マリナーズ岩隈、ダルビッシュ超えの13K、メジャー先発初勝利!──2012年7/30TOR戦〔記録で診る岩隈メジャー挑戦録〕
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アンケート募集!(7/31まで)
「星野楽天2012年。CS出場へ後半戦カギを握る打者、投手は?」
怪我人続出のシーズンとなりましたが、若手の台頭などもあり、7/6現在、35勝33敗3分で3位と望みを持つことができる好位置につけるイーグルス。後半戦を制して2009年以来3年ぶりのプレーオフ進出を強く願っています。そのためには、後半戦、象徴的な好活躍をみせる、キーマンというべき投手、打者の出現は、不可欠だと思います。そこで、あなたが考える「後半戦カギを握る投手、打者」を教えて下さい。
打者:現在150票⇒ http://baseball.blogmura.com/board/vot/voting15_55936_0.html
投手:現在122票⇒ http://baseball.blogmura.com/board/vot/voting15_55937_0.html
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○シアトルマリナーズ4-1トロントブルージェイズ


マリナーズは7/13から20連戦を戦っている。岩隈メジャー先発5試合目のマウンドは本拠地セーフコフィールド。この日から始まった20連戦の最終カード、トロントブルージェイズとの3ゲームシリーズの初戦を任された。
相当難しい状況だったかと思う。前回登板から中4日の期間、実父・得ニ氏の危篤で見舞いのため日本に一時帰国。前日「体調は大丈夫」としながらも、心身ともに不安要素を抱えたまま登板したであろうことは、想像に難くないからだ。
しかし、それを感じさせない好投ぶり!
109球は海を渡ってから最多の球数。奪った三振は13個。これも最多だ。8回までイニングをこなしたのも最多。失った点は1回先頭打者デービスに浴びたソロホームランによる僅か1点のみ。序盤早々に味方打線の援護にも恵まれ、メジャー先発初勝利、通算2勝目を上げる快挙を成し遂げた。
(ちなみに奪三振13は昨年皇子山でおこなわれた4/26西武戦。涌井と投げ合って9回完封勝利を収めたあの試合が奪三振13を記録していた)
クマのナイスピッチングで、マリナーズは連勝街道を今季初の「5」としている。次回登板はローテどおりなら敵地でのニューヨークヤンキース戦。再びイチローとの対決が待っている。
■岩隈久志 登板日別 投手成績

※最初に断っておきますが、本戦、中継観戦できず。MLBのリアルタイム一球速報で戦況を追いました。
1回、1番・デービスに真中速球を左翼席に運ばれ、先頭打者ホームランで先制点を許してしまった(9試合連続被本塁打)。フルカウントからの6球目だった。それまでの5球はほぼしっかり投げることができていただけに、もったいない1球になってしまう。
しかし、この失投が岩隈のピッチングを引き締める効果を与えたのかもしれない。後続を追いこんでからの低めスプリッターで空振り三振。外いっぱいの速球で見逃し三振、4番・エンカーナシオンはセカンドゴロに討ち取る。4/28には満塁弾を浴びていた因縁の相手だったが、再戦の初打席は岩隈に軍配があがった。
早々に先制点を与えてしまった岩隈だが、直後の1回裏、女房役モンテロの同点打など味方打線が2点を獲得、逆転に成功した。マリナーズは2回にも、暴投、パスボール、三塁手のエラーなど相手ミスに乗じて1点を加えている。
逆転してもらった直後の2回表。しっかりゼロに抑えて引き締めていきたいところである。しかし自らのミスで初の得点圏ピンチ。1死後、四球、その後の送りバント処理時に自らの1塁送球が悪送球となり1死3,1塁のピンチを背負うこととなった。だが、この後、2つのゴロアウトで切り抜けることに成功。
3回以降、効果を発揮したのは意外な球種、110キロ台半ばのカーブだった。この回から9球を投げたが、その全てがストライクカウントに貢献する。ポンと緩い球を投げて確実に1つストライクが取れる。この成果は岩隈にとってかなり有利に働いたように思う。
4回、2度目の得点圏ピンチを迎える。4番エンカーナシオンを低めスプリッターで屠ると、1死後、5番打者スナイダーを追いこんだ後、突如ストライクが入らなくなってしまう。0-2から明らかなボール球が4球続いてフォアボールに。続く6番エスコバルの初球も完全なボール球。2球目、ストライクを取りにいった甘い球を左前へ運ばれてしまった。(テキスト速報をみる限り、この打球は三遊間を破るゴロヒットだったが、遊撃のライアンが恐らく特徴ある守備シフトを敷いていたのだろう、通常位置ならアウトになっていた打球だったかもしれない)
5回は先頭打者に四球を出す。しかし、この走者を2塁まで進ませない。2死後からニ盗企図されるものの、モンテロが刺して3アウト。
1、2回に合計3点をあげた味方打線はその後追加点を奪えず。ようやく、5回裏ソーンダースの適時打で1点をあげ、リードを3点差とした。中盤にあげたこの1点が決定的に岩隈を楽にしたと言えそうだ。
3度目の得点圏ピンチは7回にやってきた。先頭の7番ジョンソンに右翼へニ塁打を打たれ、無死2塁。だが、ここもしっかり後続を切ってとった。この日切れがあった低めスプリッターで9番・ゴーズ、1番・デービスを空振り三振に討ち取っている。 8回は三者凡退。ブルージェイズ打線をあっさりと退けて、109球。9回は救援陣にマウンドを譲っている。
■岩隈久志 球種別 投球詳細
※訂正、4Seamの空振りは2、見逃しストライクは7が正しいです。よって空振り率は15.6%、見逃しストライク率は18.3%になります。

ストライク先行。キレのある変化球を中心に13K!
8回、打者31人に109球(1イニング当たり13.63、1人当たり3.52)、被安打4(ニ塁打1含む)、被本塁打1(デービス)、奪三振13、与四球3(3-2から2個、3-1から1個)、失点1、自責点1。
これで先発5試合で2度目のクオリティスタートとなった。
前回ヤンキース戦は、速球の制球難でストライクが取れず、変化球に頼らざるをえない状況だったが、この試合では速球も上々。変化球もスライダーを始め、緩急をつけるカーブ、決め球のスプリッターと3球種状態が良かったのでは?と言えそうだ。
■先発5試合の空振り率
◎7/2BAL戦・・・12.7% (71球のうち9球=4Seam4、Slider2、Splitter3)
◎7/15TEX戦・・・3.5% (85球のうち3球=Slider3)
◎7/20TB戦・・・11.8% (93球のうち12球=4Seam4、Slider3、Splitter5)
◎7/25NYY戦・・・7.4% (95球のうち7球=4Seam1、Slider1、Splitter5)
◎7/30TOR戦・・・15.6% (109球のうち17球=4Seam3、Curve1、Slider6、Splitter8)
■先発5試合の見逃しストライク率
◎7/2BAL戦・・・12.7% (71球のうち9球)
◎7/15TEX戦・・・11.8% (85球のうち10球)
◎7/20TB戦・・・14.0% (93球のうち13球)
◎7/25NYY戦・・・14.7% (95球のうち14球)
◎7/30TOR戦・・・18.3% (109球のうち20球)
空振り率、見逃しストライク率ともに、先発5試合の中では最も高い数字を記録した。また、25本のファウルのうちストライクカウントに寄与したファウルが19本にも及んだ。合わせて考えると、ブルージェイズ打線は岩隈にタイミングが合っていなかったのでは?と判断できる。
というのも、ヒヤッとしそうな甘い球もかなりあったのだ。ストライクゾーン真中は少なくとも11球あった。
その11球の内訳をみると、
◎被安打2・・・1回デービス左本、4回エスコバル左安
◎外野フライアウト3・・・3回ラスマス右飛、5回ラスマス中飛、6回エンカーナシオン左飛
◎見逃しストライク3・・・1回ラスマス1球目、8回ラスマス1球目、8回エンカーナシオン2球目
◎ストライク寄与ファウル2・・・4回ジョンソン2球目、5回ゴーズ2球目
◎2ストライク以降ファウル1・・・1回ローリー3球目
打者にとって絶好球が11球あったのに、ヒットは僅か2本。逆にアウト3個、1イニングぶん計上している。
このことからも、岩隈の球の勢い、キレが良好だったこと。モンテロとの組み立てが功を奏したこと、ブルージェイズの打者が狙い球やコースを絞り切れず、後手後手の対応になっていたことが伺えるのだ。
理想的なカウント構築
全体のストライク率は70.6%。これは先発5試合の中で最高値。
初球ストライク率は77.4%(31人中24人)。
3球目で2ストライク率は81.8%(22人中18人)。
いずれも高いパーセンテージ。付け加えれば、打者31人中13人が実に僅か2球で0-2と追い込まれてしまっているのだ。僅か2球で追い込まれた13人のうち3球目で三振を喫したのは13Kのうち5人。岩隈が球数少なく打者を追い込むことができ、一般に球数を費やすイメージのある奪三振でも、極力少なく三振の山を築いていたことが確認できる。
追い込んでしまえば、岩隈の独擅場は変わらない。追い込まれた19人のうちデービスには3-2から一発をくらったものの、13人が三振に、3人が凡打(ゴロアウト1、外野フライアウト2)に、2人が四球になっている。
8回まで投げることができた点も収穫だろう。20連戦で救援陣も相当疲れが溜まっている中での8イニング消化だ。
メジャーで深いイニングまで投げ抜くには零封または最少失点で抑えるだけでは実現しない。球数をいかに少なくしていくか?が課題となる。この試合1イニング当たり13.63球を記録。15球以内が目安とされる中、13.63は素晴らしい数字だ。
残りシーズン、白星か?クオリティスタートか?その両方か?もしくはどちらか片方、とにかく結果が欲しい岩隈にとって、このブルージェイズ戦は、結果はむろんのこと、内容も白眉で、理想のかたちになったといえそうだ。
これで防御率は4.56から4.10に改善、先発防御率だけをみれば3.41、ダルビッシュの4.05より良い数字となっている。1試合の奪三振13はダルビッシュの11を超える結果になった。
次回はヤンキース戦。オリンピック中継に必死のNHK BSさん、GyaO!さん、どちらでも良いので中継よろしくお願いしますm(_ _)m
■岩隈久志 配球図

■岩隈久志 7/30 トロントブルージェイズ戦 109球の詳細


◎◎◎関連記事◎◎◎
・眠気も吹っ飛ぶ5回1失点。マリナーズ岩隈、ヤンキース相手に好結果!〔記録で診る岩隈メジャー挑戦録〕
・岩隈、イチロー、川崎。三者揃い踏みの試合は何試合あったか? 〔記録で診る岩隈メジャー挑戦録〕
・〔記録で診る岩隈メジャー挑戦録〕三度目の正直。マリナーズ 岩隈久志、初のクオリティスタート!──2012年7/20TB戦
・ダルビッシュと岩隈が抱える共通の改善点。岩隈、強打のレンジャーズ打線相手に5回4失点2敗目──2012年7/15(日)TEX戦〔記録で診る岩隈メジャー挑戦録〕
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〔読書感想文を書いてみました〕 赤坂英一『2番打者論』
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今年の4月に上梓された新刊の書評です。2番打者の奥深さ・重要さを伺い知ることができる1冊。詳細は下記URLを御参照下さい。
http://tan5277.blog104.fc2.com/blog-entry-1123.html
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(ちなみに奪三振13は昨年皇子山でおこなわれた4/26西武戦。涌井と投げ合って9回完封勝利を収めたあの試合が奪三振13を記録していた)
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しかし、この失投が岩隈のピッチングを引き締める効果を与えたのかもしれない。後続を追いこんでからの低めスプリッターで空振り三振。外いっぱいの速球で見逃し三振、4番・エンカーナシオンはセカンドゴロに討ち取る。4/28には満塁弾を浴びていた因縁の相手だったが、再戦の初打席は岩隈に軍配があがった。
早々に先制点を与えてしまった岩隈だが、直後の1回裏、女房役モンテロの同点打など味方打線が2点を獲得、逆転に成功した。マリナーズは2回にも、暴投、パスボール、三塁手のエラーなど相手ミスに乗じて1点を加えている。
逆転してもらった直後の2回表。しっかりゼロに抑えて引き締めていきたいところである。しかし自らのミスで初の得点圏ピンチ。1死後、四球、その後の送りバント処理時に自らの1塁送球が悪送球となり1死3,1塁のピンチを背負うこととなった。だが、この後、2つのゴロアウトで切り抜けることに成功。
3回以降、効果を発揮したのは意外な球種、110キロ台半ばのカーブだった。この回から9球を投げたが、その全てがストライクカウントに貢献する。ポンと緩い球を投げて確実に1つストライクが取れる。この成果は岩隈にとってかなり有利に働いたように思う。
4回、2度目の得点圏ピンチを迎える。4番エンカーナシオンを低めスプリッターで屠ると、1死後、5番打者スナイダーを追いこんだ後、突如ストライクが入らなくなってしまう。0-2から明らかなボール球が4球続いてフォアボールに。続く6番エスコバルの初球も完全なボール球。2球目、ストライクを取りにいった甘い球を左前へ運ばれてしまった。(テキスト速報をみる限り、この打球は三遊間を破るゴロヒットだったが、遊撃のライアンが恐らく特徴ある守備シフトを敷いていたのだろう、通常位置ならアウトになっていた打球だったかもしれない)
5回は先頭打者に四球を出す。しかし、この走者を2塁まで進ませない。2死後からニ盗企図されるものの、モンテロが刺して3アウト。
1、2回に合計3点をあげた味方打線はその後追加点を奪えず。ようやく、5回裏ソーンダースの適時打で1点をあげ、リードを3点差とした。中盤にあげたこの1点が決定的に岩隈を楽にしたと言えそうだ。
3度目の得点圏ピンチは7回にやってきた。先頭の7番ジョンソンに右翼へニ塁打を打たれ、無死2塁。だが、ここもしっかり後続を切ってとった。この日切れがあった低めスプリッターで9番・ゴーズ、1番・デービスを空振り三振に討ち取っている。 8回は三者凡退。ブルージェイズ打線をあっさりと退けて、109球。9回は救援陣にマウンドを譲っている。
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※訂正、4Seamの空振りは2、見逃しストライクは7が正しいです。よって空振り率は15.6%、見逃しストライク率は18.3%になります。

ストライク先行。キレのある変化球を中心に13K!
8回、打者31人に109球(1イニング当たり13.63、1人当たり3.52)、被安打4(ニ塁打1含む)、被本塁打1(デービス)、奪三振13、与四球3(3-2から2個、3-1から1個)、失点1、自責点1。
これで先発5試合で2度目のクオリティスタートとなった。
前回ヤンキース戦は、速球の制球難でストライクが取れず、変化球に頼らざるをえない状況だったが、この試合では速球も上々。変化球もスライダーを始め、緩急をつけるカーブ、決め球のスプリッターと3球種状態が良かったのでは?と言えそうだ。
■先発5試合の空振り率
◎7/2BAL戦・・・12.7% (71球のうち9球=4Seam4、Slider2、Splitter3)
◎7/15TEX戦・・・3.5% (85球のうち3球=Slider3)
◎7/20TB戦・・・11.8% (93球のうち12球=4Seam4、Slider3、Splitter5)
◎7/25NYY戦・・・7.4% (95球のうち7球=4Seam1、Slider1、Splitter5)
◎7/30TOR戦・・・15.6% (109球のうち17球=4Seam3、Curve1、Slider6、Splitter8)
■先発5試合の見逃しストライク率
◎7/2BAL戦・・・12.7% (71球のうち9球)
◎7/15TEX戦・・・11.8% (85球のうち10球)
◎7/20TB戦・・・14.0% (93球のうち13球)
◎7/25NYY戦・・・14.7% (95球のうち14球)
◎7/30TOR戦・・・18.3% (109球のうち20球)
空振り率、見逃しストライク率ともに、先発5試合の中では最も高い数字を記録した。また、25本のファウルのうちストライクカウントに寄与したファウルが19本にも及んだ。合わせて考えると、ブルージェイズ打線は岩隈にタイミングが合っていなかったのでは?と判断できる。
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◎外野フライアウト3・・・3回ラスマス右飛、5回ラスマス中飛、6回エンカーナシオン左飛
◎見逃しストライク3・・・1回ラスマス1球目、8回ラスマス1球目、8回エンカーナシオン2球目
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理想的なカウント構築
全体のストライク率は70.6%。これは先発5試合の中で最高値。
初球ストライク率は77.4%(31人中24人)。
3球目で2ストライク率は81.8%(22人中18人)。
いずれも高いパーセンテージ。付け加えれば、打者31人中13人が実に僅か2球で0-2と追い込まれてしまっているのだ。僅か2球で追い込まれた13人のうち3球目で三振を喫したのは13Kのうち5人。岩隈が球数少なく打者を追い込むことができ、一般に球数を費やすイメージのある奪三振でも、極力少なく三振の山を築いていたことが確認できる。
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・ダルビッシュと岩隈が抱える共通の改善点。岩隈、強打のレンジャーズ打線相手に5回4失点2敗目──2012年7/15(日)TEX戦〔記録で診る岩隈メジャー挑戦録〕
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