〔書評〕村山哲ニ 著『もしあなたがプロ野球を創れと言われたら──「昇進」より「夢」を選んだサラリーマン──』(ベースボール・マガジン社)
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■村山哲ニ 著『もしあなたがプロ野球を創れと言われたら──「昇進」より「夢」を選んだサラリーマン──』(ベースボール・マガジン社 定価1,470円)
この本は、ベースボール・チャレンジ・リーグ(BCリーグ)代表の村山哲ニ氏が追いかけた、約6年に及ぶ「夢」と「戦い」の記録である。今年の4月に上梓された。
BCリーグは日本で2番目の独立リーグとして2007年シーズンからスタートした。現在は下記の上信越・北陸6県の6チームが所属、これまでプロ野球(NPB)に2007年の内村賢介(楽天)を始め、12名の選手を送り出してきた(2011年11月現在)。
群馬県・・・群馬ダイヤモンドペガサス
新潟県・・・新潟アルビレックス・ベースボール・クラブ
長野県・・・信濃グランセローズ
富山県・・・富山サンダーバーズ
石川県・・・石川ミリオンスターズ
福井県・・・福井ミラクルエレファンツ
事の始まりは、NPBの球界再編が楽天の参入で終息に向かっていた2005年2月のこと。
当時、村山氏は電通東日本新潟支社の営業マンだった。その氏に、サッカーやバスケットボールチームを抱えていたアルビレックス新潟のオーナーでNSGグループ理事長、池田弘から、このようなオファーを「個人的に」受けたのが始まりだという。
「新潟にプロ野球を創りたい。その可能性を探ってほしい」。
以来、村山氏は、電通東日本新潟支社に籍くサラリーマンのまま、BCリーグ設立に向けて水面下で走り出した。
オファーを受けて走り出した村山氏だが、こと野球に関しては門外漢だった。小中高と野球をやって一般入試で入った駒澤大学でも準公式野球部に入るほどの野球少年だが、選手としての華やかな戦歴はない。当然、野球経営に対してのノウハウも持ち合わせておらず、野球界に人脈もない。「そもそも野球のことはファンの視線でしか考えたことがなかった」という。
そんな氏が、志を同じくする仲間達に恵まれ、彼らとともに紆余曲折を経て、誕生させたのがBCリーグで、この本は、私財を投げ打ってまでその「夢」を追い求めた当事者による貴重なインサイドレポートである。
この本は、
・なぜ北信越の地に独立リーグが生まれたのか?
・野球に門外漢だった村山氏が引き受けたその理由とは?
・どのような経緯を経てBCリーグが誕生したのか?
・そこにはどのような「苦闘」と「奇跡」の連続があったのか?
・BCリーグの目指すべき所、その存在価値、魅力はどこにあるのか?
・独立リーグを作った男の眼には日本のプロ野球(NPB)はどのように映っているのか?
等といった問いに率直に答えてくれる。
幾つか例を挙げてみよう。
・野球に門外漢だった村山氏が引き受けたその理由とは?
氏は1997年に電通東日本に中途入社、一貫してサッカーのアルビレックス新潟の担当だった。チームはちょうど地域リーグからJFLへの昇格を決めJリーグを目指す途上にあった頃で、氏の電通営業マンとしてのキャリアやステップアップは常にチームの成長と共にあった。氏はプライベートでは熱心なサポーターの1人としてスタジアムに通い、仕事では担当としてバカがつくほどのめりこんでいく。1999年にはJ2昇格。2003年にはJ2優勝、人口81万の地方都市ながらもJリーグ最高の観客動員数を記録した「ニイガタ現象」を、その真っ只中で経験。「スポーツで地域が一つになれる」ことを確信していた。これが幾つかある理由の1つだ。
・そこにはどのような「苦闘」と「奇跡」の連続があったのか?
「奇跡」といえば、三澤今朝治、金森栄治といったNPB出身者の出会いも大きかったと綴る。
現在、信濃グランセローズ球団社長の要職にある三澤は、長野県松本市の出。地元の松商学園から駒大を経て1963年にNPB入り、東映~日拓~日本ハムで11年の選手生活を送り、現役引退後は日本ハムのフロントに転身。札幌移転にも尽力した。「野球によって地域が元気になることを」見を持って「知っている人」だった。本書はこう結んでいる。「BCリーグの球団経営陣で唯一のNPB経験者である。選手としてだけではなく、球団の幹部としても活躍した経歴は、若いBCリーグにとってかけがえのない存在になった」。
石川県金沢市出身の金森のキャリアについては言わずもがなだろう。福岡ソフトバンクホークスの打撃コーチを辞めた後、当時ヤクルトの監督だった古田敦也氏のコーチ打診を断って、「ふるさとが呼んだんや」と言い残し、BCリーグの石川ミリオンスターズの初代監督に就任した。
三澤は地元密着型の球団経営のノウハウを、金森はBCリーグの門を叩いた選手達にプロとしての厳しさや基本を大いに伝えた。
・BCリーグの目指すべき所、その存在価値、魅力はどこにあるのか?
この答えの一端が本書の111頁に書かれている。引用してみる。
私は、毎年オフに行うリーグの合同トライアウトで、チャレンジしてきた若者たちに、必ず述べることがある。
「このリーグは、君たちをNPBに送りだすことが目的ではない。このリーグは地域と地域の子供たちのためのリーグだ。ただNPBを目指すためだけに野球をやりたいのであれば、他でやってほしい」
大体の選手は目をぱちくりしながらも、このことを理解してくれる。
独立リーグと言うと、四国アイランドリーグplusがそうであったように、社会人野球衰退で高卒大卒後の野球を続けていく受け皿がなくなったためその代替として誕生したのでは?と安易に考えがちだ。ことNPBを応援する野球ファンにとっては、NPBに選手を供給する下部リーグのような存在として捉えがちかもしれない。
しかし、BCリーグ側はそうではなく、あくまでも地域と地域の子供たちのため、なのだ。
なぜ地域なのか?は、球団経営レベルでは感覚として理解できる。NPBでも球団経営に地域密着型が叫ばれている昨今だからだ。
だが、それ以上に、村山氏らBCリーグが掲げるその「理念」が、契機となったエピソード──ある野球少年の母親から送られてきた感動のハガキ、6/13前橋で行われた群馬vs新潟の大事件等──を複数ちりばめながら、幾度も触れられている。
これ以上、深くここで書いてしまうとネタバレになるので控えるが、なるほど、と納得をした。
ところで、ぼくはBCリーグにほとんど興味がなかった。
ぼくの住んでいる長野県にも信濃グランセローズがあるけど、顔と名前が一致する選手は楽天に在籍していた竜太郎ぐらいというお粗末な知識だ。そんな訳だから観戦歴もゼロ(中継では1試合)。その関心度をパーセンテージで表せば、おそらく僅か10%ほどだろう。
なぜ興味が持てないのか?と言えば、「最終目標」、すごろくで言う「上がり」がよくわからないのだ。
信濃グランセローズがBCリーグでいくら勝利を重ねても、プロ野球(NPB)には何ら影響を及ぼさない。例えばサッカーなら、J1を頂点に、J2、JFL、地域リーグというピラミッッド型組織になっていて、勝ち進むたびに上へ昇格できるシステムがある。ところが、グランセローズとBCリーグはいくら頑張ってみても、プロ野球の下の下(?)のあたりで演じられる、ちっぽけな「コップの中の争い」にしか映らなかった。
そのぼくが何故この本を手にしたのか?と言えば、タイトルに惹かれたからなのだが、本書を読み終わってみて、ぼくがBCリーグやグランセローズに求めていた「最終目標」そのものが、とんでもない勘違いであったことに気付いた。
一方で今後の課題点も見えてくる。
「地域のために、地域の子供たちのために」を理念として掲げるBCリーグだが、その歩みはまだまだ発展途上で、決して十分とはいえない点である。
例えば、リーグが開幕した07年に長野県内で行われた世論調査で、信濃グランセローズを知っているか?という問いに対して、86%の県民が知っていると答えたという。
だが、これは、ただ単純にその名前を知っているだけ、という初歩的なレベルでの話だと思う。そして、4年経った今なお、その認知レベルはほとんど変わっていないのでは?と思うのだ。
ぼくのように顔と名前が一致する選手が1人でも言える県民はまだマシなほうかもしれない。おそらくほとんどの県民は誰が在籍しているのか?今のチーム成績は(弱いということは知っていても)どこに位置しているのか?などを把握している人は、いないだろう。
つまり、既にBCリーグと何らかでも関わりのある「地域」にとっては、彼らの活動の認知度は進んでいるかもしれないが、ひとたび、外に出てしまえば、そのギャップは計り知れないのだ。
スポーツを通して地域を盛り上げたいと願う県民はそれなりにいる。だが、それが別に野球でなければならないと考えている層は、いったいどれくらいいるだろう?
長野県内にはJリーグを目指してJFLで頑張っている松本山雅や長野パルセイロといったチームがある。また、今年はBJリーグに信州ブレイブウォリアーズも参入した。日本で唯一のプロバスケットボールリーグであるBJリーグや、Jリーグに続くJFLは、地域活性化のための「最終目標」として、あまりにもシンプルで判りやすい。それと比較すると、BCリーグは分が悪すぎるのでは?と心配になってくる。
だから、そのためにも、今まで以上に地域と繋がる事業をしていかなければならない宿命にあると思う。
エピローグの前、最終章にあたる第7章では「日本の野球がメジャーを超える日のために」と銘打ち、はノウハウや人脈もないゼロの地平から独立リーグを作った経験を踏まえて、プロ野球界(NPB)に提言をしている。MLBが世界戦略の一環としてBCリーグにビジネスを持ちかけてきたくだりも記述されている。この提言は、大変興味深かった。
来年は、村山氏らが目指す所、掲げる理念を確認しに、少なくとも1度は球場に足を運ぼうと思う。
あ、最後に、球界で最も身長の低い楽天・内村賢介選手は当時BCリーグ内でも最少だったとか。【終】
◎◎◎関連記事◎◎◎
・〔書評〕岡田友輔 著『日本ハムに学ぶ勝てる組織づくりの教科書』(講談社プラスアルファ新書)
・〔書評〕大坪正則 著『パ・リーグがプロ野球を変える 6球団に学ぶ経営戦略』(朝日新書)
・〔書評〕鳥越規央 著『9回裏無死1塁でバントはするな──野球解説は“ウソ”だらけ』(祥伝社新書)
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■村山哲ニ 著『もしあなたがプロ野球を創れと言われたら──「昇進」より「夢」を選んだサラリーマン──』(ベースボール・マガジン社 定価1,470円)
この本は、ベースボール・チャレンジ・リーグ(BCリーグ)代表の村山哲ニ氏が追いかけた、約6年に及ぶ「夢」と「戦い」の記録である。今年の4月に上梓された。
BCリーグは日本で2番目の独立リーグとして2007年シーズンからスタートした。現在は下記の上信越・北陸6県の6チームが所属、これまでプロ野球(NPB)に2007年の内村賢介(楽天)を始め、12名の選手を送り出してきた(2011年11月現在)。
群馬県・・・群馬ダイヤモンドペガサス
新潟県・・・新潟アルビレックス・ベースボール・クラブ
長野県・・・信濃グランセローズ
富山県・・・富山サンダーバーズ
石川県・・・石川ミリオンスターズ
福井県・・・福井ミラクルエレファンツ
事の始まりは、NPBの球界再編が楽天の参入で終息に向かっていた2005年2月のこと。
当時、村山氏は電通東日本新潟支社の営業マンだった。その氏に、サッカーやバスケットボールチームを抱えていたアルビレックス新潟のオーナーでNSGグループ理事長、池田弘から、このようなオファーを「個人的に」受けたのが始まりだという。
「新潟にプロ野球を創りたい。その可能性を探ってほしい」。
以来、村山氏は、電通東日本新潟支社に籍くサラリーマンのまま、BCリーグ設立に向けて水面下で走り出した。
オファーを受けて走り出した村山氏だが、こと野球に関しては門外漢だった。小中高と野球をやって一般入試で入った駒澤大学でも準公式野球部に入るほどの野球少年だが、選手としての華やかな戦歴はない。当然、野球経営に対してのノウハウも持ち合わせておらず、野球界に人脈もない。「そもそも野球のことはファンの視線でしか考えたことがなかった」という。
そんな氏が、志を同じくする仲間達に恵まれ、彼らとともに紆余曲折を経て、誕生させたのがBCリーグで、この本は、私財を投げ打ってまでその「夢」を追い求めた当事者による貴重なインサイドレポートである。
この本は、
・なぜ北信越の地に独立リーグが生まれたのか?
・野球に門外漢だった村山氏が引き受けたその理由とは?
・どのような経緯を経てBCリーグが誕生したのか?
・そこにはどのような「苦闘」と「奇跡」の連続があったのか?
・BCリーグの目指すべき所、その存在価値、魅力はどこにあるのか?
・独立リーグを作った男の眼には日本のプロ野球(NPB)はどのように映っているのか?
等といった問いに率直に答えてくれる。
幾つか例を挙げてみよう。
・野球に門外漢だった村山氏が引き受けたその理由とは?
氏は1997年に電通東日本に中途入社、一貫してサッカーのアルビレックス新潟の担当だった。チームはちょうど地域リーグからJFLへの昇格を決めJリーグを目指す途上にあった頃で、氏の電通営業マンとしてのキャリアやステップアップは常にチームの成長と共にあった。氏はプライベートでは熱心なサポーターの1人としてスタジアムに通い、仕事では担当としてバカがつくほどのめりこんでいく。1999年にはJ2昇格。2003年にはJ2優勝、人口81万の地方都市ながらもJリーグ最高の観客動員数を記録した「ニイガタ現象」を、その真っ只中で経験。「スポーツで地域が一つになれる」ことを確信していた。これが幾つかある理由の1つだ。
・そこにはどのような「苦闘」と「奇跡」の連続があったのか?
「奇跡」といえば、三澤今朝治、金森栄治といったNPB出身者の出会いも大きかったと綴る。
現在、信濃グランセローズ球団社長の要職にある三澤は、長野県松本市の出。地元の松商学園から駒大を経て1963年にNPB入り、東映~日拓~日本ハムで11年の選手生活を送り、現役引退後は日本ハムのフロントに転身。札幌移転にも尽力した。「野球によって地域が元気になることを」見を持って「知っている人」だった。本書はこう結んでいる。「BCリーグの球団経営陣で唯一のNPB経験者である。選手としてだけではなく、球団の幹部としても活躍した経歴は、若いBCリーグにとってかけがえのない存在になった」。
石川県金沢市出身の金森のキャリアについては言わずもがなだろう。福岡ソフトバンクホークスの打撃コーチを辞めた後、当時ヤクルトの監督だった古田敦也氏のコーチ打診を断って、「ふるさとが呼んだんや」と言い残し、BCリーグの石川ミリオンスターズの初代監督に就任した。
三澤は地元密着型の球団経営のノウハウを、金森はBCリーグの門を叩いた選手達にプロとしての厳しさや基本を大いに伝えた。
・BCリーグの目指すべき所、その存在価値、魅力はどこにあるのか?
この答えの一端が本書の111頁に書かれている。引用してみる。
私は、毎年オフに行うリーグの合同トライアウトで、チャレンジしてきた若者たちに、必ず述べることがある。
「このリーグは、君たちをNPBに送りだすことが目的ではない。このリーグは地域と地域の子供たちのためのリーグだ。ただNPBを目指すためだけに野球をやりたいのであれば、他でやってほしい」
大体の選手は目をぱちくりしながらも、このことを理解してくれる。
独立リーグと言うと、四国アイランドリーグplusがそうであったように、社会人野球衰退で高卒大卒後の野球を続けていく受け皿がなくなったためその代替として誕生したのでは?と安易に考えがちだ。ことNPBを応援する野球ファンにとっては、NPBに選手を供給する下部リーグのような存在として捉えがちかもしれない。
しかし、BCリーグ側はそうではなく、あくまでも地域と地域の子供たちのため、なのだ。
なぜ地域なのか?は、球団経営レベルでは感覚として理解できる。NPBでも球団経営に地域密着型が叫ばれている昨今だからだ。
だが、それ以上に、村山氏らBCリーグが掲げるその「理念」が、契機となったエピソード──ある野球少年の母親から送られてきた感動のハガキ、6/13前橋で行われた群馬vs新潟の大事件等──を複数ちりばめながら、幾度も触れられている。
これ以上、深くここで書いてしまうとネタバレになるので控えるが、なるほど、と納得をした。
ところで、ぼくはBCリーグにほとんど興味がなかった。
ぼくの住んでいる長野県にも信濃グランセローズがあるけど、顔と名前が一致する選手は楽天に在籍していた竜太郎ぐらいというお粗末な知識だ。そんな訳だから観戦歴もゼロ(中継では1試合)。その関心度をパーセンテージで表せば、おそらく僅か10%ほどだろう。
なぜ興味が持てないのか?と言えば、「最終目標」、すごろくで言う「上がり」がよくわからないのだ。
信濃グランセローズがBCリーグでいくら勝利を重ねても、プロ野球(NPB)には何ら影響を及ぼさない。例えばサッカーなら、J1を頂点に、J2、JFL、地域リーグというピラミッッド型組織になっていて、勝ち進むたびに上へ昇格できるシステムがある。ところが、グランセローズとBCリーグはいくら頑張ってみても、プロ野球の下の下(?)のあたりで演じられる、ちっぽけな「コップの中の争い」にしか映らなかった。
そのぼくが何故この本を手にしたのか?と言えば、タイトルに惹かれたからなのだが、本書を読み終わってみて、ぼくがBCリーグやグランセローズに求めていた「最終目標」そのものが、とんでもない勘違いであったことに気付いた。
一方で今後の課題点も見えてくる。
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例えば、リーグが開幕した07年に長野県内で行われた世論調査で、信濃グランセローズを知っているか?という問いに対して、86%の県民が知っていると答えたという。
だが、これは、ただ単純にその名前を知っているだけ、という初歩的なレベルでの話だと思う。そして、4年経った今なお、その認知レベルはほとんど変わっていないのでは?と思うのだ。
ぼくのように顔と名前が一致する選手が1人でも言える県民はまだマシなほうかもしれない。おそらくほとんどの県民は誰が在籍しているのか?今のチーム成績は(弱いということは知っていても)どこに位置しているのか?などを把握している人は、いないだろう。
つまり、既にBCリーグと何らかでも関わりのある「地域」にとっては、彼らの活動の認知度は進んでいるかもしれないが、ひとたび、外に出てしまえば、そのギャップは計り知れないのだ。
スポーツを通して地域を盛り上げたいと願う県民はそれなりにいる。だが、それが別に野球でなければならないと考えている層は、いったいどれくらいいるだろう?
長野県内にはJリーグを目指してJFLで頑張っている松本山雅や長野パルセイロといったチームがある。また、今年はBJリーグに信州ブレイブウォリアーズも参入した。日本で唯一のプロバスケットボールリーグであるBJリーグや、Jリーグに続くJFLは、地域活性化のための「最終目標」として、あまりにもシンプルで判りやすい。それと比較すると、BCリーグは分が悪すぎるのでは?と心配になってくる。
だから、そのためにも、今まで以上に地域と繋がる事業をしていかなければならない宿命にあると思う。
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来年は、村山氏らが目指す所、掲げる理念を確認しに、少なくとも1度は球場に足を運ぼうと思う。
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