打者転向した楽天・片山博視を「活かす道」を考える~2015年成績より
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打者転向した片山博視の2015年を振り返る
今年2月10日から打者転向した片山博視の2015年を振り返ってみたい。
今年は2軍で49試合に出場した。
スタメンでプレーしたのは29試合。ポジション別の内訳は一塁20試合、DH5試合、右翼4試合、一塁orDHで起用されるケースが圧倒的だった。
途中出場20試合の内訳は、代打から10試合、代走から3試合、一塁守備から5試合、右翼守備から2試合という内容だった。
一塁と右翼で守備に就いた時の守備率は1.000。守備についても正直覚えることだらけ、慣れないことのほうが多かっただろうが、エラーを1つもしなかったのは評価できそうだ。
とは言え、この人の生きる道は打棒になる。
27歳からの打者転向、時間的猶予が残されていない中での1年目の挑戦はどうだったのだろう?
下記で成績を確認してみたい。
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![]() 2016年もイーグルスをよろしくお願いします!楽天イーグルス 2016選手カレンダー(A3)片山博視#91 |
■楽天 片山博視 2015年 2軍 打撃成績

主要指標の全てにおいてイースタン平均値より劣る
打者転向当時、私はブログ(下記エントリー)で、片山が1軍戦力になるには最低でもファームで300打席の経験が必要と書いた。直近の打者転向例で西武・木村文紀が2軍通算301打席で1軍に昇格した事例があったからだ。
◎打者転向した楽天・片山博視に必要な最低限のファーム打席数(2015/2/11)
打者1年目の今年、片山が経験した打席数は142を数えている。来年は育成選手が増えたことで、片山に投下できる場数が少なくなるであろうことを考えれば、支配下から育成へ切り替わったことのハードルも高く、来年も2軍暮らしの可能性が高いと言える。
報徳学園高時代には1年の時から4番に座り、高校通算36本塁打。打者としての力量も高く、ドラフトでは野手指名を検討した球団も多かったという片山だが、公式戦で打席に立ったのは投手として登板した交流戦での通算5打席のみだった。
ブランクを経ての打者1年目の挑戦は、6/18コボスタでのヤクルト戦から7/22利府ロッテ戦までの約1ヵ月間、この間の期間内打率は素晴らしく、マルチ安打7試合など61打数22安打の.361と快音が木霊し、ファンの胸を躍らせた。しかし、この好調を持続させることができず、結果的にプロの壁に跳ね返される形になっている。
(余談だが、秋季教育リーグに派遣されなかったのは、どこか怪我でもしていたためだろうか?)
OPS、打率は表のとおり。いずれもイースタンリーグ平均値に達していない。その他のスタッツも下記のとおりだ。(カッコ内がリーグ平均値)
出塁率 .282 (.330)
長打率 .308 (.365)
ISO .073 (.109)
IsoD .043 (.075)
三振率 30.3% (16.7%)
四球率 6.3% (8.9%)
特に気になるのが、三振率だ。打席の3割が三振が占めている現状を見ると、コンタクト率が低いのだろう。今後の継続課題だ。
GO/AOは1.19。ややゴロを打たされるケースが多いようだが、全90打球の内外野数は内野43、外野47。半分以上の打球が外野に到達していることを考えると、非力というイメージはない。
■楽天 片山博視 2015年 2軍 条件別 打撃成績

"プロ一号"は日本ハム・浦野から。名だたる面々から安打を放った
片山の打撃成績を条件別で確認してみたい。
当ブログは当該打者の現在地を測る"ざっくりとした目安"に、対戦投手の1軍経験数で診ることが多い。1軍通算投球回100イニング以上と未満の2つに分けて確認することが多いのだが、片山の場合、1軍通算100回以上の経験豊富な投手との対戦打率のほうが良かった。
安打を打った投手の顔ぶれを確認すると、加賀繁、館山昌平、内竜也、中郷大樹、三嶋一輝、高崎健太郎、内海哲也、八木亮祐、浦野博司、古谷拓哉、西口文也。名だたる面々である。1軍舞台で打者をねじ伏せてきた彼らからヒットを放つことができたことは、自信になったはずだ。この中で、7/12鎌ヶ谷での日本ハム戦で浦野博司から放った左本が"プロ初本塁打"、そして打者キャリアとして唯一のホームランになっている。
打者転向した片山は、言ってしまえば今年がルーキーイヤーみたいなもの。昨年のドラフトで球界入りしてきた相手新人投手との対決はどうだったか? 結果は10打席で対戦し、10打数2安打3三振だった。8/9山形での阪神戦では、片山と同じくドラ1で入団してきた高卒左腕の横山雄哉の前に、空三振、三併、中飛の3の0に打ち取られてしまった。
課題になった左投手成績、まずまずの数字を作った右投手成績
投手の左右別では、御多分に漏れず、サウスポーに弱く、打率/出塁率/長打率は.167/.208/.188。左投手から打ち返した打球の20%が内野フライアウトになるなど、対応に苦慮していた。
しかし、右投手対戦時には.280/.326/.378、OPSでは.704。まずまずの数字を作ることに成功しているのだ。
前述したとおり、育成選手が増えた来年は、片山が打席に立てる機会は今年よりも減ってしまうことが考えられる。例えば、今年は139打席だったが、51打席減り、来年は88打席に減ってしまうことも十分予想される。
そこで、提案だ。
片山は右投手専用の左打者として活路を見出すべきである。
片山の立ち位置と来年は29歳を迎えるその年齢、左投手成績の悪さ... このことを考えれば、今ここから左投手を打てるように克服していくのは、かなりの難作業になる。そのためには、片山に相応の左投手打席数を用意しなければならない。素材型の若手や育成選手が増えた中、29歳の片山にだけ、まとまった打席数を割く訳にもいかない。
そこで、私は下記表のように提案したい。

片山は右投手攻略専用の左打者として生きるべきだ
上記表の下図であれば、チームが所持する貴重な2軍打席数を、伸びしろのある若手の育成に影響が出ないかたちで片山に割り当てることができる。片山にしてみれば、確かに前年比51打席の減少にはなっているが、苦手の左打者との対戦から解放されて、結果が出ている右投手との対戦に専念することができ、右投手攻略へ向けての課題に集中的に取り組むこともできる。
チームにとっても、片山にとっても、Win-Winの関係を作ることができるのだ。
もちろん、これは分かり易く提示するための極端な例だ。現実はこんなに上手いこといかないとは思うが、これを目標にした運用を目指して欲しいと思う。
最後に打球方向をチェックしてみよう。
■楽天 片山博視 2015年 2軍 打球方向
※カッコ内は安打数

打球方向図に見る打者・片山博視の可能性
既に前述したが、片山の打者挑戦1年目の結果は、主なスタッツが全てリーグ平均値より劣る数字だった。
しかし、全く光明が無いわけではない。
1つめが内野打球より外野打球のほうが多かったこと。打者としてブランクがありながらも、プロの球をそれなりに飛ばす力は備えているということがうかがえる。2つめが右投手の対戦成績はまずまず良かったことだ。
そして3つめがこの打球方向図が指し示している。
外野を見て欲しい。スプレーヒッターぶりが確認できるのだ。
左翼、中堅、右翼と、どこかの地帯にヒットが集中するのではなく、均等に安打が生まれていることが分かる。凡打を含めた打球数で言えば、左翼>中堅>右翼の順になっており、7本放った長打は、うち5本(4二塁打1本塁打)が左中間~左翼の逆方向で発生している。ヒッティングポイントが広く、グラウンドを大きく使った打撃ができていると言えるのだ。
これら3つのポイントは、打者・片山博視のポテンシャルだと思うのだ。
来年も打者・片山の挑戦を見守っていきたい。【終】
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