に入っての終盤の安定感につながっているといえそうだ。
9回、青山はしっかり三者凡退。2006年に福盛和男が作った球団記録(21セーブ)に迫る、20セーブに到達している。(hatiさんに教えてもらいましたm(_ _)m)
■楽天・田中将大 球種別投球詳細
St=ストレート、Sl=スライダー、Sh=シュート、Fo=フォーク、Cur=カーブ
vs右打者67球=St23、Sl22、Sh10、Fo9、Cur3
vs左打者51球=St16、Sl11、Sh9、Fo11、Cur4

オリックス打線の待球粘り作戦に遭い、田中、9勝目ならず...
6回、打者26人に118球(1イニング当たり19.67、1人当たり4.54)、被安打7(ニ塁打1)、奪三振10、与四球1、失点1、自責点1、対戦被打率.280(25-7)。
全体のストライク率70.3%(118球中83球)、初球ストライク率69.2%(26人中18人)、3球目で2ストライク率77.3%(22人中17人)。
9勝目を目指して登板した田中だったが、打線が海田に苦しめられたこともあって、勝敗つかずに終わった。
1-1の7回裏から継投作戦に入った采配は、妥当としたい。7回裏も続投となれば、次回登板に差し障りが出る130球を超える可能性は否定できない状況だった。その後、8回表に勝ち越しに成功したのは、7回裏に高堀がしっかり仕事を務め上げて「流れ」を呼び込んだという見方もできるので、6回118球で降ろしたのは、理解できるところである。
しかし、もどかしい試合になった。勝敗つかずで8勝で足踏み。残り登板は恐らく3試合。最低限の二桁勝利へ向けて、黄信号が灯り始めたといえそうだ。
ストライク率70.3%、空振り率16.1%、奪三振は10と上々にみえた田中だが、球数がかさんだ。15球が目安の1イニング当たりの球数は19.67。田中らしくない数字になってしまっている。
原因はオリックスの(それが指示された作戦だったのか?たまたまだったのか?はさておき)徹底した待球の粘り作戦にあったといえそうだ。
下記のとおり、相手打線がファーストストライクから打ってきたのは僅か1打席に止まった。1ストライクも5打席、その大半が2ストライクと追い込まれてからの対決だった。
■ストライクカウント別 被打率
◎0ストライク・・・被打率.000、1打数0安打
◎1ストライク・・・被打率.200、5打数1安打
◎2ストライク・・・被打率.316、19打数6安打、1ニ塁打、10三振、1四球
田中はオリックス打線に29本のファウルを打たせた。ストライク寄与ファウルも15個と多く記録したものの、2ストライク以降の粘られたファウルも14個記録していた。
その象徴が、5回、横山の粘りの10球だ。結局10球目、アウトコース縦のスライダーで空振り三振に倒れた横山だったが、1イニング10球前後で終わらせることが常の田中に、1打席で10球も投げさせた横山の粘りは、敵ながら、あっぱれである。僅か3球で1-2と追い込まれるものの、そこから4度ファウルで粘り、低めの誘いの変化球を(1球は完全ボールだったものの)2球みきわめてみせた。
今季、田中に10球以上投げさせたのは、6/6阪神戦9回のブラゼル(10球、空振り三振)、同阪神戦9回の今成(14球、右越ニ)、6/22ロッテ戦の6回大松(10球、見三振)に続く、4人目になった。
追いこんでから制球が甘めに入ってしまった所を、粘りのオリックス打線にヒットにされた。そのうち1回野中の中安、6回李大浩の中安、同T-岡田の右安は誰が見ても甘い球だった。
■楽天・田中将大 配球図
※各コースの上段は速球、下段は変化球、速球はストレートとシュートの合計

■オリックス・海田智行 球種別投球詳細
vs右打者77球=St39、Sl2、Cut25、Cur3、Ch8
vs左打者29球=St9、Sl4、Cut14、Cur2

楽天の右打者、海田の厳しい内角攻めに屈する...
7回1/3、打者30人に106球(1イニング当たり、1人当たり)、被安打6、被本塁打1(ガルシア)、与四球2、失点3、自責点3、対戦被打率.231(26-6)。
全体のストライク率61.3%(106球65球)、初球ストライク率53.3%(30人中16人)、3球目で2ストライク率(20人中10人)。
8回、聖澤に安打、松井に四球を与え、1死2,1塁で二番手にマウンドを託した海田。比嘉がボーク等のミスも絡んでガルシアに2点決勝打を打たれたため、敗戦投手となった。
しかし、その内実は海田を攻略したとはとても言えない。対戦打率は.231。6回までゼロに抑えられ、そのうち4イニイングは三者凡退。獲得アウト22個のうち半分にあたる11個がゴロアウトだったことを考えると、事実上の軍配は海田に上がるといえる。
楽天打線はなぜ苦しんでしまったのか?
1つは、右バッター(ガルシア、定岡、嶋、西田、フェルナンデス、牧田、松井)が、海田─横山のオリックスバッテリーの内角攻めに苦しんだことが挙げられる。その結果、楽天の右打者の対戦打率は18打数3安打の.167と抑えこまれてしまっていた。
下記に右打者の配球図を、1回~4回、5回以上の2つに分けて出してみた。
■海田vs楽天右打者、1回~4回、5回以降の配球図

特に顕著だったのは2回だ。ニ飛に倒れたガルシア、空振り三振を喫したフェルナンデスは徹底した内角攻めをされた。
3回、連打でチャンスを作った牧田、嶋に対しても内角攻めだった。追いこんでからのインコースの決め球が制球甘くなりストライクゾーンのど真中に入ったのをヒットにしていた。
上記表のとおり、4回まで、海田は31球を右バッターに投げたが、そのうちインコースは71.0%に当たる22球。内角球で凡退に倒れた右打者は8人にも上った。
5回以降、その配球に変化の兆しが表れていく。楽天の右打者に十分にインコースを意識させたオリックスバッテリーはアウトコースも積極的に使うようになる。46球のうちインコースの割合は半減(32.6%に当たる15球)、代わって外角球割合が19.4%から50.0%に増えていた。
結果、楽天の右バッターは的を絞ることがままならなかった、といえそうだ。
同点弾を放ったガルシアは、調子を上げてきた本人の問題もあるが、他方でカウントが2-0とボール先行、打者有利になった点が大きい。思い切ってバットを振っていくことができるカウントなのだ。
■オリックス・海田智行 配球図
※各コースの上段は速球、下段は変化球、速球はストレートとシュートの合計

◎◎◎関連記事◎◎◎
前回のオリックス3連戦
・〔試合評〕最下位のお得意様とはいえど・・・楽には勝たせてもらえない──2012年8月31日(金)○楽天イーグルス3-2オリックス
・〔試合評〕岡島豪郎、拙守を取りかえすべく執念をみせた粘りの14球──2012年9月1日(土)●楽天イーグルス4-7オリックス
・〔試合評〕楽天饅頭はファンを失望させる毒饅頭だ。書く気も失せる0-0のスコアレスドロー──2012年9月2日(日)△楽天イーグルス0-0オリックス
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先攻・楽天のスタメン・・・1番・聖澤(中)、2番・西田(ニ)、3番・松井(遊)、4番・ガルシア(指)、5番・銀次(三)、6番・フェルナンデス(一)、7番・牧田(右)、8番・嶋(捕)、9番・定岡(左) 先発・田中(右投)。
後攻・オリックスのスタメン・・・1番・川端(右)、2番・野中(中)、3番・後藤(ニ)、4番・李大浩(一)、5番・T-岡田(左)、6番・バルディリス(三)、7番・スケールズ(指)、8番・横山(捕)、9番・安達(遊)、先発・海田(左投)。
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9/2以来2度目の田中将大vs海田智行
エース、田中の登板試合である。しかし、先手を取ったはオリックスだった。3回裏、順調にみえた田中が2アウトから1点を失ってしまう。新人王を狙う1番・川端に、追いこんでからの低めのスプリットを巧打され、打球は三塁線を破っていく二塁打に。2死2塁、野中には打たせることに成功。ゴロはショート左へ。連日攻守で存在感を放つ主将も、この打球、取りきれない。逆シングルで捕球しにいったグラブに当たり、打球は球足が弱まり左前へ抜けていき、この間に川端の生還を許した。(楽0-1オ)
オリックス先発はドラフト4位の海田。Kスタでの9/2楽天戦のプロ初先発で田中と投げ合い、7回をヒット4本のゼロに抑える好投をみせた相手だった。イヌワシ打線はその新人左腕から今日も得点が取れない。牧田、嶋の連打で掴んだ序盤唯一のチャンス、3回無死2,1塁では、その後1死3,2塁から、聖澤、西田がいずれもゴロを打たされ、得点入らず。
4回は2死から銀次が右前にひっぱり出塁するものの、フェルナンデスが一ゴ。5回、6回は三者凡退に抑えられてしまう。
約3カ月ぶりの4番打者ホームランで同点に追いつく
出塁することすらままならなくなり、1点が徐々に重くなってきた7回表だった。4番・ガルシアのバットが火を噴いた。ボール先行2-0からの3球目、海田がストライクを取りにきた甘いカウント球をバット一閃。打った瞬間の当たりは左翼席前列に飛び込む同点弾(楽1-1オ)。
ガルシアの一発は6/17巨人戦以来の5号。4番のホームランは7/7西武戦で4番スタメン出場した岩村が、藤原から放った日本球界復帰初の右本以来、実に約2カ月ぶりとなった。
■2012年 楽天の4番打者ホームラン履歴
◎4/15日本ハム戦(札幌ドーム)、ガルシア、武田久から右本2ラン
◎6/17巨人戦(Kスタ)、ガルシア、杉内から中本2ラン
◎7/7西武戦(西武ドーム)、岩村、藤原から右本ソロ
◎9/16オリックス戦(ほっともっと神戸)、ガルシア、海田から左本ソロ
4番が固定できず“中心なき組織は機能せず”に陥っている今季の楽天。しかし、まさか4番が打ったホームランが僅か4本だったとは、お口あんぐり状態である。
では、どの打順で何本記録しているのか?というと、チーム42本の本塁打のうち、1番が3本、2番が3本、3番が7本、4番が4本、5番が5本、6番が9本、7番が5本、8番が2本、9番が4本という内訳になっていた。
決勝点劇の戦端を切り開いたリードオフマンの活躍!
追いついた直後の7回裏、二番手・高堀がしっかり三人で片づけると、8回表の攻撃、イーグルスは決勝点となる2点勝ち越しに成功する。
バッターボックスは聖澤。ここまで投ゴ、一ゴ、ニゴと良い所がなかったリードオフマンも、この4打席目、切込役の仕事を敢行。追いこまれながらも打球を中前へ運び、2点決勝劇の起点となる。
出塁後は足で揺さぶって、相手のミスを引き出すことに引き出すことに成功する。
西田が送って、松井が勝負を嫌ったようなフォアボールで歩き、1死2,1塁。4番・ガルシアの打席でのことだった。ニ塁上の聖澤が頻繁に大きなリードを取り、代わったばかりの二番手・比嘉にプレッシャーをかけていく。それが奏功した。比嘉のニ塁牽制時の直前、ボークを誘うことに成功。労せず走者進塁して1死3,2塁。
この後、4番・ガルシアのバットが再び火を噴いた。内角球をひっぱった一撃は、レフト左を完全に割っていく2点決勝二塁打に。ガルシアは今季初の3打点の大活躍。みごと4番打者の務めを果たしてみせた。
終盤2点の勝ち越しに成功した楽天は、8回裏をラズナー、9回を青山で締め、このカード3連勝!
同一カード3連勝は、下記のとおり、今季4度目の快挙となり、前カードと合わせて連勝街道はこれで4に伸びている。
■楽天イーグルス 2012年 同一カード3連勝
◎5/11~5/13オリックス3連戦(京セラドーム)
◎6/29~7/1ソフトバンク3連戦(Kスタ)
◎9/7~9/9西武3連戦(Kスタ)
◎9/14~9/16オリックス3連戦(京セラ、ほっと神戸)
これでチーム成績は、126試合58勝60敗8分の借金2。順位は4位のまま。ゲーム差は1位・日本ハムと6.5、2位・西武と6.0、3位・ソフトバンクは勝利したため3.0変わらず、5位・ロッテと0.5、6位・オリックスと8.0となった。なお、各種成績は下記のように推移している。
◎オリックス戦・・・23試合13勝7敗3分 (京セラドーム10試合6勝3敗1分)
◎後半戦成績・・・45試合18勝22敗5分、勝率.450
◎パリーグ内成績・・・102試合48勝46敗8分
◎9月月間成績・・・14試合8勝5敗1分
◎直近10試合成績・・・・10試合8勝2敗
◎ビジターゲーム成績・・・64試合27勝34敗3分
◎デーゲーム成績・・・38試合18勝15敗5分
◎相手先発左投手試合・・・51試合18勝31敗2分
◎先制された試合・・・61試合16勝40敗5分
◎借金6からの巻き返し(8/22以降)・・・23試合13勝9敗1分、勝率.591


楽天救援陣、9月に入って防御率1.53
9月に入って8勝5敗1分の白星先行。直近10試合では2度の4連勝で10勝2敗と、一縷の望みをかけて土壇場の頑張りをみせている星野楽天。
今月どこが機能しているのか?というと、その1つに「救援陣の頑張り」が挙げられる。
■パリーグ チーム別 9月救援投手成績
※9/16試合前時点
日本ハム・・・防御率4.40、2勝2敗、10ホールド、6セーブ
西武・・・防御率3.71、3勝4敗、9ホールド、4セーブ
ソフトバンク・・・防御率1.97、0勝2敗、9ホールド、6セーブ
楽天・・・防御率1.53、2勝0敗、8ホールド、2セーブ
ロッテ・・・防御率1.46、1勝1敗、2ホールド、1セーブ
オリックス・・・防御率1.25、2勝2敗、10ホールド、4セーブ
上記のとおり、楽天救援陣の9月の防御率が1.53と上々なのだ。1.53は月別で今季最も良い数字となっている。
下位のロッテ、オリックスも1点台と好数字だが、黒星がついている。9月に入って救援陣に敗戦投手が記録されていないのはイーグルスだけということで、今日のような終盤での継投作戦で逆転勝利はあっても、その逆を許していない。1点リードの8回3点を失い逆転負けとなった9/4日本ハム戦は、先発・美馬をひっぱりすぎて美馬が打たれての敗戦で、救援陣が打たれた訳ではなかった。
9月のイニング別得失点を確認してみると、終盤7回~9回の合計は、失点が11、得点が23。7回以降も得点できている点も、今月に入っての終盤の安定感につながっているといえそうだ。
9回、青山はしっかり三者凡退。2006年に福盛和男が作った球団記録(21セーブ)に迫る、20セーブに到達している。(hatiさんに教えてもらいましたm(_ _)m)
■楽天・田中将大 球種別投球詳細
St=ストレート、Sl=スライダー、Sh=シュート、Fo=フォーク、Cur=カーブ
vs右打者67球=St23、Sl22、Sh10、Fo9、Cur3
vs左打者51球=St16、Sl11、Sh9、Fo11、Cur4

オリックス打線の待球粘り作戦に遭い、田中、9勝目ならず...
6回、打者26人に118球(1イニング当たり19.67、1人当たり4.54)、被安打7(ニ塁打1)、奪三振10、与四球1、失点1、自責点1、対戦被打率.280(25-7)。
全体のストライク率70.3%(118球中83球)、初球ストライク率69.2%(26人中18人)、3球目で2ストライク率77.3%(22人中17人)。
9勝目を目指して登板した田中だったが、打線が海田に苦しめられたこともあって、勝敗つかずに終わった。
1-1の7回裏から継投作戦に入った采配は、妥当としたい。7回裏も続投となれば、次回登板に差し障りが出る130球を超える可能性は否定できない状況だった。その後、8回表に勝ち越しに成功したのは、7回裏に高堀がしっかり仕事を務め上げて「流れ」を呼び込んだという見方もできるので、6回118球で降ろしたのは、理解できるところである。
しかし、もどかしい試合になった。勝敗つかずで8勝で足踏み。残り登板は恐らく3試合。最低限の二桁勝利へ向けて、黄信号が灯り始めたといえそうだ。
ストライク率70.3%、空振り率16.1%、奪三振は10と上々にみえた田中だが、球数がかさんだ。15球が目安の1イニング当たりの球数は19.67。田中らしくない数字になってしまっている。
原因はオリックスの(それが指示された作戦だったのか?たまたまだったのか?はさておき)徹底した待球の粘り作戦にあったといえそうだ。
下記のとおり、相手打線がファーストストライクから打ってきたのは僅か1打席に止まった。1ストライクも5打席、その大半が2ストライクと追い込まれてからの対決だった。
■ストライクカウント別 被打率
◎0ストライク・・・被打率.000、1打数0安打
◎1ストライク・・・被打率.200、5打数1安打
◎2ストライク・・・被打率.316、19打数6安打、1ニ塁打、10三振、1四球
田中はオリックス打線に29本のファウルを打たせた。ストライク寄与ファウルも15個と多く記録したものの、2ストライク以降の粘られたファウルも14個記録していた。
その象徴が、5回、横山の粘りの10球だ。結局10球目、アウトコース縦のスライダーで空振り三振に倒れた横山だったが、1イニング10球前後で終わらせることが常の田中に、1打席で10球も投げさせた横山の粘りは、敵ながら、あっぱれである。僅か3球で1-2と追い込まれるものの、そこから4度ファウルで粘り、低めの誘いの変化球を(1球は完全ボールだったものの)2球みきわめてみせた。
今季、田中に10球以上投げさせたのは、6/6阪神戦9回のブラゼル(10球、空振り三振)、同阪神戦9回の今成(14球、右越ニ)、6/22ロッテ戦の6回大松(10球、見三振)に続く、4人目になった。
追いこんでから制球が甘めに入ってしまった所を、粘りのオリックス打線にヒットにされた。そのうち1回野中の中安、6回李大浩の中安、同T-岡田の右安は誰が見ても甘い球だった。
■楽天・田中将大 配球図
※各コースの上段は速球、下段は変化球、速球はストレートとシュートの合計

■オリックス・海田智行 球種別投球詳細
vs右打者77球=St39、Sl2、Cut25、Cur3、Ch8
vs左打者29球=St9、Sl4、Cut14、Cur2

楽天の右打者、海田の厳しい内角攻めに屈する...
7回1/3、打者30人に106球(1イニング当たり、1人当たり)、被安打6、被本塁打1(ガルシア)、与四球2、失点3、自責点3、対戦被打率.231(26-6)。
全体のストライク率61.3%(106球65球)、初球ストライク率53.3%(30人中16人)、3球目で2ストライク率(20人中10人)。
8回、聖澤に安打、松井に四球を与え、1死2,1塁で二番手にマウンドを託した海田。比嘉がボーク等のミスも絡んでガルシアに2点決勝打を打たれたため、敗戦投手となった。
しかし、その内実は海田を攻略したとはとても言えない。対戦打率は.231。6回までゼロに抑えられ、そのうち4イニイングは三者凡退。獲得アウト22個のうち半分にあたる11個がゴロアウトだったことを考えると、事実上の軍配は海田に上がるといえる。
楽天打線はなぜ苦しんでしまったのか?
1つは、右バッター(ガルシア、定岡、嶋、西田、フェルナンデス、牧田、松井)が、海田─横山のオリックスバッテリーの内角攻めに苦しんだことが挙げられる。その結果、楽天の右打者の対戦打率は18打数3安打の.167と抑えこまれてしまっていた。
下記に右打者の配球図を、1回~4回、5回以上の2つに分けて出してみた。
■海田vs楽天右打者、1回~4回、5回以降の配球図

特に顕著だったのは2回だ。ニ飛に倒れたガルシア、空振り三振を喫したフェルナンデスは徹底した内角攻めをされた。
3回、連打でチャンスを作った牧田、嶋に対しても内角攻めだった。追いこんでからのインコースの決め球が制球甘くなりストライクゾーンのど真中に入ったのをヒットにしていた。
上記表のとおり、4回まで、海田は31球を右バッターに投げたが、そのうちインコースは71.0%に当たる22球。内角球で凡退に倒れた右打者は8人にも上った。
5回以降、その配球に変化の兆しが表れていく。楽天の右打者に十分にインコースを意識させたオリックスバッテリーはアウトコースも積極的に使うようになる。46球のうちインコースの割合は半減(32.6%に当たる15球)、代わって外角球割合が19.4%から50.0%に増えていた。
結果、楽天の右バッターは的を絞ることがままならなかった、といえそうだ。
同点弾を放ったガルシアは、調子を上げてきた本人の問題もあるが、他方でカウントが2-0とボール先行、打者有利になった点が大きい。思い切ってバットを振っていくことができるカウントなのだ。
■オリックス・海田智行 配球図
※各コースの上段は速球、下段は変化球、速球はストレートとシュートの合計

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