〔試合評〕星野楽天、今季最大の貧打スパイラル。戦術・采配に変化あり?!──2012年7月26日(木)●楽天イーグルス0-1オリックス
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「星野楽天2012年。CS出場へ後半戦カギを握る打者、投手は?」
怪我人続出のシーズンとなりましたが、若手の台頭などもあり、7/6現在、35勝33敗3分で3位と望みを持つことができる好位置につけるイーグルス。後半戦を制して2009年以来3年ぶりのプレーオフ進出を強く願っています。そのためには、後半戦、象徴的な好活躍をみせる、キーマンというべき投手、打者の出現は、不可欠だと思います。そこで、あなたが考える「後半戦カギを握る投手、打者」を教えて下さい。
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投手:現在116票⇒ http://baseball.blogmura.com/board/vot/voting15_55937_0.html
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●楽天イーグルス0-1オリックスバファローズ

■ハイライト映像
先攻・楽天のスタメン・・・1番・聖澤(中)、2番・銀次(ニ)、3番・松井稼(遊)、4番・枡田(三)、5番・ガルシア(指)、6番・中島(左)、7番・フェルナンデス(一)、8番・牧田(右)、9番・嶋(捕)、先発・辛島(左投)
後攻・オリックスのスタメン・・・1番・スケールズ(右)、2番・大引(遊)、3番・後藤(ニ)、4番・李大浩(一)、5番・T-岡田(左)、6番・バルディリス(三)、7番・竹原(指)、8番・齋藤(捕)、9番・川端(中)、先発・井川(左投)。
今季最大の貧打スパイラル
この日気象庁は東北地方に梅雨明け宣言を発表。正午に仙台では気温29.6度を記録するなどいよいよ夏本番だ。
しかし、イーグルスのバットはお湿りの真っ只中と言えそうだ。
7/6~7/8西武3連戦を中心に4戦連続で二桁安打をみせたあの勢い、今はない。直近の二桁安打試合は7/10オリックス戦。ここ9試合は全て一桁安打で、この間のチーム打率は.201と低迷している。
打てそうで打てない。決して本調子ではないようにみえる井川の前に牧田、銀次の僅か2安打どまり。7/11に続いてまたしても井川の緩急を使った投球に翻弄されてしまった。前回、星野監督はかつての愛弟子を評して「面影はないな。もっと良かった」とコメントを残していた。阪神を優勝に導いた全盛期のあのインパクトがいまだ強すぎて、投球術を変更した現在の井川に対してついていけてない。どうしてもそんなイメージを抱かざるをえない。
ところで、この日、井川の速球の平均球速は128.0キロだった。前回7/11と比べて約10キロ減。辛島も128.7キロ。京セラドームのスピードガンがおかしいのでは?という疑念を持ちながらの観戦となった。しかし「このドームは、あまりスピードが出ないですよね。特に左ピッチャーは」という井川のコメントをみて、京セラドーム独特の現象なのだなと合点がいった。
ということは、128.0キロの速球は、打者にとって球速表示以上の速さだったということだ。恐らく7/11同様138キロぐらいは出ていたのではないか? そこに117.4キロのスライダーと、106.5キロのカーブ。この三球種の組み合わせで緩急を生み出され、楽天打線は凡打の山を築くハメになった。
1回1死2塁ではこの日復帰の3番・松井がインハイ135キロ(ということは体感では145キロぐらいだったかもしれない)速球に詰まらされショートへのポップフライ、続く4番・枡田は緩急にしてやられ、高め変化球にタイミング合わず空振り三振。
4回無死2,1塁では枡田が当てただけ感のキャッチャーファウルフライ。戦列復帰したガルシアが低め変化球に空振り三振。左キラーの中島も差し込まれてのセカンドポップフライ。
6回1死3,2塁では、相手側の堅固な守りもあって、枡田がセカンド正面のゴロ、ガルシアがサードゴロに倒れ、ホームが遠い。
イーグルスの先発は辛島。立ち上がりの1回1死満塁のピンチを切り抜けると、7回を竹原に犠牲フライを打たれた1失点のみに抑える好投をみせるも、援護なく2敗目。
これで楽天の零封負けは今季7度目、井川は7/11Kスタでの日本球界復帰初勝利に続くイーグルス戦今季2勝目をあげている。左先発投手で楽天から2勝を挙げているのは、武田勝、成瀬、井川の3人となった。
これでチーム成績は83試合40勝40敗3分。貯金が無くなった。5割はちょうど1カ月前6/26日本ハム戦で五割復帰して以来。イーグルスは3連敗、西武と入れ替わって5/17以来となるBクラス転落だ。
ゲーム差は1位・ロッテ、2位・日本ハムと3.5、3位・西武と0.5、5位・日本ハムと1.5、6位・オリックスと5.5となっている。なお、各種成績は下記のように推移している。
◎オリックス戦・・・13試合7勝5敗1分 (京セラD8試合4勝3敗1分)
◎パリーグ内成績・・・59試合30勝26敗3分
◎7月月間成績・・・16試合7勝9敗
◎直近10試合成績・・・・10試合4勝6敗
◎ビジターゲーム成績・・・44試合21勝22敗1分
◎ナイトゲーム成績・・・54試合26勝27敗1分
◎相手先発左投手試合・・・36試合12勝23敗1分
◎先制された試合・・・40試合10勝28敗2分


戦術・采配に変化あり?!
この試合、興味深く感じたのは、楽天の1回の攻撃だ。
聖澤が3-1から四球で歩き、無死1塁。打席に2番・銀次を迎えた場面である。
試合前段階でチーム最多の12犠打を記録していた銀次も「スコア0-0、1回無死1塁」という状況では「まだ1度も」犠打を記録していなかった。1回に記録した4本の犠打はいずれも盗塁などで聖澤がニ進、無死2塁からのバントだった。
ところが、この試合、楽天ベンチが採った作戦は、聖澤を手堅くスコアリングポジションに送り込む銀次初球バントだった。この采配、1点を追う6回無死2,1で3番・松井に今季初の犠打をさせたシーンと相まって、楽天ベンチの戦術転換を感じずにはいられない場面となった。
戦術・采配に変化がみられること自体は悪いことではない。この試合も後続が凡退したから拙攻にみえるだけであり、1本出ていれば正しかったということになる。それに前半戦とは1試合1試合の重みが違ってくる勝負どころの後半戦だ。前半戦同様の戦い方では混戦のペナントレースを勝ち抜くことは困難、そのように首脳陣が考えてもなんら不思議ではないし、見守っていきたいと思っている。
ただ、どうだろう? 6回無死2,1塁で松井に初球を送らせたのは、他の選択肢も大いにありえたのかな?と思ってしまうのは確かだ。というのも、聖澤、銀次に制球乱れ、いずれも3-1からの二者連続四球での無死2,1塁だっただけに、1、2球をみていく待球姿勢も必要だったかもしれない。カウントがボール先行2-0と有利になることもあったかもしれないからだ。
拙攻の象徴になってしまった嶋
先日エントリでも触れたように、後半戦の正捕手、嶋を起用するのか?岡島を育てていくのか?で得点力に差異が生じるのでは?と考えている。
岡島と比べると打撃技術の差は明白だ。長打は期待できないものの、右打ちやバント等の小技が安定した高いレベルで行うことできる選手の1人だ。それにヒットが打てなくても粘ることができる。この試合も井川は打者1人当たり平均3.38球を投げたが、嶋は3打席で合計21球投げさせた。21球は井川が投げた88球の23.9%にも及ぶ。
しかし、この試合は、前日のホセに続き、嶋が拙攻の象徴になってしまった。
スコア0-0の3回裏、無死1塁でまわってきた1打席目は、初球バントの構えをして見送りストライクとなったものの、右打ちエンドランのサインが出ていた場面。少なくとも、1-1からの3球目、3-2からの6球目にエンドランがかかっていたが、いずれも右翼線の中に打球を入れることができずにファウル。その後、8球目時に見逃し三振で1塁走者・牧田がニ盗死するという三振ゲッツーに倒れてしまう。嶋にしてみれば低めの際どいカーブをしっかり見定めてボールと判断したのだろうとは思うが、球審の手が上がってもおかしくない微妙な球だっただけに打っていってほしかった。
5回には走塁で拙さをみせた。2死走者なしから四球出塁した嶋だったが、その後、聖澤の打席時に井川の1塁牽制球に誘いだされて、2塁タッチアウトになってしまう。(そういえば、井川の1塁牽制球に誘いだされたのは前回7/11に2回2死1塁で中島が2塁タッチアウトになった例含めて、これで2度目だ)
この2度のミスは痛かった。これで明日以降、再びベンチを温める機会が増えるとしたら、楽天の得点力にとって大きなマイナスになりかねない。
■楽天・辛島航 球種別投球詳細
St=ストレート、Sl=スライダー、Sh=シュート、Cur=カーブ、Ch=チェンジアップ
vs右打者92球=St50、Sl13、Sh5、Cur12、Ch12
vs左打者11球=St5、Sl4、Cur2

辛島、田中が持つ球団記録を更新する25回2/3無失点の快挙達成
7回、打者29人に103球(1イニング当たり14.71、1人当たり3.55)、被安打5(ニ塁打1含む)、奪三振3、与四球2、与死球1、失点1、自責点1。
立ち上がりの1回は苦しかった。球数は31球。ストライク率58.1%。先発転向後、1回にこれだけ苦しんだのは初だろう。2四球1死球で1死満塁のピンチも、相手の打ち損じにも助けられるかっこうとなり、どうにかゼロで難を切り抜けた。
大引、李大浩への2四球が痛かった。元々選球眼の良さでは定評のある両打者だが、この打席では粘り強く戦われてしまい、大引に8球、李大浩に10球費やすこととなった。低めのチェンジアップが制御できなかったこともあり悠々見定められ、ボールカウントを増やしてしまったことも、辛島にとって不利に働いた。
■辛島航 過去5戦の1回立ち上がり
5/1西武戦・・・12球。ストライク率66.7%。栗山(左飛)、片岡(三ゴ)、中島(右邪飛)
5/8西武戦・・・11球。ストライク率54.5%。栗山(遊ゴ)、片岡(中飛)、中島(三ゴ)
5/16広島戦・・・14球。ストライク率64.3%。梵(投ゴ)、東出(三ゴ)、廣瀬(投ゴ)
5/23中日戦・・・20球。ストライク率65.0%。大島(中安)、荒木(ニ飛)、森野(空三振)、和田(遊ゴ)
7/15日本ハム戦・・・13球。ストライク率84.6%。田中賢(左安)、杉谷(投犠)、糸井(左飛)、中田(空三振)
森山コーチによるとブルペンでも決して調子が良いというわけではなかったという。しかし、1回をゼロに切り抜けると、その後はしっかり立て直し、調子を戻してくるピッチング。4回に竹原の犠飛で久々の失点。これで5/8西武戦の7回から続いていた連続無失点記録は24回1/3でピリオドが打たれるも、田中が保持していた24回の球団記録を塗りける快挙をみせてくれた。
楽天、新外国人投手補強へ
この試合前飛び込んできたニュースといえば、新外国人投手の補強である。下記に記事を引用した。辛島の1回の立ち上がりなどをみるにその後好投したとはいえ、やはり、疲労は蓄積しているのだなということを痛感せずにはいられない。一時期は快投乱麻の投球をみせた美馬も、ここ最近はどことなく曇りが生じてきているような印象も受ける。
1年通して先発ローテを守ったことのない若手が多い中、1枚でも先発戦力が増えることは好ましいことであり、フタを開けてみなければなんともいえない部分はあるものの、ここへきての獲得劇は、球団の必死さも伺わせるもので、個人的には好印象を持っている。
---引用開始---
楽天 メジャー通算23勝右腕獲得へ 先発候補として期待
(スポニチアネックス 2012年7月27日 06:00 )
http://www.sponichi.co.jp/baseball/news/2012/07/27/kiji/K20120727003765470.html
楽天が先発の新外国人選手として、レッドソックス傘下3Aポータケットでメジャー通算23勝右腕のブランドン・ダックワース投手(36)の獲得に動いていることが26日、分かった。
メディカルチェックで問題がなければ、補強期限でもある今月中に正式に獲得が発表される見込みだ。今季チームで外国人の先発はヒメネスのみで、現在は右手中指痛で2軍調整中。実績のある外国人投手が加入すれば先発陣の強化はもちろん、野手も含めた外国人枠の競争にもつながると判断した。
---引用終了---
この試合前段階でのチーム別先発防御率を確認してみよう。
日本ハム2.51
楽天2.85
西武2.91
ロッテ2.90
ソフトバンク2.92
オリックス3.20
リーグ平均2.88
先発防御率だけでみるとイーグルスはここまでパリーグ2位。しかし、このアドバンテージは田中、辛島に負うところが大きい。というのも塩見は3.55、ヒメネスは3.04、美馬3.30とリーグ平均より悪い。釜田がリーグ平均並みの2.83で、平均より良いのが田中の1.82、辛島の0.86なのだ。
イーグルスの先発陣も決して盤石ではない。そのためにも、後半戦、獲得検討している新戦力の活躍や、2軍で好調整を続けている永井や菊池の力は絶対に必要だ。
■楽天・辛島航 配球図
※各コースの上段は直球、下段は変化球、速球はストレートとシュートの合計

■オリックス・井川慶 球種別投球詳細
St=ストレート、Sl=スライダー、Cur=カーブ、Ch=チェンジアップ
vs右打者55球=St26、Sl18、Cur7、Ch4
vs左打者48球=St33、Sl7、Cur6、Ch2

■オリックス・井川慶 配球図
※各コースの上段は直球、下段は変化球、速球はストレートとシュートの合計

◎◎◎関連記事◎◎◎
前回のオリックス2連戦
・〔試合評〕2008年9/27オリックス戦以来、本塁打で決めるKスタ延長戦サヨナラ劇!──2012年7月10日(火)○楽天イーグルス6x-3オリックス
・〔試合評〕美馬好投も・・・日本球界復帰後初勝利の井川の前に見せ場なく、敗戦──2012年7月11日(水)●楽天イーグルス1-3オリックス
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〔読書感想文を書いてみました〕 赤坂英一『2番打者論』
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今年の4月に上梓された新刊の書評です。2番打者の奥深さ・重要さを伺い知ることができる1冊。
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■ハイライト映像
先攻・楽天のスタメン・・・1番・聖澤(中)、2番・銀次(ニ)、3番・松井稼(遊)、4番・枡田(三)、5番・ガルシア(指)、6番・中島(左)、7番・フェルナンデス(一)、8番・牧田(右)、9番・嶋(捕)、先発・辛島(左投)
後攻・オリックスのスタメン・・・1番・スケールズ(右)、2番・大引(遊)、3番・後藤(ニ)、4番・李大浩(一)、5番・T-岡田(左)、6番・バルディリス(三)、7番・竹原(指)、8番・齋藤(捕)、9番・川端(中)、先発・井川(左投)。
今季最大の貧打スパイラル
この日気象庁は東北地方に梅雨明け宣言を発表。正午に仙台では気温29.6度を記録するなどいよいよ夏本番だ。
しかし、イーグルスのバットはお湿りの真っ只中と言えそうだ。
7/6~7/8西武3連戦を中心に4戦連続で二桁安打をみせたあの勢い、今はない。直近の二桁安打試合は7/10オリックス戦。ここ9試合は全て一桁安打で、この間のチーム打率は.201と低迷している。
打てそうで打てない。決して本調子ではないようにみえる井川の前に牧田、銀次の僅か2安打どまり。7/11に続いてまたしても井川の緩急を使った投球に翻弄されてしまった。前回、星野監督はかつての愛弟子を評して「面影はないな。もっと良かった」とコメントを残していた。阪神を優勝に導いた全盛期のあのインパクトがいまだ強すぎて、投球術を変更した現在の井川に対してついていけてない。どうしてもそんなイメージを抱かざるをえない。
ところで、この日、井川の速球の平均球速は128.0キロだった。前回7/11と比べて約10キロ減。辛島も128.7キロ。京セラドームのスピードガンがおかしいのでは?という疑念を持ちながらの観戦となった。しかし「このドームは、あまりスピードが出ないですよね。特に左ピッチャーは」という井川のコメントをみて、京セラドーム独特の現象なのだなと合点がいった。
ということは、128.0キロの速球は、打者にとって球速表示以上の速さだったということだ。恐らく7/11同様138キロぐらいは出ていたのではないか? そこに117.4キロのスライダーと、106.5キロのカーブ。この三球種の組み合わせで緩急を生み出され、楽天打線は凡打の山を築くハメになった。
1回1死2塁ではこの日復帰の3番・松井がインハイ135キロ(ということは体感では145キロぐらいだったかもしれない)速球に詰まらされショートへのポップフライ、続く4番・枡田は緩急にしてやられ、高め変化球にタイミング合わず空振り三振。
4回無死2,1塁では枡田が当てただけ感のキャッチャーファウルフライ。戦列復帰したガルシアが低め変化球に空振り三振。左キラーの中島も差し込まれてのセカンドポップフライ。
6回1死3,2塁では、相手側の堅固な守りもあって、枡田がセカンド正面のゴロ、ガルシアがサードゴロに倒れ、ホームが遠い。
イーグルスの先発は辛島。立ち上がりの1回1死満塁のピンチを切り抜けると、7回を竹原に犠牲フライを打たれた1失点のみに抑える好投をみせるも、援護なく2敗目。
これで楽天の零封負けは今季7度目、井川は7/11Kスタでの日本球界復帰初勝利に続くイーグルス戦今季2勝目をあげている。左先発投手で楽天から2勝を挙げているのは、武田勝、成瀬、井川の3人となった。
これでチーム成績は83試合40勝40敗3分。貯金が無くなった。5割はちょうど1カ月前6/26日本ハム戦で五割復帰して以来。イーグルスは3連敗、西武と入れ替わって5/17以来となるBクラス転落だ。
ゲーム差は1位・ロッテ、2位・日本ハムと3.5、3位・西武と0.5、5位・日本ハムと1.5、6位・オリックスと5.5となっている。なお、各種成績は下記のように推移している。
◎オリックス戦・・・13試合7勝5敗1分 (京セラD8試合4勝3敗1分)
◎パリーグ内成績・・・59試合30勝26敗3分
◎7月月間成績・・・16試合7勝9敗
◎直近10試合成績・・・・10試合4勝6敗
◎ビジターゲーム成績・・・44試合21勝22敗1分
◎ナイトゲーム成績・・・54試合26勝27敗1分
◎相手先発左投手試合・・・36試合12勝23敗1分
◎先制された試合・・・40試合10勝28敗2分


戦術・采配に変化あり?!
この試合、興味深く感じたのは、楽天の1回の攻撃だ。
聖澤が3-1から四球で歩き、無死1塁。打席に2番・銀次を迎えた場面である。
試合前段階でチーム最多の12犠打を記録していた銀次も「スコア0-0、1回無死1塁」という状況では「まだ1度も」犠打を記録していなかった。1回に記録した4本の犠打はいずれも盗塁などで聖澤がニ進、無死2塁からのバントだった。
ところが、この試合、楽天ベンチが採った作戦は、聖澤を手堅くスコアリングポジションに送り込む銀次初球バントだった。この采配、1点を追う6回無死2,1で3番・松井に今季初の犠打をさせたシーンと相まって、楽天ベンチの戦術転換を感じずにはいられない場面となった。
戦術・采配に変化がみられること自体は悪いことではない。この試合も後続が凡退したから拙攻にみえるだけであり、1本出ていれば正しかったということになる。それに前半戦とは1試合1試合の重みが違ってくる勝負どころの後半戦だ。前半戦同様の戦い方では混戦のペナントレースを勝ち抜くことは困難、そのように首脳陣が考えてもなんら不思議ではないし、見守っていきたいと思っている。
ただ、どうだろう? 6回無死2,1塁で松井に初球を送らせたのは、他の選択肢も大いにありえたのかな?と思ってしまうのは確かだ。というのも、聖澤、銀次に制球乱れ、いずれも3-1からの二者連続四球での無死2,1塁だっただけに、1、2球をみていく待球姿勢も必要だったかもしれない。カウントがボール先行2-0と有利になることもあったかもしれないからだ。
拙攻の象徴になってしまった嶋
先日エントリでも触れたように、後半戦の正捕手、嶋を起用するのか?岡島を育てていくのか?で得点力に差異が生じるのでは?と考えている。
岡島と比べると打撃技術の差は明白だ。長打は期待できないものの、右打ちやバント等の小技が安定した高いレベルで行うことできる選手の1人だ。それにヒットが打てなくても粘ることができる。この試合も井川は打者1人当たり平均3.38球を投げたが、嶋は3打席で合計21球投げさせた。21球は井川が投げた88球の23.9%にも及ぶ。
しかし、この試合は、前日のホセに続き、嶋が拙攻の象徴になってしまった。
スコア0-0の3回裏、無死1塁でまわってきた1打席目は、初球バントの構えをして見送りストライクとなったものの、右打ちエンドランのサインが出ていた場面。少なくとも、1-1からの3球目、3-2からの6球目にエンドランがかかっていたが、いずれも右翼線の中に打球を入れることができずにファウル。その後、8球目時に見逃し三振で1塁走者・牧田がニ盗死するという三振ゲッツーに倒れてしまう。嶋にしてみれば低めの際どいカーブをしっかり見定めてボールと判断したのだろうとは思うが、球審の手が上がってもおかしくない微妙な球だっただけに打っていってほしかった。
5回には走塁で拙さをみせた。2死走者なしから四球出塁した嶋だったが、その後、聖澤の打席時に井川の1塁牽制球に誘いだされて、2塁タッチアウトになってしまう。(そういえば、井川の1塁牽制球に誘いだされたのは前回7/11に2回2死1塁で中島が2塁タッチアウトになった例含めて、これで2度目だ)
この2度のミスは痛かった。これで明日以降、再びベンチを温める機会が増えるとしたら、楽天の得点力にとって大きなマイナスになりかねない。
■楽天・辛島航 球種別投球詳細
St=ストレート、Sl=スライダー、Sh=シュート、Cur=カーブ、Ch=チェンジアップ
vs右打者92球=St50、Sl13、Sh5、Cur12、Ch12
vs左打者11球=St5、Sl4、Cur2

辛島、田中が持つ球団記録を更新する25回2/3無失点の快挙達成
7回、打者29人に103球(1イニング当たり14.71、1人当たり3.55)、被安打5(ニ塁打1含む)、奪三振3、与四球2、与死球1、失点1、自責点1。
立ち上がりの1回は苦しかった。球数は31球。ストライク率58.1%。先発転向後、1回にこれだけ苦しんだのは初だろう。2四球1死球で1死満塁のピンチも、相手の打ち損じにも助けられるかっこうとなり、どうにかゼロで難を切り抜けた。
大引、李大浩への2四球が痛かった。元々選球眼の良さでは定評のある両打者だが、この打席では粘り強く戦われてしまい、大引に8球、李大浩に10球費やすこととなった。低めのチェンジアップが制御できなかったこともあり悠々見定められ、ボールカウントを増やしてしまったことも、辛島にとって不利に働いた。
■辛島航 過去5戦の1回立ち上がり
5/1西武戦・・・12球。ストライク率66.7%。栗山(左飛)、片岡(三ゴ)、中島(右邪飛)
5/8西武戦・・・11球。ストライク率54.5%。栗山(遊ゴ)、片岡(中飛)、中島(三ゴ)
5/16広島戦・・・14球。ストライク率64.3%。梵(投ゴ)、東出(三ゴ)、廣瀬(投ゴ)
5/23中日戦・・・20球。ストライク率65.0%。大島(中安)、荒木(ニ飛)、森野(空三振)、和田(遊ゴ)
7/15日本ハム戦・・・13球。ストライク率84.6%。田中賢(左安)、杉谷(投犠)、糸井(左飛)、中田(空三振)
森山コーチによるとブルペンでも決して調子が良いというわけではなかったという。しかし、1回をゼロに切り抜けると、その後はしっかり立て直し、調子を戻してくるピッチング。4回に竹原の犠飛で久々の失点。これで5/8西武戦の7回から続いていた連続無失点記録は24回1/3でピリオドが打たれるも、田中が保持していた24回の球団記録を塗りける快挙をみせてくれた。
楽天、新外国人投手補強へ
この試合前飛び込んできたニュースといえば、新外国人投手の補強である。下記に記事を引用した。辛島の1回の立ち上がりなどをみるにその後好投したとはいえ、やはり、疲労は蓄積しているのだなということを痛感せずにはいられない。一時期は快投乱麻の投球をみせた美馬も、ここ最近はどことなく曇りが生じてきているような印象も受ける。
1年通して先発ローテを守ったことのない若手が多い中、1枚でも先発戦力が増えることは好ましいことであり、フタを開けてみなければなんともいえない部分はあるものの、ここへきての獲得劇は、球団の必死さも伺わせるもので、個人的には好印象を持っている。
---引用開始---
楽天 メジャー通算23勝右腕獲得へ 先発候補として期待
(スポニチアネックス 2012年7月27日 06:00 )
http://www.sponichi.co.jp/baseball/news/2012/07/27/kiji/K20120727003765470.html
楽天が先発の新外国人選手として、レッドソックス傘下3Aポータケットでメジャー通算23勝右腕のブランドン・ダックワース投手(36)の獲得に動いていることが26日、分かった。
メディカルチェックで問題がなければ、補強期限でもある今月中に正式に獲得が発表される見込みだ。今季チームで外国人の先発はヒメネスのみで、現在は右手中指痛で2軍調整中。実績のある外国人投手が加入すれば先発陣の強化はもちろん、野手も含めた外国人枠の競争にもつながると判断した。
---引用終了---
この試合前段階でのチーム別先発防御率を確認してみよう。
日本ハム2.51
楽天2.85
西武2.91
ロッテ2.90
ソフトバンク2.92
オリックス3.20
リーグ平均2.88
先発防御率だけでみるとイーグルスはここまでパリーグ2位。しかし、このアドバンテージは田中、辛島に負うところが大きい。というのも塩見は3.55、ヒメネスは3.04、美馬3.30とリーグ平均より悪い。釜田がリーグ平均並みの2.83で、平均より良いのが田中の1.82、辛島の0.86なのだ。
イーグルスの先発陣も決して盤石ではない。そのためにも、後半戦、獲得検討している新戦力の活躍や、2軍で好調整を続けている永井や菊池の力は絶対に必要だ。
■楽天・辛島航 配球図
※各コースの上段は直球、下段は変化球、速球はストレートとシュートの合計

■オリックス・井川慶 球種別投球詳細
St=ストレート、Sl=スライダー、Cur=カーブ、Ch=チェンジアップ
vs右打者55球=St26、Sl18、Cur7、Ch4
vs左打者48球=St33、Sl7、Cur6、Ch2

■オリックス・井川慶 配球図
※各コースの上段は直球、下段は変化球、速球はストレートとシュートの合計

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前回のオリックス2連戦
・〔試合評〕2008年9/27オリックス戦以来、本塁打で決めるKスタ延長戦サヨナラ劇!──2012年7月10日(火)○楽天イーグルス6x-3オリックス
・〔試合評〕美馬好投も・・・日本球界復帰後初勝利の井川の前に見せ場なく、敗戦──2012年7月11日(水)●楽天イーグルス1-3オリックス
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