〔試合評〕釜田佳直、プロ初勝利──2012年5月27日(日)○楽天イーグルス4-1ヤクルト
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○楽天イーグルス4-1東京ヤクルトスワローズ
先攻・楽天のスタメン・・・1番・聖澤(中)、2番・銀次(ニ)、3番・高須(三)、4番・ガルシア(一)、5番・中村(左)、6番・テレーロ(右)、7番・枡田(遊)、8番・小山桂(捕)、9番・釜田(右投)。
後攻・ヤクルトのスタメン・・・1番・飯原(左)、2番・森岡(遊)、3番・ミレッジ(中)、4番・バレンティン(右)、5番・畠山(一)、6番・宮本(三)、7番・相川(捕)、8番・田中(ニ)、9番・館山(右投)。
釜田、2登板目にしてプロ初勝利!
この日、左膝捻挫を負った牧田が戦線離脱した。怪我人続出で暗雲立ち込めるチーム状況。そんな中、とびっきりの朗報をもたらしてくれたのが、ドラフト2位・18歳新人右腕による大仕事、釜田佳直のプロ2登板目にしてプロ初勝利の快挙だった。高卒ルーキー初勝利は球団史上、田中将大に続く2例目とのことである。
やはり、カギは2回裏、自身の2四球、高須のエラー等で招いた1死満塁のピンチを抑えた点だろう。8番・田中を外のボール球でこの試合初の三振に討ち取ると、9番・投手の館山もしっかり三振に取り、ゼロで切り抜けることに成功、続く3回裏はこの試合唯一の三者凡退でヤクルト打線を退けてみせた。
すると、4回表だった。イヌワシ打線は、この試合初の得点圏チャンスを作ると、1死2,1塁から、牧田と入れ替わりで1軍に上がってきた中村がライトオーバーのフェンス直撃二塁打を放ち走者2人をホームに迎え入れると、さらに森岡のエラーの間に1得点、枡田の犠牲フライで1点を追加し、この回館山から一気に4点を先制した。(楽4-0ヤ)
釜田は7回無死2,1塁のピンチを作るとここで降板。二番手ハウザーが飯原に適時打を打たれ1点は返されるも(楽4-1ヤ)、以降、小山、9回は青山とつないで、ヤクルト打線のそれ以上の反撃を許さず、楽天が快勝を収めている。
これでチーム成績は43試合22勝19敗2分で3位は変わらず。1位・ロッテとのゲーム差は4.0、2位・日本ハムとは1.5、4位・ソフトバンクとは1.5となっている。なお、各種成績は下記のとおり。
◎5月月間成績・・・20試合13勝7敗
◎交流戦成績・・・8試合5勝3敗で6位(パ内では4位)
◎ビジターゲーム戦績・・・24試合14勝9敗1分
◎ナイトゲーム戦績・・・24試合14勝9敗1分
◎先制点奪取試合・・・24試合16勝7敗1分
■楽天・釜田佳直 球種別投球詳細
St=ストレート、Sl=スライダー、Fo=フォーク、Cur=カーブ
vs右打者84球=St50、Sl28、Fo1、Cur5
vs左打者15球=St10、Sl3、Cur2
釜田の挑戦
6回0/3、打者26人に99球(1人当たり3.81、1イニング当たり16.50)、被安打4(全て単打)、奪三振4、与四球3、与死球1、失点1、自責点1。
プロ初登板となった5/20甲子園での阪神戦では、序盤変化球がほとんど機能せず、速球一本槍の苦しいピッチングとなり、そこを狙われるかたちとなったが、この試合ではスライダーが機能した。奪った空振り7個のうち5個を、見逃しストライク13個のうち7個を、いずれもスライダーで獲得している。味方打線による4点援護をもらった後からは、緩いカーブも時節混ぜてくるピッチングを展開し、7回無死2,1塁のピンチでマウンドを救援陣に託すものの、6回0/3、99球、1失点の内容で、プロ初勝利を手中に収めている。
「マネーボール」にはこんなくだりが出てくる。
そもそも高校生に賭けるのは分が悪いのだ。スカウトはとかく高校生の選手を、なかでも投手を褒め上げる。しかし高校生の段階でその選手の将来を予見することは不可能に近い。まだ肩が完成していないから、スカウトの評価基準はたったひとつ。速球のスピードしかない。けれども本来、投手の一番重要な能力は、力まかせの剛速球ではなく、打者をあざむくテクニックになる。あざむきかたは人それぞれ違う。
過去のドラフトの結果から言って、高卒の投手がメジャーに昇格できる可能性は、大卒の投手にくらべて半分以下、大卒の野手とくらべると4分の1以下にすぎない。高校生投手を1位指名して120万ドルの契約金を払うなどばかげた真似は、スカウトに主導権を渡してしまったから起きた失敗だ。確率を無視し、理性をないがしろにしている。
では、日本球界ではどうなのか。
という疑問を調べた人がいる。昨年ナベツネを告発し巨人GMを解任された清武英利氏である。今春上梓された著書『巨魁』の151頁にそのくだりがでてくる。
「対象は2001年から2006年までのドラフトで入団した12球団の選手である。これを高校生と大学生、社会人に分類し、その後、成功した選手がどれだけ出たかを追跡してみよう。問題になるのは「成功選手」の定義だが、ここでは2001年から2004年までに入団した選手の場合は、1軍登録を2年間以上果たした者に限る。2006年入団選手の場合は、「1軍登録1年以上の者」としてみた。
高校生投手 0.170 (86人のうち「成功選手」は15人)
大学生投手 0.413 (80人のうち33人)
社会人投手 0.464 (84人のうち39人)
釜田は高卒投手.170の壁を乗り越えることができるだろうか?
■楽天イーグルス ドラフト入団投手一覧
※線で消した投手は退団投手
赤字は(私が主観で判断した)成功選手。一場は判断が難しいところだが、チーム黎明期に385回2/3のイニングを消化したことを評価した。
楽天の場合、高校生投手、大学生投手、社会人投手、おしなべて1軍定着率が悪いといえる。
◎高校生投手
2005年・・・片山博視(報徳学園高)
2006年・・・田中将大(駒大苫小牧高)
2007年・・・寺田龍平(札幌南高)、石田隆司(東海大仰星高)、菊池保則(常盤大高)
2008年・・・辛島航(飯塚高)
2010年・・・木村謙吾(仙台育英高)
2011年・・・釜田佳直(金沢高)、三好匠(九州国際大付高)※三好は野手転向
◎大学生投手
2004年・・・一場靖弘(明治大)
2005年・・・松崎伸吾(東北福祉大)、青山浩二(八戸大)
2006年・・・永井怜(東洋大)
2007年・・・長谷部康平(愛工大)
2008年・・・井上雄介(青山学院大)
2009年・・・戸村健次(立教大)
◎社会人投手
2004年・・・渡邉恒樹(NTT東日本)
2005年・・・木谷寿巳(王子製紙)
2008年・・・藤原紘通(NTT西日本)、井坂亮平(住友金属鹿島)
2009年・・・高堀和也(三菱自動車岡崎)、土屋朋弘(シティライト岡山)
2010年・・・美馬学(東京ガス)、加藤貴大(BCリーグ富山)
2011年・・・武藤好貴(JR北海道)
■楽天・釜田佳直 配球図
※各コースの上段は直球、下段は変化球
■ヤクルト・館山昌平 球種別投球詳細
St=ストレート、Sl=スライダー、Fo=フォーク、Cut=カットボール、Ch=チェンジアップ
vs右打者36球=St19、Sl10、Fo7
vs左打者49球=St21、Sl10、Fo4、Cut1、Ch13
■ヤクルト・館山昌平 配球図
※各コースの上段は直球、下段は変化球
◎◎◎関連記事◎◎◎
昨年のヤクルト戦
・【試合評】 2011年5月20日(金) ○楽天イーグルス2-1ヤクルト。奪三振15は自己最多/球団新となる田中の完投
・【試合評】 2011年5月21日(土) ○楽天イーグルス2X-1ヤクルト。大廣の劇的サヨナラ打で勝利も、またまた継投失敗。いったいどうなっているのか?!今季の継投作戦?!
・【試合評】 2011年6月5日(日)●楽天イーグルス5-13ヤクルト。顔文字で振り返る散々な負け試合
・【試合評】2011年6月6日(月) ●楽天イーグルス4-5ヤクルト。楽天が5失点した時の成績はこれで11試合10敗1分です。
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○楽天イーグルス4-1東京ヤクルトスワローズ
先攻・楽天のスタメン・・・1番・聖澤(中)、2番・銀次(ニ)、3番・高須(三)、4番・ガルシア(一)、5番・中村(左)、6番・テレーロ(右)、7番・枡田(遊)、8番・小山桂(捕)、9番・釜田(右投)。
後攻・ヤクルトのスタメン・・・1番・飯原(左)、2番・森岡(遊)、3番・ミレッジ(中)、4番・バレンティン(右)、5番・畠山(一)、6番・宮本(三)、7番・相川(捕)、8番・田中(ニ)、9番・館山(右投)。
釜田、2登板目にしてプロ初勝利!
この日、左膝捻挫を負った牧田が戦線離脱した。怪我人続出で暗雲立ち込めるチーム状況。そんな中、とびっきりの朗報をもたらしてくれたのが、ドラフト2位・18歳新人右腕による大仕事、釜田佳直のプロ2登板目にしてプロ初勝利の快挙だった。高卒ルーキー初勝利は球団史上、田中将大に続く2例目とのことである。
やはり、カギは2回裏、自身の2四球、高須のエラー等で招いた1死満塁のピンチを抑えた点だろう。8番・田中を外のボール球でこの試合初の三振に討ち取ると、9番・投手の館山もしっかり三振に取り、ゼロで切り抜けることに成功、続く3回裏はこの試合唯一の三者凡退でヤクルト打線を退けてみせた。
すると、4回表だった。イヌワシ打線は、この試合初の得点圏チャンスを作ると、1死2,1塁から、牧田と入れ替わりで1軍に上がってきた中村がライトオーバーのフェンス直撃二塁打を放ち走者2人をホームに迎え入れると、さらに森岡のエラーの間に1得点、枡田の犠牲フライで1点を追加し、この回館山から一気に4点を先制した。(楽4-0ヤ)
釜田は7回無死2,1塁のピンチを作るとここで降板。二番手ハウザーが飯原に適時打を打たれ1点は返されるも(楽4-1ヤ)、以降、小山、9回は青山とつないで、ヤクルト打線のそれ以上の反撃を許さず、楽天が快勝を収めている。
これでチーム成績は43試合22勝19敗2分で3位は変わらず。1位・ロッテとのゲーム差は4.0、2位・日本ハムとは1.5、4位・ソフトバンクとは1.5となっている。なお、各種成績は下記のとおり。
◎5月月間成績・・・20試合13勝7敗
◎交流戦成績・・・8試合5勝3敗で6位(パ内では4位)
◎ビジターゲーム戦績・・・24試合14勝9敗1分
◎ナイトゲーム戦績・・・24試合14勝9敗1分
◎先制点奪取試合・・・24試合16勝7敗1分
■楽天・釜田佳直 球種別投球詳細
St=ストレート、Sl=スライダー、Fo=フォーク、Cur=カーブ
vs右打者84球=St50、Sl28、Fo1、Cur5
vs左打者15球=St10、Sl3、Cur2
釜田の挑戦
6回0/3、打者26人に99球(1人当たり3.81、1イニング当たり16.50)、被安打4(全て単打)、奪三振4、与四球3、与死球1、失点1、自責点1。
プロ初登板となった5/20甲子園での阪神戦では、序盤変化球がほとんど機能せず、速球一本槍の苦しいピッチングとなり、そこを狙われるかたちとなったが、この試合ではスライダーが機能した。奪った空振り7個のうち5個を、見逃しストライク13個のうち7個を、いずれもスライダーで獲得している。味方打線による4点援護をもらった後からは、緩いカーブも時節混ぜてくるピッチングを展開し、7回無死2,1塁のピンチでマウンドを救援陣に託すものの、6回0/3、99球、1失点の内容で、プロ初勝利を手中に収めている。
「マネーボール」にはこんなくだりが出てくる。
そもそも高校生に賭けるのは分が悪いのだ。スカウトはとかく高校生の選手を、なかでも投手を褒め上げる。しかし高校生の段階でその選手の将来を予見することは不可能に近い。まだ肩が完成していないから、スカウトの評価基準はたったひとつ。速球のスピードしかない。けれども本来、投手の一番重要な能力は、力まかせの剛速球ではなく、打者をあざむくテクニックになる。あざむきかたは人それぞれ違う。
過去のドラフトの結果から言って、高卒の投手がメジャーに昇格できる可能性は、大卒の投手にくらべて半分以下、大卒の野手とくらべると4分の1以下にすぎない。高校生投手を1位指名して120万ドルの契約金を払うなどばかげた真似は、スカウトに主導権を渡してしまったから起きた失敗だ。確率を無視し、理性をないがしろにしている。
では、日本球界ではどうなのか。
という疑問を調べた人がいる。昨年ナベツネを告発し巨人GMを解任された清武英利氏である。今春上梓された著書『巨魁』の151頁にそのくだりがでてくる。
「対象は2001年から2006年までのドラフトで入団した12球団の選手である。これを高校生と大学生、社会人に分類し、その後、成功した選手がどれだけ出たかを追跡してみよう。問題になるのは「成功選手」の定義だが、ここでは2001年から2004年までに入団した選手の場合は、1軍登録を2年間以上果たした者に限る。2006年入団選手の場合は、「1軍登録1年以上の者」としてみた。
高校生投手 0.170 (86人のうち「成功選手」は15人)
大学生投手 0.413 (80人のうち33人)
社会人投手 0.464 (84人のうち39人)
釜田は高卒投手.170の壁を乗り越えることができるだろうか?
■楽天イーグルス ドラフト入団投手一覧
※線で消した投手は退団投手
赤字は(私が主観で判断した)成功選手。一場は判断が難しいところだが、チーム黎明期に385回2/3のイニングを消化したことを評価した。
楽天の場合、高校生投手、大学生投手、社会人投手、おしなべて1軍定着率が悪いといえる。
◎高校生投手
2005年・・・片山博視(報徳学園高)
2006年・・・田中将大(駒大苫小牧高)
2007年・・・
2008年・・・辛島航(飯塚高)
2010年・・・木村謙吾(仙台育英高)
2011年・・・釜田佳直(金沢高)、三好匠(九州国際大付高)※三好は野手転向
◎大学生投手
2004年・・・
2005年・・・
2006年・・・永井怜(東洋大)
2007年・・・長谷部康平(愛工大)
2008年・・・井上雄介(青山学院大)
2009年・・・戸村健次(立教大)
◎社会人投手
2004年・・・
2005年・・・
2008年・・・藤原紘通(NTT西日本)、井坂亮平(住友金属鹿島)
2009年・・・高堀和也(三菱自動車岡崎)、土屋朋弘(シティライト岡山)
2010年・・・美馬学(東京ガス)、加藤貴大(BCリーグ富山)
2011年・・・武藤好貴(JR北海道)
■楽天・釜田佳直 配球図
※各コースの上段は直球、下段は変化球
■ヤクルト・館山昌平 球種別投球詳細
St=ストレート、Sl=スライダー、Fo=フォーク、Cut=カットボール、Ch=チェンジアップ
vs右打者36球=St19、Sl10、Fo7
vs左打者49球=St21、Sl10、Fo4、Cut1、Ch13
■ヤクルト・館山昌平 配球図
※各コースの上段は直球、下段は変化球
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昨年のヤクルト戦
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