〔記録で診る岩隈メジャー挑戦録〕ゴロックマの本領発揮で3イニング無失点! 31球の詳細──2012年6月5日LAA戦
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5/28(月)から始まったマリナーズのロード日程も、敵地エンジェルスタジアムでのロサンゼルス・エンゼルス(LAA)との3連戦でようやく終わりとなる。
マリナーズにとってエンゼルスは目下の敵だ。アリーグ西地区3位を争う両者の5月月間成績はまさに明暗分かれた。マリナーズが12勝18敗と失速していったのに対し、エンゼルスは下旬に8連勝などもあって19勝11敗と日出ずる勢い。打撃不振を極めた主砲プーホールズも打ち始めており、手強い相手である。初戦は両軍二桁安打の点取り合戦となりマリナーズが8-6で勝利を収め、その2戦目が日本時間6/6昼(米6/5夜)におこなわれた。
マリナーズの先発は先発ローテ三番手のブレイク・ビーバン。ところが、このビーバンがLAA勢のホームラン攻勢のもと5回6失点で降板する。2回、5番・トランボ、6番・ハンターに2者連続本塁打を浴びるなど、4回には4連打などもあって2失点、5回には再びトランボに一発が飛び出し(2ラン)、バルガスは5回終了で御役御免となった。
SEA1-6LAA、5点ビハインドとなる6回表、この回から、中2日で岩隈が二番手として登板した。
残念無念なことに「岩隈の」映像は見ることができていない。前述の2者連続本塁打など序盤は見ることができたのだが、岩隈のところだけ不覚にも確認できていない。後でダイジェスト映像で見ることとして、この一連のエントリは「記録で診る岩隈久志投手のメジャー挑戦録」というタイトルのため、記録でみていきたい。
■岩隈久志 登板日別 投手成績
6回表のアタマからマウンドに上がった岩隈は合計3イニングを投げた。打者10人に31球(1人当たり3.1、1イニング当たり10.33)、被安打1(2本の本塁打を打ったトランボに左翼へのニ塁打)、奪三振1、与四球1、失点0、自責点0、という内容だった。
3イニングをゼロに抑えたことで、防御率は5.63から4.74へ、WHIPは1.38から1.26へ、それぞれ改善となっている。
カウント1-1から134キロから緩急をつける115キロのカーブを、トランボに二塁打されてしまったが、これは打ったバッターを褒めるべき性質のように感じる。前述のとおり本塁打をおかわりしたトランボは、現在打率.337。これはMLB打率ランキングでテキサスのハミルトンの下につける7位に当たる。OPSでは1割越えをしているバッターなのだ。
ということで、この日のピッチングは過去6登板の中で1,2を争うほどの好投になったのでは?と思う。複数イニングを投げた試合でゼロに抑えることができたのは、この登板が初となった。これこそ願っていた収穫で、この戦果は大きいと言える。
■岩隈久志 球種別 投球詳細
vs右打者15球=4Seam6、Curve2、Sinker1、Slider6
vs左打者16球=4Seam4、Curve4、Sinker7、Splitter1
2セーブ目をあげた前回、そのエントリでざくろさんに指摘いただいたように、シンカー(=シュート)が多かった。この試合、マスクは初めてバッテリーを組むジョン・ジェイソだったが、捕手がオリボからジェイソになっても、シンカーを活かした配球は変わらなかった。ここ2試合、岩隈は意識して、意図的にシンカーを投げ込んでいると言えそうなのだ。
前回6/2CWS戦終了時での球種割合は、4シームが36.4%と最多で、その次に三振を取る決め球のスプリッターが25.1%が多く、スライダーの15.9%が続き、そしてようやくシンカーが13.8%で出てくる。
しかし、この2試合ではシンカーの割合が30.6%と最多で、4シームは26.5%に、スプリッターは12.2%に下げた。4シーム、スプリッターの代わりにシンカーを多用し出しているのだ。
そして、そのシンカーで、今日は実に多くのゴロアウトを量産した。獲得アウト9個のうちシンカーで討ち取ったゴロアウトは併殺分を入れると6個を数える。特にエンゼルスの左打者に効力を発揮した。岩隈は左打者のべ6人を全て内野ゴロアウトに仕留めてみせたが、そのうち5人を外角~外角低めのシンカーでゴロを打たせることに成功している。上手くバットのスウィートスポットをはずし、打者の打ち損じを誘発できたといえる。
※追記:ダイジェスト映像をみてきたが、エンゼルス打線に満足なスイングをさせないで討ち取ることができていたように思う。良い当たりはトランボに打たれた左翼線フェンス到達の二塁打ぐらいだ。緩い内野ゴロが多かった印象を抱いた。
■開幕から6登板分の投球割合
※『月刊Slugger7月号』(特集=ダルビッシュ有解体全書)をお持ちの方がいましたら、18頁のダルビッシュのデータと比較してみてください。ここでは平均球速をkm/hにしました。また被WH率は私の調査です.
次に良かった点を挙げるとすると、早めのカウントで打たせてアウトを取ることができた、この点だ。
6/2CWS戦終了時のカウント別データを確認すると(下記参照)、0ストライク時に打ちこまれていることが確認できる。その次に1ストライク(しかし被打率.214は優秀だ)、2ストライクと追い込んでしまうと、対戦打者はまな板の鯉同然で、岩隈の独擅場といえる数字になっている。
■岩隈久志 カウント別 投手成績
※前回6/2CWS戦終了時データ
追い込んでしまえば、決め球のスプリッター(=フォーク)があるため、いかにMLBの強打者とはいえ、それほど怖さを感じない。しかし、どうやって追い込むか?どのようにして追い込む前段階でアウトを取るか?が課題となっていた。
この試合、凡打に討ち取った7人の打者(全てゴロアウト)は、0ストライク時が1人、1ストライク時が6人となっており、追い込む前の早いカウントで、NPBでそうしていたように打たせて取ることができることを、証明したのでは?と思う。
(2ストライクカウントにしたのが奪三振と四球の合計2打席のみだったことから、スプリッターを投げる場面そのものがなく、そのためこの試合では1球しか投じていないということになる。)
ということで、この試合の収穫は
◎初めて複数イニングをゼロで抑えることができた。
◎シンカーが効力を発揮、ゴロ量産の決め球に。
◎追い込む前のカウントで打者と勝負ができていた。
の3つといえそうだ。
(明日6/6(日本6/7)のLAA戦で先発の可能性もという現地の憶測記事があっただけに、期待していたのだが、その点は少々残念)
※ダイジェスト映像を確認して、追記があれば、後日追記します。
■岩隈久志 配球図
■岩隈久志 MLB7登板目 31球の詳細
◎◎◎関連記事◎◎◎
・〔記録〕確かな前進。マリナーズ 岩隈久志メジャー2セーブ目の全18球──2012年6月2日CWS戦
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マリナーズにとってエンゼルスは目下の敵だ。アリーグ西地区3位を争う両者の5月月間成績はまさに明暗分かれた。マリナーズが12勝18敗と失速していったのに対し、エンゼルスは下旬に8連勝などもあって19勝11敗と日出ずる勢い。打撃不振を極めた主砲プーホールズも打ち始めており、手強い相手である。初戦は両軍二桁安打の点取り合戦となりマリナーズが8-6で勝利を収め、その2戦目が日本時間6/6昼(米6/5夜)におこなわれた。
マリナーズの先発は先発ローテ三番手のブレイク・ビーバン。ところが、このビーバンがLAA勢のホームラン攻勢のもと5回6失点で降板する。2回、5番・トランボ、6番・ハンターに2者連続本塁打を浴びるなど、4回には4連打などもあって2失点、5回には再びトランボに一発が飛び出し(2ラン)、バルガスは5回終了で御役御免となった。
SEA1-6LAA、5点ビハインドとなる6回表、この回から、中2日で岩隈が二番手として登板した。
残念無念なことに「岩隈の」映像は見ることができていない。前述の2者連続本塁打など序盤は見ることができたのだが、岩隈のところだけ不覚にも確認できていない。後でダイジェスト映像で見ることとして、この一連のエントリは「記録で診る岩隈久志投手のメジャー挑戦録」というタイトルのため、記録でみていきたい。
■岩隈久志 登板日別 投手成績
6回表のアタマからマウンドに上がった岩隈は合計3イニングを投げた。打者10人に31球(1人当たり3.1、1イニング当たり10.33)、被安打1(2本の本塁打を打ったトランボに左翼へのニ塁打)、奪三振1、与四球1、失点0、自責点0、という内容だった。
3イニングをゼロに抑えたことで、防御率は5.63から4.74へ、WHIPは1.38から1.26へ、それぞれ改善となっている。
カウント1-1から134キロから緩急をつける115キロのカーブを、トランボに二塁打されてしまったが、これは打ったバッターを褒めるべき性質のように感じる。前述のとおり本塁打をおかわりしたトランボは、現在打率.337。これはMLB打率ランキングでテキサスのハミルトンの下につける7位に当たる。OPSでは1割越えをしているバッターなのだ。
ということで、この日のピッチングは過去6登板の中で1,2を争うほどの好投になったのでは?と思う。複数イニングを投げた試合でゼロに抑えることができたのは、この登板が初となった。これこそ願っていた収穫で、この戦果は大きいと言える。
■岩隈久志 球種別 投球詳細
vs右打者15球=4Seam6、Curve2、Sinker1、Slider6
vs左打者16球=4Seam4、Curve4、Sinker7、Splitter1
2セーブ目をあげた前回、そのエントリでざくろさんに指摘いただいたように、シンカー(=シュート)が多かった。この試合、マスクは初めてバッテリーを組むジョン・ジェイソだったが、捕手がオリボからジェイソになっても、シンカーを活かした配球は変わらなかった。ここ2試合、岩隈は意識して、意図的にシンカーを投げ込んでいると言えそうなのだ。
前回6/2CWS戦終了時での球種割合は、4シームが36.4%と最多で、その次に三振を取る決め球のスプリッターが25.1%が多く、スライダーの15.9%が続き、そしてようやくシンカーが13.8%で出てくる。
しかし、この2試合ではシンカーの割合が30.6%と最多で、4シームは26.5%に、スプリッターは12.2%に下げた。4シーム、スプリッターの代わりにシンカーを多用し出しているのだ。
そして、そのシンカーで、今日は実に多くのゴロアウトを量産した。獲得アウト9個のうちシンカーで討ち取ったゴロアウトは併殺分を入れると6個を数える。特にエンゼルスの左打者に効力を発揮した。岩隈は左打者のべ6人を全て内野ゴロアウトに仕留めてみせたが、そのうち5人を外角~外角低めのシンカーでゴロを打たせることに成功している。上手くバットのスウィートスポットをはずし、打者の打ち損じを誘発できたといえる。
※追記:ダイジェスト映像をみてきたが、エンゼルス打線に満足なスイングをさせないで討ち取ることができていたように思う。良い当たりはトランボに打たれた左翼線フェンス到達の二塁打ぐらいだ。緩い内野ゴロが多かった印象を抱いた。
■開幕から6登板分の投球割合
※『月刊Slugger7月号』(特集=ダルビッシュ有解体全書)をお持ちの方がいましたら、18頁のダルビッシュのデータと比較してみてください。ここでは平均球速をkm/hにしました。また被WH率は私の調査です.
次に良かった点を挙げるとすると、早めのカウントで打たせてアウトを取ることができた、この点だ。
6/2CWS戦終了時のカウント別データを確認すると(下記参照)、0ストライク時に打ちこまれていることが確認できる。その次に1ストライク(しかし被打率.214は優秀だ)、2ストライクと追い込んでしまうと、対戦打者はまな板の鯉同然で、岩隈の独擅場といえる数字になっている。
■岩隈久志 カウント別 投手成績
※前回6/2CWS戦終了時データ
追い込んでしまえば、決め球のスプリッター(=フォーク)があるため、いかにMLBの強打者とはいえ、それほど怖さを感じない。しかし、どうやって追い込むか?どのようにして追い込む前段階でアウトを取るか?が課題となっていた。
この試合、凡打に討ち取った7人の打者(全てゴロアウト)は、0ストライク時が1人、1ストライク時が6人となっており、追い込む前の早いカウントで、NPBでそうしていたように打たせて取ることができることを、証明したのでは?と思う。
(2ストライクカウントにしたのが奪三振と四球の合計2打席のみだったことから、スプリッターを投げる場面そのものがなく、そのためこの試合では1球しか投じていないということになる。)
ということで、この試合の収穫は
◎初めて複数イニングをゼロで抑えることができた。
◎シンカーが効力を発揮、ゴロ量産の決め球に。
◎追い込む前のカウントで打者と勝負ができていた。
の3つといえそうだ。
(明日6/6(日本6/7)のLAA戦で先発の可能性もという現地の憶測記事があっただけに、期待していたのだが、その点は少々残念)
※ダイジェスト映像を確認して、追記があれば、後日追記します。
■岩隈久志 配球図
■岩隈久志 MLB7登板目 31球の詳細
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