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〔記録〕2011年、楽天イーグルスの「走塁力」──走者1塁、味方打者に外野単打が出た時の1塁走者3塁到達率

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今回は、2011年の楽天イーグルスの「走塁力」に迫ってみたい。

先日、下記エントリで楽天外野陣の守備力測定を試みた。

〔記録〕犬鷲外野守備陣の実力を測る!(その2)──走者の進塁、本塁突入を阻む「抑止力」を調べてみた!(2012.1.15)

走者1塁、相手打者に外野へ単打を打たれてしまった場合、相手1塁走者にどれだけ3塁へ進まれてしまったか? 2塁または2,1塁で外野に単打を許してしまったとき、相手の2塁走者がどのくらいの割合で本塁へ帰ってきたか?を調べてみた。

これを調べることで、楽天外野守備陣の「抑止力」や肩の強さ、送球の正確さ等が「おぼろげながらも」見えてくるのでは?そういう趣旨で調べてみた。

今回は、その反対だ。

1塁走者が外野単打で一気に3塁を陥れることができれば、絶好のチャンス到来となる。
2塁走者が外野単打でホームに帰ってくることができれば、イコール、味方の得点となる。


この2つは走塁の中でも状況判断を特に求められる場面であり、塁上の走者の見せ所になってくるはずだ。

というわけで、楽天が攻撃の時、同じ状況で味方1塁走者が3塁へ到達した割合、2塁走者が本塁に帰ってきた割合を調べてみて、イーグルスの走塁力がどの程度のものなのか?を確認してみたい。


■楽天の攻撃、塁状況が1塁、
味方打者が外野単打を記録した場合の、1塁走者の3塁到達率

※2011年シーズン終了時す



2011年、走者を1塁に置いた状況で味方打者が外野に単打を放ったケースは、上記表のとおり、116回あった。

116回のうち、味方1塁走者が3塁到達したのは37回、三塁到達率31.9%になる。

それぞれの内訳は

左翼単打34回のうち14.7%に当たる5回
中堅単打34回のうち32.4%に当たる11回
右翼単打48回のうち43.8%に当たる21回


となっている。

楽天の前年のデータや他球団の数字を持ち合わせていないため、なんとも言えない「もどかしさ」を抱えながら書き進めることになるけれど、この31.9%という数字は、まずまず良い数字だと思う。

というのも、前回調査のとおり、同様の状況での相手1塁走者の3塁到達率は26.5%だった。144試合の対戦相手を「1つの敵チーム」と見なすなら、少なくともその敵軍を上回る数字だからだ。

敵より多く3塁到達できたのはなぜか? これは味方打者が右翼に多く単打を打っていた点も見逃せない。

一般にこのような状況で1塁走者が3塁を狙うには右翼への当たりのほうが成功しやすい。理由は3塁から最も距離的に遠いのが右翼であり、逆に最も近い左翼へ飛んだ場合は、3塁を陥れるのはなかなか難しくなってくる。野球中継で解説者が右打ちが上手い打者を評価するのは、こういう理由もあるからなのだ。

走者1塁で、楽天の打者が外野に単打を放ったその打球方向は、上記表のとおり、左翼34、中堅34、右翼48で、右翼が最も多かった。一方、相手打者の打球方向は、左翼46、中堅37、右翼34。3塁を狙いやすい右翼は最少、3塁を狙いにくい左翼が最多を記録した。

この事実は今回調べてみて初めて気付かされたことだけど、打たれたとしても傷口を最小限に止めるリードや配球を、嶋を始めバッテリー陣が施していた可能性は、ある。

さて、細かなシチュエーション別に確認していこう。


■試合展開別でみる3塁到達率

リード時・・・29.5%:44回(左13中16右15)のうち13回(左2中3右8)
0-0/同点時・・・48.4%:31回(左5中9右17)のうち15回(左2中4右9)
ビハインド時・・・22.0%:41回(左16中9右16)のうち9回(左1中4右4)


(カッコ)内は打球方向を示している。例えば、リード時している展開で走者1塁のとき外野単打が出たのは44回あり、そのうち13回は左翼、16回は中堅、15回は右翼へのヒットだった、という意味。44回のうち13回で3塁到達した。13回のうち8回は右翼での当たりで到達した、という意味になる。

試合展開別で確認するとスコア0-0/同点時の3塁到達率が最も高く、48.4%を記録した。

0-0の時なら先制点を取って試合の流れを引き寄せたい場面であるし、同点時では是が非でも勝ち越し点を取って試合運びを有利にしたい場面である。こういう事情のためか、積極的に3塁を狙っている傾向がうかがえる。また、打者も右翼への当たりが多く(左翼5、中堅9、右翼17)、右打ちでチャンスを広げていこうという意図が垣間みえるのでは?と思う。

一方、低い値を示したのが、楽天が追う展開、ビハインド時である。22.0%になったが、もっと詳細に見ると、ビハインドが1点、2点までの3塁到達率は28.0%(25回のうち7回)。3点以上のビハインドでは16回のうち2回、12.5%と大きな差が開いた。

外野単打で一気に3塁を狙う走塁は、二塁打で3塁を狙う走塁と比べれば、明らかにリスクがともなう。

3塁を狙いやすい右翼への当たりが出ても、右翼手の正面を突く当たりなのか?右翼手が回り込んで処理するような打球なのか?など正確な打球判断、右翼手の肩の強さ、送球の正確さ等々、難しい状況判断が咄嗟の瞬間に求められるのだ。まとまった点差を追う負けてる展開では、アウトを増やすリスクを冒してまで3,1塁にするよりも、手堅く2,1塁を選ぶ判断が採用されているのかもしれない。

また、打者の打球方向でみると、0-0/同点時は右翼へのヒットが多かったものの、ビハインド時では左翼と右翼の当たりが同数になっている。負けている展開になると、つなぐ意識が薄れ、強い当たりや長打狙いの意識が増してくる、そのような傾向がここに表れているのかもしれない。


■アウトカウント別でみる3塁到達率

0アウト・・・21.9%:32回(左8中8右16)のうち7回(左1中1右5)
1アウト・・・41.7%:48回(左15中17右16)のうち20回(左4中8右8)
2アウト・・・27.8%:36回(左11中9右16)のうち10回(中2右8)


この結果には少々不満を持つ。無死3,1塁、1死3,1塁、2死3,1塁、この中で絶好のチャンスは言わずもがな無死3,1塁である。この無死での3塁到達率が最も低い21.9%しかないのが、いったいどうしてか?

無死での打者の意識はしっかりしている。32本の単打のうち半数の16本を右翼に放っているのだ。つないでチャンスを広げていこうという狙いは数字にも表れている。

なのに、走者の3塁到達率が悪い。推測してみるに、ここでもリスクを冒して3塁を狙ってアウトになり1死1塁になるよりも、無死2,1塁にして送りバントで1死3,2塁にするほうが手堅い作戦だと判断しているからだろう。だから、3塁を積極的に狙っていかないのでは?と考えている。実際、昨年の楽天は無死2,1塁でバント作戦を選択した割合は約半数に上った。これは無死1塁でバント作戦を選択した頻度(31.9%)よりも高い。


■1塁走者別でみる3塁到達率

内村賢介・・・62.5%:16回(左4中7右5)のうち10回(左2中3右5)
草野大輔・・・15.4%:13回(左6中3右4)のうち2回(左1右1)
嶋基宏・・・16.7%:12回(左3中2右7)のうち2回(中1右1)
高須洋介・・・33.3%:12回(左4中3右5)のうち4回(中2右2)
聖澤諒・・・25.0%:8回(左2中2右4)のうち2回(右2)

岩村明憲・・・50.0%:6回(左1中1右4)のうち3回(右3)
山崎武司・・・33.3%:6回(左2中1右3)のうち2回(左1右1)
横川史学・・・33.3%:6回(左1中3右2)のうち2回(中1右1)
ガルシア・・・00.0%:5回(左3中2)のうち0回
中島俊哉・・・00.0%:5回(左1中2右2)のうち0回

松井稼頭央・・・40.0%:5回(左2中1右2)のうち2回(左1右1)
牧田明久・・・80.0%:5回(中3右2)のうち4回(中3右1)
鉄平・・・25.0%:4回(左2右2)のうち1回(右1)
中村真人・・・50.0%:4回(中1右3うち2回(中1右1)
伊志嶺忠・・・00.0%:3回(左1右2)のうち0回

銀次・・・50.0%:2回(左1右1)のうち1回(右1)
ルイーズ・・・00.0%:2回(左1中1)のうち0回
塩川達也・・・00.0%:1回(中1)のうち0回
平石洋介・・・00.0%:1回(左1)のうち0回


内村賢介の62.5%が特に際立っている。打者が右翼に打った場合は必ず3塁を陥れている。左翼でも4回のうち2回で3塁へ進出した。積極的な走塁が功を奏したといえそうだ。

1塁走者が外野単打で3塁(または本塁)を狙うも惜しくもタッチアウトになってしまったケースは昨年3回あった。そのうち1回は草野で、2回は内村だった。9/28西武戦で高須の当たりが左中間を襲ったのをみて一気にホームを狙うもタッチアウト、10/19ロッテ戦で中堅への当たりで3塁狙うも岡田の好返球に刺された2例があったが、これは積極的な走塁の代償のようなもの。これを責めるよりも、この高い3塁到達率をしっかり評価すべきだ。

一方、前年42.9%の3塁到達率(BT2011年5月増刊号からのデータ)を残した聖澤は、25.0%と落ち込んでしまった。また、嶋のそれも16.7%と悪い。1つ1つの状況がどのようであったか?を検討しないとハッキリしたことはいえないが、この両人に対するイメージからすれば、この数字はあまりにも低すぎる。

特に聖澤は、1塁走者だった5/7西武戦の6回無死1塁では、中村が右翼へヒットを放つも、スライディングで2塁へ滑り込んで2塁ストップになってしまっている。解説氏が言うには、聖澤の単独スチールで中村が打っていった作戦だったというが、それでも判断がしっかりしてさえいれば、スライディングで2塁に滑り込むのではなく、3塁を狙える状況だったかもしれない。

また、打者走者の時に西武戦で中島のトリックプレーにひっかかって2塁ストップになったケースもあった。いつの試合だったか正確には調べることができなかったが、昨年の西武戦、右翼に当たり放って打者走者として一気に2塁へ差し掛かろうとしたとき、ショート・中島が外野からの返球の捕球体勢に入ったのをみて(実際は返球はきていなかった)2塁ストップしてしまったケースもあった。

ハナから足が期待されていない草野のような選手の3塁到達率が低いのは想定内と思うものの、足を武器にしている選手のそれがイマイチなのは、いただけない。


春季キャンプの初日、今季はどんなチームに作り上げますか?という記者陣の質問に、星野監督は「しつこく、粘っこく戦っていく。相手にいやだな、と思われるチームになります」と語ったという。

粘っこい楽天を作るには、こういう走塁面での意識改革や技術改善も、その課題点の大きな1つだと思う。

長くなりましたので、本エントリはここまでとします。

走者2塁または2,1塁で外野単打が出た時の、味方2塁走者の本塁帰還率は、次回エントリになります。【終】



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