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【書評】 まだ申し訳程度の数字しか載ってないエセ名鑑で消耗してるの? 史上最高の名鑑はコレだ!! Slugger特別編集『2016プロ野球オール写真名鑑』に胸熱!!

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申し訳程度の数字しか載ってないエセ名鑑から今日卒業しよう!!
当ブログ激押し鬼愛用の史上最強選手名鑑を御紹介します!!



こんばんは。信州上田在住、郷里の英雄・真田幸村の赤備えがクリムゾンレッドに見える、楽天を応援し、たまーにメディアにも寄稿している野球好きブロガー、@eagleshibakawaです。

いよいよ本日、書店の店頭で今年度プロ野球選手名鑑が発売されました。

みなさん、買いましたかー?
私は買いました!!
今日はその報告になります。
大事なことを何度も言うので耳かっぽじって聞いて下さい。っていうか目をまん丸にして読んで下さい。

各社が一斉に発売した名鑑の数は大判、ポケットサイズを合わせると10数冊にも及びます。プロ野球好きなら毎年買っているよ!というお気に入りの名鑑が必ず1冊はあるはず。でも、そこのあなたのその名鑑、古ぼけていません?! 時代遅れじゃないですか?!

ムム...(怒)と気分を害しちゃった読者の皆さん、ごめんなさい。でも、エビデンスありますから。何を隠そう、私、数年前まで店頭に並ぶ名鑑を全てを大人買いし、徹底比較するおバカ企画をやっていました(コチラコチラを参照)。2年ぐらいやったかな。その結果、出てきた結論はこちらでした!!

この世にプロ野球選手名鑑は
『2016プロ野球オール写真選手名鑑』1冊で十分!!


もうね。この名鑑に出会ったら、申し訳程度の成績と、ミミズがちょろっと這ったぐらいの寸評しか載せてない他社名鑑で「消耗」なんかしているバカなマネはできないのですよ。

それほどまでに、我が国唯一のMLB専門誌「Slugger」編集部が作るこの名鑑は、他の追随を許さないほどクオリティが傑出しているのです。

っていうか、他の出版社の皆さん、オタクのその時代遅れで魂が感じられない選手名鑑、出す必要あるの? 紙のムダだよ!!

▼待ちに待っていました!! 本日朝イチで入手!!
当ブログ管理人shibakawa愛用の選手名鑑。
私、2010年版から所持しています



▼お買い求めは是非こちらからどうぞ。お願いします (^人^)


『2016プロ野球オール写真選手名鑑』(日本スポーツ企画出版社)
A4サイズ・258頁。本体907+税


年々ビジュアル的にも洗練されていく選手名鑑の最高峰

当該選手の選手像やプレースタイル、特徴や個性を多角的にあぶり出していく数々の指標。それを補足する寸評とデータまわりの解説文。限られた紙幅にビジュアル的にも見やすい体裁、デザインを採用することで、ともすれば渋滞を起こしているようにも見えてしまう記載された数多くのデータがスマートに配置され、まさにムダがない形になっているのです。

それでは、本格的に中身を紹介していきたいと思います。

本書を楽しむ前提に、これから掲げる2つの画像をご覧ください。





NPBの平均値を知ることは、当該選手の特徴をより正しく理解するために必須

上表は「投手:球種別投球割合&詳細データ(2015NPB平均)」と銘打たれています。NPBの現在地、NPBの構造を表しています。

NPBでプレーする投手がどの球種を何割投げているのか?  ピッチングの軸を担うストレート。その平均球速はいかほどなのか? そのストレートを100球投げた時の打者の空振り率はどのくらいなのか? 被打率はいくつなのか?といったこと等が表記されているのです。

このNPB平均値があるからこそ、贔屓の投手のストレートが速いのか?遅いのか? 空振りを取れる真っすぐなのか? コンタクトされやすい速球なのか?が、初めて手に取るように分かるのです。平均値の確認なしで、そのことは正確には把握することはできないのです。その意味でNPBの構造を理解することは大変重要です。

下表「打者:ゾーン別データ(2015NPB平均)」もメルクマール、ベンチマークとなる表です。投手が左右打者のどのゾーン・コースに球を多く投げる傾向があるのか? 左右打者はどのゾーン・コースを得意にし、あるいは苦手としているのか? 各々のゾーン打率や三振数、本塁打数はどうなっているのか?が掲載されているのです。当該投手の数値と見比べてみることで、その投手の特徴が立体化してくるのです。

それでは、主力野手投手のサンプルを見てみましょう。セパ12球団288人を数える主戦級選手は1ページ4人、見開き8人の大枠でクローズアップされています。

▼ズラリ。壮観な見開きページ。各球団24人の主戦級選手を紹介する
20160218DATA07.jpg

20160218DATA05.jpg

統一球と2013年以降の成績推移が確認できる、嬉しい直近5年の主要成績

ここでは野手の例として楽天・岡島豪郎選手を掲載します。

このようになっています。写真右には氏名、背番号、ポジション、生年月日や略歴、その人物評や昨季の戦歴、意外な人となりが寸評でまとめられています。

また、岡島選手は未掲載ですが、同一ポジションで400回以上の守備記録がある選手には、守備指標のUZRが掲載され、選手総合評価指標WARがセパ両リーグ50位までにランクインしている選手については、その明記もあります。

写真の下には直近5年分の主要成績が記載されています。

ここ、5年分という所がポイントです。中には3年分しか載っていない他社名鑑も多いんですよね。

3年分といったら極端な投高打低が是正されて以降になります。3年分だと、いわゆる投高打低の統一球導入の2011年2012年とその後の違い、成績の推移を確認することができなくなるのです。そのため、5年分あるのは嬉しいですよね。

さらにその下には「打撃詳細データ」「打球方向」「ゾーン別データ」「投手左右別データ」が並びます。

これら指標は2015年版と同じ。変更部分はございません。

初球スウィング率が高ければ、初球からどんどんバットを振ってくる積極打法なのだなと推測できますし、ボール球スウィング率が低ければ、低めの誘い球にも耐性があり、投手が仕掛けてくる球1個分・半個分のコースの出し入れにも、引っかからない打者なのだなとイメージが膨らみます。P/PAが高く、2ストライク率打率もリーグ平均以上ある打者は、追い込んで打者不利のカウント状況を作っても、打ち取ることが難しそうとか、その選手のプレースタイルがどんどん浮かび上がっていくのです。

具体例を挙げると、リーグ平均26.5%の初球スウィング率が36.4%で、同平均29.9%のボール球スウィング率が46.6%の打者がいたとします。この2つの数字を見て、ああ、この打者は初球がボール球でも構わずにむやみやたらにバットを振ってくるタイプなんだな、という判断ができます。え?楽天の後藤じゃねえの?って思ったそこのあなた、正解です(笑)

次に投手を見てみましょう。楽天の青山投手を掲載しました。

20160218DATA06.jpg

基本的には野手と同じ体裁です。

今回初登場なのが、写真の左下に掲載されているMAX表記の数字。昨年計測したストレートの最速になります。下の「投球割合」の平均球速と合わせてみると、その選手の現在地をより深く把握することができます。

「投球割合」「ゾーン別データ」は一番最初に確認したNPB平均データと合わせて見比べながらチェックすると、より一層楽しむことができるのです。また、本名鑑の前年度版をお持ちの方は、同一投手の項目を見比べてどのように数値が変わってきたのか?確認する作業も面白いと思います。

これらの数字は、巻末の「リーグリーダーズ」のページでセパ各々上位5人のランキングがあるので、リーグでの傑出度を確認することも可能です。

そして、今回大きなアピールポイントはこれまで掲載がなかったWARが掲載されたこと。

下記のとおり、セパ上位50傑のランキングが巻頭に掲載されており、右側のページでWARとは何ぞや?の説明がされています。

ここで改めて説明する必要はないでしょうが、WARとは控えレベル選手と比べたとき、野球統計学的な見地でチームに何勝分の貢献度をもたらしたかを表すセイバーメトリクスの選手総合評価指標です。

打率や打点ではなく得点価値をベースに算出するその意図、WARから見える選手の新たな価値といった所にも紙幅を割いての解説があるため、セイバーメトリクス初心者にも易しい形になっていると思います。

その他にも様々な記録が満載の『プロ野球オール写真選手名鑑』。

これだけ色々掲載されていて、1000円札を出してお釣りがきてしまうほどの格安価格も魅力。

皆さん、まずはこの名鑑を入手して、きたるべきシーズンに備えましょう!

▼2015 WAR トップ50
20160218DATA08.jpg


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【書評】山村宏樹 著『楽天イーグルス優勝への3251日』(角川SSC新書)
【書評】赤星憲広 著『頭で走る盗塁論 駆け引きという名の心理戦』(朝日新書)


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当ブログが読者の皆さんに激押しする、今季開幕までに是非読みたい必読の一冊

2月1日に球春到来を迎えたプロ野球も、早いもので各球団、対外戦に入っている。今週末には各書店で選手名鑑が一斉に発売され、来月は本格的なオープン戦日程になる。今シーズン開幕も着実に迫っており、俄然、気分も盛り上がってきた。そんな野球ファンは多いだろう。

そんな中、今季開幕を迎えるまでに是非必読して欲しい新書があるのだ。

昨年8月にデータスタジアムさんから上梓された『野球x統計は最強のバッテリーである』だ。

この新書の中身の紹介などはすでに1月7日のエントリーに書いたとおりで、詳細はそちらをご覧頂くことにしたいが、昨年8月以来、何度も読み返してきた私の中ではすでに、岡田友輔氏の著書『日本ハムに学ぶ勝てる組織づくりの教科書』に匹敵する"野球本のバイブル"になっている。



■データスタジアム株式会社『野球×統計は最強のバッテリーである - セイバーメトリクスとトラッキングの世界』(中公新書ラクレ) 254ページ 本体820円+税

トラッキングデータがスポーツを、スポーツ観戦のスタイルを変える


スタジアムや競技場に設置された複数カメラやレーダーによる追尾システム用いて収集されたトラッキングデータ。いわば、選手の一挙手一投足を映し出したビッグデータは、今や従来のスポーツ観戦の在り方を大きく変え、今まで気づかなかったスポーツの新たな魅力に光を照らし、新たな観戦スタイルを生み出しつつある。今後、この流れは加速化の一途を辿り、やがて主流、常識の部類になっていくのだろう。

例えば、NBA、NFLを楽しむファンならそのことを良く理解しているだろうし、サッカーのサポーターなら昨年Jリーグが走行距離などの新データを公開し「トラッキング元年」と呼ばれたことは良くご存じのはず。

MLBでは何年も前にPitch f/xという投手の投球データを採取するトラッキング技術は導入されていたが、昨年からはStatcastというサービスが始まって話題を呼んでいる。投手のリリースポイントや球の回転量、投球間隔などはもとより、打者の打球速度、入射角度、飛球の最高到達点、滞空時間、距離、走者のリード幅、塁間の走行タイム、守備時の走行距離、『Slugger』誌の言葉を借りれば観客がホットドッグを食べるスピードまでを解析の対象とし、様々なプレーデータがお茶の間に向けて公開され、話題を呼んでいる。

一方、我が国のプロ野球、NPBだ。その導入の動きは遅々として進んでいないように見えるが、昨年はソフトバンクと楽天が導入に踏み切ったことが報道された。昨秋、データスタジアムで同システムの旗振り役を担当する金沢慧氏の講演を聞く機会に恵まれた。その金沢氏の話しぶりから察すると、上記2球団以外のチームでも、ファンに公開していないだけで導入を進めている複数の球団がある。そんな雰囲気を感じた。

昨年10月にはNPBが本塁クロスプレー時のビデオ判定導入と共に、審判員の技術向上という名目ながらも、トラッキングシステム導入を検討を決定したと報じられてもいる。以下に記事を引用する。


■本塁クロスプレーへのビデオ判定導入を検討
(日刊スポーツ2015年10月30日18時45分)

 プロ野球の試合運営の諸問題を議論するゲームオペレーション委員会は30日、東京都内で開かれ、現在は本塁打とフェンス際の飛球での直接捕球の有無に限って適用されているビデオ判定の本塁上のクロスプレーへの拡大を検討することを決めた。日本野球機構の理事会や12球団の実行委員会で議論する。

 また、審判員の技術向上のため、ボールの動きを追尾してデータ化する「トラッキングシステム」の導入を検討することも決めた。球審のストライクとボールの判定の評価の参考にする。


ストレートは全てシュート回転?
直球は5種類の変化をする変化球?
あなたの既存概念を打ち壊す、新たな野球のミカタ指南書


歩みが遅いように見えるNPBでも、トラッキングデータの導入は水面下で着々と進んでいる。早晩、大きな流れになってくるのは必至で、Jリーグのようにそこから得られた新データをファン向けに公開する日もやってくると思うのだ。

そこで、本書『野球x統計は最強のバッテリーである』だ。

この本はビッグデータ時代における野球観戦の醍醐味を伝えてくれる良き指南書になっている。

日本では、「シュート回転するストレートは悪」という固定観念があるが、実は大半の投手が投げるストレートは多かれ少なかれシュート回転している事実を本書では解き明かしてくれる。

それどころか、ストレートは実は5種類の変化球だったこと。本書では便宜上、平均型、ホップ型、サイドスロー型、真っ垂れ型、真っスラ型と分類し、各々に該当する有名投手について記述を割いている。東京五輪がやってくる2020年頃には、ストレートは5つの変化球だという認識が一般化し、ストレートを直球と表現することはなくなるのでは?と思った。

本書の詳細は1月7日のエントリーを参照頂くこととして、本書を読み返しているうちに、昨年6月30日の敵地ロッテ戦を「そういえば・・・」と思い出した。

この試合、エースの則本がデスパイネに先制3ランを浴びるなどして6回途中9安打8失点と、ちょっと・・・信じることができないまさかの炎上だった。

翌日、地元紙の河北新報は『いつもの則本と違ったのか、それともロッテ打線が好調だったのか。リードした小関は「どちらか分からない」と困惑した表情を見せた』とマスクを被った小関の当惑コメントを引用する形で、まさかの敗戦、そのショックの大きさを報じた。

1シーズン143試合もあれば、投手がいつも通り好調な状態で投げていても、相手打線がそれを上回る調子の良さで打ち返してくることもある。その逆もしかり。本調子ではない投手が、相手打線の拙攻にも助けられる形で粘投のゲームメイクを見せることもある。

ある解説者は「置きにいったボールを打たれましたね」とコメントすれば、ある野球評論家は「ここは打った打者を褒めるべきでしょう」と言う。マスクを被った小関ではないが、同じ事象なのに、物の見方1つで印象がガラリと変わってしまうシーンも多い。それが今までの野球だった。

ビッグデータ野球の到来で
主観や結果論ありきの野球評論にメスが入る可能性も大きい


このように、評者の視点の位置1つで評価がガラリと変わってしまうような、曖昧模糊としたプレーやシーンも、トラッキングデータならどちらに責任の所在があるのか明確に表示できるようになる。従来なら知る由もなかったデータが明らかになると、例えば6月30日の則本の惨劇は、則本の調子が悪かったのか、ロッテ打線が奮起したのかも、簡単にジャッジできるようになる。

例えばだ。トラッキング技術で収集された膨大な数年分のビッグデータをもとに、左打者のインコースに、このくらいの回転数と、このくらいの変化量のストレートを投げた場合、打者がヒットにできる確率はNPB平均何%というデータを算出することも可能になる。

この値がNPB平均15%だったとする。このとき、則本が投げた球は打者にとって攻略がきわめて難しい球という評価になる。しかし、実際にはヒットになったということは、則本は良い球を投げていたけど、打者が奮起してヒットゾーンに打ち返したという評価になるのだ。このような定量、客観性に基づいた批評軸が確立すると、打たれた則本のメンタルケアにも役に立つ。過剰に引きずる必要はなく、次回登板へ気持ちを切り替えやすくもなるのだ。

従来なら、打者を抑えれば、本調子とは程遠く、いつも通りの球威がなくても、評価はナイスピッチングになっていた。逆に打者に打たれてしまえば、どんなに調子が良く、いつも以上の球威の球を放っていても、敗戦投手の烙印を押されてしまう。それが常だった。このような、主観と結果論ありきの後出しジャンケンのような解説をするOBや評論家、メディアも多かった。

ビッグデータ野球の到来で、そこにメスが入るのも時間の問題だと思うと、今からワクワク感が止まらないのだ。選手のパフォーマンスを定量的に測ることで、より正確な、真実に最も近い「新たな批評軸」が生まれることを強く期待したいし、その流れを作る嚆矢になる役目をも担うのが本書だと思っている。

というわけで、まだ読んでいない読者の皆さん、開幕前にぜひ『『野球x統計は最強のバッテリーである』を読みましょう。

こちらからは以上です。【終】



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【書評】 『野球×統計は最強のバッテリーである - セイバーメトリクスとトラッキングの世界』(中公新書ラクレ)

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【読者プレゼント有のアンケート:1/24まで】 梨田新体制1年目の楽天。あなたが選ぶ2016年活躍を期待する投手&野手



梨田新体制1年目の今年、チーム再建を目指す楽天です。2度目の日本一に向けて、揺らぎなき礎を築く元年、あなたが選ぶ、今年活躍を期待する投手、野手は誰でしょうか? 詳細は下記URLにて。
1/10朝8時現在13名の方々から御応募ありました。

http://tan5277.blog104.fc2.com/blog-entry-2947.html


2016新春、皆さんに一読をお薦めしたい必携バイブル!!



今シーズン開幕する前に、皆さんに是非一読をお薦めしたい一冊がある。

データスタジアム・ベースボール事業部でデータ分析に当たるアナリストの歴々(※)が執筆を担当した『野球×統計は最強のバッテリーである』だ。この新書は昨年8月に上梓されたが、なかなかブログで紹介できなかった。

(※・・・NHK BS「球辞苑」出演の金沢慧氏を中心に山田隼哉、佐々木浩哉、須山晃次の各氏)

私なんか既に通読すること3度以上。所々ひっくり返して確認すること10度以上。早くも2011年に発売された『日本ハムに学ぶ勝てる組織づくりの教科書』(岡田友輔・著 講談社+α新書)に続く「バイブル」になりつつある。

(下記に続く)

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■データスタジアム株式会社『野球×統計は最強のバッテリーである - セイバーメトリクスとトラッキングの世界』(中公新書ラクレ) 254ページ 本体820円+税

様々な数字を肴に野球を楽しむ"新たな観戦スタイル"の浸透



日本でもセイバーメトリクスが年々市民権を得てきて久しい。打率や防御率などの従来指標に止まらず、OPSなど古典的なセイバー指標からBatted BallやPlate Disciplineのプレーデータまで、多岐に渡る数字を肴に野球を楽しみ語り合う。そんな"新たな観戦スタイル"が浸透し始めている。

テクノロジーの発達によるビッグデータ社会の到来という世の中の潮流はむろん、トラッキングデータを公開したJリーグの取り組みからも、プロ野球は影響を受けている。Jリーグの挑戦は広くファンがデータでスポーツを楽しむトレンドを加速化させた。その追い風がプロ野球にも吹き込んでいる。

楽天やソフトバンクなど一部球団が他球団に先駆けてトラッキングシステムによるデータ収集を導入した件や、これまでセイバーから頑なに目を背けてきた老舗のベースボールマガジン社が昨年遂に『週ベ』誌面にセイバーを登場させオフにはセイバーでセ・パの2015年を総括する2冊のムック本を発売した試み、昨年10月31日に審判の技術向上を目的にPitch f/x導入の検討を開始するとしたNPBの表明も、こういった世間のトレンドや需要とリンクしているのだ。

今や、プロ野球の観戦スタイルに、セイバーメトリクスを始めとした数字は欠かせないものになったと言えそうだ。

セイバーの最適な入門書と同時に野球界に押し寄せるビッグデータ導入の最前線レポートでもある



そんな中、「今さらセイバーメトリクスって何!?なんて聞けないよね」。そういう不安な声も聞こえてくる。

しかし、御安心を。

皆さんのそんな不安を『野球×統計は最強のバッテリーである』が全て解決してくれるのだ。今後セイバーの楽しみに足を踏み入れていきたいと思うファンへの「最適な入門書」であると同時に、野球界におけるビッグデータ導入の「最前線レポート」、また、その概念を紹介する「丁寧な説明書」としても機能するのが、本書だ。


本書は254頁で綴られ、下記3つの章立てで構成されている。


第1章 セイバーメトリクスとは何か
第2章 セイバーメトリクス指標早わかり
第3章 トラッキングシステムの世界


※詳しい目次はエントリー最下記に記載したので御参照下さい。


セイバー入門書としての記述は、第1章、第2章だ。

よく名所・旧跡を訪れた時、入口に設置された全体地図の看板におおまかな説明文が記されていることがある。また、その前で観光ガイドがアレコレと我々訪れた者に解説してくれることもある。

それと同じで、「はじめに」と第1章ではセイバーの現在地を確認することができる。セイバーに詳しくないファンでも最近良く耳にするようになったピタゴラス勝率。なぜチームの得点・失点だけで勝率を予見できるのか?等の説明に始まり、セイバーが今どこに位置し、これからどこへ向かおうとしているのか? セイバーで分かっていること、その基本的な概念はどういったものなのか? アナリストはどういったデータを収集しているのか? 野球のデータに携わる関係者の立ち位置等も、セイバーにまつわることが鳥瞰し、分かり易く説明している。


▼データ分析のマトリクス(本書11頁より)


一口に野球データと言っても、取扱者の立ち位置によって視点や文法は全く違う



上のマトリクスのように、野球データを取り扱う関係者は4つに分類されると言う。

「GM、チーム編成部」
「研究家、統計愛好家、ビジネスパーソン」
「監督、コーチ、選手、スコアラー」
「スポーツメディア、スポーツファン」


セイバーメトリクスは、マトリクスの右半分、「GM、チーム編成部」「研究家、統計愛好家、ビジネスパーソン」が位置する戦略的な領域を守備範囲としてきた。『マネーボール』で描かれたアスレチックスのビリー・ビーンGMように、セイバーは当該球団が勝利を買うための戦略的概念だった。

一方、同じ野球データでも、味方打者の打てる確率をアップさせるような、対戦投手の攻略法を練るスコアラーや野村克也のID野球に象徴されるようなデータは、左半分の作戦・戦術的な領域に位置する。これらが目先の敵、目の前の1勝を目指すために用いられるのに対し、セイバーはマクロ的な視点で戦力を把握するため、全く異なる性質なのだ。

このことを分かり易く説明するために、2014年の大谷翔平を各々の立場でデータ分析すると下記になる。

まずはセイバーから。セイバーを取り扱うアナリストのことをセイバーメトリシャンと表現するが、彼らが大谷を評すると下記のようになる。

投手としては奪三振率(K/9)が10.37と規定投球回に到達したパ・リーグの先発投手として最も高く、被本塁打率(HR/9)は0.41でリーグ3位の数値。与四球率(BB/9)は3.30とそれほど良くないものの、投手の基本的な能力を測るFIPは2.41でオリックス・金子千尋に次ぐリーグ2位とリーグトップクラスの成績を残していた。


次にスコアラーの視点から。

球種は平均150キロ台のストレート、140キロのフォーク、130キロのスライダー、120キロのカーブがある。初球は対左右打者ともに5割以上がストレート。初球がボールになるとストレートでストライクを取りに来る傾向が強くなり、特に対左打者にはストレートがかなり増える。ボール先行カウントはほぼストレート狙いで良い。


このように、同じ野球データを取り扱って大谷翔平を語っていても、左半分の領域と右半分の領域では全く文脈や文法が異なる。同じ左半分の領域でも、メディアやファンがデータを用いて語ろうとすると、また違った形になるはずだ。

活躍領域が広がるセイバーメトリシャンの現在地



ただ、ここ重要なのだが、最近ではトラッキングで採取されたビッグデータ分析や画像解析も増えており、セイバーを専門とするアナリストの活躍の場は、左半分の領域にまで確実に広がっているとも記されている。

例えば変化球の習得。従来は現場の投手コーチが自らの経験則に基づき、投手を指導してきた。しかし、Pitch f/xで得られた投球の変化量データを基に、どのような軌道の変化球を習得できれば既存の球種との組み合わせが最も効率良くなるか?が判明しており、コーチングの領域までデータマンの活躍の場が広がっていると言う。

昨年暮れ、スポーツアナリティクスジャパン2015に登壇した山本一郎氏の講演では驚くべき最前線を聞くことができた。山本氏は楽天イーグルスのチーム戦略室アドバイザーで育成を担当する一方、MLB複数球団のデータ分析や評価に携わっていることでも知られている。MLBではDL入りした選手を解雇するかの判断やDLから復帰した選手のパフォーマンス確認も職掌の1つで、今ではMRI画像を山本氏らアナリストが見て、データ分析と共に参考にしながら判断を下すことがあると言う。従来はドクターやトレーナーの専門領域だった分野にまで、データサイエンティストの活躍の場が広がっているリアルなエピソードを知ることができた。

「はじめに」や第1章では、こういったことが説明されているのだ。

野球の構造が良く理解できる「奥行き」のある指標説明



第2章は指標説明だ。出塁率やOPSに始まり、ボールゾーンスイング率、wRAA、奪三振率、ゴロ割合、FIP、UZR、WARまで、合計15項目が紹介されている。

書籍という形でセイバーが我が国で本格的に紹介されたのは、2008年の『野球の見方が180度変わるセイバーメトリクス』(宝島社)だった。あれから8年経つ間に様々な類書が出版され、数多くのスタッツが紹介されてきた。今回紹介された15個は、その中を揉まれ、生き抜いてきた"厳選された重要指標"になっている。

セイバーを理解するのに必要最低限は知っておくべきと同時に、この15個をマスターできればその世界観の「かなりの部分」に迫ることが可能という"優れモノ"であるので、ぜひ熟読したい。

ところで、皆さんは出塁率をどういうふうに説明するだろう? 打者が出塁する確率? 確かにもっともだが、本書では「アウトにならない確率」と解説する。何もまわりくどい言い方せずとも・・・と思うが、それこそ「三つのアウトを取られるまでにランナーを本塁にかえす」という野球の攻撃における本質を突く説明なのだ。こういった「アウトにならない確率」と聞かされて、背筋に快感の稲妻が走ってしまうような、私のような野球ファンなら、まず間違いなく読んで欲しい章になっている。

与四球率はどうだろう? この数字が優れている投手はコントロールが良い。つい我々はそんなイメージをしがちだ。しかし、本書はコントロールには触れず「投手のストライクを取る力を表す指標」と説明する。

打者の出塁は安打や失策、野手選択や四死球など色々あるが、投手の力だけで減らすことができるのは四死球である。そのために必要な能力が「ストライクを取る力」になる。なぜ制球力に触れないのか?と言えば、必ずしもピンポイントのコントロールを必要としないからだ。球威のある真っすぐを持つ投手なら、ボール球でも打者から空振りを奪うことは可能だ。切れ味鋭い変化球投手ならボールゾーンで誘うことも簡単な話になる。逆に、いくら針の穴を通す制球力の持ち主でも、球威がなければたやすく痛打され、さらに際どいコースを狙おうとしボールが多くなり、四球も増えてしまう。そんな悪循環の事例もある。与四球率の本質は、まさに「ストライクを取る力」と言い換えることができる。

奪三振率は「投手の安全にアウトを取る力」「他の選手や運に左右されない投手の純粋な能力」を表すと記述されている。一言一言が野球の構造を良く言い表していて、改めて目からウロコが落ちる箇所が多かった。

このように、データ分析の最前線に立つアナリストによる指標解説は、"奥行き"と"深み"が一味も二味も異なってくる。類書にも良くある記述なので読み飛ばしてしまえ。もしそういう風に考えている読者がいるなら、大間違い。目を通しておくべきなのだ。

ただ、紙幅に限りがあるため、突っ込んだ説明を回避している箇所もあった。例えば、wRAAを求める計算式。ぜ単打や二塁打など打席結果には各々の係数が掛けられているが、これがどういうものなのか?の具体的説明は回避されていた。UZRの説明でも実際にどういう工程で判定するのか?といった細かな記述はなかった。

もしこれらについて深く知りたい方は、2013年に出た『勝てる野球の統計学』(岩波書店)をお薦めしたい。また、セイバーの根幹を成す得点期待値を実際自らの手で集計したい方は『日本ハムに学ぶ勝てる組織づくりの教科書』(講談社+α新書)にその方法が掲載されているので参考にして欲しい。


▼本書185頁より。PITCHf/xはMLBでは30球団全球場に設置されており、投手の投球にまつわる様々な数値をトラッキングで収集する。これまで「キレのあるストレート」「打者の手元で消えるスライダー」など感覚的で主観的な言葉で表現せざるをえなかった球の質に関して、「ストレートに対して平均○○cm落ちるフォーク」と具体的な言葉で語ることができるようになり、我々の観戦スタイルも大きく変わる可能性を秘めている。
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本書最大の売り、第3章:トラッキングシステムの世界



そして第3章「トラッキングシステムの世界」である。

本書最大の売りだ。野球界におけるトラッキング技術の最前線と、そのデータの読み解き方、そこからもたらされた新概念、トラッキング技術がもたらすデータ革命の可能性などについて、約100頁というたっぷりな紙幅を割き、世に紹介したのは、私が知る限りでは本書が恐らく我が国初だろう。

その大半が、座談会形式で進んでいくのも読者を惹きつける。データスタジアムの金沢慧氏、国学院大学助教でバイオメカニクスの第一人者として500人のプロアマ投手のデータを収集してきたという神事勉氏、炎のストップウォッチャーの異名を持ち、野球ライターとして全国を飛び回るキビタキビオ氏。PITCHf/xに造詣の深い3氏の座談会形式でトラッキングシステムの世界、PITCHf/xの魅力が語られていく。

ストレートはすべてシュート回転する!?



中でも、ストレートがすべてシュートする!?という記述には、ほんと、びっくりぽんだった。


金沢:日本の野球には「シュート回転のストレートはダメだ」という定説がありますが、「実はストレートはすべてシュートしている」という話から入った方が変化量は理解しやすいかもしれません。神事先生、ストレートは本当にシュート方向に変化しているのですか?

神事:はい、変化しています。私はモーションキャプチャーからボールの変化量を求めているのですが、今まで500人以上の投手のデータを取ってきたところ、大小の差はあるにせよ、ほぼすべての投手のストレートがシュートしているということが分かりました。シュートしていない投手はたった3人でした。

金沢:面白いですね。それはリリースの角度の問題なんでしょうか?

神事:そうですね。真上から腕を縦に振るような投手だとシュート方向に変化しにくいのですが、オーバースローの投手でも実際には真上でリリースできる人はほとんどいません。スリークオーターやサイドスローだと、よりシュートしますし、アンダースローの場合だとシュートしながら落ちていくというストレートもあります。腕は肩を中心とした回転運動ですので、腕の振り方がボールの回転に大きく影響を与えていると言えます。

金沢:キビタさん、このような球の変化の認識は、野球関係者にとっては一般的なことなんでしょうか。

キビタ:プロの方はともかく、一般的な野球関係者はストレートがすべてシュートしているという感覚はあまり持っていないんじゃないでしょうか。スリークオーターではなくオーバースローの投手でもストレートはシュートしている、と考えている人はあまりいないように思います。例えばきれいなストレートっを投げるタイプの代表例としては藤川球児投手がいますが、彼のストレートでさえもシュートしているということが認識されているかというと・・・・・・。


▼本書158頁より。トラッキングシステムで収集された藤川の軌道データによると、確かに右打者の内角へ10~15cmほどシュート変化し、さらに重力のみに影響を受けた時の軌道(0.0)と比べると、ホップ方向へ25~30cm変化しているのが分かる。


他にも、ニューヨークヤンキースの守護神としてMLB歴代最高652セーブを挙げる活躍を見せたマリアノ・リベラ。リベラ看板球カットボールがなぜ魔球だったのか?その謎もPITCHf/xで探っている。右投のリベラが投げるカッターは、オーバースローの左投手が投げるストレートの変化量と同じだったという衝撃の事実。打者は右投手のカッターの軌道を想定して待ち構えているのに、投げ込まれたカッターは想定された変化量ではないため、打者が対応できず仕舞いだったことが座談会で語られている。

打者が打ちにくい球とは、平均からいかに外れているかが重要とする──日本ではしばしば「落ちこぼれ」のレッテルを張られてしまいかねない球──神事氏の指摘も、大変興味深かった。一部を引用しよう。


▼本書163頁より。
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神事:図3-6(上記画像参照)で示しているのは500人くらいのピッチャーの球速と回転速度の関係ですが、球速と関係速度はほぼ比例の関係になっています。球速が速い投手は腕の振りによる遠心力が大きく、指先でボールを抑えようとする力も大きくなるので、結果的にスピン量は多くなります。ライフル回転(進行方向に向かって渦を巻くような回転)がかかっていれば別ですけど、フォーシームのストレートであればスピン量が多くなるほど変化量も大きくなります。つまり速い球ほど、変化量が大きいということです。

金沢:例えば、120キロのストレートだったら毎分1800回転くらいが普通ですが、140キロだったら2100回転・・・・・・というように、球速によって原点(0.0)からの距離が変わるということですね。だから、縦方向か横方向はともかくとして「何かの理由でそんなに変化していない、だけどスピードは145キロ出ている」というようなボールを投げると、バッターとしては「来た」と思ったら、思ったよりも球が沈んで、ゴロが増える、と。

キビタ:図3-6にある右上がりの線に近いほど、バッターとしては予測がつきやすいということですね。さっきのカイケル(※MLBヒューストン・アストロズのエース投手)はその線より下なので予測しにくい。逆のパターンもいますよね。本来の球速以上にホップしたりするピッチャーも。

神事:ええ。「球は速くないのになぜか打たれない」というのはそういうことです。回転速度を速くしつつ、球速を抑えているので、バッターからすると投手がリリースした瞬間に感じている球のイメージに合わない。ピッチャーがそれを意識的にやっているのかどうかというのはありますけど。つまり、どちら側であれ、打者の予測から外れる投手が良い投手ということになります。逆に球速通りの変化量になってしまう投手は凡ピーです(笑)。


大事なのはギャップ萌え



上記グラフで赤丸で囲んだ投手のストレートこそ、打者が打ちにくい球という訳だ。楽天ファンは、球速以上にホップする投手=松井裕樹、球速は出ているのに回転数が足らず、打者が来たと思っても球が沈んでゴロになる投手=福山博之とイメージして貰えれば良いと思う。

とかく周囲との同質化を求める日本社会では、野球でも平均を示す右上がりのラインを目指しがちだが、実はそれは個性を殺す凡ピーの大量生産であって、真に打ちづらいストレートは、松井裕樹か福山博之かということになるわけだ。件の講演で山本一郎氏は、球速相応の回転数が足りない福山のストレートを「ハエが止まるような球を投げる。私でも打てそう」と評価したのを思い出す。

昨年10月23日JSAAのオープンセミナー「IT時代の野球のミカタ」に登壇した神事氏は、このことを「ギャップ萌え」と表現していた。チャラそうに見えて実はしっかりしている、家事ができなさそうにみえて料理が得意。今、そんなギャップ萌え男子が女性にモテるのだと言う。野球でも同様、球速と回転数の組み合わせの平均からいかに外れて「ギャップ萌え」を作り出すことができるか?が活躍の秘訣だと神事氏が話していたのを思い出す。

▼本書216頁より。一口にストレート、直球と表現しても、PITCHf/xで変化量を測定すると、5種類の変化量のストレートが確認できるのだと言う。ホップ型は藤川球児や上原浩治、和田毅など。真っ垂れ型はダラス・カイケルやフェリックス・ヘルナンデスなど。サイドスロー型は岩隈久志など。真っスラ型はソニー・グレイなど。平均型はダルビッシュ有、田中将大など。


トラッキングデータがもたらす野球の新世界とは



そして、本書の巻末10頁ではPITCHf/x、FIELDf/x等で採取されたトラッキングデータの活用案が提示されている。

その活用は多岐に渡る。戦略・編成レベルから作戦・戦術、選手育成などチーム強化に繋がるあらゆる階層で用いられることになりそうだ。

ここでは一部を御紹介すると、戦略・編成レベルでは査定資料として使用したり、他球団戦力外選手を獲得する際に入団テストでトラッキングデータによるパフォーマンス測定を実施することで、獲得の可否を決める判断材料に使うことなどもできる。

例えば、守備が良いという売り込みで獲得したウィーラーは西田骨折後の久米島でショートでも使えるのでは?という話が一時あった。しかし、実際にデータ測定をしたところ、三遊間方向への一歩目が0.25秒遅いことが露呈し、これにより1試合あたりの失点予測が0.25上昇してしまうことが判明し頓挫した。このようなことも入団テストで実施できれば、獲得時の判断材料にすることができるのだ。

作戦・戦術レベルではFIELDf/xで全野手の動きを追うことができるので、最適な位置取りが実施できていたかどうかポジショニング分析が実施できるようになる。球の回転数を収集できるPITCHf/xでその当該投手が何球以上投げると回転数が落ちてくるという傾向を予め掴み、試合中のベストなタイミングでの継投を可能にさせる。

選手育成レベルでは既に投手の新旧習得に役立つことは御紹介した通り。その他には疲労発見・故障防止にも役立つという。山本氏の講演では、打者のスイング時の射角にバラつきがあり一定しない時は、その打者が疲労を感じている予兆だと言う。その射角データが分かれば、その選手を早期にリフレッシュ休養させることも可能になるのだと言う。

楽天の「知恵の勝負」とは、こういうことだ



話を楽天に戻せば、2015年が始まる前、三木谷オーナーが言及した「お金の勝負じゃなくて、知恵の勝負だと思うんですよね」という知恵の勝負とは、導入したトラッキングシステムで得られた様々なビッグデータを球団運営・チーム強化の中心に据える壮大な試みのことだったと思うのだ。退団した田代コーチはこういった動きに拒否反応を示したのだと思う。あの退団劇を「オーナーの横暴によるチンケな内紛」としか捉えることのできない残念な楽天ファンにこそ、本書を読んで欲しいと思う。

本書を読むと、イーグルスや野球界が今後推進するロードマップの一端が良く確認できると思う。新たな野球の観方を「発見」することができるはずだ。

まだ未読の皆さんには開幕前にぜひ一読をお薦めしたい。新書のため、半日あれば読破できる。優しく分かりやすい平易な語り口で書かれている点も好感できる。

最後に、目次の詳細を掲載します。



■目次

はじめに 3

「セ・リーグ全球団借金」は珍事ではない?!/「セイバーメトリクス」で何が分かっているのか?/得点と失点のデータがあれば、おおよそ何勝するか分かる/ピタゴラス勝率とは/「野球データファン」の視点とは?/選手にとっての意味

第1章 セイバーメトリクスとは何か "主観"を排除してプレーを評価する 25

 「セイバーメトリシャン」の思考/「映像」ではなく「数値」を統計的に分析する/「本当は選手ではなく"勝利"を買うべきだ」/何事も「得点と失点への貢献度」で考える/「スコアラー」の視点から大谷翔平を分析すると/野球の分析に見られる課題解決サイクル/野球の「ビッグデータ化」がもたらすもの/どのようなデータで分析しているのか/一球ごとの詳細なデータ/トラッキングシステムでデータ収集が半自動化される!?/セイバーメトリクスで使うデータとは

第2章 セイバーメトリクス指標早わかり データ分析のプロによる徹底解説 51

 出塁率(OBP) 52
 長打率(SLG) 58
 OPS 64
 ボールゾーンスイング率 72
 ISO 78
 wRAA 84
 奪三振率(K/9) 90
 与四球率(BB/9) 94
 被本塁打率(HR/9) 98
 BABIP 102
 ゴロ割合 107
 FIP 112
 DER 117
 UZR 122
 WAR 134

第3章 トラッキングシステムの世界 投球、打球、選手の動きがすべて丸裸に 145

 野球のビッグデータ化を支えるトラッキングシステム/メジャーリーグは試合速報もメジャー級!?

野球の新テクノロジー「トラッキングシステム」をあれこれ語る座談会
パートI「ストレートはすべてシュートする!?」 150

「ストレート」って何だろう/ストレートはシュートしている?/藤川球児投手のストレートでもシュートしているのか/球が変化しない(0.0)の意味/「打たれやすいストレート」と「打たれにくいストレート」/「キレの良いストレート」の正体とは/「リベラのカットボール」という魔球/ボールはなぜ変化するのか/「手元でグッと曲がる」は人間の錯覚?

PITCHf/xシステムの概要 180

 PITCHf/xシステムで収集できるデータとは/変化量の考え方

野球の新テクノロジー「トラッキングシステム」をあれこれ語る座談会
パートII「ストレートを変化量で分類してみると」 187

 「ホップ型」の投手とは?/なぜ、日本人は「ホップ型」の先発投手が少ないのか/究極のストレートだが、「飛翔」に注意!/ストレートが垂れるタイプ/「真っ垂れ型」の投手は?/「ホップ型」と「真っ垂れ型」、どちらを育成すべき?/岩隈のストレートは「サイドスロー型」/「サイドスロー型」はストレートで三振が取りにくい?/「真っスラ型」という希少なストレート/「真っスラ型」は「ノビ」がない/ダルビッシュ、松坂のストレートは「平均型」/松井裕樹の投球フォームを、鏡に映して見てみると・・・・・・

FIELDf/xとは? 217

FIELDf/xで収集できるデータ

野球の新テクノロジー「トラッキングシステム」をあれこれ語る座談会
パートIII「トラッキングデータは何に役立つのか」 222

 データから「どの変化球を習得すべきか?」を知る/配球論も大きく変わる?/現場に浸透させるためには何が必要か/球審の判定は自動化されるのか/トラッキングデータで選手をスカウトする時代が来る?/見方が変われば草野球も変わる

トラッキングデータの活用案 239

 1「選手育成」への活用/2「作戦・戦術」への活用/3「戦略」への活用/4「審判」への活用/5「ファン」にとってのメリット/「データをどう表現するか」が課題

あとがき 252


◎◎◎関連記事◎◎◎
【書評】 岡田友輔 著『日本ハムに学ぶ勝てる組織づくりの教科書』(講談社プラスアルファ新書)
【書評】山村宏樹 著『楽天イーグルス優勝への3251日』(角川SSC新書)
【書評】他社刊を置いてけぼりにする独走状態!! 史上最高のプロ野球選手名鑑、本日発売。Slugger特別編集『2015プロ野球オール写真名鑑』が凄い!!


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怒涛の勢い!! 『プロ野球オール写真選手名鑑2015』が発売8日で、当ブログ野球本売上ランキング歴代8位に浮上!!

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当ブログ野球本売上ランキング歴代1~8位を御紹介



今年こそお薦めの野球関連書籍をドシドシ紹介していきたい!と思いつつ、全く手をつけることができていない@eagleshibakawaです。

やる気スイッチを入れるため、ここまで当ブログ経由でAmazonで販売した野球関連本の歴代売上ランキング上位8位を御紹介したいと思います。

Amazonの規約上、具体的な冊数・金額は御紹介できませんので、ランキングのみになりますが、それではどうぞ。

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■1位:『セイバーメトリクスマガジン』(デルタ) 2012年10/25刊
都内大型書店並みの販売冊数。ポジション別の得点価値棒グラフが斬新だった


元データスタジアムのアナリスト・岡田友輔氏が同社退社後に立ちあげたデルタからの敢行物。日本を代表するセイバー畑の研究家が執筆陣に名前を連ねており、3年経った今読み返しても、示唆に富む所が多い。

ハイライトは、2012年セパ12球団のポジション別得点価値の棒グラフ。攻撃はXR、守備ではRRFを基に各守備位置での攻守の利得(リーグ平均と比べてどれだけ得点を稼いだか?失点を防いだか?あるいはその逆)を表している。

Amazonの規約上、具体的な販売冊数を明かすことはできないが、相当売り上げた。恐らく都内大型書店での累計販売冊数と同程度なのでは?と思えるほど。

当時書いた読書感想文はコチラをクリック。




■2位:岡田友輔『日本ハムに学ぶ勝てる組織づくりの教科書』(講談社) 2011年3/23刊
文系記録好きのshibakawaが今なおバイブルだと思う名著


前述した岡田氏による最初の著書。タイトルに「日本ハムに~」とついているが、2010年データを用いてセパ12球団に触れている箇所もあり、日本ハムファンでなければ楽しめないというわけでは全くない。

新書のため、読者に平易な文章で丁寧に説明されているため、私のような高校時代数学のテストの点数が悪かった文系野球好きでも、十分に理解できる。

当時、驚かされたのは、従来は打撃・守備の二元論で語られていたチーム分析を、守備にも的確なスポットを当てて、打撃・守備・投手の三権分立による分析が可能であることを明らかにしたこと。これには目からウロコだった。理念は古くないので、これからセイバーメトリクスについて知りたい、勉強したいという野球好きに今なおお薦めできる1冊。

販売冊数は『セイバーメトリクスマガジン』に僅かに及ばなかったが、それでも堂々の2位。異例のロングセラーで今なお数カ月に1度のペースで注文が入ってくる。販売冊数は1位2位に差はなく、2位と3位の差がほぼダブルスコアのため、当ブログで最も売れた野球本と言える。

当時書いた読書感想文はコチラ。




■3位:山村宏樹『楽天イーグルス優勝への3251日』(角川マガジンズ) 2013年10/11刊
球団創設から3251日の歓喜までを綴ったファン必読の感動秘話


リーグ優勝後に上梓された元犬鷲戦士・山村宏樹氏の著書。球団創設時を知る同氏ならではの1冊に仕上がっており、ゼロから3251日目までの過程を中の人のリアルなインサイドストーリーで綴る。

3251日の中の1日たりとてムダな1日はなかったという視点で綴られる感動秘話は、例えば、田中将大24勝無敗がなぜ生まれたのか?についての言及も。田尾~野村~ブラウンと続いた球団史に、闘将が付け加えたのは「勢い」だったとする論評も鋭い。初優勝の感動や重みが伝わるファンマストアイテム。

3位以下の販売冊数はダンゴ状態で、今後の変更も多いにありうる。

当時書いた読者感想文はコチラ。




■4位:大坪正則『パリーグがプロ野球を変える』(朝日新書) 2011年3/11刊
「これからはパリーグです」以降なぜパが面白のか?


「これからは、パ・リーグです」。新庄剛志が発したあの名言以降、なぜパリーグばかりが面白さを増しているのか?を球団ビジネスの視点で解き明かした1冊。 2004年の球界再編劇で始まったパリーグ各球団による球団経営の新たな試みと、球界再編前夜の問題点などを分かりやすく読者に紹介している。

新書のため、読みやすい。あれから4年経つので若干色褪せてしまっている部分はあるものの、基本は変わらず。こちらもロングセラー中。

当時書いた読者感想文はコチラ。




■5位:岡田友輔・編著『プロ野球を統計学と客観分析で考えるセイバーメトリクス・リポート1』(水曜社) 2012年3/10刊
日本シリーズ投手酷使史が圧巻


岡田氏がデータスタジアム社を退社後、仲間の研究家と共に手がけた『和製・野球抄』。2011年を終えてセパ12球団の今後の展望を、ポジション別での利得表を用いながら展開している。コラムも充実。中でも目を見張ったのは「日本シリーズ“投手酷使”史」。

当時書いた読書感想文はコチラ。




■6位:鳥越規央『9回裏無死1塁でバントはするな』(祥伝社新書) 2011年3/1刊
送りバント100%マンセー信者に送りたい攻撃的な1冊


野球を始めとするスポーツ統計学を研究する学者・鳥越氏による著書。走者をスコアリングポジションに送り込む犠牲バントが、実際は味方の勝利の確率を下げてしまっているかもしれないと説く。

当時書いた読書感想文はコチラ。




■7位:『Number』2011年4月21号(通算776号)
4年経つ今だからこそ読み返したい8頁の被災地球団ドキュメント


田中将大が表紙のこの1冊は3.11から約1カ月後の『Number』誌である。特集は「東北楽天 不屈の挑戦」。「半分、被災者であって、半分、被災者ではない。その中途半端な立場が彼らを苦しめていた」の書き出しで始まる8頁の被災地球団ドキュメントは、4年経った今だからこそ読み返したい。

当ブログの読者感想文はコチラ。




■8位:『プロ野球オール写真選手名鑑2015』(日本スポーツ企画出版社) 2015年2/19刊。
史上最強の選手名鑑2015年版!!


発売後、まだ10日も経っていない中で、当ブログ野球関連書籍歴代売上8位にランキングしてきた、スラッガー特別編集の2015年選手名鑑。私、過去2年、各社から出ている10冊超の名鑑をまとめ買いし、それぞれ比較してみましたが、出た結論はやっぱり『プロ野球オール写真選手名鑑』がイチバンだってこと。コレ、楽しめない野球ファンはほんと、野球ファンとは言えないと断言します!!

テンションMAXのshibakawaが史上最強の野球名鑑の魅力を語り尽くす読書感想文はコチラ。


◎◎◎関連記事◎◎◎
約4割の得票率を記録した若鷲。楽天ファン46人が選ぶ2015年活躍を期待したい投手アンケート結果発表
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話題沸騰の『プロ野球オール写真名鑑2015』。前年版まで未掲載・本年初登場となったNPB貴重データの正体とは?!

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話題沸騰の『プロ野球オール写真名鑑2015』
前年版まで未掲載・本邦初登場となった貴重なNPBデータとは?!



@eagleshibakawaです。

先週の2月19日に発売されたSlugger特別編集『プロ野球オール写真名鑑2015』(日本スポーツ企画出版社)、皆さん既に手に入れたでしょうか?

同名鑑が楽しめない人は野球好きとは呼べない!!

そう断言できてしまう史上最強の選手名鑑ですよ~。



当ブログでは発売直後の下記の紹介記事をブログにアップ。

◎【書評】他社刊を置いてけぼりにする独走状態!! 史上最高のプロ野球選手名鑑、本日発売。Slugger特別編集『2015プロ野球オール写真名鑑』が凄い!!

多くの皆さんのバイヤーズガイドとして機能したようで、書き手冥利に尽きます。

当ブログ激押しの同名鑑ですが、詳しい御案内は上記エントリーを御参照頂くこととして、今回は『プロ野球オール写真名鑑2015』の「さらなる楽しみ方」を書いてみたいと思います。

前回のときにも少し書いたのですが、2015年版で大きく変更された箇所、ゾーン別データの他に実は6ページにあるのです。(下記に続く)

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▼NPB平均値データが掲載されている6頁(左側)
※わざとモザイク処理をしています。



6ページに掲載されているのは、球種別投球割合&ゾーン別データのNPB平均値なのです。

ストレート、スライダー、フォーク、シュート等、それぞれの球種が全体の何%投げられているのか? 各々の平均球速、球種の空振り率(空振り÷球数)、被打率の平均値、被本塁打の合計値が一挙掲載されています。

これは2014年版まで未掲載のデータで、2015年版で初登場になったデータになります。

例えば、
145キロのストレートが速いのか?遅いのか?
141キロの真っすぐはどうなのか?
NPBの平均値を正確に知ることがなければ、判断のしようがありません。

その投手の空振り率が多いのか?少ないのか?も平均値を判断基準に置くことで、より正確に選手の実態がつかめてくるわけです。

その下に掲載されている、左右打者別のゾーンデータ平均値。

こちらも同様です。

例えば、困った時のアウトローと良く言われますが、9分割のゾーンの中で本当にアウトローは安全ゾーンなのか?

実際はそんなことはなく、左打者に限って言えばアウトローよりインローのほうが平均打率は2分低く、被本塁打数も最小であることが確認できる。

こういうことを知らないと、見えてこないモノが数多くあると思います。

各ゾーンに投手がどのくらいの球数を投げたか?の投球割合も掲載されているのも、グッド。

解説者や我々ファンは、不甲斐ない投球をしている投手に対して、口を酸っぱくして「もっとインコースを攻めないと」と口にすることがありますが、これって発言者の主観から飛び出した発言なわけです。

左打者の内角投球割合は平均21.4%、右打者は25.8%で、左打者には5球に1球程度、右打者には約4球に1球が平均値になります。

このことを踏まえた上で野球を観るのか?知らないまま発言するのか?では、野球の見方が大きく変わると思うのです。

その意味で6ページに掲載されたNPB平均値データは本当に重宝します。

ぜひ皆さんもお気に入り選手のデータを6ページの平均値と見比べてみてくださいね。

え?まだ『プロ野球オール写真選手名鑑2015』、入手していないって?

そんなアナタはぜひこちら↓から入ってAmazonでポチッとしましょう!

テンションMAXの私shibakawaが御案内する読書感想文は下記リンクからどうぞ。




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他社刊をおいてけぼりに独走状態!!
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今年はこの名鑑を入手して楽しもう!!
Slugger特別編集『2015プロ野球オール写真選手名鑑』が凄い!!

読書感想文はコチラをクリック。


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『プロ野球オール写真選手名鑑2015』で確認する、打率.263の楽天・嶋基宏が「球界No.1打者」と断定できる強力理由
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真田幸村の赤備えがクリムゾンレッドにみえるそんな信州人による、東北楽天ゴールデンイーグルス応援ブログ。

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