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【速報】元楽天・高須洋介 BCリーグ新潟アルビレックス野手総合コーチ兼内野手就任記者会見 質疑応答 文字おこし

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必殺仕事人の新天地は新潟へ



昨日、BCリーグの新潟アルビレックスBCから、楽天を退団した高須の入団がアナウンスされています。野手総合コーチ兼内野手として契約合意に達したということでした。

本日12月10日、13時から新コーチ就任記者会見が行われ、Ustreamでも中継があったのです。私ちょうど観ることができましたので、見ながら今回も必死に指を動かしてみました。

ところが、いかんせん、私のPCのスペックの問題なのか?回線が混雑しているのか?運営上の問題なのか?良く分からないのですが、所々コマ切れになることが多く、今回は不完全です。ここ、何か言葉が入るんじゃね?というところは、皆さんイメージを膨らませて脳内で補っていただければと思います。

しかし、おおまかな雰囲気・内容は伝わるのでは?と思います。読んでいただければ分かるように“寡黙のバットマン”らしい静かな記者会見になりました。正味20分ぐらいの会見でした。それではどうぞ。

なお、発言の中の(カッコ)内は私が補いました。

(下記へ続く)



高須洋介野手総合コーチ就任記者会見、質疑応答 文字おこし



藤橋公一代表取締役:皆様、こんにちは。御出席いただき、有難うございます。今日はウチの野手総合コーチを担当していただくことになり、御自身もプレーヤーとしてもまだまだお力を持っておりますし、当然NPBでもやれる力を持っています。そういった中では高須さんにも、そういった所のしっかりプレーを期待しているところであります。簡単ではございますが、御報告の挨拶でございました。

高須洋介:こんにちは。このたびは新潟アルビレックスさんに入団するということで、これから新潟の皆さんのために、そして優勝を目指して頑張っていきたいと思います。よろしくお願いします。


ここより下は質疑応答。

──新潟からオファーがあった時のお気持ちとコーチを兼任するお気持ち


高須洋介:そうですね。コーチもやりたいという思いもありまして、その現場で自分のプレーをしながら教えることができたら、一番分かりやすい、伝えやすいかたちではあるかなと思いました。

──就任に至るまでの簡単な経緯を教えて下さい。

藤橋公一代表取締役:(今年は監督の)ギャオス(内藤)さんにピッチングコーチを兼務するかたちで体制をとりましたが、けっこうウチの会社の予算上の都合もあったんですが、選手等にも監督自信にも負担をかけてしまったという反省がございまして、そういう中でヒラ(選手の立場としてという意味か?)で(選手達を)見て下さる方を色々、良い方いらっしゃないかなという中で、最後、高須さんに行き着いたというところでございます。ちょっと簡単ではございますが、よろしいでしょうか?

高須洋介:そうですね。BCリーグ自体は知っていて、その中で新潟アルビレックスさん、サッカーも観客動員多いですし、野球もそういうふうに聞いていたので、また、会社の理念として地域密着。僕が野球をやってこれたということで、そういう恩返しという意味でも共感する部分がありました。

質問が良く聞き取れなかった。Twittrであらかじめファンから受け付けていた質問を投げかけた模様。どういったことをコーチとして選手に教えたいか?という内容のように思われる。

高須洋介:準備、心構え。そういった面で訊かれたことに対して、良いアドバイスができるように、良いサポートができるように、また、野球を通じて人としてどうあるべきか?ということを、教えるではなく相談を受けつつ一緒にやっていきたいなと思っています。

──ファンに選手として見てもらいたいところをお聞かせ下さい。

高須洋介:派手ではないんですけれども、堅実なプレーを心がけるようにしているので、そういったところを見てもらえればいいなと思います。

質問聞き取れず・・・

高須洋介:そうですね。地域密着が第一番であり、それによって子供たち、勝つことで喜びを分かち合い、優勝を目指すということをやっていきたいなと思います。

野村準備野球にアレンジを加えて、それをベースに選手達に伝えていきたい



──選手としての抱負、コーチとしての抱負を教えて下さい。

高須洋介:選手としてはですね。今年日本一を取れなかったということで、その中でチームの歯車の1つとして良い活躍ができるようにしたいと思います。コーチとしてはですね。若い選手に自分が培ってきた経験、技術全てを伝えて、良い選手になれるように、そして監督の胴上げをできるようにサポートしていきたいと思っています。

──新潟の印象。金沢高校時代、長岡の悠久山球場で試合をした時に感じた新潟の印象は?

高須洋介:その時の印象としては食事が凄い美味しかったと、そういう印象があります。

──地域密着、具体的にどういったかたちでしたいと思っているか?

高須洋介:そうですね。新潟さんのほうでは野球教室もやっておられるので、そういったことで考えています。

──新潟アルビレックスはNPBにここ2年ほど選手を送り出せていない。その点について。どのように送り込むか?

高須洋介:(選手の)良い所を伸ばしていくという方針で、そこは選手と話し合って、より良い方向にしていきたいなと思います。独立リーグということで(NPBから)即戦力として求められていると思うので、そのニーズに合ったかたちを作って、そういった選手を1人でも多く送り出せたらいいなと思っています。

──ギャオス内藤監督との面識・接点は?

高須洋介:いや、接点はなく、解説者時代に球場で声をかけてもらう程度の印象だったんですけれども。(今年は前期・後期合わせて)52勝しかできなかったので、今度は55勝を目指すと仰っていたので、そこを目指してサポートしていきたいと思います。か

──(2009年まで楽天のコーチで2011年新潟アルビレックスの監督を務めた現巨人の)橋上秀樹コーチに独立リーグについて、新潟アルビレックスBCについて聞いてきたか?

高須洋介:そういうことは聞かず、完全にフラットな状態で来ました。

──ノムさんについて。

高須洋介:私自身も色んな監督さんの下で(野球を)やらして頂いて、やはり、影響を大きく受けたのは野村監督の準備野球だったので、そこにアレンジを少し加えて、それをベースにして(選手達に)教えていきたいと思います。

~~~

取り急ぎ、以上になります。

本音を言いますと、高須の戦力外は私の中では完全に想定内でした。8月に予想した「楽天・星野仙一監督が考える粛清人員整理リスト2013。来季戦力外候補を予想してみた」エントリーでもその名前を挙げていましたから。

しかし、現役続行を探っていると報じられたときは、正直、私の心中は複雑な思いしかありませんでした。できれば他球団へ移って欲しくない。クリムゾンレッドのまま、仙台でバットを置いてもらいたいと思いでした。もちろん、高須の決断は尊重したいし応援したいと思いましたが、一方でそういった複雑な胸のうちでした。

だって、球団創設から楽天のセカンドを守ってきたのですよ。楽天の試合の約2試合に1試合はセカンドスタメンを張ってきた男ですよ。打ってはその勝負強さで我々ファンの期待に応えてくれた、イーグルスの初期10年間を代表する、イーグルスそのものといってよいバットマンですよ。クリムゾンレッド以外のユニフォームに袖を通して、敵軍として楽天に向かってくる姿は、やっぱり、何度想像しても想像できませんでした。(山崎のときは古巣・中日でしたから、すんなり納得できたのですが)

今回、BCリーグということで、私の複雑な思いもすんなり解消されたと言えそうです。コーチ兼任というかたちも高須のキャリアステップを考えたとき、本当に良い選択肢だったのでは?と思います。

高須コーチ兼選手の新天地での活躍を祈りたいと思います。【終】

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【犬鷲惜別2013】高須洋介。杜の都で積み重ねた安打数は784本。必殺仕事人クリムゾンレッドを脱ぐ

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【犬鷲惜別2013】高須洋介。杜の都で積み重ねた安打数は784本。必殺仕事人クリムゾンレッドを脱ぐ

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今、私が最も後悔していること



楽天ファンになったことで冷めかけていた野球熱を再び取り戻し、2009年にブログをスタートさせたことから、野球熱に拍車がかかっているような現在、私の中で何度も後悔していることがある。

大学1、2年の1996~1997年、なぜ東都大学野球リーグを観戦しに行かなかったのか?

過ぎた日を悔いても仕方のないことだが、高須洋介の姿を見るたびに、このことを後悔してしまうのだ。

1996年2月、青山学院大学の大学入試に合格した私はその春から神奈川県厚木市で1人暮らしを始めていた。現在、淵野辺にあるキャンパスは当時、厚木にあった。私の大学1年時、高須は3年生だったから、その後、贔屓チームで活躍することになる匠のバットマンと共に(もちろんすれ違ったことも1度もないだろうけど、形の上では)2年間、同じ大学に所属していたことになる。

高須の1学年上には井口資仁がいて、高須=井口の二遊間を組んでいた青学は当時、大学野球界で屈指の強豪だった。他には澤崎俊和(元広島)、清水将海(元ロッテ~中日)、倉野信次(元ダイエー~ソフトバンク)ら、その後、プロ入りする名選手が多く名を連ねていた。

そういえば、大学1、2年時、同じ学部に在籍する野球部の同級生(と言っても彼は練習に忙しく、年に数回しか講義で顔を合わせないような仲だったが)に、テスト前にノートを貸した覚えがある(もっとも、そのノート、私も他の友人から借りたものだった)。ノートを貸してくれた御礼ということで、後日、学食で昼飯をゴチになったことがあった。そのランチの席上、野球部の彼は、今から思えば、その後ダイエーに進むことになる倉野についてしきりに熱弁をふるっていたなあと思い出す。当時の私は、アマ球界には関心がない、もっぱらの巨人ファンだったから、ふーん・・・と適度に相槌を打ち、聞き流すだけだったのだが。

時は一気に流れて、2013年10月29日。

私が応援する楽天イーグルスは日本一を目指して、かつて私が応援していた巨人と戦っていた。仙台での戦いを1勝1敗にした楽天は、敵地・東京ドームに乗り込み、同日夜、第3戦が予定されていた。

そんな頂上決戦の只中、球団から高須の戦力外通告がアナウンスされている。

(下記へ続く)

■楽天イーグルス 高須洋介 年度別 打撃成績
※楽天在籍時のみ。


■楽天イーグルス 高須洋介 リーグ平均と比較する年度別打率推移
20131206DATA4.jpg

プロ15年で通算1134試合出場、3452打数925安打、通算打率.268。



元・猛牛戦士。あの球界再編劇を真っ只中で体験し、楽天の球団創設時を知る数少ない目撃者が、また1人、チームを去ることとなった。

青学でアマ屈指の好打者として鳴らした高須は1997年、近鉄からドラフト2位指名を受けて球界入り。新人ながら開幕1軍でスタートしたもののルーキーイヤーは僅か3試合の出場に止まる。2年目、出場機会を一気に増やしで主に下位打線で起用され316のアット・バットを記録したが、3年目以降は怪我に苦しむかたちとなった。そして2004年の球界再編劇がやってくる。

分配ドラフトを経て、新興球団・楽天への創設メンバーに名を連ねるようになった高須のプロ人生は、ここから大きく花開いていくことになった。その意味では、杜の都にプロ野球チームができたことで人生が大きく変わった山崎武司や草野大輔と同じ匂いのする選手でもある。

その後の活躍は、皆さんの知るとおりだ。

高須は約2試合に1試合、楽天のセカンドを守ってきた。



2013年終了時までに創設1年目から1277試合を戦ってきたイーグルス(プレーオフ含まず)。その1277試合で、高須が二塁スタメンで起用された回数は実に601試合に及んでいる。この2年間は二塁先発起用は1度もなかったものの、約2試合に1試合は高須がセカンドを守ってきた計算だ。怪我に苦しんだシーズンもあったこと、楽天1年目は29歳だったこと、一般的に野球選手として下り坂に向かう三十路から第一線級のキャリアを積み重ねたことを考えると、601試合という数字の偉大さを、我々ファンは改めて噛みしめることができる。

楽天2年目の2006年には403打数121安打で自身初の規定打席に到達。さらに打率も.300をクリアした。



2013年シーズン終了時現在、楽天で規定打席3割を打った打者は、高須を含めて僅か8人だけである。さらに2006年は、何かと打席の中で制約の多い2番打者を77試合で任された中での打率3割達成である。高須がいかに優れたバットマンだったかを表す象徴的な数字と言える。

高須は楽天における1試合最多安打のタイ記録保持者でもある。



イーグルス1試合最多安打は5安打。2013年終了時現在、高須の他にリック(06年8/26ロッテ戦)、内村賢介(10年8/10西武戦)、鉄平(10年9/14日本ハム戦)、藤田一也(12年9/18ロッテ戦)、銀次(13年6/25西武戦)の5人が成し遂げているが、2度達成させたのは高須ただ1人だけになっている。

◎2010年3/31ロッテ戦(○E13-4M)=左越二、左中二、左本、右安、左安、遊ゴ
2番・セカンドでスタメン出場した高須は、大嶺以下ロッテ投手陣から5安打の乱れ打ち。初球打ちヒット2本など、早いカウントから積極的に、ロッテ投手陣の速球、スライダーを料理してみせた。

◎2011年8/16西武戦(○E8-4L)=遊ゴ、左安、左安、中安、右安、右安
涌井以下ライオンズ投手陣相手に、広角に弾き返す自身2度目の1試合5安打

2007年には2年連続得点圏打率No.1を記録し、あのおなじみのニックネームが誕生した。



第2代選手会長に就任した同年、wikipediaによると、5月には「3試合連続お立ち台」を達成させたという。そう言えばそんなこともあったか。この年、スコアリングポジションで前年を上まわる打率.386を残して2年連続得点圏打率リーグ1位。ノムさんの口から「必殺仕事人」のフレーズが飛び出し、高須の勝負強い打撃が一気に世に広く知れ渡るきっかけになった。

そういえば、高須のことを悪く言っている野球関係者はいないのではないだろうか。歴代監督はいずれもその才能・姿勢を高く評価していた。実況席に入れ替わり立ち替わりくる野球解説者も、それがホーム試合でもビジターゲームであっても、この人のことを褒めることはあっても、悪く言う人は1人もいなかったように思う。多くの同業者が異口同音に認める数少ない好選手だった。

勝負強い一撃と言えば、やはり真っ先に思い出されるのは2009年のクライマックスシリーズ1stステージでのソフトバンク初戦である。この試合、1番・セカンドで起用された高須は、初回裏、相手先発・杉内俊哉の速球を仕留め、楽天ファンが陣取る左翼席へ運ぶ初回先頭打者アーチでチームに流れを運んだ。試合は序盤7点取ったイーグルスがその後も得点を積み重ねて11-4の大勝。1stステージ勝ち抜けを決めたと言っても過言ではない「必殺の一撃」だった。

■楽天イーグルス 高須洋介 年度別 得点圏打率
※楽天在籍時のみ。
20131206DATA2.jpg

■2009CS1st 楽天 高須の先頭打者ホームラン


最後まで“寡黙のバットマン”らしさを貫いた



前年から出場試合数を大きく減らしていた高須は、プロ16年目を迎えた今シーズン、開幕1軍でスタートした。

今季初安打は4/16ソフトバンク戦(●E5-6H)でのこと。この試合前まで開幕11打席ノーヒットと苦しんでいた高須に、星野監督は3番・サードでのスタメン、クリーンアップ起用を決断。初回、抜擢に応えてみせるタイムリーツーベースを放ち、この試合5打数2安打、2得点1打点の活躍をみせた。

その後も燻し銀のバッティングを要所で魅せてくれた。5/1西武戦(○E4-1L)では1点を追う4回2死満塁で惚れ惚れする同点クリーンヒットを右前へ飛ばしている。5/19ヤクルト戦(○E1-0S)では雨中のKスタで決勝犠飛を放つなど、永井の100点満点投球に貢献する打撃をみせてくれている。

しかし、トータルでは21試合出場、50打数8安打の打率.160に止まり、6/14には登録抹消。以降、ファームでの調整が続く。イースタンでは打率.317とさすがに格の違いをみせつけたものの、1軍からお呼びなし。日本シリーズ出場資格者名簿からもはずれ、第3戦の当日、球団側から戦力外が通告されている。

今年37歳という加齢による衰えは確かに存在したのだろう。特に統一球2年目の昨年から捉えた当たりが失速して凡打になってしまい、寂しそうな表情をみせる(といってもポーカーフェイスの高須だ。その表情の動きはごく微細なものだったが)高須が印象的だった。

並行してチームは若返りに舵を切っていた。長らく守ってきたセカンドに昨年は銀次が主に起用され高須にはない元気印を見せると、今年は藤田が素晴らしい守備でファンを湧かせた。転向したサードではマギーがドカッと座った。誰の目にも、高須が定位置を再び奪還することは難しくなっていた。予想できた戦力外通告だった。

とは言っても、やっぱり、寂しいかぎりなのだ。

報道によると、球団側は高須にコーチ就任かフロント入りを打診したようだ(本人は否定したとのこと)。高須は熟慮を重ねた上で、それを断って11/10静岡・草薙球場で行われた第1回合同トライアウトに参加した。雨の中、ミンチェから好走塁ツーベースを放つなど、最後までこの人らしさを貫くパフォーマンスをみせ、居合わせた球界関係者を唸らせている。

印象に残った記事がある。高須の職人らしさを象徴する記事だ。

◎参照エントリー>>トライアウト元楽天戦士、明暗分けたのは「覚悟」 準備怠らなかった高須 (zakzak)

この記事にもあるように、トライアウトは高須にとって気持ちの整理をつけるための大舞台だったのだろう。現役続行と報道されていたが、実際は現役は二の次で、自分自身の気持ちに一区切りつけることこそが大きな目的だったのかもしれない。記事文中では前日に学生野球の指導者研修会を受講したことが触れられている。その後、高須の動静は今なお不明だが、恐らくこれでユニフォームを脱ぐということになるのだろう。

できれば、引退セレモニーや引退会見でそのコメントを聞きたかったという思いもあるが、寡黙のバットマンらしいバットの置き方だったようにも思う。

(下記へ続く)

■楽天イーグルス 選手別 通算安打数
※2013年シーズン終了時
20131206DATA3.jpg

楽天通算安打数はチーム3位の784本



最後に、この表を掲げて惜別としたい。

上記表は楽天選手の通算安打数ランキングである。高須が楽天で放った784本のヒットは、鉄平の850本、山崎武司の820本に続くチーム3本目の安打数になっている。

581本で4番目につける聖澤との差が約200本(1シーズン以上)ついていること、初Vに大きく貢献した銀次&枡田の生え抜きコンビや主将・松井がTOP10にも入ってきていないこと等を見ると、高須がイーグルスで成し遂げた役割の大きさを改めて確認することができると思う。できれば通算1000安打の達成を見たかった。しかし、未達成でも高須のバットマンとしての素質は何ら失われるものではないことを強く付記して、惜別エントリーとしたい。

プロ16年の現役生活、楽天での9年間の活躍、本当にお疲れ様でした。

12/9追記:寡黙なバットマンの現役生活には続きがあった。12/9、BCリーグの新潟アルビレックスBCは高須と野手総合コーチ兼内野手として契約をすることを発表した。

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来季、信濃グランセローズ戦の遠征時には高須目当てで球場に足を運ぶことができれば、と考えている。

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【記録】楽天 高須洋介 2012年 ゾーン・コース打率 球種打率
楽天 高須洋介。大隣から記録した初回先制二塁打は、左腕から実に107打席ぶりに放ったタイムリーに!!

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楽天 高須洋介。大隣から記録した初回先制二塁打は、左腕から実に107打席ぶりに放ったタイムリーに!!

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昨日、4月16日ソフトバンク4回戦の高須について補足したい。

試合前まで11打数ノーヒットが続いていた高須を3番・サードのクリーンアップに抜擢。この星野采配がズバリ当たる活躍をみせた背番号4。今や球界でも数少なくなった元・猛牛戦士である。

1回裏の攻撃、エラーで出塁した岩崎を1塁に置いて迎えた今季12打席目のバッターボックスだった。初球だった。ベンチが動く。一走・岩崎がスタートを切り、高須は内角に入ってきた140キロ速球を狙い澄ましたかのように振り抜き、ホットコーナーを破るツーベース。3塁を蹴った岩崎が悠々本塁生還を果たし、2013年の初安打がタイムリーになる、この人らしい一撃になった。

この活躍ぶりをスポーツ報知が「【楽天】仕事人復活!高須、12打席目で今季初安打&初打点」という見出しで伝えているものの、ツメが甘いので下記で補足したい。


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昨年打率.244と低迷した主な理由は、以前手術した右ひじの痛みにさらされたことも影響したのだろう、左打者を打てなかった点が大きかった。

対右投手は97打数28安打の.289だったが、対左投手は79打数15安打の.190と苦しんだ。

以前にも何度か書いたが、改めて書くと、代名詞の得点圏打率が45打数7安打の.156と信じられない数字になってしまったのも、左投手の成績悪化が影響を及ぼしていた。

得点圏打率を対戦投手の左右に分けると、右投手が24打数7安打の.292と3割近い数字も、左投手は21打数ノーヒットの.000と、これまた目を疑ってしまうような数字になっていたからだ。

と言う訳で、昨年の高須は左投手からタイムリーを1本も打つことができなかった。

昨夜の初回に放ってみせた左翼線ツーベースの先制打は、実に2年越しで左腕から記録したタイムリーだったのだ。

調べてみると、2011年Kスタで行われた10月8日のロッテ戦、2回2死2塁、成瀬善久から記録したセンター前タイムリー以来。実に左投手との対戦打席で107打席ぶりに放った適時打ということになるのだ。

恐らくこのことは本人も重々承知しているはずで、自らを納得させる、溜飲を下げる一打になったはずなのだ。

ベテランと呼ばれる年齢に達し、レギュラーとして常時ゲームに出場できる立場ではない高須である。限られた出場機会で求められたパフォーマンスを残していくには、前提として「右打者として左投手を打ち砕く」ことが必要不可欠になってくる。その意味で、サウスポーからタイムリーを打つことができたのは、今後につながっていくものと信じている。

スポーツ報知さんには、このことについて触れて欲しかった次第。


■高須洋介 2011年10/8~2013年4/16 対左投手 打席結果履歴
球種:St=ストレート、Sh=シュート、Sl=スライダー、Ch=チェンジアップ、Fo=フォーク、Cur=カーブ、Sin=シンカー

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楽天イーグルス 高須洋介 2013年 春季教育リーグ 打撃成績、全打席結果

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楽天選手の春季教育リーグの打撃成績をまとめている。ここまで岡島を確認した。

今回はプロ16年目を迎える高須。

今年の久米島キャンプ、高須は2軍スタートとなった。今年37歳を迎えるベテランだ。調整も任されているのだろう。1軍の紅白戦には2/12に出場。3打数1安打だった。

春季教育リーグでは全8試合中、6試合で先発出場。その6試合のうち5試合でセカンドスタメンでプレーしている。試合途中から勧野と交替する場面は多いものの、問題なくセカンドの守備に就けているのでは?と思う。年明けの後援会でもう1度セカンドをやりたいと意欲を口にしていたが、身体の状態も良好なのだろう。

打撃では17打数6安打の打率.353。6本のヒットのうち4本が長打。内訳は3本のニ塁打にホームランが1本。2軍の若手に混じる中、貫禄の数字と言えそうだ。高須の本塁打が春季教育リーグでの楽天の唯一のホームランである。

凡打に倒れた当たりも内野ゴロより外野飛球が多いのが特徴的だ。打たされているという能動的なものではなく、こちらから打ちにいっての結果と推測できる。

2軍公式戦を数試合こなして、満を持して上へ合流という流れになるのだろう。

高須がもう1度1軍でセカンドレギュラーを張ることができるかどうか?は難しい状況と言えそうだが、1軍に必須の貴重な右の代打戦力であることは、言うまでもない。


■高須洋介 2013年 春季教育リーグ 試合日程別 打撃成績



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【記録】楽天 高須洋介 2012年 ゾーン・コース打率 球種打率

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楽天イーグルスの主な1軍選手の2012年ゾーン・コース打率、球種打率。

ここまで、聖澤諒松井稼頭央中島俊哉牧田明久銀次鉄平藤田一也嶋基宏岡島豪郎枡田慎太郎まで終了した。

今回は、今年プロ16年目37歳を迎える高須洋介を取り上げたい。2012年は右ひじ痛などの影響もあり176打数43安打の打率.244と苦しいシーズンとなった。代名詞の得点圏打率も45打数7安打の.156と切れ味を欠き、オフの契約更改で大幅減俸となった高須だが、対戦投手の左右で大きく結果が異なったようだ。詳しくみていきたい。


■対右投手 年度別 打撃成績
20130116DATA11.jpg

四球増・出塁率改善で対右投手OPS.593から.683へ回復傾向

まずは対右投手の2006年以降年度別打撃成績だ。統一球以前は打率は2割8分から3割前後、OPSは6割8分から7割2分付近を例年堅実に維持してみせていた。この辺りに高須の非凡さを垣間見る思いがする。

数字に大幅な変動が見られたのが統一球元年の2011年だった。長打が減ったことによりOPSで1割近く数字を落とすかたちに。しかし2年目の2012年、打率、OPSともに回復傾向となった。OPSの内訳をみると、飛ばないボールで減った長打率を出塁率の上昇で補うかたちになっている。出塁率が.364まで上昇した背景には、四球が増えた点が挙げられる。2011年は21.73打席に1個の四球を獲得していたが、2012年は10.36打席に1個選ぶ頻度になっている。


■対右投手ゾーン・コース打率
打率.289、97打数28安打、0本塁打、8三振



ホットゾーンはストライクゾーンの「真中高め」「真中低め」「外角低め」。この3か所は昨年も得意としたゾーンになる。一方、昨年得意とした「ど真ん中」は一転、9打数1安打の.111と結果が出なかった。

打数は少ないながらも結果が出たのが、内角である。2011年は60打数13安打の.217だったが、2012年は14打数5安打の.357の率を残した。特に2011年は内角速球に.218と率が低迷したが、2012年は.300と良好に転じている。

一方、苦手ゾーンはストライクゾーンの「外角高め」。ここは2011年も苦手としていた。2011年は34打数7安打の.206、2012年は11打数1安打の.091だった。しかし、外角で.247から.294への打率改善がみられたのは、アウトコースのボール球に手を出すケースが減ったためと推測される。


◎内角=〔2011年〕.217、〔2012年〕.357
◎真中=〔2011年〕.341、〔2012年〕.265
◎外角=〔2011年〕.247、〔2012年〕.294


■対右投手ゾーンOPS
20130116DATA3.jpg


ストライクゾーン枠内のゾーン打率をOPS診断で見てみよう。得意、不得意がより鮮明となった。1割越えを示しているのは「内角高め」「内角中段」。しかし、ここは打数が少ないため、信頼性に欠ける部分もある。昨年は内角球をひっぱっていく打撃が結果を出した。

右投手対戦時、高須の真のホットゾーンはストライクゾーンの「外角低め」「真中低め」と言えるだろう。少なくとも2011年と2012年2年連続で打率3割を残しているからだ。調べてみると「外角低め」は中堅から右翼方向の打球が多くなっている。逆らわないコンパクトな打撃が奏功したと判断できそうだ。

OPS診断での苦手はストライクゾーンの「外角高め」だ。「内角低め」は3打数しか記録されていないため、信頼できない。「外角高め」は打率ベースで2009年、2010年もかんばしくなかったコースに当たる。少なくとも2009年から4年連続で苦手となっているのだ。


■対右投手ゾーン空振り率
20130116DATA5.jpg


右投手対戦時の空振り率は3.5%。投げ込まれた404球の中で空振りを喫したのは僅か14球だった。空振りが少ない高須の特徴は2012年も健在だったと言えそうだ。10%を超えたゾーンに便宜上水色の網掛けを施している。低めボールゾーンに2か所記録されているが、いずれも8球、5球投げ込まれた中でのもの。空振り数自体は少なかった。低めに誘う球、落として空振りを狙う球に対しても、上手く対応していた様子が伺える。

実際、下記の球種打率でも、フォーク、チェンジアップといった低めボールゾーンへ落としていく球種に対し、サンプル少ないながらも良い数字を残してみせている。


■対右投手球種打率
20130116DATA7.jpg

右投手が投げる半速球をヒットにむすびつけていた

右投手が高須に投げた404球の球種割合を確認しておこう。速球(St+Sh)56.9%、スライダー21.0%、カーブ8.2%...という割合だった。速球.269(52打数14安打)ながらも、スライダー(.300)、カットボール(.667)、フォーク(.429)といった変化球打ちで結果を出したことで、トータル.289に落ち着いたと言えそうだ。ただ、変化球の中では唯一カーブで数字を残せなかった。

速球が.269に止まったのは、この1つ前のエントリ「【記録】2012年 楽天イーグルス主な1軍打者 球速145キロ以上速球の打撃成績」で確認したように球速145キロ以上の速球が打てなくなってきているのが影響している。145キロ以上を対象外にして計算しなおすと、45打数14安打の.311という球種打率になるのだ。

スピードボールの対応力が低下しつつあるのかな?という点は、加齢を考えると仕方ないのかな?という印象になってくる。スピードボールで打てなくなった部分を、半速球の変化球打ちでヒットを稼いでいくしかないのかもしれない。


■対左投手 年度別 打撃成績
20130116DATA12.jpg

対左打率の悪化は代名詞の得点圏打率にも影響を及ぼしていた

左投手に目を転じてみよう。まずは年度別の打撃成績だ。2011年まで対左投手打率は3割前後をキープしていた。統一球元年の2011年OPS.753、打率.300を残したことから、対左対戦時は飛ばないボールの影響を脱することができているのかな?と期待を持ったが、一転、2012年はOPSは.549まで下落、打率も1割1分落ちてまさかの.190を記録した。

2011年、高須が精彩を欠いてしまったのは、明らかに対左投手の成績が悪化したからだ。シーズン中に何度か指摘してきたが、代名詞の得点圏打率が45打数7安打の.156になってしまったのも、対左がいけなかったからなのだ。得点圏打率を対戦投手の左右で分けてみると、下記のようになる。

◎対右投手=打率.292、24打数7安打、5三振、9四球、1犠打、1犠飛、1二塁打
◎対左投手=打率.000、21打数0安打、1三振、4四球、1犠打、1犠飛

対右投手の得点圏打率.292も、全盛期の高須と比べたら物足りない数字なのかもしれない。しかし、目を疑うのは対左の.000という数字ではないか。21打数ノーヒットだったとは、今なお信じられない思いがする。


■対左投手ゾーン・コース打率
打率.190、79打数15安打、0本塁打、7三振
20130116DATA2.jpg

2011年から大きく激変したゾーン打率

ストライクゾーン枠内9ゾーンで打率3割を超えたのは「ど真ん中」「真中高め」、2打数1安打ながら「内角低め」の3か所に止まった。2011年は6か所だっただけに、苦手を示す水色網掛けゾーンの面積が一気に増えた感を抱く。

通常、中堅選手以上になると、打者は各々の「型」を持つ。それは打撃フォームであったりするのだが、得意、不得意のゾーンにもしっかり表れ、年が変わるたびにホットゾーンや苦手ゾーンが目まぐるしく入れ替わることはあまりない。ホットゾーンは例年ホットゾーンで、苦手ゾーンは例年苦手というケースが多いのだ。

しかし、このように激変してしまうと、高須にも加齢による身体的衰えは確実に忍び寄っているのだなというイメージになる。

◎参考エントリ>〔記録〕ホットゾーンを探せ!──楽天イーグルス・高須洋介、2011年、ゾーン・コース打率、球種打率(2011.11.25)


■対左投手ゾーンOPS
20130116DATA4.jpg


ゾーン打率をOPS診断で眺めてみる。上記図どおり、苦手を示す水色ゾーンが「ど真ん中」を取り囲むように塗り潰されているのが一目瞭然だ。左投手の甘い球、失投でもストライクゾーンの「ど真ん中」に来ない限り、良い結果とならなかったと判断できる。得点圏で左投手から21打数ノーヒットに終わったのも、むべなるかな、というイメージになってしまう。

対左投手の空振り率は4.0%だった。投げ込まれた376球のうち15球が空振りだった。対右同様、空振りが少ない高須の特徴と言える。低めボールゾーンの空振りは対右と比べると若干多めだったようだ。


■対左投手ゾーン空振り率
20130116DATA6.jpg

サウスポーが投げる速球、チェンジアップに歯が立たず・・・

最後に、左投手時の球種打率を確認してみよう。左投手が投げた376球の球種割合は速球(St+Sh)55.3%、スライダー23.1%、チェンジアップ11.7%...となっていた。

主な3球種のうち球種打率が上々だったのはスライダーのみ。速球、チェンジアップは散々な率になってしまった。


■対左投手球種打率
20130116DATA8.jpg


球速145キロ以上の速球には結果が出ていない高須だが、左投手対戦時では、140~145キロでも139キロ以下でも、いずれの球速帯でも結果を残すことができなかった。


■対左投手時 球速別の速球打撃成績
139キロ以下=打率.148、27打数4安打、3三振、5四球、1死球、1犠打、1犠飛、1二塁打
140~144キロ=打率.188、16打数3安打、1三振、2四球、1犠打、1二塁打
145キロ以上=打率.000、3打数0安打


高須と左投手のチェンジアップというと、4/5ソフトバンク戦(●E6-7H)が思い出される。当時の試合評から抜粋、下記に転載する。なお、2011年もチェンジアップの球種打率は16打数3安打の.188と分が悪かった。

2013年、高須の復活を期待したい私としては、高須とサウスポーの対戦打席に注目していきたいと思っている。


~~引用開始~~

必殺仕事人vsチェンジアップ

1打出れば最低でも同点、普通に考えれば同点となる「胸熱な場面」だ。

ところが、殿下の宝刀は不発、ショートゴロに倒れてしまう。

この場面でも、ぎりぎりのところで相手バッテリー陣が高須に対して巧い攻めをみせていた。

岡島の武器といえるチェンジアップを低めに集め、空振り、ファウルを奪い、追いこんでさらにチェンジアップ。この配球が功を奏した。高須はホークス内野陣が待ち構える併殺網にひっかかってしまった。

この試合、高須はチェンジアップにまるでタイミングが合っていなかったのだ。1回の1打席目、ピントの低めチェンジアップに空振り、3回の2打席目にはピントの初球チェンジアップを打ちにいき、芯を外された平凡なセカンドゴロに倒れている。特に初球打ちで凡退した2打席目はストレートだと思って振りにいったのが、チェンジアップだったということなのだろう。

■高須 全5打席のチェンジアップ



~~引用終了~~


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